かもいぬ校正さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

かもいぬ校正

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ミス・マルクス(2020年製作の映画)

3.9

オープニングから文字デザインや音楽がカッコイイ。19世紀末のロンドンで、突然ロックに乗って踊り出すアクティビスト!

しかし、先進的だった彼女でさえ、男性に依存しケアラーになる葛藤があった。クズの父親
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.3

「ページをめくる手が止まらない」という面白さMAXな本の表現があるけど、まさにそれを映画でやってくれているんだなあ。
脳内はけっこう忙しい。感情も掻き乱される。気軽に観るなんてできない。でも、絶対ソン
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.8

ホラーは絶対ダメなのだけど、口コミの熱量につられて観てしまった。状況がよく分からないのに物語は進んでいく。この不条理な極限状態は劇作家ハロルド・ピンターの『ダム・ウエイター』のよう。

すごい。でも『
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

4.1

ラブストーリーだった。国家が人の心まで支配して、自由がまったくなかった時代の、淡い恋物語。そしてこの映画が着目した読書とは、他者との対話であり、国家から自由になることを意味している。

見かけはホラー
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少年の君(2019年製作の映画)

4.5

陰惨ないじめと生存競争の苛烈さを背景に、出会うはずのないふたりのガール・ミーツ・ボーイ。
オレンジの光に包まれて走る二人乗りのバイクや、道路のこちら側とあちら側を歩くという、一緒にいるけど一緒にいない
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ベアトリスの戦争(2013年製作の映画)

3.8

インドネシア軍支配下の東ティモールの村が寓話的に描かれる。

産む性である女性が人口を増やすという強さ。そこには私たちが生命に抱きがちな神秘などかけらもない。女性への常識を大きく覆している。終盤に明か
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親愛なる君へ(2020年製作の映画)

4.2

「夫が亡くなって、その妻が義理の母の家に子どもと住み続けるのがおかしいと思わないでしょう?」


愛する「家族」のためにいわれなき罪を負う…。無意識に刷り込まれている家族のカタチが、彼をいつまでも苦し
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.7

夢いっぱいの自由なアメリカの当事者になることの現実を突きつけられる。
どんな社会問題よりも、私にとってこういう作品が一番つらい。

資本主義の先進国アメリカの敗者としてはじき出されても、何も頼らず自分
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.3

妊娠中絶のためにペンシルベニアからニューヨークに向かうというシンプルな構成。コミュニケーションの不均衡…同意を確認する原題の “Never Rarely Sometimes Always” 場面には、>>続きを読む

博士と私の危険な関係(2012年製作の映画)

3.4

元になった実話がフロイトのヒステリー研究のそのまた師という、非常に惹かれる分野。

患者を公開の場で実験するシーンには、研究とはいえ男たちの視線に戦慄してしまったが、疑似的な恋愛に至る彼女が堂々とした
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東京クルド(2021年製作の映画)

4.0

難民として家族で来日、小学校から日本で暮らす18歳と19歳の若者が主人公。
住民票なし、健康保険入れない、働いてはいけない。これでどう生きろと?「そちらでなんとかしてください」と入管職員は言う。

2
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迷い子たちの物語(2017年製作の映画)

3.5

台北から宜蘭、マニラから台湾へ、自分のホームを探す旅。選べなかったことと選択での葛藤。どの場面でも人とのつながりがあり、また、アイデンティティにも伝統的な民族、家族、個人、いろんな面があって沁みた「旅>>続きを読む

ザ・ペンシル(2019年製作の映画)

3.9

絵に描いたように美しいロシアの田舎の風景とともに、独裁政権のもと諦め切っている従順な人々。もしかして日本も外からはこんなふうに見えるのかも。主人公に関わる男2人、強引な態度でその実もろかったのが示唆的>>続きを読む

リル・バック ストリートから世界へ(2019年製作の映画)

3.9

ヨーヨー・マとコラボしたダンサーのドキュメンタリーすんごいカッコよくてクリエイティブ!
足首の柔らかさが素敵。 頂点への渇望というか、鍛錬だ。
すべての表現者に観てほしい。

ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語(2021年製作の映画)

3.3

平和を求めた民が、侵略者の横暴に耐えきれず、ついに志願兵を結集して立ち向かう物語。

サウジアラビアと東映アニメとの合作ということで、アラブ世界に触れるきっかけになりそう。エンタメとしてはストーリーが
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