松村文彦さんの映画レビュー・感想・評価

松村文彦

松村文彦

映画(362)
ドラマ(0)
アニメ(0)

JAZZ GODFATHER(2023年製作の映画)

3.0

2022年にコロナ禍で亡くなったジャズ・ベーシスト鈴木勲のドキュメンタリー映画(89歳没)。私生活の裏側やステージ衣装の奇抜さなどが描かれており、面白かった。一方、ジャス・ミュージシャンとしての半生や>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

役所広司さんの映画を観てきました。セリフがほとんど無い無口なトイレ清掃員の演技に感動しました。観た直後はもう少しアクセントが欲しかったですが、数日すると淡々と流れる日常の表現がこみ上げるように蘇ってき>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.3

映像的に宮崎駿ワールドを堪能できますが、何が言いたいのかメッセージが理解できなかった。

あしたの少女(2022年製作の映画)

3.9

韓国のブラック企業で研修中の女子高校生が謎の死を遂げ、真相に迫る女刑事の物語。実話がベース。2人の女性の演技が素晴らしかった。ラストが切ないですね。

春に散る(2023年製作の映画)

3.6

横浜流星のボクシングシーンはライセンスを取得しただけあって迫力満点。後半ストリーが読めてしまうのがマイナス。でも、共演者はいい味出してました。どうしても、同じボクシング物の「ケイコ 目を澄ませて」と見>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.9

ロードショーで見逃したので、netflixで鑑賞。手放しで面白かったです。アニメの制作現場が良く表現されてますし、対決する両者のアニメ作品のクオリティが高い。吉岡里帆も良かったですが、柄本佑がカッコよ>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.2

原作は知ってましたが、未読で鑑賞。高校卒業後、上京して10代で最高峰のジャズクラブへの出演を目指すテナーサックス奏者宮本大のサクセス・ストーリー。物語は単純ですが、演奏シーンの映像が素晴らしいし、上原>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.0

カンヌ映画祭グランプリということで期待して観ましたが、私には響きませんでした。寝台列車での長旅で、同じコンパートメントで乗り合わせた男性との話。だんだんと打ち解けていく様が微笑ましいが、それ以上にはピ>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.9

非常に中身が濃く、色々と考えさされた映画でした。主役の女性記者二人のビジネスとプライベートの描き方がうまくバランス取れている。性被害で泣き寝入りさせられている女性を何とか救う手立てがないかと、奔走する>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.7

自然や風景描写が素晴らしく、映像が綺麗で最初から映画に引き込まれていきます。孤独に暮らす”湿地の女”が殺人容疑で逮捕され、自ら買って出た弁護士に対して、自分の生い立ちを話し出すところから物語が動き出す>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

この作品を2023年初観賞の映画に選択して良かったです。聴覚障害の主人公ケイコの日常とボクシングジムの閉鎖が同時並行的に淡々と進んでいきます。聴覚障害でプロボクサーになった実在の女性がモデルで、セコン>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

3.8

新春2本目の映画鑑賞。韓国映画は毎年5〜6本見るが、どれもスケールが大きく、描写もしっかりしている。本作はソン・ガンホ主役のウィルス・テロによる航空機パニック映画。最初からハラハラドキドキで、展開のス>>続きを読む

潜水艦クルスクの生存者たち(2018年製作の映画)

3.7

軍事演習中に発生した潜水艦クルスクの爆発事故を扱った実話に則った映画。国家のメンツにこだわる体制側と乗組員の家族との対立がリアルに描かれている。最後にはイギリス艦隊の助けを借りるが、時すでに遅しで生存>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.4

阿部サダヲの真骨頂発揮の作品でした。刑務所での面会を通じて岡田健史をうまくコントロールし、侵食していく様が非常に面白く出来てます。ただ、犯行の動機や背景がはっきりしないので、今一つ腹落ちしない結果とな>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

上映後の初日舞台挨拶中継付きで鑑賞。150分という長さを感じさせない非常に中身の濃い映画でした。それにしてもセリフが少ない中、広瀬すず、松坂桃李、横浜流星の3人の演技が光りました。誰にも知られたくない>>続きを読む

アンビュランス(2022年製作の映画)

3.9

最初から最後まで息つく暇なく展開されていくストーリーが面白かった。IMAXレーザーで鑑賞する値打ちがありました。カメラワークは躍動感があるし、ド派手なカーアクションや銃撃戦は迫力たっぷり。銀行強盗に失>>続きを読む

ヴィム・ヴェンダースプロデュース/ブルーノート・ストーリー(2018年製作の映画)

3.6

断片的には知っていたブルーノート(BN)・レコードの歴史を時系列的に知ることが出来ました。売ることでなく、自分の気に入ったジャズを記録することから始めた創業者であるアルフレッド・ライオンとフランシス・>>続きを読む

コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

3.6

これで3作目。毎回楽しく騙されています。今回も凝ってましたね。それにしても長澤まさみの演技の幅には驚かされる。

オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.4

史実に基づく映画が好きで、その一環で鑑賞。予告編からしてもう少し派手な展開を期待したが、比較的地味な印象でした。織りなす人間関係や登場人物の思惑は上手く描かれている思った。歴史を紐解くと我々の知らない>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

3.8

子育ての家庭環境の重要性と犯罪者の更生の難しさを考えさせられる映画でした。保護司というボランティア活動は大変ですが、異性の対象者を持つところなどはちょっとやりすぎ感がありました。それにしても、人を許す>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.1

不自由な両親・兄と健常者の娘が織りなす家族の愛と強い絆が見事に描かれてました。歌が得意で都会の音楽大学へ行きたいが、家族のことを想い断念する娘の思い悩む姿が悩ましいです。家族のコミュニケーションはすべ>>続きを読む

クレッシェンド 音楽の架け橋(2019年製作の映画)

3.9

音楽の力はやっぱり素晴らしいと思いました。パレスチナとイスラエルの人種問題の解決の一助にすべく、両者から音楽家志向のメンバーを集め、オーケストラを組成。ところが最初から上手く行くはずもなく、取っ組み合>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.1

いやぁ~凄い映画でした。同監督の前作「岬の兄妹」は貧困、自閉症、売春などを赤裸々に描き、衝撃的でした。本作は貧困から這い出すために一攫千金を考える父親と健気に生きる娘を軸に話は進みます。父親が失踪し、>>続きを読む

スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.6

娘の冤罪を信じて異国で奔走する父親を描いた作品です。言葉の壁があり、空回りばかりで上手く調査が進みません。そのため、異国で住むことを決意し、娘の開放を勝ち得ますが、最後に明かされる「スティルウォーター>>続きを読む

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.8

墜落した飛行機のボイスレコーダーに関わる謎解きが極上のミステリー仕立てで展開され、大変面白かった。主人公の苦悩の描き方、上司・同僚とのやり取り、奥様との駆け引きなど見どころも多かった。年始よりお勧めの>>続きを読む

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.0

前作同様、ミステリー的な要素はほどほどで、登場人物によるミスリードとキムタクと長澤まさみの掛け合いを楽しむ映画ですね。
前作はキムタクが長澤まさみに影響されて、ホテルマンへ歩み寄りますが、本作は逆で長
>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.1

居心地の悪そうな映画だったので敬遠してましたが、口コミではべた褒めが多いので鑑賞。ずっしり手ごたえのある凄い映画でした。地で行ってるようなモンスターな父親役の古田新太、追い詰められ、疲れ果てる店長松坂>>続きを読む

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

3.6

ドキュメンタリー映画ですが、説明が入るのは冒頭のみで、ナレーションなしで事実だけを積み重ねていく構成は見事でした。
前半はスポーツ紙のトロンタン記者が、後半は新任の保健省の大臣を中心に、ルーマニアの製
>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.8

重いテーマですが非常に考えさせられ、心に刺さる良い映画でした。震災で変わってしまった現実を貧困や生活保護などの社会問題を通して、見事に描かれていたと思う。ミステリー仕立てですが、避難所で芽生えた絆を軸>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

久しぶりの映画鑑賞に選んだのはこの作品。皆さんの投稿にあるようにあっという間の3時間でした。村上春樹の短編小説をどのように料理すれば3時間の長尺になるのか。非常にシンプルに虚飾を排した映像が見事でした>>続きを読む

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.7

なかなか良く出来たミステリー仕立ての作品でした。最初は登場人物の生活ぶりを並行して描いていきます。この辺りの伏線では、名前と顔が覚えきれず、シニアには少々辛い。その後、大金を軸に繋がって行き、ピースが>>続きを読む

天外者(2020年製作の映画)

3.9

いやぁ、素晴らしい映画に出会えました。
五代友厚の活躍ぶりでなく、将来を見据えて生きる姿勢や挫けない信念を中心に描かれています。
薩摩出身では西郷さんや大久保さんがクローズアップされますが、大阪の経済
>>続きを読む

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)

3.7

やっぱり実話をベースにした映画は迫力、説得力、見ごたえがありますね。ドイツ兵トラウトマンがイギリス捕虜となり、その後マンチェスター・シティFCのキーパーとして活躍するストーリー。旦那の活躍の陰には奥さ>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

色々と考えさせられる映画でした。役所広司はやっぱり達者でしたし、仲野太賀の熱演が光りました。大きな盛り上がりはありませんが、役所を支える周りの人々の素晴らしさ、犯罪者を受け入れて貰えない現実、支えられ>>続きを読む

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.9

韓国の近代歴史映画はいずれも見ごたえがあるし、こんな事件が隣国で起こっていたことに驚かされる。「国家が破産する日」「工作 黒金星と呼ばれた男」「タクシー運転手」「1987、ある闘いの真実」と並び、遜色>>続きを読む

ひとくず(2019年製作の映画)

4.1

児童虐待という重いテーマを見事に描いた快作でした。過去に虐待を受け犯罪者となった主人公が空き巣に入った先で、自分と同じ境遇のDVの女の子と出会う。思いもつかないエピローグから始まり、過去を振り返り、立>>続きを読む

>|