けんこやさんの映画レビュー・感想・評価

けんこや

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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.0

運命の分岐で異なってゆくそれぞれの人生を描く…というあらすじをみて、てっきりオムニバス的に語られるのかと思ったら違ってた。ビシバシと画面転換を繰り返しながら同時並行で進んでゆくスタイル。

この分岐シ
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ウォンテッド(2008年製作の映画)

3.9

てっきりアンジェリーナ・ジョリーさんが主役の映画だと思ってだけど違ってた。
でも評判通り面白かった。ストーリーの収まりがとてもうまくまとまってる感じ。

弾道を曲げるとか、弾丸を弾丸で撃ち落とすとか、
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.7

『哀れなるものたち』が話題になってるので、んじゃ予習がてら同監督の作風がどんななのか見とこうかと思って見た。

内容は17世紀の王宮における泥臭い女の闘いという印象で、ストーリー的に合うか合わないかで
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ひゃくはち(2008年製作の映画)

3.8

Terを観た後だったんでちょい軽いノリで観れるものないかな、と思ってWOWOWで録画してたこの作品をみた。

評判通りの面白さ。

もっともっと話題になっても良さそうな作品なんだけど…
ヤニはやっぱま
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.3

何かこう、桁を一つ二つ振り切ったような圧倒的な映画の力を感じさせられてしまった。
凄すぎる…。

あまり言葉が追いつかないので少しずつ箇条書で書き出してみると…

冒頭から1時間続く対談ー講義ー会食と
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

3.8

面白かった。
モノクロで見てよかった。
かなり野暮ったい感じの演出が満載だったような気がするんだけど、何もかも全部モノクロ映像の世界観に絶妙にマッチしてて自然と見てられた。
よくぞこの映画を白黒で公開
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

人形が人を襲うということでオカルトホラー的なイメージがあったけど、印象としてはターミネーター的バイオレンス。

序盤のシナリオの綿密さは素晴らしく、事故で失った姉夫婦の子を引き取るも、若き叔母ー姪とい
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青の稲妻(2002年製作の映画)

3.4

昨年ジャ・ジャンクー&チャオタオさんの作品をいくつか観て興味湧いたので、その初期作ということで期待して鑑賞。

思っていたよりかなりクセ強めだった。

カットのぶっ飛び方とか意図的な荒削り感とか、人の
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その道の向こうに(2022年製作の映画)

3.8

家や地元から離れたくて、自分が必要とされるアフガニスタンで働いてたんだけど負傷して地元の家に戻ってきちゃった女性の複雑な心情を描く。

「心の自立」とか「トラウマを乗り越えること」がテーマなのかな、と
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テトリス(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ファミコンとゲームボーイは自分の世代のど真ん中。なのでいやがおうにも胸が熱くなる。すっかり慣れ親しんだ「テトリス」の背景にこんな騒動があったとは…驚きの連続。

もちろん映画的な脚色がふんだんに盛り込
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Winny(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

当時「winny使うとウィルスに感染する」と盛んに言われてて、大変な問題になってたのは覚えているけど、正直よくわかっていなかったのが、今回やっと理解できた。

終始、「へぇぇ」「なるほど」の連続。
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怪物(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

各方面で今年の邦画NO,1と呼び声高いので、それなら今年のうちに見に行っておこうと思い、都内で唯一上映中の映画館に滑り込みセーフ…と思ったらチケット代が通常の倍以上する『高級映画館』だったんでびっくり>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

3.8

普通にいい話なんだけど、綺麗にまとまりすぎてる感じがしていまひとつ物足りなさも感じてしまった。

予告編などの印象から、100人が100人みて全員不快になるようなスクルージばりの胸糞野郎が良きジジィに
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破戒(2022年製作の映画)

4.0

タイトルの字面と明治時代の文学作品ということからして、てっきりよからぬ恋路の話とか勝手に想像してたんだけど全然違った。何か別の文学作品と勘違いしてたっぽい…。でもずっと真面目なヒューマンドラマで良かっ>>続きを読む

氷の花火 山口小夜子(2015年製作の映画)

4.2

かなり前のことになるけど、鈴木清順さんの『ピストルオペラ』を観に行ったときに、「なーんか自分が子供の時にCMとかポスターで見てた人に似た女優さんが出てるなー」と思いながら見てて、あとでパンフレット見た>>続きを読む

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

2.9

病気で死期を知った青年が別れた彼女達を訪ねてまわるという気質が、自分にはどうにも合わず。
前半の未練旅行よりも後半の贖罪回顧のパートの方がまだ見れたけど、結局のところ男性視点のいいとこ取りなヌルい印象
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

3.8

Filmarksの評価が物凄く高いのと感動的な物語という評判だったので勝手に『心に沁みるような落ち着いた物語』なのかと思って見たら全然違ってた。
めちゃくちゃベタな展開をすごいパワーとノリとスピードで
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.9

アフター・ヤンのコゴナダ監督作品と聞いたので見た。アフター・ヤンと同じくしっとりと落ち着いてて見心地よい空気感。

建築物に興味があってモダニズム建築の遺構がたくさん残ってるこの町が好き。
でもその価
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.3

ああ…なんだこの体中に沁み込んでくるような心地よさ…。

物語は近未来、家族同然に暮らしていたAIロボットが壊れちゃったんで修理に出してみたら1日に数秒間だけ、見たものを録画してた事が分かる。で、それ
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.0

ナチスに捕まったユダヤ人がペルシャ人のふりして生き延びようとしたら、収容所の将校がペルシャ語を覚えたいと言い出して、仕方なく超テキトーな「偽ペルシャ語」を教えるんだけど、将校がきちんと全部覚えてゆくも>>続きを読む

戦争と女の顔(2019年製作の映画)

3.7

ひたすら重苦しくて息苦しくて、自分の想像や理解の範囲を超えちゃってる感じ。戦争の『後遺症』がじわじわ画面から染み出してくるようなインパクトで、見続けているのが結構辛かった。

主人公二人の主従関係が独
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

あのスピルバーグさんの自伝的映画!と聞けばいったいどれほど面白いことになるんだろう…

…と思っていたら、意外と普通でした。
普通の映画少年の青春ドラマで、なんとなく海外版の『朝ドラ』を観たような印象
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ブレイブ ワン(2007年製作の映画)

3.7

ジョディ・フォスターさんが好きだから見た。

内容はある事件をきっかけにして夜な夜な『法を超越した正義執行者』になってゆく女性の話。
その経緯も偶然の積み重ねとはいえ納得できる説明描写。
とはいえやっ
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.6

プレゼントを届けに来たサンタが強盗と鉢合わせして一網打尽、というプロットがなんか面白そうだったので観た。

面白かったけど、でも期待を超えてこなかった印象。
個人的にはサンタの設定がもうちょっと乗っか
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.1

当時夢中になって遊んでいたレトロゲームの思い出は、大人になった今でも鮮明に心に浮かび上がらせることができる。(自分は旧ファミコン世代でアタリ2600で遊んだことはないけど。)

もしかするとあの頃、子
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

あらすじより
『あみ子はちょっと風変わりな女の子。たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。奇妙で滑稽で
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ある男(2022年製作の映画)

4.1

原作読んだ時の感触がほぼそのまんまだったんでかなり驚いた。

正直、この文学が映画化されると聞いてもあまりピンと来なくて、果たしてこの作品を映像化したところでどう考えても地味〜で淡々とした無機質な絵面
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

-

エロくてグロくて変態趣味が乗っかりすぎててまるっきりついてゆけない印象でした…。

一応予備情報として見る人を選ぶとは聞いていたけど、有名な映画祭でグランプリをとっているので大丈夫かと思ってたら、全く
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人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版(2022年製作の映画)

3.7

クライマー物については何年か前に『孤高の人』という漫画にどっぷりハマった時期があって、その頃に山野井さんという人がいる事を知り、小説『凍』も読んだりして予備知識あったんだけど、実際の映像見て、改めてそ>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

尋常じゃない絵力のカットがほんの数秒間ずつ惜しげ無く使われていて、何やら狂気のようなものすら感じるレベル。
モノローグはことばとしての聞こえをよほど練り込んでいる感じ。
音楽は自分がよくYouTube
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ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

4.0

戦争が終わったことを知らなくて何十年もジャングルに隠れていた人がいた…という話は子供の頃から両親の会話などで聞かされていたが、割と最近、そうした出来事が実際には二件あり、小野田さん、横井さんとそれぞれ>>続きを読む

ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.1

家政婦のおばあちゃんがパリにドレスを買いに行くだけの話なのにやたらと評判がいいので、きっとこのおばあちゃんがいい味出してるハッピーなドラマに違いないと思ってたら、本当にこのおばあちゃんがいい感じにはっ>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

ニューヨークタイムズに勤務する女性記者二人がハーベイウェインスタインの性犯罪を暴くという実話を元にした話なんだけど、てっきり泥沼の法廷闘争劇なのかと思ったらちょっと違ってて、ひたすら隠蔽された過去の証>>続きを読む

春に散る(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ボクシング映画といえば『ロッキー』『ロッキー ザ ファイナル』と言う二大金字塔が自分の中にあり、また最近の邦画でも『Blue』『ケイコ目を澄ませて』と言った秀作があり、どうしても厳しめに見てしまう。>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

3.7

アロマンティック・アセクシャルという言葉を初めて知った。

自分にはそういう性質が全くなくて、若い頃はほぼ「モテたい」のみで行動してたようなもので、むしろ逆に恋愛や性欲からときはなれた方が爽やかに生き
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宮松と山下(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

映画のエキストラで日々斬られ、撃たれ、死に続けている記憶喪失の香川照之さんと聞いて勝手にコミカルな内容を想像してたけど、全く違って終始物悲しげな雰囲気。

でもこの孤独感というか、侘しくて寂しくて慎ま
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