kyさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.2

見かけの美しさや白は高貴という白人優位社会を揶揄する。
タイトルはアメリカの美。
薔薇やルックスの美しさは確かにあるのだけれど、今作のメッセージはそうではなく、アメリカ社会へのアイロニカルな作風。
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.6

強く胸を打つゴリゴリな映画だったのでたくさん書きました。
放漫なコナーの兄貴もコナーのサクセスに倣い歩み始める姿が美しい。
複雑な環境に身を置くラフィーナと無垢なコナーを対比させ彼女を高貴な存在に押し
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.9

名作として名高い今作は、やはりフォレストの真摯な言動からくるものだろう。
その対比として描かれるジェニーの作りに繁雑な印象を残すも、結果的にフォレストを高揚させる効果を持っている。
そして今作でもまた
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.1

同じ時を同じ街で生きた2人、違うのは肌の色。
今作は人種差別をテーマに扱う作品なのだけれど、メッセージが実は抽象的だったりして、それも主人公2人が白人黒人でありバディ化しているから。
写実的でもありな
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さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

2.0

美術以外何もわからない。
ゴダールを見てこそ映画通と言うのなら、どうやら僕はそうではないらしい。
確かに美術や哲学的・詩的なフレーズは残るけれども、正直なところ面白くはない。
言い換えれば、挑戦的な作
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.4

シネコン鑑賞に値する秀作。
名作を残してきた山崎貴監督の持つ、ストーリー性とVFXが集結した作品。
戦争という巨大産業の闇に数学で迫るという斬新な切り口。
そして菅田将暉をはじめとする豪華俳優陣の共演
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きみに読む物語(2004年製作の映画)

4.1

2人の間を隔てる身分や両親、婚約者。
そんな弊害が観客を2人の恋愛に移入させ、ベタだと思いつつも、この作品を見るとエモーショナルになってしまう自分がいるのは確かだ。
でも、僕が今作を見ると斬新だったり
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パッセンジャーズ(2008年製作の映画)

3.6

アン・ハサウェイ演じるカウンセラーと生存者の緊迫感や不安感はカウンセリングの難しさを示唆させる。
ロドリゴ・ガルシア監督は、登場人物と観客を配慮した一貫性のある作りを魅せ、センシティブで抜かりない。
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.2

キューブリック作品を見ると言葉を失うような感覚を覚える。
それが完全主義者キューブリックと呼ばれる所以だろう。
彼の描いた奇想天外な2001年の宇宙やAIは実現しなかったけれど、寧ろそれがリアリズムで
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.7

才の片鱗ではなく、彼の”天才”を決定づける今作。
天才の名を手にする映画監督はたくさん存在するけれど、グザヴィエ・ドランは間違いなくその1人。
LGBTをはじめとする強烈な葛藤をテーマに効果的な表現で
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名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)(2010年製作の映画)

2.4

今作の舞台はタイトル通り飛行船なのだが、空への憧れのようなものが感じられない。
なのでコナンやキッドの神格化的なものと描写に大きな乖離があるので、格好良さを感じることがなかった。


あらすじ
富豪・
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.9

報道の自由か政府の陰謀か フェミニズム的なメッセージが残る

度々映画に取り上げられるベトナム戦争だが、それだけアメリカにとって記憶に残る出来事というのは明白。
報道の自由と政府の陰謀を対比させて進む
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DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

3.0

是枝監督の作品は確かなメッセージやストーリーがあるのだけれど、どこか掴み所がなく掴めない作品が多い。
今作は特にそんな感覚になる。
今作の特徴である陰湿で暗い世界観の意図するものというのは、感じ取るこ
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YAMAKASI ヤマカシ(2001年製作の映画)

1.6

YAMAKASIとはパフォーマーのことで、そんな彼らが少年を救うために奮闘する物語。
脚本は「レオン」で有名なリュック・ベッソンが務めている。
しかし、これは難ありの作品。
というのも、窃盗が美化され
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レジェンド 狂気の美学(2015年製作の映画)

3.5

1人2役で双子を演じたトム・ハーディ。
そんな彼の多面的な演技に注目すべき映画。
ドッペルゲンガー的な相反する双子を1人で演じ、間を束ね人望もありビジネスの才もあるレジー、自己中心的な思考に加え暴力的
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マッチポイント(2005年製作の映画)

4.0

映画業以外もパワフルなウディ・アレンは問題に沙汰になることも多い。
養女への性的虐待やAmazonとの問題。
ドストエフスキーの「罪と罰」を引用しているのは、そんな自分への当てつけなのかもしれない。
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マシニスト(2004年製作の映画)

4.1

クリストファー・ノーラン監督作「メメント」やデビット・フィンチャー監督作「ファイトクラブ」に似ているという声も多数の今作。
クリスチャン・ベールの役作りには感嘆するが、賛否理由はサスペンス的な”騙し”
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.5

タイトルは、日本昔話?
”昔々ハリウッドでは…。”的な。
マカロニウエスタン、シャロンート事件とは?
評価が高い今作におけるタランティーノ監督の凄さとは。


あらすじ
テレビ俳優として人気のピークを
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山猫は眠らない(1993年製作の映画)

3.2

7作に及ぶスナイパーの物語の原点。
これほどシリーズ化されている映画も珍しいし、スナイパー物となれば尚更。
ベケットが残した1つの弾丸には、全てが詰め込まれている。


あらすじ
南米パナマのジャング
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トランスポーター(2002年製作の映画)

3.2

アクション俳優として名高いジェイソン・ステイサム主演。
そして彼がスターに登りつめたのが今作がきっかけ。
実際突っ込みどころ満載でもあったりするが、それが娯楽的で気兼ねなく鑑賞できる。


あらすじ
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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(2019年製作の映画)

4.4

800マーク目は賛否の激しいこちら。少し前に700とか言ってたのに、もう800。いつも見てくださる方、ありがとうございます。

期待故に批判が生まれる。
ドラゴンクエストVを愛するが故の批判だから仕方
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.0

10年間も変わらぬ日常を描く難しさや巧さが今作にはある。
そして、その難しさを意図的かつ普遍的に描き出す監督トラン・アン・ユン。
彼のロジカルな作風には、息を呑むという言葉が相応しく、正に魅せられる。
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

3.9

時代を読み解き、的確なメッセージをくれるジブリはやはり凄い。
自分のことが好き?嫌い?普通って何?難しく抽象的な問いかけ。
しかし、その中にこそ考えることが生まれる。
それがジブリのメッセージなのかも
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フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

3.5

農家の源泉であるとうもろこし畑を野球場に変えてしまう主人公。
それも天の声に導かれたという理由で。
そんなファンタジックな作風が映画的。
そして、あくまで映画は虚構だと、度々感じさせてくれる「ここは天
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ダニー・ザ・ドッグ(2005年製作の映画)

4.4

ぜひ見て欲しい作品。アクション映画で一番好きかもしれない。
アクションとドラマのいいとこ取りをした、アクションの型を帯びた重厚感のあるヒューマンドラマ。
アクションにしてもカンフーの枠だけでは語れない
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アラジン(2019年製作の映画)

3.0

ウィル・スミス演じるジーニーや映像美はやはり際立つ。
しかし、実写版故にそのリアリティが弊害になってもしまった。
総じて、またに5点満点中3点という中間点を付けたい。


あらすじ
生きるために盗みを
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あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

3.8

なぜ、台湾映画はこれほどに感傷的にさせるのか。
これが台湾映画の良さでもある。
青シミになったボールペン跡、可視化できるチアイーの想いが切ない。
「笑われる夢にこそ価値がある」そんな彼の言葉が全てを物
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フィフス・エレメント(1997年製作の映画)

3.0

旅行行ったりなんだりで久々のレビューです。

制作費は100億円。
しかし、その費用故に物足りなさも。
それを、補完する俳優陣と挑戦的なリュック・ベッソンの作風が見モノ。


あらすじ
23世紀、宇宙
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エクスペンダブルズ(2010年製作の映画)

3.4

エクスペンタブルズとは消耗品を意味する。
そんな自虐が最高にクール。
シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リーがメインでブルース・ウィリスやアーノルド・シュワルツェネッガーま
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恋する遺伝子(2001年製作の映画)

4.4

評価が低いのもわかるけれど、個人的にめっちゃ面白かった。
癖のあるタイトルだからこそ大きなカタルシスが生まれる。
社会問題は母親にあると言う問いに、性別の本質的な側面から迫るアカデミックな作風。
そし
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ハチ公物語(1987年製作の映画)

4.3

現在、多くの観光客が写真を撮っている「ハチ公像」。
その由来を知っている日本人がどれだけいるだろうか。
かく言う自分も大したことは認識していなかった。
しかし、今作を見て知ることができた。
そして、こ
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

4.3

ブログの方も見てくれる方ありがとうございます。大幅アップデートしました。改善点などなんでもメッセージいただけると嬉しいです。個別ならインスタでもなんでもです。

今作はそれまでのティム・バートンの作品
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ターザン:REBORN(2016年製作の映画)

3.5

今ままでのターザンのイメージを払拭するかのような、スマートでワイルドなターザン。
野生的にも関わらず目新しいターザンで正にREBORN。
圧巻のジャングルのグラフィックの中に彼スマートでワイルドな彼が
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大脱出(2013年製作の映画)

3.7

シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー。
アメリカ映画界の重鎮の共演。これだけでもお腹いっぱいだ。
そして、単なる脱獄ではない。
目新しい場所からの脱獄で、正に”大脱走”。
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火花(2017年製作の映画)

3.2

芸人の作品を芸人が撮るということ。これには異論がある方も多いようですが、それによって見えるものも確かに有る。それは画面を通して感じた。
飯は金がなくても先輩が奢る。この件に関しては意見が分かれるけれど
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シンデレラ(2015年製作の映画)

3.4

白人優位主義的な作風を感じてしまうディズニーに重役で黒人俳優を投入。
語り継がれる作品故の弊害なども。
しかし、言うまでも無く圧巻の映像美で昇華。


あらすじ
心優しい母親と商人である父親の元で育っ
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