地獄ともいえる世界で、家族や友人と助け合う姿に心を打たれる。死ぬ自由さえない極限状態でも、きっかけさえあれば倫理観を取り戻すことができ、人は成長できる。それはある意味、普遍的な物語だ。
アニメの語り>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ポップでハッピーで強引に動かしていくけど、ゆるさも兼ねそなえていて、それもまた楽しい。
突きつめれば自分は自分なんだし、自分の気持ちが落ち着くところが一番いい。これは心地よい居場所を探す映画であり、記>>続きを読む
デニス・ホーのことは知らなかった。
なので、予告編での香港民主化運動とカミングアウトの情報だけで観た。
私自身、香港には思い入れがあるので、香港の人たちが放水車の青い液体や拳銃や盾で次々に追われ、倒>>続きを読む
コロナ時代の閉塞感。エンディングのアングラ劇まで尾野真千子の凄まじく熱い叫び。そして息子の母親への思い。
理性では測れないたくさんの感情がつまっていた。「役者は3日やったらやめられない」みたいだ。>>続きを読む
はみだし者たちの再生物語。同時に、輝かしい経歴を持ちながら今は斜陽となった、バラ園のコンサバ女性経営者が再起をはかる物語でもある。
王道ながら、フランスの香水の魅力もいっぱい。
見捨てられた少年が、乱>>続きを読む
東ドイツのボブ・ディラン、と称されたシンガーソングライターは諜報機関の協力者でもあったという人生の物語。現状クソみたいな組織なのに、少しでも理想に近付くために努力してしまう人物像が、なんとなく理解でき>>続きを読む
引きこもり、貧困、孤立など様々な問題が積み重なって場当たり的に処理され、虚無感をたたえつつラストになだれ込んでゆく展開。
一言でいえば、現代家族の物語かな。家族一緒に住んでいても互いに孤立し、母親は>>続きを読む
この映画を受け入れる台湾の観客の感度が凄い。
格差社会のそれぞれを監督が実況コメントしてゆく語り口がもうブラック。けど、ラスト3分の1は涙が止まらなかった。過去を問わずに今ここのみで繋がってきた友人た>>続きを読む
首都圏にいたベトナム人技能実習生が、勤務先から逃げて冬の海辺の町へと働きにいく。彼女たちの日常を坦々と描くことにより透けて見えるものは…。
誠実な映画だった。
派手な出会いがあるわけではなく、現実>>続きを読む
父娘ほどに違う年齢の女の子に、こういうことを求めてくる男がこんなにいるのが驚き。他人に対するヘイト発言や差別感情に当てられて結構つらいから、精神的に余裕があるときに観るといい。
ほかの客の息や気配が>>続きを読む
舞台となるのは1960年代の台湾・金門島の軍の慰安所。男も女も歴史に翻弄された。こうしたい、こうなってほしいと思ったのに、どんなに望んだとしても予定どおりにいくことなど絶対あり得なかった時代。言葉に出>>続きを読む
20世紀前半、西表島の炭鉱に台湾・朝鮮からの坑夫がいた。この作品は家族で移住した台湾人女性の証言から作り上げた映像である。日本統治期の台湾と沖縄、そして日本との記憶の貴重な掘り起こし。ひとりの台湾人女>>続きを読む
人口900万人に対し公営の救急車が45台というあり得ない現実のメキシコシティで、ヤミ営業の救急車を走らせる家族に密着したドキュメンタリー。
公営で正規のほうが、スキルも高く設備も整って信頼できるだろ>>続きを読む
突き放すラストが秀逸だ。重い問いが忘れられない。そして何よりあの魅力的で意表をつく人物造形。好き嫌いは別にして、未解消の心理的わだかまりをほぐしてくれるなら、託してしまいたくなるだろう。
そこがポピュ>>続きを読む
今までのキャリアが通用しない異国の地で、生きるため現実に向かう妻。テレフォンセックスで才能を開花させる一方で、過去を冒涜するような仕事をする夫にピシャリと食らわす芯があるかっこよさ。フェリーニの『甘い>>続きを読む
引き取った子どもへの献身的な愛情がパワーの源となり、どこまでも執着して犠牲、破壊へと突き進む。ある意味、欲なのだろうけど。
感情や本能と思いこんでいるものにまつわるホラー。
人間にとっての感情の意味は>>続きを読む
デンマークやスウェーデンで広がっているコレクティブハウスという住まい方の、源流にある思想が垣間見える映画。
こうやって試行錯誤して考えながら、共同の暮らしを実現していったんだろう。
ある一定の考えの>>続きを読む