マイメロのきもちさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

マイメロのきもち

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アナタハン(1953年製作の映画)

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映画のリマスタリングを無条件に歓迎するつもりはないが、スタンバーグに関しては絶対にリマスター版でなければ彼の多層的な画面設計は堪能できない。英語字幕でも構わないので海外盤での鑑賞を薦める。
本作は日本
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夕陽の群盗(1972年製作の映画)

5.0

偏愛。粗っぽさはあるもののニューシネマでキアロスタミをやっちゃう気概に惚れた。

アウトサイダー(1983年製作の映画)

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「地獄の黙示録」、「ワン・フロム・ザ・ハート」の悪夢の後、おそらくコッポラ自身の憂鬱と困惑を投影させたアウトサイダーがイタリア系の仲間の死と兄貴分の射殺に接して…と来ればコッポラなりの「理由なき反抗」>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

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乱視にしか見えぬ景色によって能力が並立するシーンが一番説得力あって好き。

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

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すっかりご無沙汰だったオライオンのロゴと「悪魔のいけにえ2」にアガる。チャッキーを手にする人々が最初に彼の瞳に惹かれる演出が良い、チャッキーの構成要素はあの瞳と反復される機械音声だけで充分怖いので、そ>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

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作品の出来不出来に関係なく記憶を刺激されてしまってはどうしようもない。フリースクールに通っていた時分、鬱々とした気分であてもなく山手線沿線をぶらついていたら池袋の煙突が闇の中にそびえ立っていたのを急に>>続きを読む

お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷(1959年製作の映画)

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娯楽性に関しては東映随一であろうこの監督を観逃してきたことを心底後悔、自分なんかより鑑賞眼のある映画好きの方々にちゃんと批評されることを望まずにはいられない。静的な舞台上の長回しによって高められるサス>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

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マーク・ライランスが幼少期の記憶を語る時、カメラは在りし日の少年となりトム・ハンクスはそのアイデンティティーを剥奪され英雄の影に没するのだが、この無邪気さというか正直さに憧れつつも反発する自分がいるの>>続きを読む

青春の蹉跌(1974年製作の映画)

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あの時代に生きた人間でもないのでショーケンの中途半端な感傷ぶりにだんだん腹が立ってノれず。より陰鬱でもこのコンビなら「もどり川」のほうがずっと良い。

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

5.0

今年ベスト候補。ボー関連の切り返しがことごとく出来が良く驚愕。基本的にウッディがボーを見つめることが展開の起因となるカッティングが単純にセンス良く、帽子を被せる動作の反復にも来るものがあるが、やはりあ>>続きを読む

ブルースチール(1990年製作の映画)

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プロットから「ザ・シークレット・サービス」を連想したがあちらより好き。警官と犯人の相互依存的な関係に男女の構図を盛り込んだとはいえ、マッチョなジェイミー・リー・カーティスでほぼ帳消しになっているのはご>>続きを読む

イージー★ライダー(1969年製作の映画)

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ここで果たせなかった逃亡に成功するのが「バニシング・ポイント」なんですね。

チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

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全体的に暗すぎ、寄りすぎ、カット割りすぎで観辛いので大幅に減点。チャッキーのサイズ感を活かした映像が主観くらいであまりないのも残念、母親の背後でピンボケで写り続けるシーンが一番サスペンスフル。

ひとり狼(1968年製作の映画)

5.0

伝説の語り手、父子の継承、情を捨てきれぬ弱くも強い男、雷蔵のヒーロー映画としては完璧。

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

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ロウリーにしては…と思いつつもやはりロウリー印、強盗と刑事のパーソナルな関係に惹かれる。史実は知らんが容姿や佇まいが似ているのも意図的だろうしね。フィルムグレインを活かそうと努めたか若干照明に不満の残>>続きを読む

嘆きの天使(1930年製作の映画)

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何人もが指摘する通りローラがファム・ファタールでないのが重要、内田吐夢「妖刀物語 花の吉原百人斬り」と双璧、大好きな筋。スタンバーグ要チェック。

ギターはもう聞こえない(1991年製作の映画)

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辛い、がオフへの反応が中心となる画面構成はやっぱり好き。

ポルターガイスト(1982年製作の映画)

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未知の人ならざる存在との交信を本気で行おうとする感覚はどう考えてもスピルバーグのものとしか思えないのだが、向かい合う男女から光が差す瞬間、傑作「スペースバンパイア」はこの映画の影響下で撮られていること>>続きを読む

黒い家(1999年製作の映画)

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大竹しのぶの演技に感情はあるし、出生に動機があったら途端に小物臭くなることくらい考慮してほしい。演出とか編集以前の問題。

マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

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皆が指摘する通り、別れ、そして出会いのシーンはもちろん、映画全編が窃視にとどまる至上の関係に満ちている。それは手記を読む子供たちが決して得られぬ特権を我々が手にする喜びと共に、イーストウッドの言う「傍>>続きを読む

無謀な瞬間(1949年製作の映画)

5.0

不気味な静寂の下で行われる死体遺棄と対になる形で、その後は視線の恐怖がひたすら続く。家の構造を執拗に見せつけるような長回しもこの為だったのか!と納得できる展開と動線に舌を巻くこと請け合い。

サイド・ストリート(1950年製作の映画)

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マンでもこういうものを撮ってしまうんだなという印象、イギリス的なじれったさがある。

ショックプルーフ(1949年製作の映画)

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ロージー「コンクリート・ジャングル」に先んじた垂直落下が良い。人間版「ホワイト・ドッグ」かと思っていたら脚本がサミュエル・フラー(どれほど原案通りか知らないが)でびっくり、ヒロインが逃亡の過程で真の姿>>続きを読む

陸軍中野学校(1966年製作の映画)

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市川雷蔵は主役ながらあくまでも集団の中の一人であることが繰り返し示され、仮面のように張り付いた無表情のみが彼をより深い存在に昇華させている。

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

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図書館の内部に密着というよりは大枠での図書館というシステムに集う人々を描いていて、コンセプトは前作「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」に近いのかなと。クール&ザ・ギャングを踊る老人たちがコミカ>>続きを読む

ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007年製作の映画)

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カメラが増えて初めて切り返しが成立するとこで感動。日常パートの言い知れぬ緊張感はなんだかアルトマンを感じさせる、叶わぬ願いだがアルトマンのPOVも観てみたかったな。

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

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黒沢清って切り返しこんなに雑だったかな…というのが第一印象。一度ノれないと揺れるカーテンも恐怖の遊具も怪物トラックも一気に空虚な形で迫ってくる。前田敦子を撮るスタッフが気持ち悪くないのも不味い、彼女の>>続きを読む

生まれながらの悪女(1950年製作の映画)

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映画にはジョーン・フォンテインとロバート・ライアン演じる二人のハンターが登場する。両者共に廊下で隔てられた自分の領域でしか狩りを行わないが、これは劇中で描かれるもう一組の男女の行動とは極めて対照的であ>>続きを読む

ミッドナイト・スペシャル(2016年製作の映画)

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どのジャンルにも振り切れない弱さがあるが、光を畏怖の対象、救済の道標=midnight specialとして両立させる姿勢にはやはり感動する。