Cerroさんの映画レビュー・感想・評価

Cerro

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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

4.1

ムーミントロールは踊らないけど、トーベはよく踊るひとなんだなと知りました。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.1

固有名詞としての男性は一切出てこないが、エロイーズの肖像画とソフィの堕胎から、支配と無責任として表される男性が現れる。モチーフであるこの映画に一貫して見られる炎は、二人の見つめる目線、エロイーズの怒り>>続きを読む

花と雨(2019年製作の映画)

4.4

SEEDA『花と雨』の114分にもわたる、今は亡き実姉に捧げられたMVです。なのでこの映像にカタルシスなどなく、それがリアルでクラシックです。より『花と雨』という曲が好きになりました。高校生の時に衝撃>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.4

リーゼントたちの温かい、落ち着いたリズムは、わたしたちの生き急ぐリズムにとって疎遠なものであり、またすでに時代のはやいテンポとは協和しえない。まあつまり、暇なとき何も考えずぼーっとしてるときに観るのが>>続きを読む

コナン・ザ・グレート(1982年製作の映画)

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おもろないけど、ジェリーさんを見たいがためだけに鑑賞した。

アラヴェルディの祭(1962年製作の映画)

4.5

秋にアラヴェルディ聖堂で開催される祭礼を舞台に、現代人に民族的伝統の真意を問う鮮烈な映像詩です。若いジャーナリスト、グラムを通して見るアラヴェルディの祭では、人々は活気はあるがその本来の伝統や意味を忘>>続きを読む

エリソー(1928年製作の映画)

4.4

「ジョージア映画の父」ニコロズ・シェンゲラヤが監督した無声映画の代表的作品。
1864年、ロシア帝国が、コーカサスのイスラム教徒のチェチェン人をトルコに強制移住させ、あとの土地にコサックを住まわせよう
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.1

「『分別じゃなくって、悪魔のしわざだ!』彼は、奇妙な薄笑いを浮かべて考えた。この偶然がひどく彼を力づけた。」ドストエフスキー著『罪と罰』の主人公のラスコーリニコフが沸き上がる奇妙な力におされて庭番部屋>>続きを読む

金の糸(2019年製作の映画)

4.2

割れてしまっても金の糸で繋ぎ合わせることのできるものとできないものがあるように思います。若いカップルは割れても割れても、繰り返し元の形に戻ります。エレネとアルチルも長い年月割れたままにされていたにも関>>続きを読む

フィッシュ :サーフボード・ドキュメンタリー(2016年製作の映画)

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何を求めてFISHが生まれ、どのように広まったのかを知ることができます。スキップ・フライ、トム・カレン、ロブ・マチャド、ダン・マロイ、デイブ・ラスタヴィッチといったFISHを愛してやまない名だたるサー>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

「戦争」という問題系は常に、それを語る者の立ち位置を要求する現象です。すずさんが、この映画が、反戦的なスタンスをとっているかどうかと言えば、「そうとも言える」というのが答えなんだと思います。戦時下の日>>続きを読む

Stoked & Broke(2011年製作の映画)

5.0

無一文でカリフォルニアを南下していくサイラス・サットンとライアン・バーチのサーフフィルムです。このフィルムでは、「stoked」はサーフィンを意味し、「broke」という言葉で貧乏であることを表現して>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

5.0

「松明のごと、なれの身より火花の飛び散るとき
なれ知らずや、わが身をこがしつつ自由の身となれるを
もてるものは失われるべきさだめにあるを
残るはただ灰と、あらしのごと深淵に落ちゆく混迷のみなるを
永遠
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ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ(2015年製作の映画)

5.0

なんて愛すべき映画なんでしょうか!精神的飢餓感から酒に耽溺する放埒な父親と所有欲の強い凡庸な母親のもとで育ったトマス・ウルフは、著作「天使よ故郷を見よ」の主人公ユージン・ガントそのもので、彼の最後は、>>続きを読む

夜のダイヤモンド(1964年製作の映画)

5.0

寒い。飢え、渇き。苦しさ。収容所の息づかいを何キロも手前から感じ、ユダヤ人貨物列車から飛び降りる二人の逃亡から物語は始まります。二人は、斜面を転げ落ち、川を横切って、次の斜面を這い登り、光と影が染め分>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.4

ところどころに挿入されているやさしい曲とめくるめく太陽に満たされた夏が、いっそう心を苦しくさせます。そして暑さが本格的になり、脳味噌を茹ではじめ、さらには心臓を焦がし、つづけて脳味噌に火をともします。>>続きを読む

憎しみ(1995年製作の映画)

5.0

学校をサボっていたから、憎しみは憎しみを生む、っていうことを知らない三人組の青年の物語です。登場人物はみんな怒りを燃やし、黒い煙と赤い炎が、ダンスの輪に加わって黒髪や赤毛を振り乱す若い人たちのように、>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.4

耳にいやでも聞こえてくる大きな叫び声は、アンナにとっては甘いささやきだったのかもしれない。

赤い部屋、流れる血、燃える愛情、姉妹の不和、羨望の記憶、興味と憎悪と欲望がからみついた眼差し。
他にも自分
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懺悔(1984年製作の映画)

4.5

才能よりも立場を優先し、真実を妨害する市長。不正。不正。たとえ黒猫が暗闇のなかに居なくてもそこから猫を捕まる。三人の友人のなかから四人の敵を見つけだす。多数者が全てを決め、民主主義を履き違える。まさし>>続きを読む

TIME/タイム(2011年製作の映画)

4.0

SF作家ルグウィンの短編集にこんな話があった気がします。
貧者には死、富裕者には倦怠。マリーアントワネットは暇を恐れているといったように人それぞれ持っているものによってこわいと感じるものが違う。

ブラインドネス(2008年製作の映画)

4.1

白い闇の中では、前を向いても心躍るものがひとつもないし、後ろを振り返っても覚えていたいって思うものが無に近い。あるのは、形を失った優しさや愛情。
それは肌の色や年齢などは関係なくなる。

E.T.(1982年製作の映画)

5.0

愛すべきSFの金字塔。
僕も高知の海でどこからか流れ着いた小さなE.T.を拾いました。

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