KSさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

5.0

ビリー・ホリデイが歌う「奇妙な果実」を中心に、黒人差別の際に用いられる理不尽な出来事やトーンポリシングなど、公民権運動の背後にあったモノを描いた作品。

彼女の有名な横顔の写真と同じ画角をカメラワーク
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アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

3.5

R&Bとゴスペルの結節点としてのアレサ・フランクリンを捉えたライブ映像。

オズの魔法使(1939年製作の映画)

3.0

小さい頃に、おばあちゃん家で何度も観たと思っていたが、実際に見ていたのは、最後の30分だけだった事に驚いた。

モノクロで怖い印象が強かったけど、全編みたら、カラフルで、ビビットな作品だった。

なんか、アツい夏。(2023年製作の映画)

3.0

白と黄色のタイトルバックが架空の夏感を演出していて、それが、物語の2人の頭の中で膨らんでいく夏の恋感とリンクしている所がよかった。

バービー(2023年製作の映画)

4.0

社会における役割に縛られるのではなく、自分の存在を確認する作品。

いまの社会における女性的/男性的とされるあるある話をしているようだが、なぜそうした役割を私たちは演じてしまうのかまで、射程に捉えた作
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イミテイションブルー(2022年製作の映画)

3.0

共通点や逃避という側面から、恋というワードを捉えた作品。

さつきのマドリ(2021年製作の映画)

3.0

世の男性が物件として見える特殊能力を手に入れたコメディ。こうした恋愛における選定方法って、今の社会の構造が男尊女卑である事を前提とした選定の方法だなと改めて思った。

百万弗の人魚(1952年製作の映画)

2.5

元水泳選手のエスター・ウィリアムズの半生をちょっとなぞっているのかもという作品。

テムズ川を泳ぐトコは、セットだろうけど、本当だったら汚そうだろうと思ったのは私だけではないはず。

ショウ・ボート(1951年製作の映画)

3.5

当時の価値観で女性における幸せとは何かを描いた作品。

ワンドロップ・ルールなど、黒人差別も描きつつ、親の反対を押し切り女性自身が決定する事を描くが、現代の感覚における自立とは少し違う。

THE UNIVERSAL DRESS(2021年製作の映画)

3.0

車椅子におけるファッションを通して、服装によるエンパワメントの側面と、この社会が持っている車椅子に対するネガティブな視線を浮き彫りにした後に、それを反転させてみせる。

クラッシュ(1996年製作の映画)

4.0

デビット・クローネンバーグが刺激に向き合った作品。

不倫という心理的な刺激に始まり、交通事故からタトゥーや自分の身体に対してと、徐々にエスカレートしていく様を描いていく。

本作において、性欲とは刺
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ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

3.5

サイコ・プラズミックという怒りをカタチに変える治療法があったらというSF、怒りの連鎖がテーマの作品。

こちら放送室よりトム少佐へ(2020年製作の映画)

3.0

1人で作っていたラジオドラマに飛び入りして2人で作っていくという物語のプロットは面白いが、オタク男子校生と病弱な美少女というステレオタイプ的な表現。ここは男子校生のただの妄想であるという表現なのだろう>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

4.5

言語は伝達の手段だが、それを超えた相手の意図を読み取るだけでなく操作できるスキャナーという特殊能力を持った人が現れたら、私たちの世界はどう変化するのかという事を描いたSF作品。

自己や人権、身体と言
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ROUTINE(2020年製作の映画)

3.5

清掃員が凄ワザ大道芸人だったら。

最後の終わり方に、仕事における相性ってあるよねと思った。

昔のミュージカル映画を観ていると、映画って凄ワザ映像の面白さがあるよなぁと思っていたけど、本作もまさにそ
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Transform(2021年製作の映画)

3.0

どういう技術を使っているのかは分からないが、横断歩道を渡る人たちの映像からプログラミングを用いて、昔のiPodみたいな映像を作ったという事なのか?

裸のランチ(1991年製作の映画)

4.0

薬物依存を用いて、言語使用する事と、理解するとはどういう事かを描いた作品なのではないだろうか。

性行為や性的欲求や欲情といった感情も、言葉やメディア(媒体)によって変化する。その例題としてタイプライ
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時間銀行(2021年製作の映画)

4.0

時間と空間がセットになっている事や時間銀行たる所以であったりとか、ほっこり展開が面白かった。

長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.5

ペットとしての生活に馴染んでいくと共に、尊厳が無くなっていくと語る彼の姿に、社会生活や文化としての人間の側面が表れているなと思った。

長靴を履いた猫の時と、ペットとしてのネコの時で、同じキャラクター
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上流社会(1956年製作の映画)

3.0

妻のは貞淑であれという呪縛から解き放たれるラブコメ。この時代に、これが作られていたのに、なぜラブストーリーは、この後も貞淑を求めていったのだろうか。

リーゼントの原型となる髪型は、フランク・シナトラ
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映画の妖精 フィルとムー(2017年製作の映画)

3.0

クレイ・アニメで、映画の妖精と共に映画の名シーンを辿る。ニュアンスが変わって、これはこれでいいかも。

エンドロールでまさかの斎藤工でびっくりした。

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

5.0

社会通念で行われている行為に対する素朴な疑問を、セリフに織り交ぜながら観客に提示する、その手法には毎回圧巻!

嫌な話をしている時に、そのシーンで鳴っているべき音で、耳障りな音(車のワイパー、ハエの音
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Sisam - Our neighbors -(2021年製作の映画)

3.5

映画として説得力やまとまりがあまりない感じがするけど、地域のコミュニティとして関係を続けて、文化を再発見したり作っていくってこういう事だよなぁと、納得した。

アーティスト(2011年製作の映画)

3.5

『ザッツ・エンターテイメント』でさらっと描かれていた、サイレント映画からトーキー映画への転換期が舞台のサイレント映画。

長いスパンで観ると、古いモノから影響を受けて新しいモノが生まれるというカルチャ
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

4.5

視覚の拡張の話かと思っていたら、肉体からの解放の話で驚いた。

ASMRやVRなど、徐々に本作で描かれているモノに近づいてきている事を思うと、私たちの身体に対する認識はどう変化していくのか。怖くもある
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ザッツ・エンタテインメントPART3(1994年製作の映画)

4.0

このシリーズで解説も一番多く体系的にMGMミュージカルが理解できるので、Vol.3から観る事をオススメします。(制作の裏側や未公開映像もあります。)

リトルマーメイドは、エスター・ウィリアムスの人気
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幸ラーメン(2021年製作の映画)

4.0

内容に対して、音楽が壮大な所が良い!
音楽のお陰で、幸せって何だろうか。という壮大な問いの作品に生まれ変わっている。

プリンス/アンダー・ザ・チェリー・ムーン(1986年製作の映画)

3.0

プリンスが作ったラブコメ。わざわざ白黒な所とか、何か参照点があるのだろうか。

プリンスの愛という概念や死生観を示しているのかもしれないが、特別な作品ではない。

ひびき(2021年製作の映画)

4.0

交通警備員のおじさんを主人公にした短編。
なぜサラリーマンの男は、奥さんに口を聞いてもらえないのか、奥さんは出てこないが、それが凝縮されている。

ザッツ・エンタテインメントPART2(1976年製作の映画)

3.5

映画の中では曲が一瞬でできる様を何個も繋げられるとだんだん笑えてくるし、映画が虚構の作りモノの世界である事を意識させられる。
その他にも本作では、別映画の同じセリフの所も何個も集めて繋げるなどして、文
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SHIBUYA TOKYO 16:30(2020年製作の映画)

4.0

ハーヴェイ・ワインスタインの事件が日本でもあるんだろうなと思わせるリアルな質感で描いた作品。

ザッツ・エンタテインメント(1974年製作の映画)

3.5

“ミュージカルは幻想の旅”をテーマに、その幻想がどう作られていったのかを描いたMGM創立50周年を記念して作られたMGMのミュージカル史をダイジェストでまとめた映画。

ミュージカルといった際、現代的
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.0

ストップ・モーションとは思えないキラキラした背景や、印象的な狼のシーンなど見どころは多いが、意味深な野生動物というセリフや最後まで皮肉たっぷりな表現はあるが、それが物語としてどういったテーマ性なのかが>>続きを読む

ハウリング(2013年製作の映画)

3.0

『ドロステのはてで僕ら』のアイデアの元になったであろう短編。

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

3.0

繁殖能力を失った人類の中で、唯一妊娠したのが、違法移民の女性だったという設定のSF映画。

本作を見ていると、日本の人権を無視した技能実習生制度や、子どもを産もうと思わせない社会保障の現状などを見てい
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