りらりーさんの映画レビュー・感想・評価

りらりー

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映画(260)
ドラマ(6)

輝ける青春(2003年製作の映画)

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『輝ける青春』。ふと頭の中に響いたメロディは私の遠い記憶をゆり動かす一つの波紋であった。ちょうどいま異国の地にいる私の神経が言語や食べ物、歩き方からトイレの使い方に至るまで、全身の耳をそばたて全てを等>>続きを読む

秋日和(1960年製作の映画)

4.8

互いにはもう互いしかいないという儚さをたたえた親密感を画して小津安二郎は能面のような正面カットで切り取って、女の世界へ変えていく。日本の昔話は女性視点だと言うのは、例えば「うぐいすの里」という話。いつ>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

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全体が追求されていない。いいメッセージを放っているとは思うが、「連続する日常を描く」と割り切ってオムニバスを作ったが故のぶつ切り。『ホーホケキョ隣の山田くん』的フィロソフィー(変わらぬ日常の中でふと顔>>続きを読む

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

4.2

生きながら死人となりてなりはてて思いのままにするわざぞよき
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「日常でも日本人がどんなに身体的に硬直していたかは、終戦直後に作ら
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コーダ(2013年製作の映画)

3.9

ひんやりとした質感、常に感じる死の余白。最期への未練を断ち切る時間はこれほどまでに豊饒なのか。湯浅誠の『マインドゲーム』をセンスィティブにした感じ、で盲目的な若者が死して見つけたホンモノの世界に『地獄>>続きを読む

ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

4.0

ハリウッドには「ガレッジセールからやり直せ」という言葉がある。映画監督が行き詰まった時、ガレッジセール(=若手時代の撮影場所)で初心に帰れという意味なのだが、この映画はまさしくリンチのそんな映画。(リ>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.8

「言語化できないと高畑さんに怒られる」の焦燥感の元、近ごろ私のネックとなっているこの映画を再度レビューして、何がどんな風に良かったのかを書いておきたい。
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.7

語るべき言葉が見つからないが、我らが愛す「ジョジョ」は戦争中にだって存在していた。歴史の中で"悪"の烙印を押されたものをそれが真っ当であるとされたが故に尊敬した主人公。未見の人は是非『意志の勝利』を見>>続きを読む

ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

4.3

「とても治安が悪くて女性は外へ出るとレイプされてしまうの。子供も安心して育てられなくて。」難民支援をしていた折聞いた言葉。深く実感した。彼らの暮らしを。生き方を。その文化や宗教を。

ただただ人に勧め
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

「私は良かったと思います。戦争に合わなくて良かった。貧困に合わなくて良かった。ごみ山の子供たちを見ました。どれだけ自分は恵まれているのかに気付くことができました。"彼らのおかげで日常にしがみつけてる自>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

4.7

『火の鳥、未来編』を読んで疑問を持った。それは「もし神というものが本当にいて、何かを望んでわたしたちを生み出したのなら、どうして人は記憶を受け継がないのか。何故再スタートを切らせて同じ過ちに嘆くばかり>>続きを読む

結晶の構造(1969年製作の映画)

5.0

長編初監督にして独自性と先進性に溢れた『結晶の構造』は、トーキー映画でありながらまるでサイレント映画を見ているかのようにみずみずしく、のびのびとした自由さが全編を覆いその精神性が、"美しい"。映画その>>続きを読む

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

4.9

卒業式に意味はない
"有終の美"なんて知らない
だからわたしは「おわり」を告げて
汽車から降りる
レールづたいに歩いて出会う
初めての花に花を見て
私は去れる。
ただの私で

I Am Easy To Find(原題)(2019年製作の映画)

4.2

三ヶ日という現象自体がサイコパス。子宮に抱かれてやけに遠くへ来たかのようだ。「自然に線は存在しない」という言葉があるように、目に捉えられない多くの事象の方が美しいこと限りなく、人はそれを掴もうと手を伸>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.2

今日、改めて見直したのでレビューし直そうと思う。

マイク・ミルズという監督は、人々が円環の中で同じように子供であり母であり、そしてまた娘や息子であったこと、それを静かに語っている。向ける眼差しはまる
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.9

何故だろう。私はこの女性をなんら驚きもせずに迎え入れた。1人の女性の生き様、毒が時に真実を掴むというのを私は祖母や父から多く学んだ。善と悪、裏と表が常に一緒に進む人々。その狭間は非常に曖昧で一時期、私>>続きを読む

マダムのおかしな晩餐会(2016年製作の映画)

4.0

思いがけず見た映画に家族全員が歓喜。ファン・ファーレ!!!🎊🎊🎊
地面ばかり見ていたメイドのマリアもいつの間にか鳥の視点を得たんだね。目のないミミズが視覚を持ったら光のない世界があり得なくなるのと同じ
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

3.8

訳なく移ろいでゆく人生は時に苦痛であった。嘘はいかんと誰から聞くでもなくただ自分を守る手段を、まるで鼻くそ飛ばすかのように口からでまかせ、ついぞ自分の価値すら霧に隠れた。人は一生に一度か二度あるいはも>>続きを読む

男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

3.2

高畑勲、好き。どこが?と聞かれれば、歩き方がいいと答える。寅さん、好き。高畑勲とはなればなれの双子かな?と思うくらい寅さんもまた歩き方が最高なんだ。2人並んで歩くツーショットが見たいものだがそれは言わ>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

4.0

So, the good life is not about looking good, feeling good or having the goods, it's about being good>>続きを読む

人魚(1968年製作の映画)

4.5

「短編映画の覚え書き」
1.大抵YouTubeで見れる
2.作家性が強いためにとても面白い
3.言葉がなくてもよく分かる

美しい心が踏みにじられる瞬間と、そこから咲く一輪の花の気高さが胸を打つ、短編
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語るべきか、あるいは語らざるべきか(1972年製作の映画)

3.7

2020コレクションのメゾン・マルジェラがワンダフル過ぎて泣いた。決してだな、ワンダフルなんて涙の5秒前に発する言葉をやっつけ仕事で言ってはいけない。言葉の重みを考えてみてほしい。君の世界観が麻痺して>>続きを読む

ハーピア(1979年製作の映画)

3.9

ラウル・セルヴェのショートフィルムをコンプリートした12月24日。3作目からレビューしてみよう→とかくこれは少し訳がわからない。久しぶりに強い作家性にクラクラと来て、しかしなんとか自分のものにしてみた>>続きを読む

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

4.2

少し壊れた自転車が好き。車輪が一歩前へ回るごとにガチャンコと不器用な音を立てるチャリンコ。スマートに人間に付き従うそれより何千倍不気味で、愛くるしくて、まるで自分があるかのようでとてもいい。その静かな>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

3.9

よく動物に追いかけられるのは何の因果なのか。捨て猫、挨拶しただけのカラス、足が痛ましく曲がってしまったハト、そしてクシャクシャになった羽でなんとか羽ばたこうとする蝶。(東京には花が少な過ぎるのだ)見て>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

あれは小学校2年の事だったか、それとも3年の事だったか。私と兄と母は朝が本当に早くて、あの真冬のある日、朝日もまだ昇らぬうちから朝ごはんを取っていた私と兄は大喧嘩を始めたのだった。両親の喧嘩が絶えず起>>続きを読む

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

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専ら時代のテーマは"解放"である。以前『無くした体』のレビューで、スターウォーズがどこへ帰結するのか大変興味深いと書いた。構造としては、『アナ雪2』にやはり似ている(のは現代性を埋め込むのが上手な両者>>続きを読む

17歳のカルテ(1999年製作の映画)

4.0

この映画、見終わった後で、やけにハッピーくるりんぱ、な気持ちになった、ような気がする。自信満々なアンジーと、神経質そうなウィノナライダーの組み合わせが全てを補完、するような、しない、ような。何かが暴か>>続きを読む

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

3.6

私は0時まで何らかしらの成長を遂げようと躍起になっていて、それまでワクワクし続けるのをやめない(たとえ今が12時5分前だとしても)呑気且つ進化への執念の強い女なのだが、今日は21時45分からこのルーシ>>続きを読む

ガンジー(1982年製作の映画)

3.9

日本人の4割が輪廻転成を信じているらしいがかくゆう私もその4割の中の1人である。生まれ変わりを信じるならば前世に思いを老けるのは何も間違っちゃないわけで、よーしじゃあ前世とはなんだったか見ようとすると>>続きを読む

パリの恋人たち(2018年製作の映画)

3.3

お風呂の中で100秒数えて。数え終わったら上がってもいいわよ。
ザブン、目を閉じてお湯の中へと潜ります。そんな時に見る走馬灯のような作品がこれ。思えばあれは一瞬の出来事。スポットライトが当たるのは一箇
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.8

貴方は根アカだろうか。それとも根クラだろうか。ある時の友人たちは人を根アカと根クラで切り分けてキレイに皿に盛り付けることに躍起になっていたりして、なんて下世下世しい話かと憤怒しながら"まあ自分は根アカ>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.9

持たざる者であった我が家はいつからか持つ者になっていたものの、そこに至るまでにそして至ってからも幾度とない破綻とSorry We Missed You(原題)の中をウロウロと這いずり、ひたすらの煉獄に>>続きを読む

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

3.0

邦画のエキストラの演技に気を取られる今日この頃。本気で思ってない悪口をカタコトに宣うほど見苦しいものはありゃしんせん、笑えと言われたから笑い、怒れと言われたから怒り、気だるくいてくれと言われたから気だ>>続きを読む

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.8

語り手が彼だとわかった瞬間信用できない『羅生門』オチもすぐにわかったが、彼が果たして二重人格なのかそれとも演じているだけなのかはずっと気になって見ていた。(jojo5部のディアボロのように)希望を言え>>続きを読む

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

1.1

眉月じゅんの漫画の良さは圧倒的な詩的感覚にある。それを新作の『九龍ジェネリックロマンス』(なんと最高なことか!眉月じゅんが青年雑誌ですよ。めちゃ攻めててもう胸ほっかほか。もっとcomeon)、でも感じ>>続きを読む

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