カトキチさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

カトキチ

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ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

『3-4×10月』、『あの夏、いちばん静かな海』と、沖縄と海をテーマに作品を撮りあげてきた北野武の初期集大成。

『気狂いピエロ』と『狼は天使の匂い』をかけあわせたような、ピカレスク・ロマンが奏でる青
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ジェイド(1995年製作の映画)

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脚本が『氷の微笑』のジョー・エスターハス。監督が『フレンチ・コネクション』や『L.A.大捜査線』のウイリアム・フリードキンということだが「あれ?こいつ、もしかしたら人殺してるんじゃね?」という女とズブ>>続きを読む

狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)

5.0

タランティーノに「セルジオ・レオーネ以来、最高のアクション映画」と言わしめ、ロバート・ロドリゲスに「この映画以降、アメリカ映画の新しい波は中国人によって作られたハイパーなアクション映画に影響された若い>>続きを読む

ブラッディ・スクール(2011年製作の映画)

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映画においてストーリーに関係ないシーンだけを並べるとどうなるか?ということをやってのけた強力な作品。故にこの映画の説明が一切できない。ジャンル分け不可能。こんなの観たことない。例えるなら「キル・ビル」>>続きを読む

ワイルド・パーティー(1970年製作の映画)

5.0

ぼくにとってキング・オブ・カルトムービーといえば、これ。いわゆるみなさまにとっての『ロッキー・ホラー・ショー』や『ピンク・フラミンゴ』にあたる。

セックス&ドラッグ&ロックンロールをベースにホラー、
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フォクシー・ブラウン(1974年製作の映画)

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いわゆるひとつのブラックスプロイテーションでシンプルな話かと思ったら、人間模様がわりと複雑でそのプロットは石井隆の『夜がまた来る』にも似ていた(偶然だと思うけど)。というか、ほぼ一緒。

予定調和であ
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

オレが映画に求めるすべてが入ってるような超大傑作だった。『狂い咲きサンダーロード』と同じく、絶対に観るべきといろんな人から言われた作品で、しかもこれ以外のジョン・カーペンター監督作のほとんどを観ていた>>続きを読む

ショーガール(1995年製作の映画)

5.0

大コケしたうえに、ラジー賞を総なめにした映画史上に残る駄作のひとつとされていたが、その後カルト化し、MGM作品のDVDの中で最高の売り上げを記録しただけでなく、イギリスの「トータル・フィルム」誌が選ぶ>>続きを読む

氷の微笑(1992年製作の映画)

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シャロン・ストーンがタイトなミニドレスでノーパンのまま脚を組み替える映画として有名だが、実のところ、ある刑事がファム・ファタールに出会ったことで自身の正義よりも、その女とのセックスを選び、ズブズブな関>>続きを読む

バンビ、ゴジラに会う(1969年製作の映画)

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バンビとゴジラのサンプリングもさることながら、長回しからの唐突なアレといい、間違いなく60年代ゴダールの影響下にある作品。スコセッシをはじめ、黒沢清とか北野武も好きそう。

そして父になる(2013年製作の映画)

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「うぁんちぁんさぁ〜」など、モノマネの対象になってしまうほど強烈なイントネーションを持つ福山雅治をコントロールし、彼のベストアクトを引き出しただけでなく、子役の配置から何から何まで完璧で、さらに6年育>>続きを読む

サムシング・ワイルド(1986年製作の映画)

5.0

マンハッタンの税金コンサルタント会社で副社長の座を約束された若きエリート、チャーリー。彼は体制へのささやかな反抗として無銭飲食と万引きをするクセがあった。たまたまそれをルルという女に見つかってしまった>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

5.0

90年代以降、サイコ・スリラーをひとつのジャンルとして定着させたエポックメイク。

陰影の効いたドス黒い色調にバシバシ差し込む光のレーザービームが彩る映像はカラーでありながらもフィルム・ノワールと錯覚
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L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

5.0

ストーリーとしては刑事モノでよくある「犯罪者に相棒が殺されたので、その復讐をする」というもの。しかし、この作品の主人公はその手段がハンパじゃなく。本末転倒も良いところで、「どんな手を使ってでもお前を追>>続きを読む

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

5.0

生まれながらの極悪人エディにはすご腕の弁護士助手であるジョーという恋人がいた。彼女の助けもあって、早めに出所し、トラック運転手の職にも就くことができたが、前科者に世間は厳しく、それが知れ渡るとホテルか>>続きを読む

ハワード・ザ・ダック 暗黒魔王の陰謀(1986年製作の映画)

5.0

映画至上、最高の失敗作として有名。

世間的には子供向けと思われたようだが、企画段階から制作者たちはバカバカしいコメディを狙った。出演者たちもその笑いの要素を充分に理解したうえで出演し演じている。特に
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爆裂都市 BURST CITY(1982年製作の映画)

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わかりやすく『狂い咲きサンダーロード』みたいなやつをもう一本!という作品。

オープニングクレジットのかっこよさは異常で今となっては俳優の陣内孝則がこんなバンドをやっていたことにも驚く。今、BSで『奇
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ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

身も蓋もないことをいうが「この事件は自殺であり、ウソの告発状を書いたのはある生徒二名」と警察が結論付けたことが、ある意味真実だったというオチで、告発状がウソであることは誰が見ても明らかだし、途中で被告>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

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愛人を作って家族を捨てた父、その父が亡くなった。残された娘三人は葬式のために父が住む田舎にいくことになるのだが、そこにその愛人との子供があらわれる………

一言で映画を説明するならばポップな『東京物語
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ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

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一人の生徒が屋上から転落死し、一人の生徒がウソの告発状を出し、そのせいで一人の生徒が疑われた。警察は自殺と断定したものの、真実はわからずじまい。だったら私たち生徒が裁判して決着つけましょう!というお話>>続きを読む

白ゆき姫殺人事件(2014年製作の映画)

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ネット炎上とOLの殺人事件の顛末を同時進行で描いていく野心作。しかもプロットは被害者の関係者の証言が食い違うという『羅生門』スタイルでつまらないわけない。

ラスト付近で「近年これほどまでに身勝手でし
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スピード・レーサー(2008年製作の映画)

5.0

ジョン・グッドマンがマリオの恰好で出てくることからもわかるように『マッハGOGOGO』の実写化とは名ばかりの、ニンテンドーの映像化(アメリカではTVゲームのことを称して「ニンテンドー」と呼ぶ)。

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蟲師(2006年製作の映画)

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そもそも原作のファンだったという大友克洋が実写化を熱望。圧倒的な世界観を持つ作品ながら、ちゃんと大友克洋の監督作として、オリジナリティ溢れるものにもなっている。

『スチームボーイ』で地獄を味わったの
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ヴェラクルス(1954年製作の映画)

5.0

聞きしに勝る超大大大傑作でマジでぶったまげた。アクション、バイオレンス、ラブロマンス、ミュージカル、そこにサプライズと、90分の中に映画的な快感と魅力が詰まっており、二大スター共演を楽しむ作品でもある>>続きを読む

ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

5.0

今なお世界中に熱狂的なファンを持つカルト作。

『オペラ座の怪人』と『ファウスト』を元にしてロックミュージカルで味付け、アクション、ホラー、メロドラマ、バイオレンス、脱獄、復讐、バックステージをありと
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怪獣総進撃(1968年製作の映画)

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『ジュラシック・パーク』の様に怪獣を飼育して、見物出来るようになってる架空の日本が舞台。そこにキアラク星人という宇宙人がやってきて怪獣たちを洗脳し、世界中を壊滅させようとする。何故かそこで世界の中心に>>続きを読む

怪獣大戦争(1965年製作の映画)

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X星に無事たどり着いた宇宙パイロットの富士とグレン。彼らは星にたどり着くや否や、水が大変貴重だという謎のX星人と出会うことになる。地球よりも科学が発達しているX星だが、地表ではキングギドラが大暴れして>>続きを読む

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)(1965年製作の映画)

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原爆の被害を受けた広島でフランケンシュタインが発見される。彼はフランケンシュタインであるはずなのに、どんどん体が大きくなっていき、施設を抜け出す。それと平行して、バラゴンという地底怪獣が目覚め、人間を>>続きを読む

モスラ(1961年製作の映画)

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この頃の東宝SFに付き物だった放射能を浴びるという設定は出てくるものの、その放射能を浴びた人たちがまったく無害だったというインファント島にいくというアドベンチャー要素があり、そこに居る小美人(美人な小>>続きを読む

マタンゴ(1963年製作の映画)

5.0

“無人島に流れ着く”
“そこで人間同士がいがみ合う”
“島に得体のしれない何かがある”

このクリシェの組み合わせだけで出来た作品で、そこからいくとなんの新鮮さもないが、とにかくおもしろい。

無人島
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吸血鬼ゴケミドロ(1968年製作の映画)

5.0

謎の飛行物体に遭遇したジェット機が墜落。そこに吸血の宇宙人がいて、殺人犯が身体を乗っ取られてしまう。何されるかわからないという恐怖におびえながら、飛行機に残った人たちは極限状態のなか、疑心暗鬼に陥って>>続きを読む

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)

5.0

ズームイン/ズームアウト、スローモーション、クローズアップ、ローアングル、水中撮影、アニメーション、クレーンショット、マルチ映像、高速のカット割り、ロングショットなど次から次へと飛び出す映像テクニック>>続きを読む

美女と液体人間(1958年製作の映画)

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生きたまま溶けてしまい、細胞が変化しただけの液体人間が、その本能のままに美女に襲いかかるというストーリー。しかもこの設定でリアルなミステリーとして進んでいく。

これは後に『ガス人間第1号』でも同じ演
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妖星ゴラス(1962年製作の映画)

5.0

『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』に先駆けること36年前。日本にとてつもないスケールのSF映画があったことをご存知だろうか。

地球に正体不明の惑星が近づいてきたからさぁ大変というプロットなの
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

5.0

あのスティーブン・スピルバーグに「スタッフを全員引き抜きたい」と言わしめたジャパニメーション(死語)を代表する一作にして、『狂い咲きサンダーロード』と並ぶ和製サイバーパンクSFの雄。

原作は手塚治虫
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メトロポリス(2001年製作の映画)

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元々はりんたろうと大友克洋の対談から生まれ、いまの時代だからこそ話も画も完成されてなかった手塚治虫作品を最先端の技術でアニメ化しようという企画だったのだが、完成してみるとフリッツ・ラングの『メトロポリ>>続きを読む