カステラちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

カステラちゃん

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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.5

撮りたいモノが無い。更にチャンスが与えられたのに、思い通りにさせてもらえない。若者の葛藤劇だ。東出昌大支配人が、井浦新監督に対して、ヘラヘラ笑顔を一転させて話し出すシーンに緊張が走った。
前作未見で、
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.8

同時期にリーガル熱血朝ドラを観たので、'60〜'70年のアメリカですらコレですかいと憤懣やる方ない。だが、医師免許を持たない者が施術するのは、両手を挙げて賛成は出来かねる。日々大きくなっていくお腹を見>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

こんな、こんな所で小国日本への原爆投下を討論していたのか。せっかく作った新兵器を使わにゃ損だし、牽制先ソ連に負けるもんか的な論理に、今更ながら反対の立場を薄々表明のオッペンハイマー。観ていて涙が流れた>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.4

ポール・アトレイデスの巻き髪が揺れる様に惚れてまう。一見華奢な彼が、フレメンの民に吠えるように語ると応援したくなる。それを見つめるチャニの青い瞳は、今後の悲劇を予感させる。よし、完結作までついて行くぞ>>続きを読む

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.0

C-3POとR2-D2の凸凹コンビの原案。
そして、世界のミフネの眼力の凄さよ。誰しも捕えられて逃げられなくなる。名前を覚えられない私でも、"田所兵衛"は忘れなかった。六郎太vs兵衛は息を呑む接戦だし
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フィラデルフィア(1993年製作の映画)

4.0

フィラデルフィアは兄弟愛の街だという。OPはこの街の至る所を、ザラつきのある黄がかった映像で繋いで見せる。なんとなくノスタルジーを感じさせてからの、多数派人間に翻弄される主人公への理不尽な仕打ちを目の>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.1

殴られてもへこたれず、更にかわいい俳優🟰サム・ロックウェル。あの困り顔がいいのです。
この作品は、確かにコメディではあるが、スパイ映画だという事もお忘れなく。ドンデンドンデンとひっくり返し続き。ナイフ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

上白石萌音の声は心地良い。栗田科学のプラネタリウムで、イギリスのことわざを語る。宇宙空間擬似体験をこども園の園児達と幾度かしたな。手作りのプラネタを巡回する方もおられたなぁ。自分自身の中に宇宙を抱くか>>続きを読む

シェアの法則(2022年製作の映画)

3.6

宮崎美子演ずるシェアハウスの管理人/春山喜代子さんの生き方が素晴らしいと思った。意欲的で優しさに溢れ、前期高齢者の日々に力一杯幸せを感じていた事だろう。
対して夫の秀夫は、ゲイの息子にはもちろんのこと
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劇場(2020年製作の映画)

3.5

小劇場の街シモキタの勉強の為に観たのだが、心がわっせわっせと動いて、凄くいやな感覚だった。
山崎賢人、見事に馬鹿な男。松岡茉優ちゃん演じる沙希の育った環境を想像したり、彼女のベクトルが負に向かっていく
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.4

胸を張って"私は美しい"と言える日がやってくるなんて、ソフィアやシュグに出会う前のセリーには、想像すら出来なかった事だろう。黒人奴隷制度廃止後のアメリカ。男達に虐げられ、子や妹とも引き離されて己を失っ>>続きを読む

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.3

あの二人のウィーンでの愛の時間は、やっぱり本物だった。それが分かって私は嬉しい。
9年振りに、パリでいきなり出会っても、彼等の会話は全くブランクを感じさせない。私達はそれを聞く、見つめる。離れていたお
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.0

弦を弾く音でFIN。監督の自伝的作品であり、こちらを向いたアントワーヌのストップモーションは、観客に対し多分に挑戦的。
彼を取り巻く大人たちが、もうちょっとマシで、愛情深ければ良かったのに。嘘もサボり
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.9

海のものと山のもののお弁当。そうだ、原作にあったな。小林校長自らリトミックでピアノを弾いたり、学びの始まりは幼児教育からだと改めて認識出来る先駆的な学校だったトモエ学園。ただ、戦火の中で教育への情熱が>>続きを読む

レディ加賀(2023年製作の映画)

3.6

石川県先行上映。観たい劇場で観たい時間にチケットが取れないなんて、初めての事。
小芝風花ちゃんが、全くもってごちゃごちゃ感でいっぱいの作品を、力強いタップで牽引。状況ピンチに迷いながらも立ち向かってい
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

破天荒なベラ・バクスターが今時のアイコンになればいいのに。長い黒髪とバルーンショルダーで。
飾り皿を割り、思いを通す為に喚いてみせる様をみて、まずは「奇跡の人」かと思った。天才外科医かつベラの生みの親
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.3

こんなんで泣かんでもええんやったー。ハッと気づいたが、もう遅い。大阪府内では"まあまあ"強い中学の合唱部の部長くんと、決して関わってはいけないヤクザのお兄さんとが、カラオケを通してのっぴきならない関係>>続きを読む

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004年製作の映画)

3.8

シリウス・ブラックの出番は、ルーピン先生よりも少ないのに、その存在感の大きさといったらない。さすが天下のゲイリー・オールドマン。ティモシー・スポールが嫌らしくて最高。彼の他の作品から移って観ると、お得>>続きを読む

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.4

ゴジラ、銀座に襲来。そして堀田艦長、「わだつみ作戦開始!」待ってました、あの曲を。涙を流しながらワクワクも止まらず、最早自分の感情が制御不能。
真っ暗な屋台の片隅で、片付けしている女性が一瞬見えた所が
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.6

大手メーカーのコンソメスープで、大振りな根菜とソーセージ等を煮込む。日本で一般的なポトフのイメージだろう。19世紀末のおフランスでも大した違いはないんじゃないか。あえて皇太子の午餐に出す美食家の恋愛を>>続きを読む

インフォーマント!(2009年製作の映画)

3.6

ハゲチャビンのマット・デイモンに、「あああー、私のジェイソン・ボーンがぁ」と嘆いたが、実は面白かったりして。思うほど背丈はないんだと気づく。始まりは"いい人"で地味な印象なのに、じわじわと変化するのが>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

わんこと一緒にグイグイ歩くアンサの後を、待ってくれえとでも言いそうなホラッパがついて行くラスト。聞き覚えのあるシャンソンが流れる。物語の始まりは、見逃し✖️で最低だったのに、おしまいはどうぞOK。アン>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.6

"サイエントロジー"と"想起"は、観終わってすぐ検索した。
富裕層狙いの新興宗教ザ・コーズに出会ったフレディ。コーズの客船は、絵画の様に美しく離岸する。太平洋戦争帰還兵の彼は、病みも病み、大病み状態。
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.0

久々に、流し見の出来るオツな作品を見つけた。真面目に観てたら、ジョン・グッドマンに「黙ってろ、ドニー!」とか言われそう。それも快感かもね、ブシェミには。
デュード"野郎"は、敷物の弁償要求に出向いた先
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

昨夜は重たい気持ちになった。ガザ難民キャンプのリポート番組において、人々の日常が消滅する残酷さを見せつけられたからだ。
一夜明け、平山さんの黙々と繰り返されるルーティンに、なんだかありがたい気持ちにな
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市子(2023年製作の映画)

3.7

新沢としひこの「にじ」は、切なくも明日への希望を歌った子ども向けの名曲である。救いのない母娘は、幸せだった頃の思い出をハミングで口ずさむ。歌詞はないのだ。
数字の苦手な私は、デジタル表示が行ったり来た
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.3

ぜひともクリスマスに観ようと思っていたフランク・キャプラ。モノクロで雪もいいね。
憎き悪役老ポッターめ、許さんぞ。ザ・主役🟰ジェームズ・スチュワートは、望まないながらも亡父の生業を継ぐ事となる。結婚が
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.4

ワンカのチョコレート工場見学ツアーに行けるのは、金の券入りチョコを手に入れた世界で5人だけ。コンピュータに聞けば当たりがわかると自信満々の開発者に、当のソレは実につれない。今のAIに聞いても教えてくれ>>続きを読む

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

4.3

惑星難民の存在を感じるとは?どうやったら確証が取れるのか。映画だからこそ、観客に問うたままのラストもオッケー。私は好きなタイプ。
おぼろげにでも、自分にとって、"わからない"と思う対象を、敵と捉えて怖
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.7

ティモシーの、ティモシーによる、ティモシーの為の映画。字幕版ゆえ、彼の声を聞き逃したくなかったし、しなやかな心持ちの若きウィリー・ウォンカが素敵で目が離せなかったけれど、もう一回観た方が楽しめるかな。>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

3.7

女性による殺人犯罪→名声を手に入れる🟰「シカゴ」の図とはまた違ったパターンのフランスコメディ。
舞台劇みたいだなー、台詞多いなーと思っているうちに、肝心の裁判の辺りは寝てしまって、何故か女優マドレーヌ
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アナログ(2023年製作の映画)

4.0

夢のお告げにより、ニノに会いに劇場に足を運んだ。何もせずともただただ涙が流れていた。こんないい子がいるんだ。アナログ好きアラフォー男性が恋焦がれていく過程がかわいいったらない。スモーキーブルーandグ>>続きを読む

アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

4.4

誕生日にスクリーンアメリ。どうしよう、幸せだ。例え、劇伴にまどろんでも、赤と緑と、アップと、マンガのコマから飛び出す如き効果音と、ヘンテコな人々が繰り出す世界に浸れたその時間が、素敵。笑わない幼少期の>>続きを読む

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

3.5

オレンジ色のハイネックを着たザジと、正体不明のオジさんの追いかけっこは、MVのよう。若かりしフィリップ・ノワレの奥さん役が、彫像の様な美しさでビビる。単純におしゃれなパリ観光を楽しむ方が気持ちは楽にな>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.5

関東ローム層の諍いなぞ何の興味も無し。従ってどんなに流行ろうと公開時はスルー。女性も全然活躍しない。ただ、耽美趣味の魔夜峰央原作なら承知しておかねばならないのだが。
キャストが豪華で、真珠と神戸浩と京
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.7

ビリー・ブラウンは監督自身らしい。同意なく女を連れ去り、両親に新妻だと紹介する。レイラは完璧に妻を演じるが、息子に全く興味無い馬鹿な彼等を目の当たりにして、当のビリーの失望感は逆に高まる一方。怒りの矛>>続きを読む

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