yanusさんの映画レビュー・感想・評価

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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.6

圧倒的なデジタル世界の構築と映像美、レイアウトから演出はさすが細田監督。もはやお家芸と思わされます。物語はご都合主義的なところが散見されるものの、テンポよく○。ただ、敵方の動機付けはもっと深く描いてほ>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.5

上映会で観ました。鮮烈で容赦がない。
プロットだけを書けば変わった新聞記事でしかないだろう。映像の力を実感する。
中でも子供の凍りついた視線がすばらしく、作品の前後の時間への拡がりを感じた。

はちどり(2018年製作の映画)

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ザ・韓国映画。90年代の「普通」の中学生女子が大人になる過程で体験する、家庭の窮屈さや友達とのうまくいかなさ。
父や兄、ボーイフレンド、後輩、女子友と、すべての人間関係について、運びの未熟さとある種の
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.2

高校演劇で大人気だったという作品の映画化。甲子園に来ているというのに、観客席の端のほうでやる気なさそうに観ている高校生達の話。シナリオは完成度が高く、三幕構成のお手本のよう。展開や台詞まわしやウェルメ>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.7

中学最終学年の女の子の自意識を扱った映画。おおざっぱには「20 Century's Women」の少女版ともいえるかな。主人公のYouTube配信のかたちを借りた独白など、たいへん巧い。映像や色づかい>>続きを読む

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

配信で再度鑑賞。シェイクスピアを扱う歴史ミステリとしてはかなり創作が入っているけれど、当時の女性の立場やエリザベス女王の立ち位置がよい意味で現代的に映った。
ヒロインは「ロミオとジュリエット」かと思い
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

モニターを使った未来からの手紙もの。2分ズレたタイムテレビを向かい合わせにしてドロステ効果を利用するっていう発想が楽しい。ふだん、この手の長回しアピールは辟易気味なんだけど、この映画では時間のライブ感>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.5

すばらしかった。三島の構えた態度と言葉に対する信頼が、たいへん立派で。彼は自分の天皇や暴力の限界を十分に認識していた人だというのが伝わってきた。

脇を固める楯の会や全共闘メンバー、とくに芥さんが強烈
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.7

さらっと難しいことをやっている。
空気感がうまい。
主役三人の日常だったり、バイト先での人間関係だったり、大きなことは起きないけど着実に変わっていく感じ。ドラマティカルでない、積もり積もった先のラスト
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

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試写会でみてきた。ボヘミアン・ラプソディみたいなのを予想してたのだけれど、だいぶトーンがちがう。隆盛、絶頂、挫折みたいなわかりやすい起伏はなくて、基本的に酒浸り点荒れたジュディの姿が描かれる。ときおり>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

4.2

試写会で鑑賞。よかった。

岩井俊二は美学の現れたショットと構成(スピーチで始まってスピーチで終わるとか)が美しいとこが好き。プールの底で花火をするシーンとか、逆光の階段で答辞の原稿を書く男女二人とか
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読まれなかった小説(2018年製作の映画)

3.5

タイトル通りビターな映画。未熟な作家志望者が自身の鬱屈をだめな父をはじめとする人々にぶつけてまわるところは見ていてしんどい。

基本的にリアリズムで、普通のことしか起きない。作中で主人公の語る「ミュー
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