エクスプロイテーションムービーとして見世物小屋感が強かった前作に比べるとかなりシャープでタイトになっており、物語で見せたいという欲求がでたのか、新藤兼人の脚本は軽いどんでん返しもあって、インタレストと>>続きを読む
生まれながらに暴力をふるいたくて仕方がない男が、社会からはもちろんのこと、組織からもつまはじきにされ暴走していく物語。実在した狂犬と呼ばれたヤクザ、石川力夫の生涯をベースに90分、バイオレンスしかな>>続きを読む
音楽のタイミングやスタッフロールでのフォントなど、明らかに『サムシング・ワイルド』を意識しており、その意味では姉妹編とも言える作品。
FBIとマフィアの未亡人の恋を描いたありそうな話なのだが、脚本自>>続きを読む
埼玉県愛犬家殺人事件をベースに、冷め切った後妻との関係、そしてその結婚のせいで娘と気まずい思いをしている男が主人公。ある日娘がその環境に耐えきれず万引きをしてしまうところから映画はスタートする。その現>>続きを読む
1955年ニューオーリンズが舞台。ある男を探してほしいと依頼された探偵が、情報をひとつ得るたびにひとつ、またひとつと死体が増えていき、しまいにゃ殺人容疑までかけられてしまうというお話。
換気扇から光>>続きを読む
無限に広がる夢幻の世界に酔いしれる映画。
生と死、音楽と美術のコラージュ、夫婦、腐りかけた桃、女と男、狂気、暗闇、ロマン、すき焼きの中のこんにゃく、サラサーテ、妄想、煙、妖艶、赤い骨、白い肌、股ぐら>>続きを読む
以前、伊集院光のラジオ番組にマツコ・デラックスがゲストで来たとき、お互い妄想癖があるという話題から伊集院がこんなことを言っていたことがあった。それがそのまんま『TAKESHI'S』で北野武がやりたかっ>>続きを読む
ラース・フォン・トリアー「黄金の心」三部作の一作目……ということを知ったのは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が公開されてからだいぶ後になってのことだが、そのときは「ふーん」とスルーしていた。というのも、>>続きを読む
カンヌ映画祭にてパルムドール賞と主演女優賞をとり、大ヒットとなったラース・フォン・トリアーの代表作。
松本人志、マツコ・デラックス、清水ミチコといったくせ者たちが好きな映画としてあげてることでも有名>>続きを読む
奴隷解放宣言から70年、未だに黒人を奴隷として扱ってる村“マンダレイ”にたまたまたどり着いたグレース(『ドッグヴィル』の主人公)が、彼らを自由にすべく奮闘する物語。
ラース・フォン・トリアーといえ>>続きを読む
『三文オペラ』における「海賊ジェニー」を聴いて「なぜ彼女は復讐するに至ったか?」を想像しながら脚本を執筆。書きながら「この物語を俯瞰しながら書いてるな」と思い、映画的な演出で舞台をTV放送したシェーク>>続きを読む
Vol.1で見られたゴダールタッチは抑えられ、ストーリーのおもしろさでグイグイ押し進めていく。さながら内容は『ファイトクラブ』のようだが、ある一言による価値観の逆転でハッとさせられたと思ったら、斜め上>>続きを読む
信用できない語り手による“オーラル・ヒストリー”ものを60年代ゴダールっぽく描いた意欲作。神父に告解するかのように色情狂の女が語る半生。全体的にお金がかかってるわけでもなく、一章ごとに登場する豪華ゲス>>続きを読む
この映画の衝撃を忘れられない。1998年、当時15歳。『エヴァ』もわりと主人公たちと同世代だったが、アニメに興味がなかったのでスルーしており、その『エヴァ』にハマった友達に勧められて観たのがこれ。>>続きを読む
ハワイを舞台にした陽気なノワールという感じで(そもそもハワイな時点で暗黒感ないし)、ファムファタールが出てきて、主人公を惑わせ…というベタすぎる展開で進んでいくが、ラスト数分でアッと驚く。必ず二度見た>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
左右対称の画や、音楽の使い方など、キューブリックっぽく、強烈なブラックジョークも含め、もし彼が撮っていたらどうなってただろうと妄想した。
かなり観念的な内容で、消費社会をサバイブしてきた結果、自我が>>続きを読む
作品論は別に、ここでは“ファイナルカット版”の評価を。
「どのバージョンを観ればいいですか?」というのは『ブレードランナー』を観たことない人に必ず聞かれる質問だと思うが、ぼくはシンプルに「ファイナル>>続きを読む
良い意味でバシっとした平面の画を書くイラストレーター中村佑介の装丁から想起されたようなプロダクションデザインがお見事で、これをアニメーションにすることにより、全編さながら「動く浮世絵」状態。作品自体、>>続きを読む
『HANA-BI』が公開される前に観たときは「北野武にしてはわかりやすく、キャッチーでちゃんと起承転結がある映画」という感想だったのだが『アウトレイジ』やらなんやら通過してから改めて観ると、全然洗練さ>>続きを読む
松本隆と押井守が繰り返し描いてきた桃源郷としての「東京」と、大林宣彦が描いた理想郷としての「尾道」を、そのまんま『転校生』よろしく男女の入れ替わりで表現し、なおかつそれを3.11に結びつけ、2016年>>続きを読む
『白雪姫』や『バンビ』などに比べると制作期間が短く、それゆえに映像の荒削り感は否めないし、作った製作陣たちも「ストーリーは“ロッキー”や“ベスト・キッド”とほとんど同じ」といいきるくらいシンプル。だが>>続きを読む
有名なドラマ「フレンズ」にて「クリスマスイブはダイ・ハード観ながらピザを食うのが定番じゃん!」みたいなセリフがあったので久々に鑑賞。ビルが舞台で、無線で知らないもの同士がやりとりしたり、西部劇に関する>>続きを読む
アイドルと社会。アイドルグループという組織のなかで繰り広げられる競争。いくら努力したって報われず、発光なメンバーに隠れる影の存在。そんな状況でなんであなたたちはアイドルをやってるの?を問う。NHKのド>>続きを読む
「アイドルがドキュメンタリー映画を撮るドキュメンタリー」という謎の視点が入りこんだ問題作。平野勝之みたいだった。
選抜を決める会議にカメラが入ったり、推しメンに人生狂わされたヲタや、劇場公演で努力し>>続きを読む
AKBのドキュメンタリーは第2作目から戦争映画のように編集されていたが(監督は『エニイ・ギブン・サンデー』を意識したらしい)、SKEのドキュメンタリーはズブの素人が人格否定されながらも鬼軍曹に鍛えあげ>>続きを読む
ここ近年のレコードブームとカセットテープ復刻の影響で再見。博覧強記ぶりで読み手をやや困惑させてくるイタめな原作をポップにリライトし、キャラクターもサブカルからオタクに寄せて鮮やかに映像化。アナログをこ>>続きを読む
当時、あまり演技ができなかったシュワちゃんを寡黙にさせ、そのすべてを小粋なジョークにしたこともあいまって、それを見事に翻訳した日本語吹替版がなぜかカルト化。わざわざディレクターズカット版で欠落した吹替>>続きを読む
作品としては『V・フォーヴェンデッタ』や『ウォッチメン』『ダークナイト』『マトリックス』で描いていたように管理社会への不信感をテーマにしており、そこに手数が多く、関節技まで決める格闘シーンに、2丁拳銃>>続きを読む
猫の様なしなやかな動き、虎の様な素早い一撃、怒りと哀愁に満ちた表情、怪鳥音、無駄に言葉を喋らずボディランゲージだけで表す様、ヌンチャク、截拳道といった、ブルース・リーの商標登録がてんこ盛り。そして中国>>続きを読む
1954年の『ゴジラ』が完璧なので、同じようにやればおもしろくなるという発想から、2015年(製作時)の時点で何を日本人が恐怖に感じるか?という部分から膨らませ、原発、原爆、災害、政治家、官僚というア>>続きを読む
DVDは輸入盤、レンタル落ちのしょぼいやつ、デラックスエディション的なやつを所有し、さらにBlu-rayまで購入しているのだが、観るときは最初の一時間は飛ばして観てます。ごめんなさい。
その日暮らしの私立探偵を営んでいるブルース・ウィリス。そんな彼に高額の仕事を持って来た親友マイク。彼の生活のためかと思いきや、実はこの仕事がかなり危険であることが分かり、ウィリスに仕事をさせれば、もし>>続きを読む
『ダーティ・ハリー』や『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』的な渋さがあるわりに、写真に使われてる等身大のロボットとスタローンの行動をモンタージュさせ、チャラついた音楽に合わせて大胆に編集。カット割り>>続きを読む
フルデジタルに着手したのが早すぎたため、後発の作品群(特に大友克洋が脚本を手がけた『メトロポリス』)に追い抜かれていったのは惜しいし、推敲に推敲を重ねすぎた脚本のせいで、明らかに中盤がダレているし(こ>>続きを読む
「DOCUMENTARY of AKB48」第2弾の方法論で乃木坂に密着した作品だが、SKE同様、このテンプレを使えばすべての48Gのドキュメンタリーをそこそこのクオリティで観られるということを証明す>>続きを読む
『ガメラ3』の渋谷破壊シーンとカット割りや構図がそっくりで、それしかないので傑作に決まってる。