ゴスペルの歌声が響くネオ・バロックの空間に大きな風船やカラーボールが飛び交い、オーケストラピットは忽ちボールプールに変貌する。厳格なルールに基いて訓練されたダンサーの身体がガルニエの舞台でここまで自由>>続きを読む
地下に身を寄せる人々の幸福は欺瞞によって支えられたものであったとしてもそれを偽物と決めつけることはできない。何が欺瞞を生んだのか、この種の欺瞞は今の世の中の凡ゆる場所にも存在し続けているのではないか。>>続きを読む
細かいカット割から、老人たちの妙な緊張関係が見える。老いの形は人それぞれ、老いた人間にしか分からない境地があるなと思った。
マジックリアリズムとはこういうことかという感じ。奇妙な夢を見ている気分になる映像に、ヨーロッパ社会の実像が映し出される。映像に引き込まれているうちに思いもしなかった展開に連れて行かれていた。ペルハンの>>続きを読む
体温を感じる脚本。荷物を抱えて深夜の神戸を歩く2人のその足取りから伝わってくる。
嘘付きも正直者も全員優しい。他人のための嘘って実のところは大抵自分のためなんだな、としみじみ。様々に交差したりすれ違ったりする視線に慰められた。