純さんの映画レビュー・感想・評価

純

1995

映画(484)
ドラマ(0)

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.7

深い孤独が叫ぶ"we"という愛がこだまして、時に切なさをも突き抜けていく。ひとつになるときの高揚って、気持ちいいだろうなあ。どれだけ空が高く見えるだろう。どんな景色が広がっているだろう。なりたい自分を>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

5.0

足跡を残せない命が影でしかないなら、残像になることも叶わないなら、大切なひとたちみんな、地平線の向こうになんか行かせやしない。孤独な海がわたしたちを離さないから、息を止めることを選ぶひとがいる。元気で>>続きを読む

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

3.6

この世界が透明をうつくしいと歌うなら、わたしはきみに一番汚れた存在でいてほしい。透きとおりそうなさらさらの肌なのに、どこにいても目立ってしまうような、騒がしい色をしていてくれたら。どんなに目を凝らして>>続きを読む

あと1センチの恋(2014年製作の映画)

3.5

すれ違えるのも幸せのうちなのかもしれないと、物分かりのいい振りはもうやめた。誰のために用意したドレスなのか、誰のために手に入れたボストン行きだったのか、本当は誰よりも知っていたふたり。友情でしか守れな>>続きを読む

こねこ(1996年製作の映画)

5.0

懐かしい温度が、今夜は宴だと気づかせる。わたしもこんな夜を、あなたもこんな光を、遠いどこかで抱きしめたことがありました。優しさや幸せがあたたかさとやわらかさでできていることを、大切な夜に、ささやかな再>>続きを読む

大人のためのグリム童話 手を失くした少女(2016年製作の映画)

3.7

大人になると、聖なるものが怖くなります。うつくしい景色が霞んでいる世界に、涙を流しているのは何人ですか。不幸や意地悪はわたしたちのすぐそばにあるのに、飲み込まれないでいるうつくしさは、どうして偽物や嘘>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

あんな思い切りの良さを、ひとはどこに隠し持っているんだろう。迷いや葛藤をすべて飛び越えて、その一瞬の直感で駆け抜ける朝子のロングヘアが揺れている。曖昧さはどこですか。掟や倫理の枠組みでつくられた「正し>>続きを読む

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

5.0

優しくされると泣いてしまうほど、やわらかい夏の日差しがあった。永遠色をしているその季節が、ほんとうは一瞬でその姿を消してしまうこと。まるで命のようだった。切ない光にきらきらと包まれて、嘘みたいに踊り続>>続きを読む

わたしたち(2016年製作の映画)

4.5

小さいころ、孤独とは「残りものにされること」でした。繊細だから誰にも選ばれないくらいで泣くんだねなんて言わないで。そんな顔、あなたには似合わないと知ってほしいからきれいな鏡を贈ります。聖母のほほえみも>>続きを読む

海洋天堂(2010年製作の映画)

5.0

海は、大事なひとに「寂しい」と「幸せです」をきちんと伝えるための場所なんだと思う。波と一緒に押し寄せるのは、過去を鳴らす貝殻だけではありません。私たちをすべて飲みこんでしまう海があっても、きっと残るだ>>続きを読む

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.5

誰も読まないのに書かれる手紙や、もう生きていないのにそばに感じる誰かは嘘じゃない。幻じゃないよ。本当だとか偽物だとか、普通だとか普通じゃないだとか、真実は案外いいかげんなのかもしれなかった。もっともっ>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

5.0

会ったばかりだから、もう会うこともないだろうから、生まれる会話は永遠だ。関係性に名前をつける必要がないというそのことが、わずかな振動に心地よさを添える。ささやかな時間がこんなにも愛おしいこと、日常がこ>>続きを読む

映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.7

もう一度だけと震える心と、ごめんなさいとうずくまる身体を限界まで押し上げて、彼女たちはこんなにも明るい場所に出た。あの過去がどんなに怖くても、今は眩しく光っている。青春の隣で振り下ろされる鎌なんて、一>>続きを読む

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.8

女の子は美しいおばかさんが一番だと、かつてある小説のヒロインは言った。でも、おばかさんにあの振り切れた美しさは似合わない。今夜、一緒に無敵になってやろうか。

超絶ベタな流れだし、少し間抜けなシーンも
>>続きを読む

危険な関係(1959年製作の映画)

3.5

きっと殉教者のように美しかっただろう、なんて思う横顔に、私たちは出会ったことがあるだろうか。真っ白な世界でふたりきり、笑顔を向け合うにはあまりにも虚しくて、誰にも見られないからこそ美しい表情があった。>>続きを読む

早春(1970年製作の映画)

4.3

早すぎる春の憂鬱と狂気は、一瞬の美しさのために深く深く心をえぐっていくのかな。絶望はこんなにも生々しく美しいと、清らかな水の中で漂う若さは歌う。求められることじゃなく手に入れることだけを追い続ける瞳は>>続きを読む

セロ彈きのゴーシュ(1982年製作の映画)

4.5

「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ。」ああ、これまで何度この台詞にはっとして、背筋を伸ばしてきただろう。ぼんやりとした輪郭でしか想像していなかっ>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

3.9

海という場所はこんなにもそっけなく、そしてこんなにもやわらかい。波の音が幸せを運んでくれなくても、私は不幸ではないと信じる心を取り戻すことはできるのだ。浜辺を歩くたびに感じる砂の感触も、潮風の匂いも、>>続きを読む

オンネリとアンネリのおうち(2014年製作の映画)

3.7

私たちは思い出せる。お金だけでは揃えられない幸せが転がっている小道や野原のこと。大金よりもキラキラ光るシールのほうが魅力的だった世界のこと。見返りを求めずに赦すという行為が、どんなに優しいものなのかっ>>続きを読む

ポルト(2016年製作の映画)

3.6

こんなにも涙が似合う朝があった。たったひとつの夜だけが永遠なこと、きっとどこまで行っても覆せない。どんなに走っても、触れても、記憶をなくしても、反芻するあなたの横顔は新しくて美しい。他のあらゆるものす>>続きを読む

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.6

小さい頃に信じていた英雄やお姫様の背丈を追い抜いたって、ハッピーエンドは作れるよ。怖いという気持ちが蓋をしてしまったきみの命は、すぐにでもまた踊り出せる。きみが大丈夫になれない世界なんてごめんだ。幸せ>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.6

優しいだけじゃ生き抜けないけど、優しさに救われる日々がどんなに素敵なものか、私たちは知っている。正しい行いはときに痛くて寂しくて、いとも簡単にひとを傷つけてしまう。正しさと優しさだったら、優しさを選ん>>続きを読む

サラの鍵(2010年製作の映画)

3.7

凛とした眼差しで黄金の麦畑を駆け抜けたあの少女は、もういない。この世では報われないことなんていくらでもあるけれど、他のどんな願いを犠牲にしてでも届けたい切実な声があるのに、どうしてよりによって、その声>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.7

陽のあたる場所の正しさしか知らない人々の目なんて、盗んでしまえばよかった。そうして彼らだけが、仄暗くやさしい場所で、いつまでもいつまでも一緒に暮らしていけますように。非難する前に、あのひとたちをそんな>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.4

愛おしい退屈。相変わらずの嘘つきで見栄を張っていても、こんなにも今日彼女は新しい。いつもの街角に、隠れていた美しい景色を見つけたとき。あのときから、彼女はもう自分を守る理想の名前がなくても大丈夫だった>>続きを読む

泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)

4.2

夜の音。冬の音。景色が清らかな音を鳴らす映画だなあと思ったところで、「あ、話し声がしないんだ」と気が付いた。普段私たちの声にかき消される音がすべて、この映画では主役に抜擢されている。降り続ける雪も、晒>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.2

守りたいものがある生き物の熱量は、ちゃんと目指す場所へ届くのだと思った。闘う理由、反抗する理由が曲げられない正義であるとき、自分を誇れるものであるとき、大きな力が私たちの味方をしてくれる。勝ち負けでは>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.8

眩しさの理由は、いつだってその孤独な影だった。幸せな瞬間に値踏みなんて必要ないよね。きらきらと光る時間は、馥郁な香りを連れて私たちの目線を奪う。あんなに色彩豊かな世界でも、現実は確かに怖い顔をして私た>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

5.0

永遠に泳ぎ続けていたい夏だった。誰にも内緒の深さまで潜って、ふたりだけが浴びる光と感じる温度を、いつまでもどこまでも分け合っていられたらいい。これから訪れる全ての夏が最低なのはきみのせいだ。きみがいた>>続きを読む

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

3.7

「お前と見に行きたくてな」そう言ってくれたあのひとを思い浮かべながら、たったひとりで眺めるイグアスの滝はどこまでも高くて、轟音を響かせていて、それでいてとっても寂しかった。どんなに素晴らしい景色でも、>>続きを読む

白い馬(1952年製作の映画)

3.8

美しい少年と気高い白馬は、きっと真っ白でいることを望んだ。染まりたくないものから、一緒に逃げ出してしまいたかったんだよね。その逃避に寂寥の香りが漂ったとしても、ふたりの揺るぎない繋がりが辛い季節を飛び>>続きを読む

赤い風船(1956年製作の映画)

5.0

可愛いということは弱さの裏返しでもあって、でもその弱さゆえに結ばれる強い関係だってあるんだなと思った。ほとんどのことに背が届かない子どもも、言葉を持たない風船も、頼りない脆さを纏って生きている。でも儚>>続きを読む

名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.8

スピード感の緩急がすごい。落ち着いてきたなあと思うと急に加速するから、二転三転ノンストップ!というテンポを大事なところに全部詰め込んだ感じだった。偏りすぎずに一人ひとりに見せ場を用意してくれている丁寧>>続きを読む

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.0

歴史は結果論でしか語ることはできなくて、そういう意味じゃ正誤や善悪なんてその大事な瞬間には何の説得力もないように感じてしまう。いまいち何が最善なのか掴めずに狼狽えているにも関わらず、時間は無情にも止ま>>続きを読む

ワンダーストラック(2017年製作の映画)

3.7

これはこぼれ落ちてしまう幸福を、ちゃんと元の場所に帰してあげる映画。沢山の不思議や優しさは私たちを見下ろしているから、そのささやかさゆえに足元の泥沼に気をとられてしまう。世の中には意地悪な出来事や人々>>続きを読む

勝手にしやがれ(1959年製作の映画)

4.8

「私はあなたに意地悪をしてしまった。あなたを愛してない証拠だわ」。それはないだろう、勝手にしやがれ!と言い放ってやりたい台詞の数々がもどかしいのに痛快で、どうしてこんなにロマンチックなんだろう。ミシェ>>続きを読む

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