aiさんの映画レビュー・感想・評価

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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

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絵に描いたような青春音楽ムービー。
私にはジャズの良し悪しはわからない。
でもこの3人の演奏が大勢の胸を打つ音だというのはわかる。
音楽を音だけでなく、キラキラと色鮮やかに心踊るような映像として表現さ
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

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海外の双子YouTuberが監督した初の長編作。
この手の降霊術は若い世代に相変わらずの人気なのだろうか。子どもの頃流行ったコックリさんを思い出して懐かしい気持ちになった。
怪しげな呪物を使い霊を90
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

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アカデミー賞脚色賞で注目した作品。
わ〜これはしてやられた。面白い。
人種差別を新たな切り口で見せるブラックジョークまみれの作品。
黒人らしい物語をエンタメとして楽しむ白人という構図の"生々しさ"がシ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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アリ・アスター監督は毎度の事ながら家族神話をぶち壊してくれて最高だ。
がしかし、3時間は長いよ。特に中盤の劇パートは眠気との戦い。
本筋は明確なのに、なかなか辿りつかない過程はもどかしくてまどろっこし
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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いやいや村上春樹の世界かよ、とつっこみたくなった。
日常を描いているはずなのに全然リアリティがなくて、ファンタジーを観ているよう。

早朝の掃き掃除の音で目覚め、ガラケーを使い、フィルムカメラを毎日木
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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とにかく美しい世界観と衣装。今までの作品に比べてヨルゴス・ランティモス監督臭薄めで観やすい作品だと感じた。

自殺した女性ベラに孕っていた胎児の脳を移植するというトンデモ設定だが、赤ん坊の脳を埋め込ま
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イノセンツ(2021年製作の映画)

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無邪気に、悪びれず生き物を殺すのが子供という存在だろう。
それは残虐と言うより興味本位または好奇心でしかなくて。
そんな危うい存在が超能力を操れたらどうなるのか。

"超能力バトル"から想像したような
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

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実在したチェコの大量殺人者であり死刑囚の女性、オルガ・ヘプナロヴァーの人生を描いた物語。
本来ならこの類の作品には少なからず主人公に肩入れするような、同情の余地を残す描き方をするのだろう。
でもこの作
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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二度繰り返し観て、やっと父カラムの苦悩が僅かながら掴めた気がした。

娘と父のひと夏の思い出。一見するとただそれだけの内容でもある。
懐かしい記憶とビデオの記録を辿り、その瞬間には想像できなかった31
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

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コカインを常用し巧みなセールストークで株のブローカーとして大成功を収めた野心家のジョーダン・ベルフォート。
金とドラッグとセックスに溺れた生活は実に刹那的だが、退屈なルーチンワークなんかよりよほど"生
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遺体 明日への十日間(2012年製作の映画)

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東日本大震災の遺体安置場を取材したルポルタージュの実写映画化。
震災や津波のシーンは直接描かれていないのに、冒頭でそれまでのごく平和な日常の釜石市を映す事で災害後とのギャップで胸が苦しくなる。
この作
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零落(2023年製作の映画)

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8年の連載を終えてスランプに陥り、自堕落な生活を送る漫画家。
高慢で拗らせた深澤という中年男の人生の一幕はとても興味深いものだった。
芸術家が羨ましい。どんな感情も作品に昇華させることができるのだから
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

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大半が嫌悪感を抱くような女、ユカ。
男に依存して、消費されて、人の受け売りで構成された空っぽの人間。
何者でもない自分に焦って何かにすがりつきたくて嘘をついてその場しのぎに生きる彼女を、私は嫌いになれ
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

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ユダヤ系のルーツを持つ白人のポール。
まだ12歳の彼は善悪の判断も曖昧で、やることなす事危なっかしい。
優秀な兄を持ち親には"鈍い子"と言われて劣等感まみれ、唯一寄り添ってくれる優しい祖父がいた。
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

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レーシングゲーム「グランツーリスモ」を極めた青年が本物のレーサーになるまでのサクセスストーリー。
ゲームのトッププレイヤーからプロのレーサーを育成しようというプログラムで選ばれたヤン。
所詮ゲーマーだ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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2023年、283本目。

大晦日に飲みながら観た。
正直ゲームのマリオに夢中になった事もないし、友達の家でプレイした経験はあるけど上手く操作できなかった苦い思い出しかない。
この映画はまぁ期待もして
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ハートストーン(2016年製作の映画)

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2023年、282本目。

「CLOSE/クロース」が美しいオブラートに包まれた物語だとしたら、こちらは剥き出しの棘が刺さるような物語だった。
それぞれ環境は違えど、同じような年頃の性と友情の悩みに苦
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Saltburn(2023年製作の映画)

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2023年、281本目。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」のエメラルド・フェネル監督作。
これは一切の予備知識なしで観るのが吉。
愛と憎しみ、偽りと狂気。バリー・コーガンに完璧なまでに魅せられた。
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フローズン(2010年製作の映画)

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2023年、283本目。

スキー場のリフトに置いてけぼりになった男女3人。
冬に観るシチュエーションスリラーとしてはまずまず楽しい。
リフト券を買わないようなやつらは自業自得なので1ミリも可哀想じゃ
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

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2023年、282本目。

珍しくクリスマスの日に相応しい映画を観た。
飲んだくれてソリに乗り上空から嘔吐、ポイ捨て、立ちション、何でもありのやさぐれサンタクロースと欲しい物は"cash"と書く子供た
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

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2023年、280本目。

京都貴船の旅館ふじやを舞台に繰り返す2分間のタイムループ。
短い制限時間だからこそできる面白さが詰まっていて、団結してループに立ち向かう様は新鮮だった。
仲居という立場を振
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

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2023年、279本目。

思わぬ瞬間が人生の分岐点だったりするのかもしれない。
ジュリアの人生のいくつかのパラレルワールドを描く物語。

ハッピーエンドが昔から苦手だった。王子様と結婚して幸せ?それ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

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2023年、278本目。

自分を特別だと思い込んだ夢見る殺人鬼、パール誕生の物語。
体の不自由な父の世話と農場を手伝いながら、ダンサーに憧れるパール。
母親に不幸を押し付けられた彼女の身の上には同情
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

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2023年、277本目。

まだあどけない二人の少年が友情とも愛情とも言えぬ関係を揶揄された事による葛藤と悲劇。
レオの突き刺さすような視線と色鮮やかな花々があまりにも美しく儚い。
気持ちを上手く言葉
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地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

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2023年、276本目。

"通り抜ければ12時間進むが、3日若返る穴"が引き起こす顛末。
若返る事により夫に注目されたい妻と夫婦で余暇を過ごしたい夫はすれ違う。
また夫の友人は電子ペニスをつけ老いに
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

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2023年、275本目。

"あなたもいつかは老いる"
当たり前だけど、呪いの言葉のように聞こえた。
私は「年配だから敬われるのは当然」という思考の老ぼれになりたくないと切に願う。
老後の扱いはそれま
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EO イーオー(2022年製作の映画)

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2023年、274本目。

ロバのEOの視点を通して人間社会の皮肉を描く。
動物愛護と言いつつ動物にも序列があり、ロバはどんな時も荷物運びの道具でしかない。
馬との扱いの対比なんて切なすぎて悲しかった
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

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2023年、273本目。

真実を追う由宇子が追われる側に陥りそうになり、信じていた正義にすら裏切られる。
人は多面的であり一概に良い奴/悪い奴とは決めつけられないという事実をあらゆる角度から見せられ
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

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2023年、272本目。

分厚い肉襦袢を纏うサラは自分を虐める少女が怪しい車に連れ去られるのを目撃する。
さて、どうするかという話。

まずサラのビジュアルが満点。ポスターのインパクトでめちゃくちゃ
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DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

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2023年、271本目。

迷惑系配信者でラッパーのアニーは大金と引き換えにとんでもないモノと対峙する事になる。
最初はアニーのキャラクターが不快過ぎて嫌悪感で観るのをやめたくなったが、普通なら逃げ出
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ユンヒへ(2019年製作の映画)

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2023年、270本目。

降り積もった雪が一通の手紙をきっかけにゆっくりと溶けていくような静かな物語。
社会に抑圧されて生きてきたユンヒが踏み出す一歩と、最後に見せた笑顔に心が温かくなった。
二人の
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

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2023年、269本目。

夢のマイホームを建てたが、その家は何かがおかしい。
赤ちゃんの瞳に映り込む不気味な影、精神を病んだ兄の意味深な言動などホラーとしての見せ方は上手いが、ミステリ好きなら予想で
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波紋(2023年製作の映画)

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2023年、267本目。

寝たきりの義理父を残して夫が突然姿を消し、妻依子は新興宗教に心酔していく。
その夫が数年ぶりに家に帰ってきたせいで依子の心に波が立ち始める。

介護、障害、宗教…これらにタ
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ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)

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2023年、268本目。

35年前にタイムスリップして母を殺した連続殺人鬼を捕まえようとする娘。
80年代の"現代ならアウト"な世代ギャップを楽しむのが醍醐味だろう。
物語の粗は目立つし深く追求して
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アレックス(2002年製作の映画)

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2023年、266本目。

観る者を不快にさせる天才、ギャスパー・ノエ監督。
この作品に込められているのは「夜道を女性の一人歩きは危ないよ」というメッセージではない。
"時はすべてを破壊する"
"未来
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

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2023年、265本目。

刑務所を出所した三上はシャバに馴染もうと必死で生きる。
時折り覗かせる屈託のない笑顔と凶暴な一面、そして彼の心の葛藤に胸が痛んだ。
なにより周りの人間の温かさがまた身に沁み
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