紅茶さんの映画レビュー・感想・評価

紅茶

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映画(668)
ドラマ(11)

母なる証明(2009年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

スッと溜飲が下がる話でもなく、真相は闇の中なのだが、母親は殺人を犯したのは事実。そんな苦い展開に呆気に取られる母親。それでも終盤のキム・ヘジャによるダンスシーンには解放感があり、忘却の彼方に追いやろう>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

4.2

ヒッチコックの代表作を鑑賞。亡霊に取り憑かれたと言われた女性を追う元刑事スコッティがその女性に惹かれ、愛し合うことになるが…というミステリーの話なのだが、その構成が面白い。主人公は冒頭で同僚を死なせて>>続きを読む

お引越し(1993年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

相米監督の名作をリマスターバージョンで鑑賞。別居夫婦のもとで逞しく生きる12歳の少女レンコを描いた物語。レンコを演じる田畑智子さんは天真爛漫でかつ時折見せる俯瞰した視線を備えた雰囲気を醸し出しており思>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.9

『夏の庭』でおなじみ湯本香樹実さん原作の映画化。妻と幽霊の夫との旅物語。壁いっぱいに飾られたあの綺麗な花の写真の切り抜きが、まるで本物の花のように枯れ、悉く殺風景に変わる一連のシーンは本作の見どころ。>>続きを読む

パンダコパンダ&パンダコパンダ雨ふりサーカス(1973年製作の映画)

3.9

トトロにも言えることなんだけども、自分はサイズ感に強いこだわりがあって、パパンダから見たミミコとミミコから見たパンちゃんの相対的な大きさの違いに愛着がわく。今回はトラちゃんという新キャラも増えたが、そ>>続きを読む

パンダ・コパンダ(1972年製作の映画)

4.1

自分の身体に染み付いたジブリの原体験を改めて感じさせる。パンダが普通に歩いていても誰も気にしない世界線が羨ましく思う。パンちゃんの動きの効果音が可愛く、ミミコと比べた時のサイズ感が良い。

(1974年製作の映画)

4.0

原始的な風景が感じられる。大気、火、水、土の四大元素が象徴的に取り入れられてる。これはタルコフスキーの他作品でも同様の要素ではあるけど、神秘的かつ奥行きのある作品。バラバラな時間軸で構成された記憶と現>>続きを読む

ニンゲン合格(1999年製作の映画)

4.1

家族の崩壊と再生という題材にシリアスに向き合っている一方でコミカルなキャラクターとシュールな撮影・編集が視覚的に面白い。14歳から10年間昏睡状態だった西島秀俊演じる豊はもちろん心が少年のままなんだけ>>続きを読む

アンセイン ~狂気の真実~(2018年製作の映画)

4.1

iPhoneで撮影されたソダーバーグ監督の作品。物語序盤、主人公は精神異常を疑われ強制入院されることになるが、それから彼女を2年ストーキングしているデイヴィッドの存在が明らかになり、物語が進展する。ト>>続きを読む

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

4.0

ニュージャーマンシネマの代表作品を鑑賞。スペイン分遣隊がエルドラド〈黄金郷〉を目指すなかで、欲情によって破滅していく純粋なストーリー展開。クラウス・キンスキー演じるアギーレは何食わぬ顔で佇んでいるけど>>続きを読む

プラネット・テラー in グラインドハウス(2007年製作の映画)

3.7

コテコテのB級ぽさが前面に出ていて、それ以上の良さを追求しない感じが良い。
凝ったキャストであるが、何故かファーギーが出ている。(すぐに死んでしまうけど)

台風クラブ(1985年製作の映画)

4.2

相米慎二監督の作品を初鑑賞。中学生の心は正直読めない、そんな動機から描かれた映画のように見える。台風の一夜を過ごす中学生たちをときに緻密に、ときにカオティックに捉える。この映画には見習うべき大人がいな>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.7

ボニーとクライド、二人だけの犯罪ロードムービーかと思いきやこんな大所帯で犯罪していく展開だとは思わなかった。アンチヒーローなモデルは象徴的だが、メインキャラクターの死は実にアメリカンニューシネマたらし>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.7

テーマが明確化された木下恵介作品。この作品は、戦後における都市と地方の対比なのかと思いきや芸術とは何たるかをストリッパーのカルメンを通じて周りを巻き込んで示していく。そのテーマに対して何か絶対的な解は>>続きを読む

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

3.8

不条理でシュールなストーリーがこれほどコメディ仕立てになるとかなり面白くなるし、早送りが積極的に使われているのもスラップスティック的。『恋人たち』や『死刑台のエレベーター』などのルイ・マル作品にはある>>続きを読む

女は女である(1961年製作の映画)

3.7

音楽の使い方が面白い。基本途切れ途切れに聴かせながらも、シャルル・アズナヴールの曲は全て聴かせる。何か気分を反映しているようで社会性が欠如しているのはヌーヴェルヴァーグの瑕疵とも言えるけど、ゴダールは>>続きを読む

死刑台のエレベーター(1957年製作の映画)

3.8

完全犯罪に着地すると思われたストーリーが瓦解していく様が見られる。エレベーターが落ちていく間、主人公は本来下に動いてくはずなのに止まったままのショットが挿入されるのはいかにもヌーヴェルヴァーグ的。マイ>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.3

アキ・カウリスマキ作品を初鑑賞。噂通り、自分好みの作風でした。作家性の強さが随所に見られる。社会的なテーマを定め、そこにシュールに感じさせる演出力があって、プッと笑いたくなるシーンがいっぱい。あとキャ>>続きを読む

恋人たち(1958年製作の映画)

3.7

不倫を描いた作品。三股(?)をする役を演じるジャンヌ・モローはこのような展開を期待していたのかどうか。ナレーションによって語られる彼女の心情によれば、不倫したことについて不安はあるが後悔していないとの>>続きを読む

イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.7

アメリカンニューシネマはヌーヴェルヴァーグの影響を受けていることが如実にわかる作品。あと長髪に対する周りの嫌悪がすごいこともわかる。この60年代後半の生きづらさは、言うまでもなくベトナム戦争が発端だが>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

4.5

評判通りの素晴らしい作品でした。主人公たちの人間性が試される分岐点となった琵琶湖のシーンでは、クレーンを用いたカメラであらゆる角度から船を追っているのも素晴らしいのですが、湖付近に漂う霧の様子もまた良>>続きを読む

ヒロシマモナムール/二十四時間の情事(1959年製作の映画)

3.7

詩的な映画。アラン・レネ監督の長編デビュー作にしてかなり実験的。フランス人女性と日本人男性の会話や回想によって物語は進むが、その回想は過去のものとして出なく、現在のうちに埋め込まれたものとして捉えてい>>続きを読む

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

4.0

モノクロとカラーの切り替えやマルチショットと必要以上のカットにこだわりが見られる。若いがゆえの無謀さと危うさが三人の男性を通して描かれる。ウォン・カーウァイ作品に出てくる〈部屋〉について考える余地があ>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

4.1

オカルトホラーの古典的作品を早稲田松竹にて鑑賞。公開一年後のシャロンテート事件と重ねてしまうとこの映画の恐ろしさが際立つのは付随的な要素ですが、カルト的な思考が界隈に蔓延っていたのは60年代後半の時代>>続きを読む

ポゼッション(1981年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

早稲田松竹のオカルトホラー特集で鑑賞。高田馬場はあまり好きな街ではないので早稲田松竹に行く機会も少ないのですが、これは観て良かったと思えました。何を隠そう映像の美しさと強烈な音にとにかく圧倒された。>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

4.1

黒沢清監督作品の中でもとりわけ不思議な感触を覚える作品。興味深いモチーフやメタファーの連続で、その寓意性を読み取ること自体が楽しくなる。クラゲを見て感動するオダジョーの幼さ全開のはしゃぎっぷりは見てい>>続きを読む

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

宇多田ヒカルさんがお勧めしていたヨルゴス・ランディモスの作品を鑑賞。外の世界から遮断された者たちの物語で、シュールな演出が目を引く。最後、車のトランクに乗って外界へ逃げ出す娘。家庭のルールを破りながら>>続きを読む

デッドゾーン(1983年製作の映画)

3.9

クローネンバーグ作品は今回が初鑑賞。
5年の昏睡状態を経て未来予知だけでなく未来を変えられる力を得たジョニー。自分の生活が落ちぶれてしまったのにも関わらず、人助けのためにその能力を使う。そのジョニー演
>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.0

動物園から動物を逃す演出はしがらみを抱えた蒼井優演じるサトシに重ね合わせるかのごとく、息苦しさの解放を表しているよう。彼女が周り気にせず愛情表現を体現する姿に主人公が感化されていく様を静かに表現してい>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.4

パンフォーカスで「それ」を映し出す場面は、この作品の恐ろしさに一役買っている。カメラワークも意識的で、「それ」の居場所をこちらも探してしまう。

晩春(1949年製作の映画)

4.4

『東京物語』を先に観てしまったため、三部作の順序を無視しての鑑賞。戦後の小津安二郎を象徴する'家族'を題材にした映画。ローポジの固定カメラで捉えるロングショットを見るだけで曽宮家の日常を外部からソッと>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.9

アメリカンニューシネマの名作を鑑賞。ブッチとサンダンスの強盗2人によるロードムービー。ただこの2人も犯罪のスペシャリストでなく、ブッチは人を撃ったことがなかったり、サンダンスは泳げなかったりして弱みを>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

今年公開の作品の中でもベスト10に入る。
1968年の民主党大会にベトナム戦争の反戦デモを扇動したとしてその時シカゴで先導していたと思われる7人が裁判にかけられる。彼らに加え、4時間程しか滞在していな
>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.4

これは面白すぎる。原爆の作り方を日頃から生徒に教える理科教師がプルトニウムから原子爆弾を作ってしまう。それによって自分が抑止力となり、国を動かすトンデモ映画。発想が頭ひとつ抜けていて、それを大きなスケ>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.2

人間の脆さがこれぞとばかりに炙り出された映画。デマカセで塗り固めた文句で煽る人間は現代社会に五万といて、それが露わになったのがこのコロナ禍。世界に不信感が募る今、見るべき一作。視聴環境が悪かったため、>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

4.3

「生きる」ことは難しい。
ジャングルジム越しのショットから映し出される、「ゴンドラの唄」を歌う志村喬は自分なりの「生きる」を見つけたかのよう。また、本作はお役所仕事を社会批判的に描き、主人公が何もしな
>>続きを読む

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