yumikoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

2.0

口論の末、夫に自殺された女性が癒しを求めてやってきたカントリーハウス。
序盤の映像や音楽の美しさから一転、想像を絶する恐怖が彼女に襲いかかる。
男の嫌な部分を体現したかのような同じ顔の男たち。(役者さ
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.0

戦争未亡人で労働階級の英国人女性が、憧れのディオールのドレスを手に入れるためにパリに旅立つ。
未だ戦争の爪あとが残る時代、棚ぼた式に幸運が訪れる序盤に少し興醒めするも、紆余曲折を経て訪れるふたたびの棚
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.1

孤島に浮かぶ高級レストランに集まった12人の男女。
提供される奇妙なフルコースディナー。
知らぬ間に犯した罪を償わせるかのような「最後の晩餐」は、シェフも含め成功者の裏の顔をまざまざと見せつける。
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RRR(2022年製作の映画)

4.0

1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビームと、大義のため英国政府の警察となったラーマ。素性を明かさず意気投合し、親友になった2人が引き裂かれ敵対する展開>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

5.0

同じように災害を描いた前2作をはるかに超えるスケールの大きさに圧倒される。
厄災を防ぎながらたどり着く終着点はそのまますずめの過去への決着に結びつき、あの日交わされた無数の「行ってきます」と「ただいま
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窓辺にて(2022年製作の映画)

2.7

妻の浮気を知りながら、その事実より腹が立たないことの方に戸惑う主人公。取り巻く人々の長い会話が、微妙に噛み合っていないのがなんとも居心地悪く、登場人物すべてにまったく共感できないのに、不思議とそれぞれ>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.0

家族に見捨てられ、ひとり湿地で暮らす少女にかけられた殺人容疑。
裁判と回想が交互に挟まれ、次第に浮かび上がる事件の全容。
虐げられ続けた者の強さと闇を目の当たりにするラスト、背筋が凍る思いとともにタイ
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奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

4.0

夢のマイホーム。
浮かれていたのも束の間、シンクホールにまるごと飲み込まれた新築マンション。
気の合わない隣人、たまたま居合わせた職場の同僚と共に決死の脱出劇。
多分そう珍しくない悲惨な事故を扱ってい
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天間荘の三姉妹(2022年製作の映画)

3.5

此岸と彼岸の間にある旅館天間荘。
臨死状態の人間が、魂を休め最期の決断をくだすために訪れるという、どこかが懐かしい香りがする集落の正体。

同じ時刻を指したままの時計。
ある年の3月のカレンダー。
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.0

人型AIが一般家庭にまで普及した近未来。
突然機能停止したAI「ヤン」の記憶を辿る旅路。
家族、血縁、人種、有機無機。人の繋がりについて主人公と共に辿る旅はラスト唐突に断ち切られる。
あとは一人で考え
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アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)

3.8

阿部サダヲの怪演作は数あれど、方向性こそ違うながらこれこそ真骨頂!と膝を打つ。
原案になった「おみおくりの作法」がいい具合に現代日本の福祉の狭間にフィット。どこまでも前向きなおせっかいが、イラつきなが
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.0

物語冒頭から、すでに追い詰められいるダイアナ。正気と狂気の狭間ギリギリの心を縛り付ける美しい首輪。
世界中が知るあの日に辿り着くまであとどれぐらいなのか、幼い子供たちを観るにつれ、心が痛み、叶わぬこと
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

2.8

祖母の死と傷心の母親
突然出会った幼い日の母。
秘密の森の中で過ごした日々は、きっと母娘の指針になる。
邦題が秀逸!

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

静けさの中に漂う不穏な空気。
異形の者の誕生に戸惑いながら、愛を注ぐ家族。
何もかもが歪な中、ただまっすぐなアダの瞳に、どちらが正常か見失いそうに。
ホラーでもミステリーでもない、家族の物語。

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.0

映像が目に浮かぶかような素晴らしい原作とはまたひと味違う導入部に感動するも、映像作品の枠に無理矢理押し込めた感は否めず。
事件のあらましから突然の顛末説明に終始し、人物の心情が描ききれなかった感が。
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

いったい何を見せられたのか。
呆然と劇場をあとにする。
ジョーダン・ピール監督の過去作とは一味違う作品ながら、根底に流れるテーマや提示される問題はぶれていないどころか過去作以上に刺さってくる。
悶々と
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

あの原作をハリウッドがどう料理してくれるのか、怖いもの見たさで鑑賞。
前半、思った以上に「マリアビートル」で、原作キャラと比較しながらの鑑賞は頷いたり首を傾げたり。しかし終盤からラスト、思いもよらぬ暴
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.3

新旧キャストが揃い踏み!
長尺を感じさせないストーリー展開とアクションシーンはまさにシリーズの集大成。
このカオスな世界につけられた一応の決着は、今の世を生きる我々に託された壮大なミッションなのかと。

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

4.0

余命宣告を受けたかつての友人の願いは、元カノたちを訪ねそれぞれへの「借り」を返すこと。お供の古いカセットテープが反転する時、視点が変わり思わぬ事実が告げられる。
人生を遡る旅がいつのまにか未来に繋がる
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キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.0

前作を大きく超えるアクションシーン、たたみ込むように迎える巨匠対決。それを見守る大将軍のオーラたるやもう!
スピード感溢れる戦闘をメインに、キョウカイのエピソードが上手く盛り込まれ、長尺を感じさせず次
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

ソウル五輪から数年、国連加入をめぐりソマリアでのロビー活動を加熱させる韓国と北朝鮮。内戦の勃発で、敵対し合いながらも協力し脱出を試みるうちに芽生えるかすかな信頼。戦闘シーンの生々しさ、CG無しのカーチ>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

お久しぶりのジェーン登場と聞いて、期待が高まるも、まさかの鬱展開に絶句。
しかし、悲劇も喜劇に置き換える「ソー」シリーズ。悲壮感が全く感じられず、神々のニンゲン臭さとおバカな展開のオンパレードにはやや
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.0

ことあるごとに訪れる「コレジャナイ」感。
仕事も恋愛も、そこそこなことに満足できず、自己証明を求め続ける主人公に、遠い昔の自分を重ねあわせる。
最悪な日々も振り返ってみれば大切な糧。
ラスト髪を切り、
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

2.6

マセた10代男子と拗らせ20代女子のわちゃわちゃに序盤から乗り切れず。
それでもなんだか憎めない奴らに並走しながら、怒ったり、宥めたりしているうちに、彼らが愛おしく思えてきたと同時に迎えるラストのカタ
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バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

トイ・ストーリーで描かれる天然キャラとはひと味違う、弱さや傲慢さも持ち合わすザ・ニンゲンなライトイヤー。
ソックスの活躍に頼りすぎなストーリーながら、置かれた現実を最高にすること、一人では生きていけな
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

同じ時代のアーティストに比べて、あまり知らなかった「スター」の生涯。
煌びやかな映像、音楽に彩られ進む彼の人生は、承認要求と搾取にまみれ、決して幸せとはいえないものだけど、そこから生み出される音楽は今
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.5

近未来の話と思いきや、2025年が舞台ということに驚愕。
とても78歳に見えない、仕事も身の回りも自分でこなせる高齢者に、無残に突き付けられる生死の選択。
役所の担当者。事後処理に携わる外国人労働者。
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

赤ちゃんポストから始まる終わりのない旅は、周囲を巻き込みながら思わぬ方向へ。
心を開かない者同士が、次第に赤ちゃんの幸せだけを想い、たどり着いた場所はこのうえなく美しく、「生まれてきてくれてありがとう
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.2

第一次大戦から数年。のどかなイギリスの田園風景を舞台に描かれる御曹司とメイドの恋。
少女漫画のような展開を予想するも、ある一日が少女の運命を決定づける。
とりとめなく頭をよぎる記憶のように、時系列が入
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.0

アフガン難民の青年の半生。
常に危険にさらされ、命の危機にさらされながら、性的マイノリティとして精神の危機と向き合う辛さは想像を絶する。
アニメーションと当時の映像、そして耳に新しい当時の音楽が、決し
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

映画表現の極限まで登りつめたアップデートは続編という言葉に集約してしまうにはあまりにもったいない!そして、アクションシーンのみならす、ストーリーのリンク、オマージュがあらゆる場面に敷き詰められ、何度膝>>続きを読む

ツユクサ(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ザ・小林聡美!
かもめ食堂とかメガネとか、数々の作品を鑑賞してきたが、年齢を重ね苦労を重ねたヒロイン像は当て書きかと思うほど。
壮絶な過去を経て、過ごす凪のような日常。
隕石にぶつかったことをきっかけ
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

両親、弟を殺され、唯一愛した人を自らの手で葬ったワンダ。理不尽な現実から逃避するための「魔術」という手段を持っていたことが、彼女の不幸を上塗り…ってことは理解できるけど、あまりにホラーに振り切った描か>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.5

原作の世界観をさらにアップデートさせたような音楽とカメラワークが、登場人物それぞれのセリフの行間を表現。
言葉にならない想いを抱えて生きてきた二人の人生が再び重なる意味。たどり着いた先が他者には決して
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