Kenyさんの映画レビュー・感想・評価

Keny

Keny

Daredevil is my middle name

映画(421)
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草の上の昼食(1959年製作の映画)

4.2

欲望と科学のお話 ルノワール風。

いくら科学が人類の進歩の先頭に立とうが、本能という風がひと吹きすれば、あれよあれよと理性なんて抵抗力を失っちゃうのですよ。
そんな寓話も楽しいんだけど、ルノワールが
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.4

人間は、スクエアの上に立つには弱すぎる。

もはや金持ちの享楽、あるいはiPhoneのレンズの餌でしかなくなった芸術。それは社会全体の偽善性を促進する。自身のそれを見抜いた時には既に遅し。

いやあ重
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.4

初恋の涙はアプリコットジュースの味がする

Ambiguity
古代ローマ彫刻の曲線が曖昧なように。
ぼやける輪郭線が溶け合うように。
恋は互いの曖昧性を交換し合う。
多くを語らない映画は、多くを語
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モーリス(1987年製作の映画)

4.1

真の人間らしさの探求の苦しみたるや、ってね。美しいはずなんだ本当は。

あんなに美しかったヒュー グラントがつまらない男に変貌していく姿、それとは対象的な変化を見せるモーリス。願望だろうなあ、この違い
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日の名残り(1993年製作の映画)

4.5

お上手でした。実に。すべて。
原作も、脚本も、演出も、俳優も。イギリス景の映し方も。なんて調和だ。

霧立ちこめ、濃厚で青々とした緑がしっとりとした湿度で包むのは、我々の眼球だけでなく、人々の内情の静
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天使の涙(1995年製作の映画)

3.9

豚をマッサージして、無理矢理髪を洗う金城武もいいし、バイクに乗りながらすれ違いと永遠を感じる金城武もいい。

先には何も見えないのに、振り返れば失ってばかり。探し物はなんですかー。うん、わからない。
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処女の泉(1960年製作の映画)

3.7

-煙が屋根の下で震えてるのは、外の世界で自分がどうなるか知らないからだ-

暗示的な蛙の気味悪さ。
汚れた人間世界を横目に穏やかな活動を続ける自然。神よ、なぜ何も言ってくれない?
罪を洗い流すように湧
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鬼火(1963年製作の映画)

4.3

無名戦士の墓の上で寝ることは滑稽ではない。

自分が生きる答えが見つからない。安定?退廃?停滞した人生だ。でもそれは、「確信から逃れている」だけなのかもしれない。
"太陽が目に悪いから影の味方をする"
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エレファント(2003年製作の映画)

4.1

学校という小社会の中で。
その後ろ姿にかかえた重荷は誰にも見えない。誰が解いてくれるんだ。

善と悪では分けられない。考えるしかない。殺戮という暴挙に目をくらませると、傍観者という罪人の群れを見失う。
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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

-

"キューバ人は感謝の心を忘れない
もし物欲の道をたどっていたら
キューバ人はとっくに滅びていただろう
そういった意味でキューバは小国だが強い国だ
抵抗ということを知っている
いい意味でも悪い意味でも"
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地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

4.4

大人が嫌悪するほどの純粋さは、何色にも染まりやすく、欠けたものを補うために地獄への階段さえも降りていく。
エゴ、エゴ、エゴ。しかし最終的にそのエゴが作り出した黒々とした無が、飢えという引き金によって憎
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花様年華(かようねんか)(2000年製作の映画)

4.3

めぐり合った偶然は必然に名前を変え、幻のような過去の陳列棚の中に置かれていく。
花のように魅惑的だった秘密の生活を闇が飲み込み、暗闇への接吻が花の盛りに別れを告げる。

そうか、あの曇ったガラスは、触
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ソナチネ(1993年製作の映画)

4.1

一見すれば小綺麗な絵画のようだ。無味無臭とも表せるほどにあっさりしている。残るのは虚無。北野武は、画家の筆づかいが語る言語だけを信じているのかもしれない。
その筆づかい。如才ないねえ。
"カタギじゃな
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

4.2

"今やフィクションが現実をしのぐ"
"まるで、ハンフリーボガート主演のディズニー映画だ。ゆえに政治映画だ"
いいね。

戦争中では2+2=10になる。世が語る真実とはその程度のもの。USAが作り出した
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家路(2001年製作の映画)

3.8

死を演じることが増えた老俳優。演じてきた人生とは異なり、現実では孫を残して先立たれる。新たな靴での一歩は盗まれた。慣れない役は、こぼれて規則的に広がろうとしていた水が急に縮み出すように、爺さん俳優を小>>続きを読む

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

3.9

目がくらむような原色使い、その中でもザジのオレンジが映えますなあ。しっかし、ザジの満面の笑みと行進がだんだん怖くなるよ。
飛んでくるムール貝の汁に怯えるおっさんが楽しい。
しつこいくらいのエスプリだっ
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.2

100分間。一度たりとも途切れない映像に永遠に広がる歴史と限定された幻想の世界・箱を見る。これはどういう映画ですか、監督。

エルミタージュ美術館でのワンカット撮影なんて、そんな絢爛豪華はずるい!ニコ
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モレク神(1999年製作の映画)

3.7

いちいち絵画的だ!輪郭を吸収する背景がオーギュストのごときだね。どうやって撮ってるの?この朝靄のような湿気のあるショットたち。

解釈は難航を極めたなあ。まったくわからないじゃあないか。
エレベーター
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フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

4.1

人生の暖色部分を切り取った映画。
遠い記憶を夢見心地に思い出す。
大海の豪華客船に涙を流す人々の幸福と無知がニーノロータミュージックに乗ってふわふわと。
タバコ屋の女主人最高でした。「輸出用の?」はっ
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太陽(2005年製作の映画)

4.6

天皇は人間になり、太陽はこの国を照らし出す。そうなのか?
同じ方向を向いていたダーウィンとリンカーンはそっぽを向き合い、天皇はコニャックとシガーを嗜む。

なんて引力のある映画なんだ!ソクーロフという
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アリゾナ・ドリーム(1992年製作の映画)

3.8

だいぶ混みいった人生フィロソフィーだな。クストリッツァがノイローゼになりながら作った、その頭の混沌が伺える。

ただ空を飛びたいだけ。そこに意味を見出そうとすると、親の繰り返しである自分の人生を終わら
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ブロンド少女は過激に美しく(2009年製作の映画)

4.3

それは所詮演出された恋。カーテンが、団扇が、ブロンド髪が、制限された関係を美しくする。
目線が合わない人々に心の通わない人間を見る。小川に乗せた人生論も忘れていない。嗚呼、好きだなあ、このなんてことな
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HANA-BI(1997年製作の映画)

3.8

フィルム全体に落ちる青い影が寂しい。そして鮮血の冷たさ。哀しい映画だ。
何度も繰り返される「ふざけんな、バカヤロウ」とたった一度ずつの「ごめんね」「ありがとう」が印象的。
失うことへの感傷。
音楽は久
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欲望(1966年製作の映画)

4.2

うーむ。唸るほどに濃厚な思考のもとに作られている。哲学的と言ってもいい。

真実を探求し描き出すのが芸術家だ。しかし、その真実とはどこにある?写真の中か。人の心の中か。1が正しいと言っても99が間違い
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お葬式(1984年製作の映画)

3.9

葬式マニュアルビデオを観ることに余念がない山崎努と宮本信子さんがおかしい。そんな具合に日本の奇々とした葬式作法を紹介していくわけですね。
冒頭のアヴォカードから、もう伊丹映画でしかたりえない世界に小脇
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人生タクシー(2015年製作の映画)

3.8

ここまで心奪われる退屈なカメラワークはないねえ。

国から映画製作を禁止されても映画は撮れるよ。と言わんばかりにタクシー運転手に扮しながら定点カメラを駆使して(?)語る語るイランの実状。それも柔らかく
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グレート・ビューティー/追憶のローマ(2013年製作の映画)

4.4

言葉の及ばない美がある。
それを創り出す者がある。

フィナーレより始まるこの映画は、僕の中の美の居住空間でほとばしった。花開いた。でも、その花が何を語りかけているのか、僕にはわかっているのかわからな
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ゲームの規則(1939年製作の映画)

4.0

上流階級のゲーム。規則の中で楽しみましょう。真実を嘘の美で彩る規則。空虚。空虚。「恐ろしいのは誰もが正しいということだ」この嘘だらけの世界で。
ルノワールの演技が愉快。豪邸をのびやかに満遍なく使ったロ
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.9

感情で怒るか。理性で怒るか。
理性ある判断は個人の感情の中でもがき、集団化した感情の前に無力化する。
その連鎖に生きる我々は、何に怒っている?
復讐か、償いか、真理か。燃え盛った怒りの後、不思議な終わ
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ドリーマーズ(2003年製作の映画)

4.4

映画の言葉を真実として引用するなら、ベルトルッチ、あなたは犯罪者だ。

宇宙のハーモニーに気づいてしまったら、世界は混沌だった。答えはわからない。
映画を禁じられた恐るべき子供たちは閉じこもり、はなれ
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ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

4.0

I scream!
You scream!!
We all scream for ice cream!!!
「なるようになるさ」じゃなくて「なるようになっちまったしょうがねえ」そんな映画だ。
Tom
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欲望の翼(1990年製作の映画)

3.8

1分は短いけど長い。僕はその1分を忘れない。
欠けたピースを求めて彷徨う人々の上を飛んでいる気でいた。でもそこには愛も真実もない。死んだ自由しかなかった。

色彩のない縛られた世界を振り払うように生き
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美味しい美女(2017年製作の映画)

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シェルブールの色合いにティムバートンとウェスアンダーソンの世界観をトッピング。と思ったらドヌーヴがとんでもない形で登場をしてきて爆笑ですね。

サマードレス(1996年製作の映画)

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Bang Bang
性の解放
Bang Bang
性別の解放

白いプジョーバイクに赤のサドル
ターコイズブルーの花柄サマードレス

好きだね。ドランの原点の1つか?

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.2

人生の休憩時間。
ドラマチックなんて言葉とは縁がないけれど、コーヒーとシガレッツを挟んで話してるのが僕らの姿。
初対面もいとこもそのテーブルの間に並べた思惑を飲んで吸って、去っていく。

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