酒、喧嘩、セクハラなどなど、男たちの子供じみた悪徳の数々を笑う映画で、最終的に男たちの友情に着地するが、ところどころ現れる不穏な画面がそれまでの愉快な喧騒から冷ややかな距離を作り出す──ラフトの飛び込>>続きを読む
遅刻する人、私語を慎まない人、飲み食いする人、言っちゃいけない秘密を言っちゃう人。演劇に対しても陰謀に対しても、不真面目な女たち。不真面目というか、持ち掛けられた(大抵は男たちの)論理にそのまま従うの>>続きを読む
縦構図のなか、ひとりの女が細長い部屋に帰ってくると、そこにはもうひとり女がいる。何気ない会話を聞きながら、どういう関係なんだろうと気になっていると、食卓で向かい合って座る二人を真横から捉えたショットに>>続きを読む
登場人物にも観客にも部分的にしかものごとが見えていないのだと意識させる映画。なにも見えなさすぎる。だからそんな霧と暗闇の先にかすかに見えるものを信じられるのか、信じていいのかみたいな話になってくるわけ>>続きを読む
ショーウィンドウ、去り行く列車の窓、証拠映像。見ることができるが触れることができないものへの欲望、寂しさ、憎悪、恐怖。シルヴィア・シドニーが見つめることになるのはリンチする側の民衆ではなく、鉄格子によ>>続きを読む
落下があんまりない
https://www.nobodymag.com/journal/archives/2024/0307_2135.php
あまりにも軽やかに解体されていく関係の話だけど、だからといって悲惨さが隠されているわけでもなく素晴らしい。演じている側と観客は舞台によって互いに不可視であるという人形劇の特性を面白く撮ってはいるが、そ>>続きを読む
インタビューした
https://www.nobodymag.com/interview/yoakenosubete/
カメラも、音響も、俳優もいいのかもしれないが、演出で楽をしすぎ。ナプキン畳む手元をフレーム外にするとか、カットが変わったら野菜がすでに切られているとか、ただ座りっぱなしで話させたりとか。動きがないなら>>続きを読む
別に仲良くもない人と大した理由もなく同じ道を並んで歩いてしまうの好き。
相手もインドア派だと思って一緒に生活してみたら意外とアウトドアだったという話。
戦争の悲惨さをラジオから響かせるというのはシンプルな手法だけど意外と難しい。
母娘で意地悪ご近所ママを言い負かした後に、ケイト・ブランシェットが娘を讃えながら、意地悪ママの寂しさに気づいてしまうところがまず泣けた。映画でしか見られない人の震え。
相変わらず映画の核になるようなものを欠いていて、にも関わらず余計なものを撮らないと気が済まないフィンチャー。こんな話70分でいい。メッサーシュミットの画は無駄に暗いし、画面に主観と客観を行き来させる音>>続きを読む
「こんだけ飲んで歩ける人を初めて見ました!ユーアーファンタスティック!」と言う小道具のおっさんがいつ見ても最高だなと思う。
遮蔽物が多いけど、シネスコが選択されているから窮屈さはなく、隠れ見える空間をこそ印象付けていく。もちろん横長の画面は、盲目で不安定になった主人公が投げ出される世界を巧みに捉える。明暗、フォーカスによっ>>続きを読む
マット・デイモンがドヤ顔で「マイケル・ジョーダン」と言い放つ場面のスベり具合が良い。この映画のキメ台詞はいつも、以前に誰かがそんなつもりはなく口にした言葉でしかない。マット・デイモンがマイケル・ジョー>>続きを読む
もうなかなか見ることのできない気合いの入った天候の映画。雨も雪も晴れもいい。黒木華のやや太い指先がいい。
金子勇本人が三浦先生にそっくり
https://youtu.be/gqwpooB1jaY
一作目ではいかがわしいカオスなものとして描かれていた欲望が、(時代に)ふさわしく演じられ、語られなくてはならなくなった三作目。女性が自発的に欲望について語るのは素晴らしいが、わざわざ言葉にすることによ>>続きを読む
理由なき破壊衝動も、複製に対する執着も、第二次世界大戦とジョン・フォードへのこだわりも小出しで済ませ、適度に近親相姦を匂わせる母親との関係に時間を割いていく危なげない選択。スピルバーグ76歳のだいぶ甘>>続きを読む
『日本の〈メロドラマ〉映画──撮影所時代のジャンルと作品』と合わせて見たい。やることを狂ってるのかと思うほど全部やってるメロドラマの王道。
戦後流行ったすれ違いメロドラマの完全な焼き直しなわけだけど>>続きを読む
クロエ・ジャオはだだっ広い空間よりも、狭い空間の方が撮るの上手いのではないかと思った。車の中とか、姉、デイブの家とか。舞台美術がなかなか凝っているというのもあるか
職業という主題について話すとき、他のペッツォルト映画とも接続することができる。第一回日本配給作品である『東ベルリンから来た女』(2012年)以降、特にペッツォルトは職業やそれにまつわる技術に対し、葛藤>>続きを読む
カイエ・デュ・シネマ掲載の女優たちへのインタビューを訳出しました。↓
https://www.nobodymag.com/journal/archives/2021/0321_1843.php