純さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

純

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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.9

叔父さんだけ名前がないんだな、と思った。クリスは姪であり、恋人であり、助手であり、生活の中でたくさんの役割が与えられているけれど、クリスというたしかな名前を持つ少女。だけど、叔父さんは、叔父さん以上で>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

4.7

To all our grandmas.
この世のすべてのおばあちゃん達に贈る、「あのとき一緒にいてくれて、ほんとうにありがとう」

韓国からアメリカにやってきた一家は、どうやら全員が明るい気持ちで新
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.6

ノマドはホームレスではなくハウスレス。映画を肌で感じていると伝わる。ノマドこそ、ホームを大切にしているひとたちなんだ。

大事な何かを失った/奪われたひとたちが、自分の意思で、さらにもうひとつ、同じ場
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ニノチカ(1939年製作の映画)

4.7

真夜中に、パリは愛し合う。

くすりともしないニノチカと、明るいジョークで賑やかな場を作ってくれるレオン。共産主義と資本主義をときたま皮肉に描きながら、ひとに恋すること、憧れることのうつくしさを思い出
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.0

目線、いろんな意味での焦点の合わせ方がいい意味でにくい。面白い。

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.0

地図から消えて、現れた、ふたりだけのムーンライズキングダム。盗んだのは心に秘密を持つためよ。

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

5.0

次ノートに宿題をしてこなかったら、友だちが学校を退学になる。そして、友だちのノートが、ぼくのかばんの中にある。間違えて持って帰ってきちゃったんだ。

困るんだ、ってことしか言えない。うまく説明できない
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アスファルト(2015年製作の映画)

5.0

わたしたちって、みんな情けなくて、でもすてきでありたいきれいな気持ちを、心に持っているんだと思う。

もしかしたら出会わなかったかもしれない、ふたりとふたりともうふたりのお話。夜にしか会えない孤独がふ
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.8

息が止まりそうだった。揺れるブランコで隣同士になって、初めて交わされる真実とひととなり。ひとは一面だけで語ったり、判断したりできないものなのに、自分がいちばん、客観的にひとひひとりを捉えられていなかっ>>続きを読む

ブックセラーズ(2019年製作の映画)

3.4

わたしたちは物ではなく物語を買っている。
本が人を完全にする。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

眩しい午後だった。運命を仕組まれた子どもたちがひとりひとり、自分の未来を選んでたどり着いた、真っ白な世界。飛び出す。もう若いだけじゃない顔なじみのみんなが、遥か遠くを走っていく足音だけが聴こえた。そん>>続きを読む

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

4.6

手紙の匂いをかぐ。それだけでなんて官能的な一場面なんだろう。ずっと秘めていた感情を、ああ、あなたは頑なに、まだこんなにもひとりで。あの夜の秘密を、どうか恥ずかしいことだと思わないで。

大事なものを失
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.5

「碇くんが、もう……エヴァに乗らなくて、いいようにする」

第七天国(1927年製作の映画)

4.2

毎朝11時、ふたりは研ぎ澄まされた祈りの中にいる。愛しています、以上の意味を持つ、お守りのことばをささやきあう。密やかな祈りがまじわって、彼は今日も、第七天国へ戻ってくる。

物語の中心を歩くのは、上
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写真家 ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと(2012年製作の映画)

4.6

心配することはゆるされてない。
少しの写真を撮ることはゆるされている。
心配で眠れないのはダメだ。

彼が自分に与えていること、自分から遠ざけていることが、ひとつひとつ、綺麗な小石みたいにきちんとして
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緑の光線(1986年製作の映画)

4.8

なんてういういしい大人の話。「大人とは、子どもの夕暮れではないか」という、誰かの忘れられない言葉を思い出す。

わたしたちは夢中で大人になって、自由な一歩を踏み出したと思った次の瞬間にはもう、数々の選
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.3

十八世紀のフランス、誰もがその絵の中に、素敵な妻、立派な母親としての輝きを見つけだす。でも、マリアンヌだけは、一目見ただけで、もう動けなくなってしまうんだろう。ああ、自分が関わることのゆるされなかった>>続きを読む