ワンダフルデイズモーニングさんの映画レビュー・感想・評価

ワンダフルデイズモーニング

ワンダフルデイズモーニング

(ハル)(1996年製作の映画)

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「リリイ・シュシュのすべて」──というかむしろ「市川崑物語」よりもずっと早く、映画を"観る"よりも"読む"という試みで作られた映画であるのは明白で、森田芳光が「洋画がヒットしてるのは観客は文字(字幕)>>続きを読む

ハニーレモンソーダ(2021年製作の映画)

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あまりにも最高──。
 日本映画に燦然とおっ立つ"青春キラキラ映画"そのエッセンスがすべて凝縮されながらもタイトルの通り甘いだけではなくシュワシュワと弾ける爽やかさを伴って描かれている。最高。ずっと観
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ラバーズ愛の軌跡(2015年製作の映画)

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普通にプロットがうまい。
照明を乱反射するラバースーツが単純に美しい。
ラバースーツを纏ったSMプレイを"言葉に依らず…"と、タンゴになぞらえるのも良い。
それを精神科医つまり言葉を介して相手の心情を
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(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

落語やんけ!!! この映画のコピーが「狂ってやがる」なのは、マジで全方向に効いてて良いと思います。


北野武監督ではなくビートたけし監督なのだというコメントをよく見るけど、まぁそうだなというか、北野
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彼方からの手紙(2008年製作の映画)

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車内にいる吉永とユキをフロントミラー越しに捉えるところで吉永→ユキと映す時にパンではなくほぼ変わらない・やや右にズレた構図にカット割ってジャンプで繋いである時にグッとくる。黒沢清がLOFTで発明した">>続きを読む

La paresse(原題)(1986年製作の映画)

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いま読み進めているトーベ・ヤンソンの短編集にかなり近い感覚をおぼえた。
トーベヤンソンは短編を素描というしすぐ小説の中に「素描」って言葉が出てくるがアケルマンのこれも素描である。無気力さをスケッチして
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街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

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 ハネケのセブンスコンチネントがいかに丁寧にわかりやすくそしてハッピーエンドに作られていたのかというのを思わされる。言葉にすると矛盾するようだが「そのように入念に準備され設計された機能停止および破壊」>>続きを読む

いとこ同志(1959年製作の映画)

5.0

最後までずっと面白いけど、こーゆーの観て「なんでこんな物語観なきゃいけねんだよ」とシャブロルにムカつく気持ちをちゃんと抱くことが大切に思う。我々にも楽しく生きるべき人生があるから。
 同居人≒シャルル
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アンドロメディア(1998年製作の映画)

5.0

 ハチャメチャな脚本をハチャメチャに撮ってしまうのは単なるハチャメチャで、単なるハチャメチャというのは面白くないのだが、ハチャメチャな脚本を正確に映画にするとこうもヤバいのか。
 近年のインタビューで
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偽大学生(1960年製作の映画)

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 原作「偽証の時」にそれまでの経緯を肉付けされているオープニングからしてある種非常にばかばかしいというか、「偽大学生て!」という気持ちがずっと消えないままではあるのだが、次第にやばいことになってくる。>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

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かわいい漢の鉄則は無口・無表情。これは強烈な学び。しかしタマネギ生で食べるのマジ?

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

5.0

 破格のキュートさも含めて片手で涙をぬぐいつつもう片方で握る拳に強く力をこめることで私がカウリスマキへの全幅の信頼を強く示しうるのは、登場する三人の行動その源流にあるのが"相手にやさしくしてもらったか>>続きを読む

東京兄妹(1995年製作の映画)

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 市川準は"時代の変化もしくは経年に伴って風化し消え去ろうとしているもの"にかなり強い執着があるというのが私の印象で、だけどそこにノスタルジーを見出そうとしているわけではないというところに苛烈さを感じ>>続きを読む

ぼくの小さな恋人たち 4Kデジタルリマスター版(1974年製作の映画)

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どーてーだから勇気を出しても極端に痴漢みたいなことしかできない、そういう自分を女の子に受け入れてもらえない。
だとか、
子供のままでいさせてもらえないけれど、大人じゃないから舐められて働いても働いても
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ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

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「死ね、ナルシスト」っていうのが観客からアレクサンドルへの思いだろうから、すでに映画の中で語られる時点で「ダメ人間な俺の自伝」みたいな私映画とは違うのだろうし、「俺の苦悩をわかってくれ」みたいなことで>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い 4Kデジタルリマスター版(1966年製作の映画)

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 「楽しい中央線」だったか、やまだないと先生が「西荻はパリに似ている」と言っていて、当時のボクというのは東京にはなんてオシャレな街があるんだと思ったものだけど、西荻の街並みが実際パリと似ているかどうか>>続きを読む

わるい仲間 4Kデジタルリマスター版(1963年製作の映画)

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 ところで、もし自分がまったく同じ話を思いついてまったく同じシナリオを書き、しかし現代日本で撮るということになったら主人公の二人組には霜降り明星のお二人をキャスティングするね。

 序盤、会話シーンで
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

おそらくは毎度本気で言ってる引退宣言および撤回を繰り返し続けて今回もまた一本渾身こめた映画を世間に放った宮崎駿に対して、ただいくらかの金を払ってソファ製の座席でぼーっと2時間アニメ眺めたにすぎない観客>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

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 映画っていうかドラマシリーズが好きだったので、シンエヴァとかもそうなんだけど映画としての是非はどっちでもいいや、岸辺露伴観たいのだくらいのつもりで観た。

「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」ってタイトルで
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

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 ミハリナ・オルシャンスカたんがかわいい。
 先んじて言っとくが私はこの映画好きである。
直截に伝わってくるものは何もないが、そもそも映画とは何かを伝えようとするものなのか?ということを考えるとそうい
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.0

「いいやんけ泣」と思う。賛否が分かれるのはわかるけど私は完全擁護の姿勢をとる。
 恋を知らない孤独な陰キャが自分の胸のトキメキに「コレゎそういうやつじゃなくてぇ…!」と気持ち悪い言い訳をしながら好きな
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RRR(2022年製作の映画)

3.0

体感は1時間ですよとかはウソ、ちゃんと体感3時間、それは「まだつづくんかい」の、あの徒労感である。
クラスのみんなが楽しんでるのにタイミング併せて私も笑ったりした。ああいう時間。

ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)

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 観終わってから冒頭の5分つまりタイトルがバーンと出るまでを十回以上観た。個人的には、この5分間はその後の137分間を凌駕する凄まじい面白さだ。のっけからの異常なテンション、突如勃発する暴力、銃撃戦、>>続きを読む

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