制作主任市川崑。コントラスト強め。淀川の煌めきが素晴らしい。高峰秀子の顔クロースアップも、ここぞと言う時のために抑制されている。だが、石田民三作品としては『三尺左吾平』には敵わない。
マキノ正博ワースト。
アヘンをキメて作ったとしか思えぬクソ企画。
原節子と河津清三郎が月夜の庭でイチャイチャする場面や、イギリスの外交官らを招いた林則徐によるパーティーの余興のシーンでは、月や原節子の>>続きを読む
冒頭で武蔵が橋に刻みつける別れの言葉、子どもが河原の石に水で書く「武蔵」の二文字、終盤に和尚が般若坂の小石に書きつける「妙法蓮華経」など、エクリチュールの主題が3回提示される。
3年間城の天守閣に籠っ>>続きを読む
音響の映画。音は良い。
3時間超えは長すぎる。モノクロ・パートに入った途端、画面が弛緩する。長すぎる、いらない。会話の場面も、切り返しがうまくないので、ただ長く感じるだけのことが多い。擬似裁判映画とし>>続きを読む
罪の意識に苛まれた男が『めまい』のごとくふらふら運転したり、『見知らぬ乗客』のロバート・ウォーカーを想起させなくもない殺人犯ロビン・ウィリアムズが協力を強要してきたりと、物語的にはヒッチコック的要素が>>続きを読む
何か起こりそうで何も起こらない、不穏極まりない構図と長回しショットが連続するにもかかわらずどこか心地よい。トーキング・ヘッズの『This Must Be The Place 』が聞こえたような気がした>>続きを読む
ゴリゴリの家父長制閉鎖空間を舞台にすれば、イスラエル映画であってもゴリゴリのメロドラマになるんだな。
レナート・ベルタの撮影が素晴らしい。
初夜シーンの男の暴力性がやや図式的だが
レア・セドゥがオースティン・バトラーに催眠術&色仕掛けで血統をGETするのエロすぎるし、フローレンス・ピューも皇位継承と子作りのための女として描かれており、全体として封建制のもたらすエロスが強めである>>続きを読む
今回は残念ながら、ハリウッド映画の表層をなぞることで生まれる、いつものリュック・ベッソンらしさというか、ケレン味があまりうまく出ていない。『羊たちの沈黙』のベッソン流の変奏ではあるのだが、ただそれだけ>>続きを読む
左手が動かない久我美子が妻子持ちの森雅之と不倫するのだが、森の妻の高峰三枝子の美しさにも魅了され、さあどうしましょう?
久我美子が高峰三枝子に銃を撃つポーズをするショットは、『猟銃』で岡田茉莉子に銃口>>続きを読む
冒頭の展望台、糸杉、東京タワーは明らかにファルス。
8ミリカメラを回す山村聰が正面から捉えられるショットは、『猟銃』で岡田茉莉子にライフルの銃口を向ける佐分利信を正面から捉えたショットと共鳴する。
岡>>続きを読む
過去と現在の相互浸透。筋がはっきりしていて、なおかつ幻想的で、セラピー効果もある
牧紀子と南原宏治のぶちゅキスはヒッチコックのそれに匹敵するしつこさ。
柵を軽々飛び越えて牧紀子に着いていくコリー犬のジョンが素晴らしい。
牧紀子、南原宏治、有沢正子がダンスするシーンの特殊効果が異様。>>続きを読む
まあまあ。
原作から色々改変されたり、省略されているので、比べると楽しい。
鳥の襲来と同様、ティッピ・ヘドレンという女の謎めいた存在が謎の感情的起伏に結実する。
新聞社の社長令嬢とはいうものの、その父親との会話は電話のみという存在感の希薄さは奇妙だし、一回会っただけの男の家に>>続きを読む
風が吹き荒れていてやばい。
怪物のような風車、塔からの落下も素晴らしいが、飛行機がコックピットから着水するのを機内からカットを割らずに撮ってるのがすごい。
女性資産家の遺産相続人を探す霊媒師とタクシー運転手のカップルVS宝石商を営む犯罪者夫婦。
ブレーキを破壊された車の暴走は、『汚名』でケーリー・グラントを助手席に乗せてのイングリット・バーグマンの暴走を>>続きを読む
金髪美女からの卒業…かと思いきや黒髪エキゾチック美女は殺して金髪を生かすんかい!
カリン・ドールが階段を降りていき、玄関でジョン・ヴァーノンに射殺されるシーンは、『サイコ』で探偵がアンソニー・パーキン>>続きを読む
抗争に揉まれる二人の情熱的な愛よりも、二人の愛によって火がつくチンピラどもの抗争に撮影が寄っている。ラスト15分が怒濤の展開。
仕事映画のヴァリエーションとして正統な作品だと感じた。松村北斗が死んだ社長の弟が残したカセットテープの声に導かれて職務を遂行し、仕事の面白さに目覚める過程が良い。
和菓子屋、心療内科の医者、転職エージ>>続きを読む
見るたびに、これはトーキング・ヘッズなるバンドのライブ映画であるという事実を忘却せしめる魔術的な何かがあると思わせる仕掛けがあるに違いないと思い、それを実感しつつも、気づけばそれがトーキング・ヘッズの>>続きを読む
冒頭の美容室への強盗の銃撃シーンがすごい。迫り来る銃口と脅迫され悲鳴をあげる老女の顔のクローズアップが印象深い。
スクリューボール・コメディとフィルムノワールの融合。70分でまとめたアンソニー・マンは偉大。
恥ずかしながら初見。
アナ・トレントの色気がすごい。時折子どもとは思えない表情をする。
冒頭30分くらい、親子の間で会話がほとんどないのが謎。
蜂の巣の穴に倣った八角形の格子窓越しに入る黄色の光線を捉>>続きを読む
パーティー会場の停電、車での追跡、セリフの程よい棒読みっぽさなどは、確かに北野武に通じるところがあるように思う。
まずまず。スクリューボール・コメディとしては退屈。小山明子に色気がなく、茶めっけもなく、田村高廣とのケミカルもない。正直、恋のライバル有沢正子の方がよっぽど魅力的に撮られている。
こんなものをありがたがるのはクソだ。
枝葉が揺れるショットとオペラ歌手のビブラートの同期が心地良かった。