扉を開けよう。強く、クールな憧れの世界へ。不良の世界?関係ない。
これは、ある少年のサクセスストーリー。
上へ上へ。子どもとおとなの狭間(mid)にある過渡期ゆえの勢いと葛藤。
妬みも巻き起こしながら>>続きを読む
Awkwafinaが繋ぐ東洋と西洋、現世とあの世、身体と氣。異質なものが少しずつだが交じり合っていく感覚。おばあちゃんから受け継がれるかけがえのない時間。
軽やかなタッチで、一見普通なおじいちゃんが巻き起こす名画盗難事件を描く。その一方で、背景として社会問題も炙り出し、「I, Daniel Blake」(2016)を想起。
飄々としたJim Broadb>>続きを読む
ミステリーと気品、アクションと高揚、スリルとほろりとくすっが絶妙に押し寄せる、ビーストの世界。
ジェイコブが奮闘、バンティは自然体、ユーラリーがクールで、ニュートと兄テセウスはハラハラしながら珍闘。>>続きを読む
平和は在るもの。欠けているなら、和平というプロセスが必要。それを希求していた家族の物語。
答えが一つなら紛争は起きん。根っからの旅人であるアイルランド人が呟く。優しくてフェアでお互いを尊敬し合えれば>>続きを読む
互いの正義がぶつかり合って。
守って攻めて。攻めて守って。
相入れない。
インド洋に突き出す角でも、
極東で分断された半島でも。
手を繋ぐことが許されない。
外交の理想と欺瞞に想いを馳せる。
脈々と受け継がれてきたもの。
次の世代に託していく。
その声は穏やかだが厳しさを帯びる。
そして、その手はかくも美しい。
茶室。切り離された小さな空間。
流れていく時が実に愛おしい。
フェアリーが舞い降りた。
英国の長閑な地方の邸宅に。
なぜこんなにも優雅なんだろう。貞操に背いた、許されない情事の一日なのに。神話の世界から飛び出したような。書物に囲まれた知的好奇心と、時空の旅路が>>続きを読む
それだよ、それ。
どれだよ。
どれでもいいじゃん。
よくないよ。
いいんだよ!
人生は問答。葛藤に光をさすのは自分。
行ったり来たり。
転んで立ち上がって。
さ、行こか。
静けさが美しい。
横たわる沈黙。
サヘルの美しくも過酷な自然と調和する。
虚構のサッカーに弾ける笑顔。
昔ながらの争い、現代のテロ。どちらも根っこは同じ。
そこに潜む顧みられない恐怖。
静けさゆえ>>続きを読む
ネオン輝く大都会には、無数の苦い記憶と後悔と、ほのかに甘い思い出が包み込まれていて、その中で今日もこのくだらない日々を過ごす。ああしておけば、そうしなければ。そんな「たられば」に夢を見させてくれる人気>>続きを読む
スクリーンに映っていないもの。
映さなくていいもの。
映してはいけないもの。
静かな喪失感と優しさがそこにはある。
春原さん。だれ。なに。
観ている方がつい詰めたくなる距離。
その距離こそがこの作品>>続きを読む
ほとばしる暴力性と情感。
終始休まることなく続く迫力の歌とダンスに表れる。作り手のどや顔さえも見えてきそう。
歌うように演じ、演じるように歌い、ふとした間も含めて堪能するのがミュージカル映画ならば、>>続きを読む
始めの1/3、約40分。雄大な神秘の世界観と俗世との対比への誘い。そこからのテンポの良いエスカレート。ラスト1/3は更にステージが上がる。不安と恐怖に溶け込んだ優雅さ。
怖がらせようという陳腐な興行精>>続きを読む
視覚に頼って観る作品だが、あえて目を閉じてみたい。自然の響き、生活の声、手話や舌の擦れる音さえ、細やかなオーケストラを構成している。映画館という魔法の箱でそれを感じる至福の時。
La Famille >>続きを読む
熱気が過ぎ去ったあとの侘しさ、懐古感、浮遊した感覚。80年代を包んでいた狭間の渇いた空気感。
未知との遭遇は、この世界の光と色を変えてくれる…かもしれない。
静かな希望が、地平から宙に突き上げるような>>続きを読む
行かない?楽しいところへ。
希望を外に求める、人の常。
しかし努力しても実らない。成功する前に突然死ぬこともある。怪しげな英語学習所に通っても虚しくSuomiのネオンが光る夜の路上を彷徨う。
きっと>>続きを読む
垣間見えるフェリーニの慈愛。
混沌とした社会にも当然漂うノスタルジー。
この世界を形づくるのは無数の偶然。
めぐり合いとすれ違い。
想いがいくら募っても、ポエティックに並べてみても、人と人が織りなす実際の空気の中で思いもかけない模様になり得る。
そんなあやふやな中に生きて>>続きを読む
ここから始まった。
トリュフォーもアントワーヌも新たな波のうねりも。
瑞々しく少年たちの感情が、溢れて漏れ出し滞留し駆け出す。バルザックへの想い、書物への尊敬、権威への反抗、仲間との絆と孤独。
少年ら>>続きを読む
この国に本気なんてのはありゃしない。
ワルシャワ蜂起という死に場所が過ぎ去り、普通に行きたい想いと、逃れられない現実の狭間でもがくレジスタント。
カオスの刑務所。暴発する内に潜む悪。
Joker(2019)に繋がる要素。この三連作を通じて監督は、ジョークがウケるかを気にしていたに違いない。その不安と挑戦すらもそのまま、のちにアーサーに受け継がれ>>続きを読む
夢を追い求めた者たちが、隠れた陰から姿を現し、集うフィールド。80年代の特徴であるミステリアスな雰囲気。
イタリアの高名ブランド一族の栄光と転落、破滅。野心に絡まる情愛が、驕りに塗れた嫉妬に変貌していく。
諸行無常、栄枯盛衰。気品すら漂う古からの万国共通の理。イタリアで描くからこそチャーミングに、エレガン>>続きを読む
原作のスリルとアクションを活かそうともがいた脚本は佳作。その甲斐あって、戦闘シーンも見事な出来。やはり岡田准一以外の関西弁が気になる。が、それもギャグが散りばめられた作品の中ではご愛嬌。
例えば、冒頭のカフェでのシーン。売春を目論む既婚男の背後には、大航海時代さながら、立派な帆船。未知の世界に旅立つ高揚と共に植え付けられる漠然とした不安。一方、そり立つ船首からは卑猥な印象も。
対照的に>>続きを読む
題材のずしんとくる印象とは裏腹に、巧みな色彩と光の切替が退屈させない。暗いトーンの画のあとに鮮やかなカラー。Anne Hathawayの登場もその一つ。Mark Ruffaloの不器用だが愚直なキャラ>>続きを読む
四年に一度、全米が参加する一大イベント。その合間の時期に、激戦州(スイングステート)で行われる、茶番。カラ元気な鼓舞とヒステリックな嘆き、クレイジーなリクエストが交差する、まさに茶番。
片田舎の町長選>>続きを読む
猫背で小太り、重い瞼。
盾だ。強い意志で、批判の銃弾に耐え、目標に向かって漸進していく盾。
守られ成功していく姉妹の物語では面白くないが、炙り出される英才教育とスポーツビジネスの闇がドラマの一つ。大坂>>続きを読む
そっと包んで餃子を湯に通すように、
キャンバスに筆を重ねていくように、
優しく丁寧に、10代半ばのあいまいな境界線を描く。子どもとおとな、友情と恋愛。聞こえてくる心の音色によって、行ったり来たり。
だ>>続きを読む
前回ラスベガスはまさに狂気の街。バンコクに舞台を移し、勿論危うさを備える大都会だが、異国情緒が不思議な優雅さと爽快さすら醸し出す。
その空気感と共に改めて気づくのは、これは馬鹿騒ぎの単なるコメディでは>>続きを読む
この撮影、さぞかし楽しかったろうな。
ありふれた日常にぶちかます欲と鬱憤、そして友情。
無関心。他人事。
弁護人が表す作品前半のスタンスは、そのまま21世紀の心情とシンクロする。
そんな事件が昔あったらしいね、軍事政権のあの時代。それゆえに尚更、凄惨な隠れた事態を知り、動揺して憤る。
旋>>続きを読む
翻訳するという作業を含めて、文学への愛が詰まった映像作品。
引き立てるのは地下の9人。
エンドロールの頃には其々に強く愛着を感じる。見事に。
「私は貧弱な真実より華麗な虚偽を愛する」、仏映画監督Roger Vadimの言葉らしい。
Mélanie Laurentの冷めた眼差しが徐々に血走っていく。Jean Dujardinの何かを企んでいそ>>続きを読む
ボーイズ。
ひとりになって、また集まり。
時間を一瞬で飛び越える。
人生の酸いも甘いもひっくるめて。
嫌な腐れ縁のあいつ。やっぱり仲間。嫌われるキャラクターを好演。