戦争の中にも捨てられない人間性があった。英雄譚。
物語としては、難民や兵士、密航の斡旋業者や沿岸警備隊、それぞれの視点で戦争や亡命が語られる。
誰かにとっては命を賭した戦いだし、誰かにとっては仕事だし>>続きを読む
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劇中「俺は本来ハエ一匹も殺さない男だ」というようなことをワヒド(主人公)は言う。確かに彼の行動を見るにつけ、彼は本来、怒りに任せて誰かを拉致監禁するような人ではないんだろう。本来は普通の一般市民である>>続きを読む
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魚は過去へ泳ぎ、人は海に戻る。冒頭の詩情がそのまま結末を暗示していた。霧雨が降る中で今生の別れを覚悟した会話は、なぜかとても美しいと感じた。靄のように霧雨がしたたり、幻想的に見えるからだろうか。若干、>>続きを読む
見応えがある心理サスペンスだった。
主人公エリーザは姉を殺し服役している。が、本人は殺した記憶が無いと言う。本作のメインは、犯行の記憶が無いエリーザと、犯罪者の人間性に着目するして研究する犯罪学の教授>>続きを読む
冒頭の挨拶で監督が「ナポリという都市は複雑で、その複雑さを物語にした」というようなことを言った。この言葉がなければ、この映画をどう捉えていいか分からなかったと思う。
ナポリという都市は、地下でマグマが>>続きを読む
人間を産んでしまう、敢えて「しまう」と言うけど、待望の子供であっても、そうでなくても、生命を産出するという行為の重さを思った。
フォーカスされるのは支援施設に入る若い母親たちだけど、その母親、家族、パ>>続きを読む
言葉の力、物語の力を信じぬいた作品だった。
特に最後、妻役の(ジェシー・バックリー)の表情が、そこから読み取れる母として妻として人間としての感情が、心の動きが、秀逸で目に焼き付いて離れない。
以下、>>続きを読む
語弊を恐れずに言うと、「職場体験映画」。
ストーリーは無く、一人の看護師が仕事をする様子が淡々と写される。患者の身勝手さにさらされ、医師や別の科の看護師らの要求をこなしながら、バイタルを測り、患者を注>>続きを読む
家は「型」だと思った。型のなかに人間が入って、家族という「役割」を演じる。息子たちは型を守る者として責任を負わされ、娘たちは型の中にいる人間の世話をする者として働かされる。そして、家族からはみ出ていた>>続きを読む
終わり方が釈然としなかった。好意的に取れば、「こう終わりそう」という観客の想定を裏切るヒネた終わり方は、この監督の個性だし、この作品の醍醐味かもしれない。
あと「演劇的」という評をどこかで読んだのだけ>>続きを読む
全くはまれなかった。
そんな感想なので、もはや言いがかりのような部分多く、もし読んでくださる方がいたらご留意ください。
東京国際映画祭で見れなくての2年越し。期待値が上がりすぎていたのかもしれない>>続きを読む
生還できてよかった。私が。この映画から。
顔を覆う、目を背ける、耳をふさぐ、異様な動悸がする。そんな調子がずっと続く映画から日常に戻れてよかったと、家について玄関を閉めたとき、強く思った。
家に帰って>>続きを読む
オークニー諸島は風が強いらしい。冬は暴風が吹き荒れ、年間通して強弱あれど風が吹きやむことはないらしい。私は風が苦手だからきっと住めないなと思いながら、気づいたら泣いていた。
この風は、アルコール依存症>>続きを読む
思い出すたび泣けてくる。
物語の型として王道。ロイとアレクサンドリアが互いにかけがえのない存在になっていく様子が丁寧に描かれている。画の美しさというより、2人の触れ合いが美しい。そこを思い出すと涙が出>>続きを読む
夏のじわっとした暑さと夜中踊り通されるという気だるさがかぶさってにじみ出るような映像だった。最後、日常に帰る唄(秋唄)をうたいながら帰るのは、ある意味まじないのようだなと思った。非日常にいすぎてはいけ>>続きを読む
祭りのあとがとても良かった。煮えたぎる湯釜があった穴からまだうっすら湯気が立っている。土の床はまだぬれていて、天井の梁にはまだ神事の短冊が揺れている。
山間の厳冬の季節に行われる神事なんだろうけど、人>>続きを読む
悲しみすら美しい。これを桃源郷と言わずしてなんという、とさえ思った。
チュアン(主人公)の目を通して語られる約30年前の中国農村部は人の関わりが濃いムラ社会。良いことも悪いことも、楽しかったことも不条>>続きを読む
3時間だった。だけど、これ以上短かかったら身も蓋もなくなっただろうし、この長さは致し方なかったと思う。なんならもう少し長くても(見るのには相当努力が必要だけど)良かったかもしれないと思った。
構成は2>>続きを読む
なんでそうなった……移民が生きる難しさや不法就労、不安定な雇用で無視される安全性と権利、根強い差別や格差、何ひとつ深掘りされず、消えていく労働者の謎を追うサスペンスも無い。消化不良。
なんで?なんでそ>>続きを読む
正直なところ、怖くて脈拍がずっとすっ飛んだ動きをしていた。
兄の言葉と態度が嘘なのか真実なのかのどちらを信じるか、そこが結局全てだったんだと思う。「フェンシングで人を殺した」という事態に対して、兄側か>>続きを読む
断片的なメランコリックの集積という感じがした。姪と叔母が、それぞれに彷徨い、姪は結婚へと収束するけど叔母は当て所が(たぶんそもそもないのかもしれない)なくて、家にいても家ではない、誰かとともにいたいけ>>続きを読む
すっっっごい眠かった。特に焚き火が消えるまで、ずーーーーーっと長回しで撮った所なんて、ヒーリング効果(?)がすごすぎて目を開けているのに苦労した。
この映画はそんな調子で、主人公がただ砂浜に座ってるだ>>続きを読む
骨格は、正統派のラブストーリーだと思った。だからこそ、そこに障がいを持つ方の性を乗せたことで、一層鋭さを増していたように思う。
私は最後、すっっっごい悔しかった。
言葉にならない。いろいろ面白すぎる。
まず世界観が面白い。単純な人間と雌鶏の二項対立ではなく、いくつもの世界線が並列的に進行してる感じ。雌鶏。レストランの亭主。娘。その娘(一番キャラ濃ゆじゃないかな>>続きを読む
ラストのあの眼差しに、足元が崩れるような、奈落に突き落とさられるような、そんな空恐ろしさを感じた。
全て嘘だったのか。シャバに出るための。そう思えてきて人間が怖くなった。むしろ閉鎖空間から出てきて、現>>続きを読む
尋ね人も探し物も、見つからないほうがいいんじゃないかな、と思いながら見ていた。
でも違った。妄執だったんじゃなくて、この長大な探し物の旅は、別れるための助走だったんだろうし、旅が別れを決心させたんだろ>>続きを読む
牛の慟哭を聞いた気がして、あまりに擬人的だなと自嘲する。
確かに母牛は、単に子牛と離されたことに生物的な違和感を覚えて鳴いただけかもしれないけど、でも子牛が連れて行かれた方を見て何度も何度も、その後も>>続きを読む
愛と暴力は紙一重だなと改めて怯えた。
いや、もちろんこれは極端も極端な例なんだけど、でも、たぶん本質だし、愛の。
そう思うと、割と過激でスプラッタなところと相まって、動悸がしばらくおさまらなかった。L>>続きを読む
すっっっごい爽やかだった。
胸糞悪いどころか完全調和の世界。
確かに人は死ぬし(文字通りバンバン死ぬ)、ナレーションとか狂ってる。でも怖いくらい全てがうまく行く。全員がグルなの?っていうくらい。
もは>>続きを読む
最初は映像で見る博物学だと思っていた。淡々と記録映像が流れる。ナレーションもごく限られていて、例えば動物誌であれば、19世紀から20世紀初頭にかけて動物の動きや体内の様子がどう記録され、残されてきたか>>続きを読む
先が全くよめない。
ホラーだし、SFだし、鳥と人間の友情だし、母と子との関係性の話だし、医療費・介護費が払えるかの話だし、コミカルだし。「ファンタジー」でまとめれば確かにそうだけど、これだけてんこ盛り>>続きを読む