ハワード・ホークス×レイモンド・チャンドラー。察しの良い人は、僕がこれから何を見ようとしているのか、これは何のための事前の「あいさつ回り」なのか、これだけでもうお分かりでしょう。とは言え、もちろん、こ>>続きを読む
タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』があまりにも面白かったので、70年代のブラックスプロイテーション映画を見てみるプロジェクト、その3(ひとまず、第一陣はここまでです)。
ヘーイ、メーン。これは>>続きを読む
タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』があまりにも面白かったので、70年代のブラックスプロイテーション映画を見てみるプロジェクト、その2。
これは、カーティス・メイフィールドのサントラであまりにも>>続きを読む
タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』があまりにも面白かったので、70年代のブラックスプロイテーション映画を見てみるプロジェクト、その1。
見終わって、「こ、これは・・・・レイモンド・チャンドラー>>続きを読む
不完全で不平等なこの出来損ないの世界で、自分なりの規範を持って他者を包摂すること。その振る舞いこそが「父」と定義されるかに見えるこの映画で、実際、二人の「父」たちはそれぞれの規範に従って行動し、周囲の>>続きを読む
脚本、タランティーノ。と、いうわけで、さすがに面白い。寄り道・回り道を楽しむ会話、気の利いたセリフ、オタク趣味的な小ネタ、偽史の介入、小気味よいバイオレンス。タランティーノが監督まで務めていれば、いっ>>続きを読む
イエジー・スコリモフスキについては何も知らない。僕がこの監督について知っているのは、一人の男の、断じて生半可ではない、しかし一筆書きのように滑らかに用意された逃走線を、「それを追う者」と「それを迎える>>続きを読む
ジム・ジャームッシュも、僕にとっては「それほど打ちのめされたわけでもないのに、ついつい手が伸びてしまう作家」だ。記憶がたしかであれば、これが初めて見た作品である。なんとなく、無性に見直したくなったので>>続きを読む
引き続き、クローネンバーグ。これで5作目の鑑賞です。これは単純に面白かった。映画が「単純にまあまあ面白い」って、けっこう幸せなことかもね。なんてね。
しかし。「交通事故をきっかけに未来予知能力を開眼>>続きを読む
初めて見た作品がどれほどの傑作・力作・充実作であっても、不思議と「他もすぐに見てみよう!」とならない作家がいる。僕にとってはそれが(まことに僭越ながら)スコセッシであり、フィンチャーだったりする。逆に>>続きを読む
「文化・芸術がいったい何の役に立つのか?」という、あまり答える必要のない問いがあるけれども、しかし、出会うタイミングによっては、そのような問いがジリジリと人を苦しめるかもしれない。
本作が実話ベース>>続きを読む
ジョン・カサヴェテス監督作、これで7作目の鑑賞です。ベルリンで最高賞、『ロッテン・トマト』で新鮮度100%、批評誌『カイエ・デュ・シネマ』の年間ベストで5位などなど、キャリア後期の最高傑作としてあまり>>続きを読む
リチャード・リンクレイター監督作、これで7作目の鑑賞です。ファンからの人気は低いですが、2010年代のベスト映画リストに名を連ねることもあったりと、本国の批評家受けは悪くないようです。実際、言われるほ>>続きを読む
この映画を最初に薦めてくれたのは、大学時代のバイト先であるTSUTAYAにいたサブカル兄さんでした。今ならあの人の気持ちもちょっとは分かるんですが、やっぱり、学生が背伸びしているのが嫌いだったんでしょ>>続きを読む
どうにも評価が低いので、タランティーノ作品で唯一見てなかった作品、尺も長いのでビビッていたのですが・・・めっちゃおもろいやんけ! おそらく、彼のフィルモグラフィーではもっとも「普通の」映画。しかし、こ>>続きを読む
ジャ・ジャンクー監督、5作目の鑑賞。これで、DVD化されている『青の稲妻』以降の作品はすべて見たことになります。その中の相対評価ということで言えば、間違いなくこの『罪の手ざわり』が最高傑作ということに>>続きを読む
女が男を撃ち殺し、女が男を置き去りにする二編から成る、90年代の必修科目的なガールズ・ムービー。ポップな配色といい、後編に登場する部屋のインテリアといい、すごくお洒落な映画やなあ、と思いました。
細>>続きを読む
これもまた、フィクションと現実の狭間で映画の定義を問うような意欲作だ。もっとも、(ウィキペディアによると、笑)00年代後半以降のジャ・ジャンクーはドキュメンタリー映画を定期的に撮るようになっているらし>>続きを読む
『ビフォア』シリーズを崇拝しているので、このスコアは本望ではありません。が、『ビフォア』シリーズを崇拝しているからこそ、「そんなに面白くなかった」とあまりにも素朴につぶやこうとしている自分を止められな>>続きを読む
映画評論家をやっている友人にどれほど厳しく叱責されようとも、イーストウッドの映画はなるべく見ないようにしている。レンタル屋の店内で、どれほど「あと1本が決まらない」なんてことになっても。
何かが嫌い>>続きを読む
ヴェネチアで最高賞を勝ち取った『悲情城市』(89年)で知られるホウ・シャオシェン監督。最近レンタル化された『恋恋風塵』なども有名ですが、個人的にはこれが初見となります。フランシス・フォード・コッポラの>>続きを読む
面白かった。同じく90年代の映画で法外な高評価を受ける『アウト・オブ・サイト』あたりよりは素直に楽しめました。
主人公は、引退を夢見る「元伝説」のギャング。30年喰らったところを、友人である外道弁護>>続きを読む
オーケー、認めよう。90年代の映画の中でも特にお気に入りのひとつ、P・T・アンダーソンの『ブギーナイツ』は大筋でこの『グッドフェローズ』を下敷きにしているし、近年の映画の中では何も考えずにただただ「面>>続きを読む
大学の研究室に、飛び級進学して、他人よりも早く進めてしまった時間をあえて海外留学に使って、帰国後は普通に修士号を取って、世界中でその名を知らない人はいないメーカーに研究職として就職した女の子がいたんで>>続きを読む
「ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ」ならぬ、「ワン・ワールド・アンダー・ア・グルーヴ」的な、いわばペンギン・ファンク(=P・ファンク!??)の思想を突き詰めた『ハッピーフィート』の続編です(エ>>続きを読む
『ベイブ』シリーズがレンタル中だったので、代わりにこちらを。マジレスすると、騒ぐほど面白くは・・・ない、と思いました。
しかしこの、部族の異端児(それは先天的な障害、といったニュアンスで描写されてい>>続きを読む
90年代に「アンダーソン三人衆」と称され、その将来を期待されていた監督のうち、例えば「ウェス」の方のアンダーソンが直近作で5,000~12,000くらいのマーク数を誇っているのを見ると、「カエルの映画>>続きを読む
いやー、もう、なんていうか、最後にピクシーズが流れることが一番の「オチ」というか。ああ、そういうことですかと。90年代的な、あまりに90年代的な映画。宮台的な、あまりに宮台的な映画。ええい、面倒くさい>>続きを読む
『母なる証明』に引き続き、「母ちゃん映画」をもう一本。ベルリンの最高賞を受賞した、いわゆる「ルーマニア・ニューウェーブ」の話題作です。
さて。「ヨーロッパ的」だの「映画祭的」といった形容句を使えるほ>>続きを読む
さすがに面白い。よくできていると思います。しかし、韓国映画(と、一括りにしていいものかは分かりませんが)の持つある種の「過剰さ」、これをどうしたものかと考えなくてはいけないなあ、と。「考えるな、感じる>>続きを読む
いやー、素晴らしい。『サウダーヂ』が好きな人は、騙されたと思って見てみた方がいいと思います、ジャ・ジャンクー作品。邪推ですが、『バンコクナイツ』の方向性にもまったく影響がないわけではないはず。多分。>>続きを読む
デヴィッド・クローネンバーグ、鑑賞3作目。
悔しいけど(何がだ、というツッコミはさて置き)、やはりこの監督、センスの塊であることは間違いない。今作で言えば、あのボートだろうか。初めて画面に写るときの>>続きを読む
世の中のより良い統治の方法を考えたり、その主義の違いで対立したり、しかもそれを密室・少人数で議論して終わりという、自分が世界警察だった頃の全能感を忘れられない、いわば「アメリカ的な自意識」のようなもの>>続きを読む
フェリーニの『青春群像』や、ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』に対する現代中国からの回答、といったところだろうか。しかも、その両者を「まあ、単なるセンチメンタリズムだよね」という暴言>>続きを読む
ヴェネチアで金獅子賞、批評誌『カイエ・デュ・シネマ』の年間ベストで2位。その評価に恥じない、「俗」と「アート」が共存する秀作。
話はシンプルながらも社会派寄りか。長江の下流域での洪水を防ぐという名目>>続きを読む
人は、それが「法律や道徳に反しているから」といって、アウトロー文化を批判するのではない。同様に、それが「法律や道徳に反しているから」といって、アウトロー文化に憧れるのでもない。それが、「政治家や官僚の>>続きを読む