シネマノさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.1

「あの頃のすべてが愛おしい、150年経っても心に響く少女から小婦人への人生の物語」

どんなに時代が変わったとしても、人の心に響くドラマがある。
営業を再開し始めた映画館での客入りをみても、本作が普遍
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ロケットマン(2019年製作の映画)

3.9

「天才で繊細な生ける伝説、その死と生について」

大スターがなぜ死を選ぶのか、それがよく伝わってくる映画だった。
想像を絶するほどの富と名声を得ても、真の理解と愛と自由は手に入らない。
それも、一生ず
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SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

3.7

「おもしろいけれど、そこに強い気持ち・強い愛は感じられなかった」

大根仁監督×川村元気プロデューサー。
邦画を活気づける二人が手がけた韓国映画のリメイクは、やはりおもしろい。
それはおもしろいを通り
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.9

「機械仕掛けのパーフェクトバランスで展開する、ブラムハウス印のアクション映画」

飛ぶ鳥を落とす勢いでノリノリのブラムハウスと、
我が青春の傑作スリラー【ソウ】と、地味に好きな【デッド・サイレンス】の
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

4.0

「ドラン初めての英語作は、多くのリファレンスに満ちた愛の物語」

久しぶりに映画館へ行った。
どうしても劇場の大きなスクリーンで、グザヴィエ・ドランの映画を観たかったから。
仕事に忙殺される前だったら
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芳華-Youth-(2017年製作の映画)

4.2

「美しくて残酷。”すべての青春に捧ぐ”は伊達じゃない名作」

物語の中心になる男の子と女の子、降りしきる雨のなか敬礼の作法と隠すべき身分の話。
青春ドラマの幕開けというよりも。
それは若き軍人たちの物
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.7

「作品その全ての線引きは観る側に委ねられる」

「これ、原作ものだったっけか」
鑑賞中に何度かそう考えていた。
オリジナルなのであれば、なんと怪奇な物語か、込めたメッセージやテーマの種となったのは何な
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.8

「もう馴れた。劇中のセリフが物語るアトラクションムービー」

もうこれは一種のアトラクション。
ディズニーランドで、ホーンテッドマンションを怖いから乗るのではないように。
空前のヒットとなった前作の楽
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.1

「こんな寓話が日本から生まれる日を待っていた。心に嵐を吹き起こす力作」

観るのに体力を要する、とかではなく。
観たら最後、しばらくその作品に心とらわれてどうしようもなくなる映画がある。
間違いなく【
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.8

「全員最難関、飛び切り高いハードルに応えるための渾身作」

スタンリー・キューブリック、スティーブン・キング、原作のファン、映画【シャイニング】信者たち…
長い時を経て続編をつくるのなら、全員の期待と
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.0

「走れ、叫べ、泣け、笑え!観るのが疲れることこそ新井英樹作品の映像化成功の証」

1本観るだけでカロリーをめちゃくちゃ消費した気分。
「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ」
このコピーを見事に体現したか
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.0

「キマりまくりのカット、決まりのない愛の行方」

まったく愛は理屈じゃない。
一緒にいたいけど、一緒にいたら離れることもある。
でも、離れていてもなお、心にはお互いの存在が拭えずに残っている。
心はふ
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.9

「最初から最後まで映画のおいしさ満載、興奮を覚えた久しぶりの邦画大作」

「おもしろかった」
観終わったあとに、純粋にただただそう思った。
明日からもまた頑張ろう、とか
恋愛っていいな、とか
価値観が
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.9

「劇場で観なかったことが悔やまれる、男のシズル感に満ちた快作」

観始めてすぐに小さな画面、貧弱な音響では満足できない作品だと気付いた。
ダイナミックなレースシーンのボリュームがすごい。
レースカーの
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.9

「生きるのは辛い、でも絶望しきるにもまだ早い。それくらいの優しさが世界にはまだあるはずだから」

公開された時からいつかは観たいと思っていた本作。
まさか5年以上も前の作品だということに驚きつつも、つ
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あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

4.2

「台湾発、ギュンギュンに胸が締めつけられる最高質の恋愛映画」

あまり得意ではない青春恋愛もの。
少し酔って、まだ寝るには早いと映画を探していた時にたまたま見つけた本作。
台湾映画だということ、そして
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.4

「小松菜奈というラインジングスター、その扱いの難しさ」

なんとも言えない、何を言えば良いのか分からない。
観る側の一定数は小松菜奈という役者に魅せられたくて鑑賞に至る人も少なくないはず。
そうすると
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.0

「こんな映画が大好きなんだけど、どう?タランティーノの愛は映画フリークの宝物」

「とにかく面白い映画が観たい…」
そんな時にパッと思い浮かぶ映画監督の筆頭といえばクエンティン・タランティーノ。
まさ
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ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~(2019年製作の映画)

3.9

「人が最も恐ろしい。北欧ミステリーの香りを見事に落とし込んだ注目の一作」

Amazonスタジオが制作した本作は、決して派手さはないもののミステリー好きにはたまらない演出の連続がグッと心を掴む佳作だっ
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.0

「これは恋愛の話ではない、という紛れもない愛についての物語」

ネトフリ配給作品はハズレが多いのが現状なのだけれど、これはアタリ作品。
ティーン向けの恋愛映画の格子を用いてはいるものの、年代のターゲッ
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オアシス(2002年製作の映画)

4.1

「そこに観る”純愛”すら、すでに自分たちのフィルターを通してみたもの」

イ・チャンドン監督のマスターピースをついに観た。
噂に違わぬ作品
静かに語りかけるようなトーンながら、
観る側へあまりにもパワ
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最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)

3.6

「大切なことはエル・ファニングが全部教えてくれる」

姉が事故で他界して絶望の淵に立っていた女子高生のバイオレット(エル・ファニング)は、
同じ高校に通う”変人”、フィンチ(ジャスティス・スミス)と出
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ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(2017年製作の映画)

3.7

「あまりにも静かなドラマがみせる一度きりの炎」

テニス界では語り継がれる名試合を軸にビョルン・ボルグの半生を描く本作。
事前にまったく知識がない状態で観たものだから、ここまで起伏がないことに驚いた。
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アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)

2.9

「原作に忠実すぎた?がゆえの魅力に欠けた問題作」

公開当時から気になっていた作品が、アマプラで100円レンタル可能になったので早速観たのだが、
過激な問題作を装っただけの、何も残らない作品を観てしま
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.3

「もしも、あの時…があるからこそ人生は残酷で、それでいて美しい」


「バーニング」(18)がすごく好きで、
観たいと思っていたイ・チャンドン監督作品。
名作と名高い本作には、やはり人の心を揺さぶる魅
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