松岡茉優さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

太陽の野郎ども(1969年製作の映画)

4.5

俗に言う傑作とは言えない映画かもしれないが偏愛してる。最高。
恋人が死んだ女性に対していきなり割り込んでどうしてもキャメラに収めたい目黒祐樹、わざとらしいセリフの数々のせいか吹き替えにしか見えない松岡
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バビロン(2021年製作の映画)

4.7

ディミアン・チャゼルは全然好きじゃない映画監督(むしろ嫌い)なんだけど、これはド傑作。
狂乱の時代のハリウッドを抜かりなくちゃんと描いているところにまず感動するし、登場人物達が夢の世界に飛び込んだ後に
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裏階段(1965年製作の映画)

4.2

何やら重苦しく怪しげな雰囲気で始まるも段々全容が明かされていくとメチャクチャになっていくのが最高だった。まさに珍作。
司葉子と田宮二郎が見つめ合う所で泣きそうになった。全編通して観ると司葉子そんなに良
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卒業白書(1983年製作の映画)

4.3

イーロン・マスクが本作についてTwitterで"great movie"とツイートしていたのでなんとなく観てみたが、確かに傑作だった。大学受験前の終始不安な状況の中、両親が長期不在となり、家に娼婦を呼>>続きを読む

Hunting for Idiots(英題)(1984年製作の映画)

3.8

無機質な都会での自殺未遂に始まり、植物人間の紹介(ベットに横たわってる!)とキム・ギヨンらしい禍々しさで幕を開けるもそれ以降は一気にトーンダウン。ただ、終盤の男女が裸になり、女が包丁で男の胸を刺した後>>続きを読む

Double Patty(英題)(2021年製作の映画)

3.0

映画としてはクソつまらないが、ペジュ姫が圧倒的に美しいので満足。演技はそこまで上手じゃないけど、黙っている時のショットがすべて神がかっている。ただ、ペジュ姫パートは割とおまけ程度な気がして残念だった。

きゅうり畑のかかし(1972年製作の映画)

3.5

女優になるためにニューヨークへ上京するも、変人ばかりに出会うせいで住む部屋がなかなか決まらないという映画。冒頭、カメラに向かって両親が上京を反対するショット(下から上に向けて撮られている)で、子供が主>>続きを読む

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

4.3

久々の再見。初見時(スコア3.4)よりも大分楽しめた。見返して観るとめちゃくちゃ変な映画だなと思った。
変だと感じた点3つ
1.ウォール街のエリートサラリーマンが主人公なのに、仕事をしているところを映
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ワイルド・ギャルズ・オブ・ザ・ネイキッド・ウエスト(原題)(1962年製作の映画)

3.4

数少ないフッテージを延々と使い回し、あたかもそれらだけで物語が進んでいくように錯覚させ、「映画」を撮り切ってしまうラス・メイヤー御大の真髄が詰まった作品ではあるものの、ひたすら同じような映像を見せられ>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.0

実験映像を延々と見せられているようでしんどかった。街の風景や色使いは良かったが、アル中の設定が上手く活かしきれていないと感じたのは自分だけなのだろうか…。(現実逃避的な部分+酒に溺れてどうしようもなく>>続きを読む

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

4.5

傑作。すごすぎる。終始赤ふんどしのショーン・コネリーだけに留まらず、石頭から大量の銃が出てきたり、未来都市のビジュアルや世界観などにとにかく圧倒される。加齢や死から解放された世界というどう考えても逃げ>>続きを読む

恋する寄生虫(2021年製作の映画)

4.5

前半40分はオールタイムベスト。神。「欠陥」を抱えた人間同士が出会い、徐々に互いの距離を縮めていく様子はフランク・ペリーの『リサの瞳のなかに』のようで、涙が止まらなかった。コロナ禍によって人と人との関>>続きを読む

虹いくたび(1956年製作の映画)

3.3

川崎敬三の「乳の型をとった椀を盃にして、僕の最後の命を飲み干したいんです。」のセリフがフェティッシュ過ぎる。しかもこの時、京マチ子(女学生時代なので珍しく三つ編み!)の胸のあたりにカメラが迫っていくの>>続きを読む

あこがれ(1966年製作の映画)

4.2

東宝の青春映画って若者2人が主人公なのに、いい意味で青臭さを感じさせず、それでいて甘酸っぱくここまでオシャレに仕上げることができるのが凄い。
田村亮が内藤洋子の勤めるレストランに行って2人が見つめ合う
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

5.0

傑作。あまりに美しすぎる海水や生き物の描写を観たとき、「虚構」が現実を越える瞬間を目の当たりにした。人類が到達してはいけない領域に踏み込んでしまったのではないかという背徳感を感じさせるほど美しい映像(>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.3

A24の中ではかなり面白い。A24大っ嫌いだけどこれは傑作だと思う。途中までは「映画」というフレームをぶっ壊すほどのカオス展開が続き、やりたい放題やってて素晴らしかった。 MCUが「延命」のためにやり>>続きを読む

シティ・オン・ファイア(1979年製作の映画)

3.5

会社をクビになった男が復讐のために街を火の海にするというあらすじがとても面白そうだが、テンポが遅くて地味。なんでこんなにタラタラしているんだと思ったら『ゴースト 血のシャワー』の監督だったのかよ!!か>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

4.0

金のかかっている派手なアクション映画が観たくなったので、2023年映画始めはこの映画にした。中盤の街中での銃撃戦はかなり良かったが、最後の決着が意外と地味で残念。ライアン・ゴズリングが「ヒーロー役」で>>続きを読む

パララックス・ビュー(1974年製作の映画)

4.4

傑作。超絶キメキメショットの連続で観ているだけで視力回復する。政治劇になると思わせといて、後半の陰謀論を暴いていくような展開が最高すぎる。オチも予想できちゃうんだけど、あまりのかっこよさに脳天撃ち抜か>>続きを読む

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.5

傑作。長いから10年以上観るの後回しにしていたけどやっと観た。前半のイケイケシーンの数々も良かったが、やっぱり後半が良すぎる。あの爆竹中国人とドーナツ屋のシーンと美人局に遭うシーンもう全部好き。ガス欠>>続きを読む

ふたりでスロー・ダンスを(1978年製作の映画)

4.0

期待してたよりかは微妙だったけれど、ラストのゆっくりと引いていくカメラで感動してしまった。最近仕事が辛すぎるせいか、足を痛めたバレリーナに必要以上に感情移入して辛かった。それはそうとて、邦題も原題も良>>続きを読む

ネットワーク(1976年製作の映画)

3.0

期待していたよりかは普通。ピークを終えたかつてのテレビスターが、自殺予告することで視聴率を取り戻し…みたいな話。会話が多すぎて途中で飽きた。ただ、ピーター・フィンチ役を丹波哲郎でリメイクしたい。

パニッシャー(2004年製作の映画)

4.3

普通に傑作だと思う。パニッシャーとしての活躍を描くというよりは全体的に復讐劇なのだが、アクションも妥協せず、色んな殺し屋が出てくるので観ていて楽しい。ロシア人の殺し屋が馬鹿みたいに強くて笑える。ジョン>>続きを読む

Better Luck Tomorrow(原題)(2002年製作の映画)

3.9

ジャスティン・リンの初期作でアジア系高校生が主人公。軽く手を染め始めた犯罪がどんどんエスカレートして、ついに強盗まで計画し…みたいな話。アジア系アメリカ人の生きづらさみたいなのが随所に挟まれていてそこ>>続きを読む

ノット・オッケー!(2022年製作の映画)

3.5

ひとりひとりの「個性」が尊重される時代だからこそ、個人の承認欲求の高さもそれに比例してどんどん大きくなっていく。テロの被害者を装って有名人になりたいという発想がバカすぎるし、どうしようもないんだけど、>>続きを読む

メーン・イベント(1979年製作の映画)

2.0

全然面白くない。破産したバーバラ・ストライサンドがスポンサーを務めていたボクサーに取り立てに行き、なんやかんやでボクサーの男といい感じになり…という話。あまりのくだらなさに時間を無駄にしたことを後悔し>>続きを読む

フレッシュ キル(1993年製作の映画)

3.5

レズビアンカップルの子供がある魚を食べて緑色に発光し始め、ある日行方不明になり…みたいな話。
ナムジュンパイク的な世界観とMVのようにテンポの良い編集がクセになる。テレビから何度も復唱される企業メッセ
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フライング☆ラビッツ(2008年製作の映画)

4.1

サムい演出も多少あったがラストで号泣。勝利や数字(点数)などの結果ばかりを追い求めるよりも、周りの環境や一緒に目標に向かっていく仲間がいることが1番の幸せという現実では誰もそんなことを言ってくれないよ>>続きを読む

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

4.0

坂口健太郎をキャスティングした製作陣はマジで優勝。『ヒロイン失格』を観た時からこいつはサイコパスを演じたら右に出る物はいないと思っていたが、遂にその時が来た!坂口健太郎優勝。アクションを極め続けるひら>>続きを読む

The house of the devil(原題)(2009年製作の映画)

4.5

ホラーには疎い上に初タイ・ウェストだったが、かなり気持ち悪くてこれは傑作。「ベビーシッター」を募集する貼り紙を見て依頼主の元を訪れるが、そこでは赤ん坊ではなく、妻の母親の面倒を見てほしいと頼まれて…み>>続きを読む

水女(1979年製作の映画)

3.8

女性や障害者に対して相変わらずえげつない仕打ちをするキム・ギヨン。久々に観るとやっぱり普通の映画とは比べ物にならないくらいの倫理観で最高。
他の方もレビューで書かれているようにムルナウの『サンライズ』
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ザ・リッパー(1982年製作の映画)

3.8

犬が草むらから腐敗した手を持ってくるオープニングがめちゃくちゃカッコイイ。殺人鬼がドナルドダックの口調で話し続けるのもいいし、理不尽にも殺しの対象とされた女性が引き裂かれていく様子を残酷描写を交えなが>>続きを読む

スラッグス(1987年製作の映画)

4.4

ナメクジ映画の傑作。50年代のアメリカを想起させる閑静な住宅街で大量の人食いナメクジが発生するというナメクジパニックもの。温室が爆発するときの引きの画がとても良くて、ナメクジパニック映画とは思えないく>>続きを読む

狂気の愛(1985年製作の映画)

4.2

この先何回観ても理解不能だし途中で飽きるとは思うがかなり好き。登場人物全員の感情が常に爆発し続ける異作。何を言ってるのかも分からないし、途中から何を観させられるのかも分からないが、カメラが横移動した瞬>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.4

あまりに周りが絶賛しているから期待値高めで観たけど凄かった。これは傑作。自分の過去を勝手に他人に重ねて、快楽の為に殺しを続けるのがまず理解不能。丁寧に殺人の動機や自分の過去を語り、殺しを正当化する。謎>>続きを読む

丑三つの村(1983年製作の映画)

4.5

死ぬほど面白い。津山事件をエログロ万歳で映画化した作品。前半はエロ、終盤はグロ描写に振り切っていて素晴らしい。かつて優秀で将来を期待されていた男が結核を機に全てを失い、村八分状態にされたことに復讐する>>続きを読む