カステラちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

カステラちゃん

カステラちゃん

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スーパー30 アーナンド先生の教室(2019年製作の映画)

4.3

痺れるわ〜!アーナンド・クマール。
彼は、インドの変革は教育からと、郵便局員の父が語った熱い想いを次の世代に伝える道を選んだ。自らの挫折を糧に、貧困であっても道を諦めず、才能ある子どもたちのインド工科
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

4.3

自室に飾ってある熊谷守一の絵葉書の世界が、そのまんま投影されていた。月も蟻もくまんばちも。「そこにいたの」と小石や新芽に話しかける94歳モリの世界。三角帽子に二本の杖をついて、庭のどこかに今日もいる。>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.2

パンパンパーンと誰もいない体育館に照明が点き、ラストは消されていく。静かに始まり、温かい涙と共に余韻をたっぷりはらんで幕は閉じる。高校内音楽コンクールの出場者をバイクで送迎する役にあたった彼が、彼女に>>続きを読む

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

3.6

悪い意味で昭和の男=成瀬は、やり過ぎ捜査とパワハラ投書で、本人びっくりの警察音楽隊に異動となった。捜査中のアポ電強盗にも首を突っ込み、演奏も投げ出し、「何やってんだオレ!」と己の情けなさにひどく落ち込>>続きを読む

プロヴァンスの贈りもの(2006年製作の映画)

3.4

リドリー・スコット監督は、ラッセル・クロウと単にプロヴァンスで遊びたかったのではないか。女神マリオン・コティヤールとも。
フレディ・ハイモアが"and"でクレジットされるあたり、天才子役の位置付け。ア
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.2

男でも女でもどっちでもいい。男性を演じているのんは女性。でもま、いっか〜と、何度も振り返った。のんも凄いが、ミー坊の周りの幾多の役者も前に出過ぎず、脇に徹している。温かい作品だ。
井川遥が子育てにブレ
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マスク(1994年製作の映画)

3.6

巷の小学生が「今日はTVでマスクがある〜っ」と騒いでいたそうだ。
蛍光グリーンのザ・マスク。真っ白い歯がキラーン。笑うと怖いー。私は引くわ。肩をすくめた気弱な銀行員のスタンリー自身が、カトゥーン最強キ
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クィーン(2006年製作の映画)

3.6

英国の母であり、祖母であるエリザベス女王。ダイアナ元妃の葬儀を巡って、彼女へのわだかまり等からくる対処だけでは、国民の声を聴いているとは言えない事に気づく。母も夫もバルモラル城から動こうとせず、相談相>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.6

全くもって、主人公に共感する点なし。アメリカの法定後見人制度を、自分達の都合の良いように徹底的に悪用。徹底的にターゲットの高齢者から搾取。どこかのカルト宗教にも似て、家族と断絶させ施設に閉じ込める。し>>続きを読む

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.7

家にリハビリをする女が来た。叔父さんには私がいるのに何故?クリスは苛立つ。当の叔父さんは、彼なりに姪を思いやっての行動。彼女に羽ばたいて欲しいと望む。ヘアアイロンをデートの必需品と言って買ってやる。彼>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.2

我等の伊坂が世界のイサカへ!ドモアリガト。私日本人、もちろんお辞儀しますよ。
バケットハットに老眼黒縁メガネのブラッド・ピットがもうかわいい。困ってるし弱ってるし。設定が原作を離れて、後半更に遠くへ行
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とら男(2021年製作の映画)

3.5

県民としてはうっすら記憶がある未解決事件。監督地元凱旋上映で入りは良い。
東京の大学生が、メタセコイヤ繋がりで興味を抱き、虎男さんの"事件"に図々しく入り込んでくる。彼女は被害者の車の色と同じ赤い服を
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

3.6

人生は料理と音楽に救われる。
梨花という人間に対して「大嫌い」と「やるじゃん」という振り幅の大きな感情を抱いた。映画的には面白いけれど、かっこつけすぎなキャラクターに同感出来なかった。森宮さん=田中圭
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耳をすませば(1995年製作の映画)

4.5

オリビア・ニュートン・ジョンの清々しい歌声でこの青春映画は幕を開ける。東京多摩の中3、月島雫の生活圏を細やかに描く。長い階段を駆け降りながら、鮮やかに彼女の物語は始まる。地球屋でのカントリーロードのセ>>続きを読む

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.3

「バカか‥」と呟くタケちゃんにヒサちゃんは押されっぱなし。1986年長崎の夏休み。さながら"スタンドバイミー"のリチャード・ドレイファスの位置に草彅剛。ただ両者共私の好きの圏外。
被らなかった麦わら帽
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スワンソング(2021年製作の映画)

4.3

伝説のゲイヘアアーティストたるもの、若い頃はブイブイ言わせていたのに、老人ホームではねずみ色のスウェット姿。隠れタバコだけが楽しみ。人生捨てている。そんな彼がかつてのNo.1顧客の死化粧を施す為に、つ>>続きを読む

愛と哀しみの果て(1985年製作の映画)

3.5

20世紀初め、野心を抱いてアフリカに渡ったタフな女性の姿を、メリル・ストリープが表現豊かに描き切る。優しくて自由な男レッドフォードや、通訳兼使用人頭ファラ他の手も借り、コーヒー農園の経営に奔走する。ス>>続きを読む

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.5

夏と言えば"EL JEFE"でしょう!
自身の魅力をよくご存知のジョン・ファブローが、巨体から生み出される繊細な気遣いに満ちたビビットな料理とのギャップでもって、観客を唸らせる。イネズのナイスバディに
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夢を生きた男 ザ・ベーブ(1991年製作の映画)

3.4

野球の"神様"には見えなかったかなぁ。粗野で豪快で、自分の心のままに歩む"怪童"という印象。名脇役ジョン・グッドマンが主役。逆に"野球の神様"の方から愛され、ホームランで大リーグを盛り立てたレジェンド>>続きを読む

暗くなるまで待って(1967年製作の映画)

3.7

同じ"半地下"でも、どこやらとは違って、貧乏臭さなど微塵も感じさせないおしゃれなアパートの一室が舞台。リカちゃんのおうちっぽいインテリア。ブラインドの開閉で前の通りと繋がる。
だが、中途視覚障害のスー
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.0

嗜眠性脳炎患者の"目覚め"を描いた実話ベース。デ・ニーロの不随意運動と叫びとダンスに心が揺さぶられ、病院スタッフの手厚いケアに、本人家族に成り代わって感謝したい位。研究畑のセイヤーならではの視点と好奇>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.2

不法に船倉に隠れ、生きるか死ぬかもわからぬ国外脱出。知り得る範囲で想像しても露ほども足りないおぞましい経験の数々に、気持ちが凍りつく。
一角の人間に成長しても、ゲイとして愛する人に出会えても、ずっと逃
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エール!(2014年製作の映画)

3.7

高校の選択クラス。ポーラは合唱の発声練習で、思いがけず未知の自分と出会った事で、戸惑いと同時に歓びを知る。「CODAあいのうた」のオリジナル版。パリの音楽学校のオーディション曲は、彼女の家族への深い愛>>続きを読む

検察側の罪人(2018年製作の映画)

3.5

松重さんや芦名星が、死神か殺し屋サービス業者に見えてきて、伊坂作品かいって。そして最上検事よ、むごく凄惨な事件の断罪を喰らわす矛先が何故そっちなの。頭良過ぎるんだよ。
ニノのバカタレ容疑者取り調べの迫
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君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

4.2

86分とは思えない位、長いバス旅だった。実に色々な人と関わりあうし、コミュニティサイズから二階建てロンドンバスタイプ等多様なバスを乗り継ぐ。道中SNSで密かに有名になった90歳のトム・ハーパーは、亡き>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

4.1

徒歩で何日もかかる、ブータンでも辺境の村ルナナ。実はミュージシャンに憧れるぐうたらなウゲン・ドルジ先生が、学びに意欲的な子どもたちを前にして、教師魂に火がつく様が面白い。「未来に触れることが出来るのが>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

ソマリア=内戦という程の貧困な認識だったが、そのリアル。反政府派にとって敵も味方も最早どうでもよく、外国人はとにかく排斥の対象。いくらでもありそうな銃を手にする子ども達。歪み切っている。
もう新年なの
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我等の生涯の最良の年(1946年製作の映画)

3.9

戦勝国にあっても、殺し合いの戦争に行くというのは、決して元の自分に戻れない惨事なのだ。待っていた家族や恋人、職場そして社会も、あれ程帰りたかった居場所とは異なる空気を醸し出す。輸送機でたまたま乗り合わ>>続きを読む

潮風のいたずら(1987年製作の映画)

3.7

これのどこが面白いっちゅーねん!と前半ムカムカ。性格の悪さ100%のジョアナが記憶喪失になったのをいい事に誘拐だ、詐欺だ、拉致監禁だ!ところが、彼女が失神寸前の環境で本来の自分を見せるようになってから>>続きを読む

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

3.6

国家が芯から怖い故、「怖くない」と言うのでしょう。何故なら、善きロシアを目指す民の為に、後に続く民の為に、アレクセイ・ナワリヌイが存在するから。
彼の力の原動力は何なのだ。ネットを駆使し、己の立ち位置
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.1

家族思いで歌の上手い優しい好青年だったんだ、エルヴィス・プレスリーは。黒人音楽が日常にあり、それが彼の歌のルーツ。
だがマネージメントを買って出た男との出会いが、天国と地獄を見る事になるとは。
エルヴ
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

4.0

"SING SING SING"をトーベの様に激しく踊るのは私のイメージになかったな。静にも動にも悦びを心のままに感じて表現する人。娘への多大な期待から、違う道を選ぶ事にあからさまに嫌悪を表す彫刻家の>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.7

幸薄そうな凸凹三人組の心を繋いだのは、最早、人身売買上商品価値のない年齢に達した親無き少年であった。是枝作品にて、そろそろ子どもが出てくるだろうと思ったら、やはり登場した。赤ちゃんを育てられず某所に置>>続きを読む

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(2017年製作の映画)

3.5

自らを追い込んで、火事場のなんとやらを引き出す方法を選択した中途視覚障害のサリヤ。一流ホテルマンの夢を叶える為に、ミュンヘンで人生最大の大嘘をつく。
だが百歩譲っても観客として私は拍手は出来ない。その
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.4

「バックトゥザフューチャー」のプロムは、日本でもアイルランドでも憧れの的なんだなぁ。
素晴らしき若者たちの物語。’80年代ダブリンの不況の煽りをくって、転校を余儀なくされたコナー君。"CODA"の彼。
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咲む(2021年製作の映画)

3.5

看護師を夢見る新卒の瑞月は、家族全員が聴覚障害という環境で育ち、キラキラ瞳が魅力的な女性。
父との確執で疎遠だった祖母が住む久仁木村で、お助け隊として村人に斬り込む姿にハラハラするが意外とたくましい。
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