右指にLOVE、左指にHATE。綺麗に沈み髪をなびかせる水死体。落ち着いた脚本に、このような飛び抜けた描写があると引き込まれる。
綺麗すぎてもうひとつ好きになれなかったけど。
SFというよりはファンタジー。
火星での生存と脱出のみを描いていれば良かったのに、脇役のロマンスに急な中国資本投入と頭を抱える脚本だった。
一作目、二作目と同様、昔に誰かに見せられたんだけど、面白さが分からなかった。
一作目と同様、昔に誰かに見せられたんだけど、ほとんど楽しめなかった。
ずいぶんと昔に誰かに見せられたんだけど、ずっと白目剥いてた気がする。
“母親”という神話は否定されるべきと思うけれど、多くの人が「最低な母親」と評するのは本作の意図するところなのだろうか。
他人のものを奪うという点だけは最低だけれど、それを”母親”の役割として批判する>>続きを読む
曖昧性が心に訴えかける。
あの時の選択は正しかったのか、と思うことはある。多くの作品では肯定されて終わるけれど、本作は曖昧なままにしておく。
そうすることで色んなことを発見できる。まだ整理できてな>>続きを読む
物語と違って、現実には原因が分からないことも多く、行動の結果ももうひとつはっきりしない。
本作も物語なのに現実性があり、原因も結果も分からないままで、居心地が悪かった。
貧富の格差がもたらす”結果”を描いたのは、重要だと思う。あらゆることは、起きる前に描かれなければならない。
ただ、物足りなさはある。市民が暴れる狂気性や軍人の暴力性、略奪される側になる上流階級の心情>>続きを読む
音楽という抽象的なものを、抽象的なままにしておくという素晴らしさ。
心を取り出され、水で洗い流し、きれいになった心を元あった場所に戻される、という感覚だった。
「あまりに好きすぎて、 誰にも聴かせ>>続きを読む
視点として、同性の友人が同性愛者であるというのは興味深かった。
ただ、意図的な閉鎖性と、繊細さへの鈍感な態度があんまり好きじゃなかった。コミュニティは狭くても土地はもっと広いはずだし、彼らが自分の繊>>続きを読む
同年代に見える家族4人で荒地に暮らす家族。そこにカラビニエ(憲兵)が来て、徴兵の手紙を受け取り、なんでも手に入ると言われて戦争に参加する。
家族の名前は、クレオパトラ、ヴィーナス、ミケランジェロ、ユ>>続きを読む
若い頃に経験する些細なことでの屈辱感と、それに端を発した虚勢を、上手に捉えてると思う。不安定なカメラワークも、アンニュイなキャスティングも成功してると思う。
しかし、何度も扱われたテーマにテンプレー>>続きを読む
現代のお涙頂戴的、説教映画。
多様性の皮を被っているけれど、結局はひとつの価値観に押し込めようとしてる感は否めない。”大人”も、”子ども”も。
モノクロも大衆性を隠蔽する役割を担っているようで嫌ら>>続きを読む
全体的な古さ(主にスタジオ撮影)で、現実性を認識できなくて、緊張感が無かった。
殺人までを長回しするオープニングは良かったけれど。
サタニズムの作品ってあんまり存在してないから貴重だ。存在してるだけで価値があるくらいに。
頭がおかしくなりそうなサウンドが延々流れてて、映像が入ってこなかった。あと数十秒あったら脳が破壊されてた。
男性性の強調に、まったく共感できなかった。だからこそ、誰かには鮮烈に突き刺さるのだろう。
この快楽映画と、わたしの距離を測ろうとしたけれど、うまく掴めないまま終わってしまった。
観終わった後に、何か考えようとしても、もうひとつ手がかりが足りないような感じがする。
冒頭は興味がそそられ、終わりに向かって静かに収まっていく感じが心地良かった。
気に入ってる服着て、ヘアメイクも盛れて、煌びやかな部屋にいたら気分いいよね、わかるよ。
20歳のデビュー作で逮捕された作品。
フェティシズムと苦悩が同居している。個人的欲望から社会的問題を描く点がアートだった。
エロティシズムでも、デカダンスでもない。
他者とのコミュケーションを面倒臭がったものたちのくだらないラブストーリー。歪んでもないし、絶望的でもない。ただ未熟なだけ。
前半が冗長で、輸送の時には飽きてた。ラストはちょっと良かったけど。家に帰るまでが遠足。
“赤線地帯”というのが、すでに良いテーマである。社会と個人と土地を上手に描いていて、徐々に社会的問題や個人的境遇が見えてくるのも面白い。
暗澹としたラストシーンが忘れられない。
2021年の映画として、テーマも撮り方も新しさがない。
街もセット感が強く、演技も演技してる感が強く、嘘くさかった。
“スケアクロウ(案山子)”の話は新しい価値観の提供を期待したけれど、本作以前にも存在していたアメリカン・ニューシネマと変わらなかった。