みんなおせっかいだし、思ったことをすぐに口にするし…でも10代ってこんな感じだったかもなと思った。
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素晴らしかった。
それぞれの人間が確かにつながっていくことを、この映画は丁寧に描いていてすごく感動した。
何気なく言ったことがその人にとっては大きなことであったりするし、その人が抱えているものについて>>続きを読む
圧倒的なおもしろさだった。
ダイナミックなスケールの映像に、ハンス・ジマーの音響を全身で浴び続けることができる贅沢な映像体験。まさに細胞レベルで体感ができたという実感がそこにある。映画館で観る素晴らし>>続きを読む
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マジョリティーがマイノリティをフックにすること。「売れる」ということはマジョリティーに評価をされることであるから、それは至極当たり前なことなのだ。本作はそんな蔓延った現在のエンターテイメントの姿をとて>>続きを読む
惹き込まれる時代設定にのっかるストーリーの質の高さ。まさに理想的な時代物サスペンスだ。
盲目な主人公が天性の才能で成り上がっていく少年漫画的な展開からの、壮大な事件に巻き込まれていく展開。この王道まっ>>続きを読む
約2時間半、全く無駄がなく繰り広げられる会話。まさに裁判のシーンでも頻りに論点にされた主観と客観が、目まぐるしく入れ替わり立ち替わりする抜群のおもしろさ。
言語の違いや偏見、生活と作品、知っていること>>続きを読む
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“おそれている”とまさにタイトルにあるように、終始防戦一方だ。
母に会いに行きたいのに寝坊して、鍵も無くして…と冒頭まではまだ現実的で、笑える箇所も多かった。しかし、事故に遭ってからは、セリフと周囲の>>続きを読む
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何がDumb(愚か)なのかすぐにはわからないほど株式投資に疎い私でも、沸き起こった奇妙な連帯にすごく感動した。
人口の半数が預貯金しているこの国に住んでいるからか、老若男女が株の話をしている作中の世界>>続きを読む
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勝手に想像していたものと傾向が違くて、かなりおもしろかった。
犬人間というのは特殊な設定では決してなく、あくまでこれは着ぐるみであることを冒頭で示す。つまり、なぜ犬人間になってしまったのかというより、>>続きを読む
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田舎の大家族で暮らすコットは、主張することがあまりなく、おとなしい性格だ。
飲んだくれの父親、無関心な兄弟。そんな深刻な家庭環境の中に彼女は埋もれてしまっていて、追い詰められてしまった時によく走り出す>>続きを読む
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俳優、衣装、美術、脚本といった作品を構成する一つ一つがとても強烈なのにそれぞれが絶妙なバランスのもとに爆発している。
独特なカメラワークによる画づくりの徹底さには唸ってしまって、全く飽きない。特にラン>>続きを読む
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スタンダードサイズの一つの画が生き物のように伸びていき、二つの画に分裂する。そして、この二つの画が老夫婦の“死に様”をむき出しに描き出す本作は、単なる手法の提示に留まらないものですごくよかった。
ふだ>>続きを読む
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創作は生活の上に成立しているということを真摯に描いていて素晴らしかった。けっして創作論を押し付けるようなことではなく、何かをつくっている人間の、些細な物語だ。
お湯が出ない、嫌いな鳩の世話をしなきゃ>>続きを読む
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“売れる”“何者かになる”ということは、世間からの評価がなければ成立しない価値観で、人間関係あってのこのメカニズムを受け入れる姿勢が必要になってくる。つまり、やりたいことに少しだけの社会性を持ち合わせ>>続きを読む
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人間がいるべきではないアンデスの山奥は死んだほうが楽だとさえ思えてしまうほどの過酷さ。そんな中でも事態は好転するが、山は最も簡単に人間を叩き落とす。その絶望の繰り返しを本作は確実に描き出していて、映画>>続きを読む
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死者との交信という割とありきたりな設定だが、若い男女のノリや思春期の格好づけが取り返しのつかないことになっていく流れや、亡き母の真相、父親との確執などの絡ませ方が秀逸で、全体的にまとまりのある作品だっ>>続きを読む
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富裕層に寄生する系のサイコスリラーはいくつか思いつくが、『saltburn』は群を抜いておもしろかった。
カラーリング(特に赤が印象的)や奥行き、角度など徹底されにされた画づくりの潔癖さが滲み出ていて>>続きを読む
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まだ薄暗く、街が動き出していない早朝。ほうきの掃く音で起床し、至って決まった手順で支度をし、仕事に向かう。仕事はトイレの清掃員。車でトイレをあちこちと周り、仕事を終えたら銭湯、居酒屋、読書。そして、眠>>続きを読む
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ある森の中で犬が骨を見つけた。しかもそれは人骨であり、1人ではなく2人並んで仰向けのまま死んでいることがわかる。
そんな冒頭で始まる本作は、西部開拓時代を生きた男性2人のひとときの友情を穏やかに映し出>>続きを読む
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廃棄商品を勝手にあげてはもっていったことがバレて職を無くす女性。
タバコをやたら吸って、紅茶にも酒を入れてしまうほどのアル中の男性。
互いに独身で、もうそこまで若くはない。
そんな2人が些細なきっかけ>>続きを読む
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一体何を観ているのだろう、と思いながら、そしてそれを維持したまま映画が終わってしまう。そんな稀有な鑑賞体験だった。
本作は、ある家族の子供を1人の他人が殺してしまったというなかなかに酷な設定を基盤に>>続きを読む
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多様な人間模様が複雑に絡んでいる上質なドラマにこの圧倒的な世界観。終始釘付けにならざるを得ない傑作だった。特にロングショットになったときの壮大さにはめちゃくちゃに惹かれた。平均的な顔が並んで、目玉だけ>>続きを読む
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暑さの激しい季節、夕飯を一緒に食べていた時にプロポーズを受ける。そんなとても感動的で美しいシーンで本作は始まる。しかし、市子は出された婚姻届に自分の名前は書かずに失踪。その理由を市子を囲む関係性を通し>>続きを読む
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閉鎖的な田舎の不気味さを、酒場でうるさく絡まれるくらいの些細なことから徐々にエスカレートしていく流れの持っていき方がすごくよかった。2回目は冗談じゃすまないと言われてからの3回目もやる感じでグッと怖く>>続きを読む
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スクリーンに映る一つ一つの画の厚みと壮大さに唸ってしまう(特に奥行きの充実さが素晴らしかった)。ナポレオンという男を描くにあたって重要である戦いのシーンの豊富さだけで“映画”を観にきたと思える満足感が>>続きを読む
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コミカルな会話を魅力的なキャラクターたちが軽快に繰り広げ、今にも爆発しそうな思春期の起伏を包み込む街の空気感がスクリーンに充満していた。鑑賞後のこの幸福感の高さはなんだろうか。
ソーラ・バーチ演じる>>続きを読む
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強烈で極度な狂気と笑いをここまで共存させる力量に感嘆した。開始1秒から目まぐるしく展開される映像に終始釘付けであり、北野映画によく描かれる“唐突な暴力”というのが戦国時代という死と隣り合わせだった乱世>>続きを読む
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殺人事件が起きてからノンストップで、まさに階段を駆け上がっていくように、軽快に進んでいくストーリーの手際の良さが見事だった。
作中でもあった“善悪の判断を失ってしまう”というセリフのように、観ていた私>>続きを読む
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石井裕也作品らしい、一筋縄では決して事を済ませない感じ。残酷な描写が突発的に入り込んで物語が進んでいく。着地としては恋愛というよりは、家族愛で、とても感動的だった。窪田正孝がすごくよかった
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まず“ゴジラ”の出来が素晴らしかった。
これはどうしようないという無力感や絶望。これを見事に迫力がつくり出していて、ちゃんと映画館で観るべきだ、と強く思える作品だった。特に熱線を出す身体の機微や、大腿>>続きを読む
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原作である朝井リョウ著の『正欲』が素晴らしかったために、映画という尺で収まるものなのか不安があったが、とてもよかった。淡々とした編集による物語運びの手際の良さ、終盤に佐々木たちの逮捕をあの尺で持ってい>>続きを読む
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完璧な規律の乱れからの確実な破滅。その過程を独特なカメラワーク、端的な会話、不穏な音楽が見事なバランスのまま描いていて、とてもおもしろかった。
とても好みなスリラーでした。
なんと言っても、バリー・>>続きを読む
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感情移入はしない。
全ては予定通りに、即興はしない。
未来は予測できないことを自覚する。
自らの信条に徹底的に従い、寡黙な完璧主義者。まさに理想的な殺し屋で素晴らしかった。
最愛の人を傷つけられたか>>続きを読む
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怪我をする人を助けた時に浴びた注目。もうそれを“注目”と感じてしまった時点で、この人間の恐ろしさがわかる。陳腐な想像力をもった、自分のためにしか生きれなかった人間の姿。
冒頭の浴びた血をあえて落とさず>>続きを読む
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206分という長尺を全く感じさせないスコセッシの演出、ディカプリオやデニーロをはじめとした俳優陣の迫力、ささやくような不穏な音楽…さまざまなティティールが炸裂してつくられた見事な全体で、まさに至高な時>>続きを読む