今年もあと2日、子育てと仕事の日々から離れて鑑賞。トイレの清掃員・平山の日常が淡々と描かれる中で、すばらしい選曲のカセットと読書、銭湯、疲れを癒す一杯に心地よく身を委ねていた。そんな孤独でストイックな>>続きを読む
観てから日数が経っても、ラストシーンが思い浮かぶと心にさざ波が立つ。
あの母親も、教師も、子どもたちを取り巻く周辺が重ねる日常がもたらす結果を思うと歯痒くて仕方がない。
私たちは毎日どこかで小さくかけ>>続きを読む
荻上監督、かもめ食堂と異なる世界で魅せてくれた。ざわざわする居心地の悪さと悪意。うわべだけの善意の波紋は世界を変えない、本音がもたらすそれこそが最後のカタルシスを呼んだのだ。筒井さんのフラメンコのシー>>続きを読む
宗教に傾く家庭の苦悩、とタイムリーな話題と重なったので鑑賞した。両親が信じることが、姉の不在や周囲から奇異の目で見られることの原因であることに気づき、向き合う苦しみを真摯に芦田愛菜さんが好演している。>>続きを読む
私の映画の原体験のひとつだったトップガンが帰って来た!オープニングから胸熱でちょっと泣きそうになりながら鑑賞した。歳を重ねてもなお褪せないトムクルーズ!パワーアップしたスカイアクションに手に汗握り、時>>続きを読む
子どもと一緒に鑑賞。イラストで慣れ親しんだプーさんの物語にはじめて触れ、その愛らしい世界にしびれた。
クリストファー・ロビンが何にもしないことが1番幸せ、と語るラストは何て示唆に富んでいるのだろう。そ>>続きを読む
車中生活をしながら短期の仕事を転々とする高齢女性、と聞くと響きは重い。
そんな主人公もフランシス・マクドーマンドが演じると暗くなりすぎなくて良い。ノマドの生き方の豊かさと厳しさが、アメリカの自然を背景>>続きを読む
青い箱のマッチから詩がはじまる。こんなに飾らなく、日常的な言葉から詩が生まれるのだなぁ。
アダム・ドライバーの声が心地よく、穏やかに心に沁みわたる。同じ景色からはじまる1週間、そんな中にも小さな起伏が>>続きを読む
大好きなノア・バームバックの新作。
演出家と役者の夫婦の、互いを思いながらも離婚に向かうことで炙り出される感情がとても繊細に、丁寧に描かれている。
妻側の目線ではじめは観ていたけれど、最終的には夫側の>>続きを読む
以前好きだった映画を、思いがけず再見。
あらためてみると、両親の離婚に直面し、子どもたちが擦り減っていく描写がとてもリアルな作品だ。
特に長男のウォルトが父親から強い影響を受けており、スノッブ気取りだ>>続きを読む
デビッドボウイの曲が流れるトンネルのシーンが印象的。青春時代に感じたひと時の全能感や、ひたむきさが迫ってきて切なくなる。
アメリカの高校で自分はサバイバルできないよな〜と青春映画を見る度に思う。根深い>>続きを読む
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ…
悪魔のような、聖人のような、浅野忠信演じる元受刑者が平穏な家庭に波乱をもたらす。
会話のない食卓、オルガン、プロテスタントの祈り、赤いドレスと赤い>>続きを読む
もうすぐ子を育てる身として、観てよかったと感じた。
俗世を厭い、強い肉体と思考力を培う生活は正直すごく、ある種の正解を導いてるように個人的には感じたけど…家族にとって良かれと思い築いた環境も、皆にとっ>>続きを読む
この映画について、友人が書いたレビューが面白かったので、さっそくレンタルしてみた。
スリービルボードは3つの看板と、それに関わる3人の登場人物を主軸にしたドラマである。
娘を惨殺された母・余命わずかな>>続きを読む
映画を観ながら、どら焼き屋さんの店長と一緒になって、丁寧に、美味しいあんをこさえる徳江さんに心をほぐされていった。
小豆の声を聞いて、風や木々の変化を全身で受け止める。一見閉ざされたような場所にいても>>続きを読む
AIの感情表現と洞察力がここまでくると、リアルに恋に落ちてしまいそうだと思えた(スカーレット・ヨハンソンの声も素敵)
ただ、本当に求めているのは心の裡を上手く伝えられない誰かだったりする。
そんな誰か>>続きを読む
一見B級映画のようなこのSF映画は、アパルトヘイトで行われたことを示唆した内容になっていて興味深かった。
グロテスクな外見のエビ達に勝る、グロテスクな人間たち。その境界線に立たされた主人公が奔走する姿>>続きを読む
マーベル系かぁ、とあまり食指が動かなかったけれども案外楽しめた。
とことん下品でグロテスクな描写も多く、大人向けのエンタメ映画。ライアンレイノルズ自身の自虐もあり、ジョークもクスっと笑えた。
懐かしさでいっぱいになりながら鑑賞。はじめは20年経ったんか、そうだよな…と思える皆の見た目の老化にやられ、さらにその成長してない内面にやられた。
泥臭いドラマに時折、スタイリッシュな前作の映像が入>>続きを読む
ポール・ベタニーの冷血そうな出で立ちには、狂気がぴったり似合う。時計じかけのオレンジの主人公を彷彿とさせるなぁと思っていたら、彼の老後を演じていたのはかのマルコム・マクダウェルだった。
スタイリッシュ>>続きを読む
時代に翻弄された溥儀の生涯が、あまりに数奇で興味深かった。壮大なスケールと映像美、また音楽が時代と彼の悲哀をうまく表現していてしっくりとしていた。
3歳の無邪気な溥儀が、ベールを越えて自らにひれ伏す>>続きを読む
特に熱心に観はじめた訳ではなかったけれど、徐々に引き込まれて最後には清々しい気持ちになった。
数年に渡る2人の軌跡を、ある1日にフォーカスすることで描くコンセプトも面白い。もっさりしたアン・ハサウェイ>>続きを読む
セリフを聞き取るのに苦労した、ビートたけしの話し方はこの頃から聞き取りづらかったのか…
しかし最後のたけし、頭に焼き付いて離れない強烈な印象を残した。特別な悪でもなく、己が道が正しいと信じていただけ。>>続きを読む
温かい手作りのごはん、それを作ってくれるリンコさんは本物の家族よりもあたたかい。リンコさんと生活することで、トモの中に芽生える思いやる心があたたかい。
人という不完全な生き物の心を、こうしたあたたかさ>>続きを読む
ずっと気になっていた作品、やっと鑑賞。
願わくば、映画館で観たかった…想像以上に美しかった。
海に生きるジャックとエンゾの友情。地上でジョアンナとの愛が芽生えるも、海の呼ぶ声を断ち切れないジャックの姿>>続きを読む
二回目の鑑賞で、やっと物語の繋がりが自分なりに理解できた。
ハリウッドの光と影、ベティとダイアンを演じ分けたナオミ・ワッツの演技が素晴らしい。
観るたびに新たな発見があり、新たな刺激を与えてくれる作品>>続きを読む
少し歳をとった両親と一緒に観に行った。十三の映画館は満席で、みんな温かい気持ちになって映画館を出た。
ゆっくり、コツコツ…笑顔の素敵な津端ご夫妻の穏やかで、豊かな日常。歳をとるごとに美しくなる人生を、>>続きを読む
片田舎の善良な父親が、わが子が誘拐されることで一線を越えてしまう。不気味な事件の糸口を辿りながら、観る者もジェイク・ギレンホール演じる刑事とともに冷静さを失っていく。
自分の家族の身に同じ不幸が降りか>>続きを読む
祈る人々を前に、神はどうして沈黙するのだろう。どうしてこのような試練を、この素朴で貧しい人々に与えるのだろう。
キリストの教えに無知で、理解が浅い部分も多かったと思う。それでも感じることができたのは、>>続きを読む
自分の趣味嗜好を熟知した検索エンジン、もう他人事ではないような未来の恐怖を描いた作品。
アリシア・ヴィキャンデルが演じるアンドロイドが可愛くて、リアルに惹かれてしまう気持ちも分かる。
最近、人の死を目の当たりにすることが多かった。突然の別れに、遺されたひとの思いはどんなものかと考えさせられる中でタイムリーな一本だった。
はじめは嫌な男の集大成のようだった幸夫が、妻とともに亡くなっ>>続きを読む
ひたすら心がざわつき、ヒリヒリとする緊張感が疲れる映画だった。
突然生じる支配・依存関係にズブズブに浸る主人公。死んだ恋人の暴力的な兄とその母親。田舎の農場にはやるせない風情と謎が渦巻き、彼らの動き一>>続きを読む