叔父さんだけ名前がないんだな、と思った。クリスは姪であり、恋人であり、助手であり、生活の中でたくさんの役割が与えられているけれど、クリスというたしかな名前を持つ少女。だけど、叔父さんは、叔父さん以上で>>続きを読む
To all our grandmas.
この世のすべてのおばあちゃん達に贈る、「あのとき一緒にいてくれて、ほんとうにありがとう」
韓国からアメリカにやってきた一家は、どうやら全員が明るい気持ちで新>>続きを読む
ノマドはホームレスではなくハウスレス。映画を肌で感じていると伝わる。ノマドこそ、ホームを大切にしているひとたちなんだ。
大事な何かを失った/奪われたひとたちが、自分の意思で、さらにもうひとつ、同じ場>>続きを読む
真夜中に、パリは愛し合う。
くすりともしないニノチカと、明るいジョークで賑やかな場を作ってくれるレオン。共産主義と資本主義をときたま皮肉に描きながら、ひとに恋すること、憧れることのうつくしさを思い出>>続きを読む
目線、いろんな意味での焦点の合わせ方がいい意味でにくい。面白い。
地図から消えて、現れた、ふたりだけのムーンライズキングダム。盗んだのは心に秘密を持つためよ。
次ノートに宿題をしてこなかったら、友だちが学校を退学になる。そして、友だちのノートが、ぼくのかばんの中にある。間違えて持って帰ってきちゃったんだ。
困るんだ、ってことしか言えない。うまく説明できない>>続きを読む
わたしたちって、みんな情けなくて、でもすてきでありたいきれいな気持ちを、心に持っているんだと思う。
もしかしたら出会わなかったかもしれない、ふたりとふたりともうふたりのお話。夜にしか会えない孤独がふ>>続きを読む
息が止まりそうだった。揺れるブランコで隣同士になって、初めて交わされる真実とひととなり。ひとは一面だけで語ったり、判断したりできないものなのに、自分がいちばん、客観的にひとひひとりを捉えられていなかっ>>続きを読む
眩しい午後だった。運命を仕組まれた子どもたちがひとりひとり、自分の未来を選んでたどり着いた、真っ白な世界。飛び出す。もう若いだけじゃない顔なじみのみんなが、遥か遠くを走っていく足音だけが聴こえた。そん>>続きを読む
手紙の匂いをかぐ。それだけでなんて官能的な一場面なんだろう。ずっと秘めていた感情を、ああ、あなたは頑なに、まだこんなにもひとりで。あの夜の秘密を、どうか恥ずかしいことだと思わないで。
大事なものを失>>続きを読む
「わたしはあなたの人形じゃない。わたしはあなたじゃないもの。」
毎朝11時、ふたりは研ぎ澄まされた祈りの中にいる。愛しています、以上の意味を持つ、お守りのことばをささやきあう。密やかな祈りがまじわって、彼は今日も、第七天国へ戻ってくる。
物語の中心を歩くのは、上>>続きを読む
心配することはゆるされてない。
少しの写真を撮ることはゆるされている。
心配で眠れないのはダメだ。
彼が自分に与えていること、自分から遠ざけていることが、ひとつひとつ、綺麗な小石みたいにきちんとして>>続きを読む
なんてういういしい大人の話。「大人とは、子どもの夕暮れではないか」という、誰かの忘れられない言葉を思い出す。
わたしたちは夢中で大人になって、自由な一歩を踏み出したと思った次の瞬間にはもう、数々の選>>続きを読む
十八世紀のフランス、誰もがその絵の中に、素敵な妻、立派な母親としての輝きを見つけだす。でも、マリアンヌだけは、一目見ただけで、もう動けなくなってしまうんだろう。ああ、自分が関わることのゆるされなかった>>続きを読む