カトキチさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

カトキチ

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恐怖省(1944年製作の映画)

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元々『第三の男』はフリッツ・ラングの影響で作られたようだが、その原作者グレアム・グリーンの同名小説を本家のフリッツ・ラングが映像化するというアンサー。見終わるといかにもグレアム・グリーンが書きそうな物>>続きを読む

MEMORIES(1995年製作の映画)

5.0

注・『大砲の街』のみに絞ってレビューさせていただきます。

『大砲の街』は大友克洋が総監督を務めた『MEMORIES』というオムニバスアニメの一編で短編の作品。大友克洋自身が監督、原作、脚本、キャラク
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JUMPING(1984年製作の映画)

5.0

手塚治虫自ら監督した6分の実験作ながら、超大傑作。今でもアニメーターの労働環境がブラックなのは虫プロ率いる手塚治虫のせいだと言われているが、それに対する贖罪なのか。信じられないくらいの労力で自己満足の>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

5.0

『サンセット大通り』のジョー・ギリスとノーマ・デズモンドを足したような主人公が『8 1/2』のグイドみたいな精神状態になるという映画で、夢と現実と妄想が入り乱れ、時間軸もめちゃくちゃになっているが、こ>>続きを読む

失われた週末(1945年製作の映画)

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職無し、文無しのアル中が酒を手に入れるために悪戦苦闘するという映画。

第1回カンヌ映画祭グランプリと第18回アカデミー賞、主要4部門受賞した名作中の名作であるが、さすが『サンセット大通り』や『深夜の
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情婦(1957年製作の映画)

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大金持ちの孤独な未亡人が撲殺され、数ヶ月前から親しくしていた営業マンに容疑がかかった。無実を訴える男を弁護することになったのは心臓疾患で入院していた老弁護士。物的証拠はないものの、動機は充分、状況証拠>>続きを読む

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

5.0

予想もしなかった恋人の妊娠によって、望まれないまま生まれてきた子供は気持ちが悪く、ギャーギャーとうるさく泣き続ける。それに工場の騒音と夫婦の問題が重なり、次第に追いつめられていく男を描いたデイヴィット>>続きを読む

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

5.0

難解な印象もあるが主人公が「物事は自分なりに記憶したい。起こった通りじゃなくてね」といってるように、主人公の記憶した映像がそのまんま編集されて一本の映画になっているというスタイルで、精神科医の斉藤環氏>>続きを読む

混血児リカ(1972年製作の映画)

5.0

冒頭。ある女が毒を飲み、苦しみながら死産する。彼女の友人とおぼしき主人公のリカは、その死産した赤ん坊をカゴに入れて、妊娠させたであろうヤクザに渡し(さすがにその姿は映してない)、それを見たヤクザはゲロ>>続きを読む

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

5.0

ストーリーがとても分かりやすく、誰にでも起こり得る話であり、くりぃむしちゅーのANNにマツコデラックスがゲストで出た際、リスナーからの相談ハガキとして、これに近いものが送られてきたことがあった。

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エル(1952年製作の映画)

5.0

超大金持ちである主人公が教会で出会った女に一目惚れし結婚するも、異常な嫉妬心と妄想癖により、精神を蝕んでいくという話。

DVDに付いて来た解説書を読むと、『エル』はパラノイアな男を観察した映画である
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

5.0

ウディ・アレン監督の『ミッドナイト・イン・パリ』の中で、1920年代のパリにタイムスリップした主人公がルイス・ブニュエルにむかって「いいアイデアがあるんです。晩餐会を開くんだけど、客がその場所から出ら>>続きを読む

ゲーム(1997年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

BSで放送したので十数年ぶりくらいに鑑賞。

全体的に暗く、いかがわしい写真やいたずらでネオンカラーにされてしまった部屋など『セブン』と地続きの映像で、自分の知らないところで、自分と大きくかかわってい
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酔拳2(1994年製作の映画)

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『酔拳』の続編で語られがちだが、名匠ラウ・カーリョンを監督に迎え、父親役にティ・ロン、そして自ら若き日のウォンフェイフォンを演じて第二次武侠映画ブームに挑んだ傑作。

プロダクションデザインはあいかわ
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ダブル・ミッション(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『ジングル・オール・ザ・ウェイ』や『ベートーベン』を撮ったブライアン・エヴァントが監督を担当しているが、これが大当たり!『007』シリーズに『トゥルー・ライズ』を足したような内容だが、映画は至って軽い>>続きを読む

人妻集団暴行致死事件(1978年製作の映画)

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ロマンポルノであり、かなり人を選ぶタイトルながら、その年のキネマ旬報、邦画ランキングでベストテンに食い込んだほどの名作。

在郷でくすぶってるガキ三人と元ヤクザが親子以上の関係を持ち、このまま生きてて
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丑三つの村(1983年製作の映画)

5.0

大傑作!結核になったことで村八分にされた青年が追いつめられた末に、村人をみな殺しにするという津山事件を下敷きにした作品。

時代もあって夜のシーンの照明の当て方と音楽のダサさは不満だが、クライマックス
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

SF映画だというのにいきなり猿人がウホウホいってるシーンからはじまり、カット一発で原始時代から2000年代という400万年の時間を飛びこえる“フラッシュ・フォワード”、宇宙船がプカプカ浮いてる画に「美>>続きを読む

DOOR(1988年製作の映画)

5.0

セールスマンを邪険に追い返した結果、反感をかってしまった主婦がそのセールスマンからストーカー行為をされるという作品で、文字通り「日常に潜む恐怖」を描いたホラー映画。

子役につける演出が非常にうまく、
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バンビ(1942年製作の映画)

5.0

TIME誌の「ホラー映画ベスト25」に選ばれたように、絵柄やタイトルからは想像つかない最狂のディズニーアニメ。

直接的に描いてるわけではないが、ホラーだけじゃなく、エロとバイオレンスをミュージカルで
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

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故・淀川長治は『フレンチ・コネクション』を、町山智浩は『L.A.大捜査線』を引き合いに出して評価しているのがおもしろいが(両方とも監督はウイリアム・フリードキン)「どんどん追いつめられて、人間性が削り>>続きを読む

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

5.0

年に二回、仕事が書き入れ時のゴールデン・ウィークとお盆の時期に必ず観る映画。

暑い日の渋滞をきっかけにブチ切れたサラリーマンが暴走しはじめるというシンプルなお話。

この手のジャンルはたくさんあるが
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犬、走る DOG RACE(1998年製作の映画)

5.0

ヤクザとつるんでシャブをキメて街行くチンピラをボコボコにし、ぼったくりバーに入って金を巻き上げたと思ったら、客引きの女を犯し、そのあと店をめちゃめちゃに破壊して、全員逮捕するという刑事が主人公の映画。>>続きを読む

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

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『アウトレイジ』の地続きになってるような作品で、かつての任侠や義理や仁義は2015年代においてファンタジーでしかないということを、いわゆる「時代に取り残された男」として描きつつ、それをペキンパー節では>>続きを読む

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

5.0

映画史に燦然と輝くマスターピース、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』を無謀にもリメイクした作品。

ロメロ御大はこのリメイクを気に入ってないご様子だが、当時、絶対に駄作になるはずだと意気込んでいた好事家
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フレディVSジェイソン(2003年製作の映画)

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しっかりとオープニングから『エルム街の悪夢』と『13日の金曜日』の旋律を流し、さらに両作品のダイジェストでテンションを上げる。いかにもな女の裸やセックスするヤツが死ぬというホラー映画のクリシェも登場し>>続きを読む

ファイアー・ドラゴン(1986年製作の映画)

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ストーリーはシンプルだが、特筆に値するのはブランドン自身のキャラクターの徹底した説明の無さである。

昼は解体業、夜は水商売のウエイターをやっていて、とてもケンカをするようなキャラではない。もっと言え
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極道恐怖大劇場 牛頭(2003年製作の映画)

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名古屋にある「ヤクザ処理場(ヤクザの死体を持っていくと処理してくれるという謎の施設)」に頭がおかしくなってしまった兄貴分の哀川翔を連れていって殺せと命じられたヤクザが主人公。その哀川の死体が突然姿を消>>続きを読む

ザ・レイド(2011年製作の映画)

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ストーリーは至極単純。麻薬王が支配し、住人全員がギャングという30階建てのマンションにSWATが突入し、死闘を繰り広げるというもの。

ブルース・リーが生前『死亡遊戯』をアクションシーンから撮ったとい
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パニック・ルーム(2002年製作の映画)

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数年ぶりに鑑賞。パニック・ルームのドアがセンサーで閉まらないという設定になってるのだが、そのセンサーは赤外線みたいにハッキリ目に見えるもので、なぜか色が赤ではなくエメラルドグリーン。しかもその部屋も全>>続きを読む

オーディション(2000年製作の映画)

5.0

TIME誌が選ぶ「ホラー映画ベスト25」の中で唯一、日本映画としてランクインされた作品。妻を亡くした中年の男が、映画製作のオーディションで嫁探しをするという一風変わったストーリー。

海外で受ける日本
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キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)

5.0

幼少の頃から善人づらして過ごしてきたサイコパスでシリアルキラーな男が、その暴力衝動をおさえられずに、人を計画的に殺して殺して殺しまくるというジム・トンプソン原作『内なる殺人者』をマイケル・ウィンターボ>>続きを読む

楽園の瑕(きず)(1994年製作の映画)

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ツイ・ハークの『天地黎明』が大ヒットしたこともあって、当時、香港映画界に第二期の武侠映画ブームが巻き起こっていた。それにあやかったのかどうかはさだかではないが、ウォン・カーウァイは武術指導にサモ・ハン>>続きを読む

吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー(1972年製作の映画)

5.0

『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』は香港映画のターニングポイントになった作品である。これ以前の香港映画は邦画の殺陣に影響を受けた武侠映画が基本で、さらに『座頭市』のヒットにより、ハンディキャップがあ>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

5.0

『市民ケーン』は新聞王ケーンが死ぬ間際に残した謎の言葉「バラのつぼみ」を巡って新聞記者たちが関係者に証言をとるという構成になっているが、この関係者の証言から過去に飛び、その当時の出来事のシーンになると>>続きを読む

夕陽のギャングたち(1971年製作の映画)

5.0

画面構築や一枚絵の美しさはさすがに『ウエスタン』ほどではないが、街の造形、人の使い方などは『続・夕陽のガンマン』とまったく同じように迫力満点。激しい銃撃に、ド派手な爆破!列車を総攻撃するシーンの畳み掛>>続きを読む