たくさんの映画レビュー・感想・評価

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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8

さすがA24だけあって癖のある奇妙な作品で、ジワジワ迫ってくる恐怖の描き方が自分の好みだった。過去の出来事に苛まれる女性の葛藤を寓話的に描いてて、風景映像が大変美しく、音楽の使い方も良かった。後半のグ>>続きを読む

この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.6

ありえない話なんだけど、カラクリが斬新で引き込まれた。狂った家族愛を描いてて、終盤までジャンルがはっきり分からない居心地の悪さがあり、それが不気味な緊張感を醸し出しててなかなか良かった。ラストがちょっ>>続きを読む

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)

3.8

孤独な借金取りがある出会いを通じて喪失を抱えた己の心に向き合うベトナム映画で、全体的にゆったりした映像とBGMで情緒に溢れてた。

借金取りのユンが厳しい取り立てを行う中で劇団員のリン・フンと偶然出会
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その瞳に映るのは(2021年製作の映画)

3.7

第二次大戦中、ドイツに占領されてたデンマークで誤爆された小学校の悲劇を描いてて、一般市民と戦争遂行側それぞれの視点から戦争の虚しさを浮き彫りにしてた。中盤まで普通の人間ドラマで、そこから爆撃作戦に入っ>>続きを読む

ジュリアン(2017年製作の映画)

3.7

離婚調停中の夫が妻と息子に執着していく恐怖を描いてて、このがたいの良い夫がいかにも何かしでかしそうな危ない空気を醸し出してるのが上手い。彼を演じたドゥニ・メノーシェの演技力が本作の見どころの大半を占め>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

3.8

いやー怖かった。中絶が違法だった頃のフランスで妊娠した女学生の苦悩を描いてて、終盤で思わず目を背けたくなるシーンがある。女性に中絶の権利が無いことが、いかに女性に負担を強いるかということを突きつけてく>>続きを読む

月の満ち欠け(2022年製作の映画)

3.3

思わず「そんなわけあるかい!」って声が出そうになった。泣ける映画として作ってるのは分かるんだけど、何より筋書きが強引だし、見方によってはホラーにも思えるという奇妙な作品。

事故で最愛の妻と娘を亡くし
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.7

見事に訳がわからなかったんだけど、狂った世界観に圧倒された。本作はフィル・ティペットのライフワークで、彼はなんたってスターウォーズのストップモーション撮影だよね。この世界観がちょっと「JUNK HEA>>続きを読む

ローズメイカー 奇跡のバラ(2020年製作の映画)

3.6

経営危機を迎えた薔薇園の経営者と、そこに派遣された新人達との交流を描いてて、社会不適合者がその才能を見出されて成長する物語にジーンと来た。

経営難で倒産の危機を迎えている薔薇園の経営者であるエヴの元
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僕のミッシー(2020年製作の映画)

3.6

平凡なサラリーマンが破天荒な女性と出会って変わっていく話で、ミッシーのブッ飛んだキャラに最初引き気味だったけど、結局はお似合いのカップルで途中からニヤニヤしっぱなしだった。

ティムが空港で偶然出会っ
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檻の中(2022年製作の映画)

3.4

チョークで引いた白線の内側にしかいられない少女をめぐるサスペンスで、緊張感ある見せ方は上手かったものの、後半の展開が正直良く分からなかった。エレナ・アヤナは「私が、生きる肌」の彫刻のような美しさが印象>>続きを読む

聖なる証(2022年製作の映画)

3.7

19世紀のアイルランドを舞台に長期間何も食べずに生きてる少女が聖なる証として扱われる話で、行き過ぎた信仰心の怖さがあった。フローレンス・ピューの芯の通った役が良かったね。

冒頭でいきなり現代のスタジ
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.9

国王テイ・チャラを失ったワカンダ王国と海中の帝国タロカンとの戦いを描く続編。前作でその世界観にあまり入れなかったんだけど、本作はCGの派手さだけに頼るのではなく、個人的な復讐心と国家間の和平の間に立た>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.7

ある事件の容疑者となった女性の裁判劇と彼女の過去の回想が並行して描かれるミステリーで、異質な存在を排除しようとする世間の醜さと、世間に嫌われながらも独り逞しく生き抜く人間の強さが対比されてた。恋愛モノ>>続きを読む

情熱のピアニズム(2011年製作の映画)

3.6

身体に障がいを抱えたフランスのピアニストのミシェル・ペトルチアーニの生きざまを描くドキュメンタリー。短い人生の限られた時間を命を燃やし尽くすようにピアノに捧げた彼の姿が克明に刻まれてて、同時に人に対し>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.8

偽りの戸籍を持つ男の本当の過去を探るミステリーで、自分に責任のない出自を背負っていかなければならないという人生におけるくびきを描いてて観応えあった。

冒頭のあり得ない鏡像の絵画が「過去の自分に背を向
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母性(2022年製作の映画)

3.7

母と娘の愛憎劇を通して母性の本質に迫る話で、母と娘それぞれで事実の捉え方が違うという羅生門スタイルが人の思いの通じにくさを上手く表現してた。スクリーンで久々に見る戸田恵梨香が複雑な思いを抱える役を見事>>続きを読む

これからの人生(2020年製作の映画)

3.6

ホロコーストを生き延びたユダヤ人女性と孤独な少年との心の交流を描いてて、二人がひっそり肩をひそめるように身を寄せ合う姿にジーンと来た。「ソフィア・ローレンだったなら」でソフィア・ローレンの息子が本作の>>続きを読む

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

3.8

監督のアニエス・ヴァルダ自身が住んでいたパリのダゲール街の住民の生活を切り取ったドキュメンタリー。

冒頭でマジシャンが登場し、あたかも彼のショーの一部として街の様子を披露していくような構成になってる
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

天才シェフが提供する究極のコース料理を通して芸術家の創作に伴う狂気を描くホラーな密室劇で、全く予約の取れない高級店が本当に美味しいのかどうか、素人目からしたら大したことないんじゃないかっていう図式を寓>>続きを読む

ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.8

イギリスの家政婦がクリスチャン・ディオールの服に憧れてパリに行く話で、とにかく登場人物がみんないい人なのが何だかお伽話のようだった。家政婦と上流階級の身分差の話でもあって、人生どんな時にも人としての尊>>続きを読む

恋や恋なすな恋(1962年製作の映画)

3.8

平安時代の混乱した国内情勢を背景に繰り広げられる大恋愛絵巻で、いきなり悲劇に始まり、ファンタジー要素を盛り込みつつ展開する大胆な筋書きと奇抜な演出に引き込まれた。題名が意味不明で調べたら、日本の古典芸>>続きを読む

宮松と山下(2022年製作の映画)

3.8

世間に埋没して死んだように生きてる男のある過去が明らかになる話で、最近いろいろあった香川照之だけど、やっぱり彼の新作となったら観ないわけに行かない。最近の「半澤直樹」のような大仰な演技ではなく、全体的>>続きを読む

曳き船(1941年製作の映画)

3.6

曳き船の船長が救助した船に乗ってた女性と運命的な恋に落ちるメロドラマで、若きジャン・ギャバンにまだ全盛期の渋さはないものの、二人の女性の間を揺れる色男っぷりは健在だった。海上での救助シーンの迫力もすご>>続きを読む

トラベラー(1974年製作の映画)

3.6

アッバス・キアロスタミ監督の長編第1作目。主人公の少年の大胆不敵さが観ててイライラするんだけど、子どもの頃、夢中になったものに後先顧みずひたすら突っ走るってことあったよね。子どもがある目的に向かって一>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

3.8

いわゆる「紀子三部作」のうち本作だけ観てなくて、人から勧められてようやく鑑賞。父親が娘を嫁がせる小津監督の定型パターンの1作目となる作品で、娘のファザコンっぷりと父親の落胆がけっこうストレートに描かれ>>続きを読む

パーフェクトマン 完全犯罪(2015年製作の映画)

3.6

芽の出ない小説家志望の男が他人の手記を盗用して人気作家となる話で、なかなか面白かった。邦題に「完全犯罪」って付いてて、計画性の無い行き当たりばったりの展開にどこが完全犯罪なんだって思いながら観てたんだ>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.5

アニエス・ヴァルダ監督の長編デビュー作で、ヌーベルバーグの先駆的作品。倦怠期を迎えた夫婦のヴァカンスと、その漁村の住民たちの生活が交差する話。どうも掴みどころのない作品なんだけど、極めてプライベートな>>続きを読む

建築学概論(2012年製作の映画)

3.5

初恋相手との関係の再構築を家のリフォームに象徴させるのが上手かったいっぽうで、恋愛モノとして痒いところに今ひとつ手が届かない感じで、結果的にホロ苦い大人の物語になってた。オム・テウンは昔にハマった韓国>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

すごく良かった!新海誠らしい青春ボーイミーツガールの話に震災の話を絶妙に絡めるところとか、日本の民間伝承を題材にしてるのが「君の名は。」に共通する感じで、新海誠のエンタメ路線としては過去作で一番バラン>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

3.5

運命的な男女の出会いに水の精霊の話を重ねてて、いろいろと不思議な展開は古くから語り継がれてるウンディーネの物語の基本を知らないと分からないね。

ウンディーネが恋人ヨハネスと気まずく対面してるシーンに
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ザ・コール(2020年製作の映画)

3.8

会社のシネマ部員のおススメで鑑賞。現在と過去が影響し合う「オーロラの彼方に」みたいな話のホラーサスペンス版とも言える感じで、めちゃくちゃ怖かった。

序盤でソヨンが無人の実家を訪れて、古いコードレス電
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裏街(1941年製作の映画)

3.7

気高い高嶺の花だった女性が日陰の女になり果てるという運命の皮肉を描いてて、シャルル・ボワイエが相変わらずの色男っぷりを発揮してた。BGMが過剰なほどにメロドラマの雰囲気を高めるわりには甘いムードはなく>>続きを読む

エール!(2014年製作の映画)

3.8

「コーダ あいのうた」のオリジナル版をようやく鑑賞。聴覚障害者の家族で唯一の健聴者の娘が自分の夢と家業との間で葛藤するプロットは同じで、漁業じゃなくて畜産業なのと、父親が市長選に立候補する部分が違って>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

3.8

互いに秘めた感情を抱える3組の男女の群像劇で、今泉作品の会話の自然さにはいつもながら恐れ入る。この会話の長回し中心の作りに、映画というよりは良質な舞台劇を観せられたような印象を持った。

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さすらい(1957年製作の映画)

4.5

ミケランジェロ・アントニオーニ監督で「欲望」と並んで好きな作品。この後に作られた「愛の不毛三部作」と呼ばれる作品群の前哨的な位置づけに思えるけど、早くもその本質を凝縮した描き方が圧巻。名優アリダ・ヴァ>>続きを読む

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