ヤマギワさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.5

2023年52本目(劇場46本目) 

サスペンスエンタメ映画だからか無理に緊張感を出そう出そうとするあまり、映画全体にメリハリがなくて、逆に平坦な印象を受けてしまった…。

一方で打って変わってトー
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怪物(2023年製作の映画)

4.2

2023年51本目(劇場45本目)

前半のパートが息苦しいカットから一転して子供たち2人でいるときの広がりのある美しいショットが印象的。2人を見ているときに、『天気の子』のここから何も足さず何も引か
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.3

2023年50本目(劇場44本目)

ジョナサンメジャーズの底知れない演技が素晴らしい。正直試合シーンよりダイナーでの会話の方が緊張感があったように思える。
今回監督を務めたマイケルBジョーダンが日本
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.1

2023年49本目(劇場43本目)

なんでもない避暑地での父と娘の休暇。
親子として互いを想いあっているはずの2人の対比がなんとも切ない。娘の青春は始まってゆくが、父の青春は小さい頃に思い描いたもの
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

3.8

2023年48本目

ややチープなポリゴンで描かれた世界だからこそ、直視できた現実だと思う。アニメーションとして、面白い作品になっていたけど、フィクションのディストピアでなく、見終わった自分と地続きに
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

2023年47本目(劇場42本目)

ケイト・ブランシェットほど、人が高いところから落ちる様を表現できる役者はいないと思う。ブルージャスミン、キャロルでも彼女だから成立している役だと思ったけど、今作の
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

3.5

2023年46本目(劇場41本目)

ジェームズ・グレイ監督の半自伝映画。
80年代ニューヨークが舞台であるものの、現代と変わらない家父長性、人種差別が浮き彫りになっててゲンナリ。
1人の少年の生活を
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劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

3.2

2023年45本目(劇場40本目)

TVシリーズを一通り見たアニメはせっかくだし…と思って、劇場版公開されたら観に行ってしまう。
劇場映えするリッチで洗練された作画のおかげで、見応えはある。だけど、
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

3.5

2023年44本目(劇場39本目)

長い地獄巡りに頭がクラクラ。本当に戦場を再現した映像は、音も質感もなにかもがリアルで、誇張なく臭いすら沸き立つようだった。
戦争によって人の様々なものが削ぎ落とさ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.6

2023年43本目(劇場38本目)

アクション・サウンド・ギミック、さまざまな要素がとにかく見覚えがある!と分刻みで脳みそを突いてくるような今までにない不思議な映画体験。

これは映画としての面白さ
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.0

2023年42本目(劇場37本目)
久々のコナン映画!あまりにファン向けになっていて、ほとんどついていけなかったけど、これだけのキャラ数を捌きながら、一本のエンタメ作品として昇華してみせる手際の良さが
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.2

2023年41本目(劇場36本目)

お祭りの終わりみたいに、多幸感と寂しさが入り混じった見事な着地!全キャラが自分で己の居場所を決めて、作ってゆく姿が眩しい。
サントラが特に冴えてて、冒頭のレディオ
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.9

2023年40本目(劇場35本目)

素敵な汚物映画。
下肥買いのふたりを通して、食事・排泄、親・子、そして恋といった要素が循環して、世界ができている様が描かれている。
排泄物まみれな映画のわりに、爽
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ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)

3.7

2023年39本目

人口900万人に対して公共の救急車が45台しかないメキシコシティ。そんな街で非認可の救急隊として生計を立てる家族の様子が描かれるが、とにかく世知辛い。

国営で回らないシステムを
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.6

2023年38本目(劇場34本目)

元ポルノスターの主人公が文無しで地元に帰り、やりたい放題。久々にこんな突き抜けたクズな主人公をみた。笑
自転車に跨る爽やかなポスターが、最低過ぎるシーンの切り取り
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.4

2023年37本目(劇場33本目)

人生うまくいかないタクシー運転手と、持ち家を売り払い老人ホームへと向かうマダムの短いロードムービー。

ほのぼの珍道中かと思っていたが、マダムの回想が半分ほど占め
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.2

2023年36本目

今泉監督と有村架純が登壇する舞台挨拶に当落したショックで、なかなか観れなかったけど、ようやく鑑賞。
ちひろさん、という非現実的にも見えるキャラを地に足のついた人間として、見事に演
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.8

2023年35本目(劇場32本目)

まるで蜘蛛の巣ような陰鬱なロケーションが素晴らしい。「アクトオブキリング」を観た時にも感じた、あまりにも違う価値感にゾッとさせられた。もう終始ドン引きだった。
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.7

2023年34本目(劇場31本目)

ただ生活するだけでしんどいブレンダンフレイザーの演技がすさまじい。
「正直」に生きた結果、周りを傷つけたチャーリーは、もう後戻りできないと言わんばかりに、娘の身勝
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.9

2023年33本目(劇場30本目)

ポスター・予告のB級感が嘘のようなハイレベルなファンタジー映画。ギャグの塩梅や負け犬たちのリベンジストーリーなどガーディアンズのテイストに近いのも好みだった。
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.4

2023年32本目(劇場29本目)

余命宣告後のビル・ナイが酒に溺れ、自分の心情を吐露する姿こそ、生きるという感じがした。
何が残るか、残らないかは人によるのだから、自分のなりたい自分になるのが1番
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わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

2023年30本目(劇場27本目)

人生を成功するためにタイパ・コスパをとにかく重視するような昨今の風潮が、息苦しい〜と感じていた自分には、必要な映画だった。

個人主義の権化のような主人公とは、重
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.2

2023年31本目(劇場28本目)

お母さんお父さん、俺はこういう火の玉ストレートなアメリカ映画が好きなんです…。と伝えたくなるほど好みな作品。
ベンアフレック、マットデイモンコンビには、グッドウィ
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

3.2

2023年29本目(劇場26本目)

お祭り映画の側面が強いからか、正直ドラマは薄い。ドラマの乗ってないアクションって、ぽけーとしてしまうので、大好きなトリガーのアニメーションでも、あんまりノれず残念
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Winny(2023年製作の映画)

4.0

2023年28本目(劇場25本目)

題材選びが見事。なにかと制限が多い日本映画界で、この作品を撮りきったことに拍手したい。
一つの事件を深掘りしていくことで、ここまで日本の衰退の一端を描くことができ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.8

2023年27本目(劇場24本目)

仮面ライダーを一瞬たりとも観ていない幼少期を過ごしたせいか、心ときめく瞬間が少なかった。
懐古趣味な作りと、実写でエヴァ的な台詞回しが肌に合わず、シンゴジラのよう
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

3.7

2023年26本目(劇場23本目)

スパイダーバースから一気に広まったように思えるCGの上に手書きを作画を加える手法が存分に使われていて、こんなに目が気持ち良いアニメーションは久しぶり。

各キャラ
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.6

2023年25本目(劇場22本目)
「マッドマックス 怒りのデスロード」とは、あらゆる意味で真逆な作品。とにかく動きで魅せ続けるマッドマックスに対して、基本屋内でジン役のエドリスエルバの語りと、回想で
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.8

2023年24本目(劇場21本目)

日本劇場最終上映らしいので観てきた。
ダークな童話とファシズム、ファンタジーとリアルが入り混じる構成で、ときおり挟み込まれるバイオレンスもあり、飽きさせない。
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

3.7

2023年23本目(劇場20本目)

ホロコースト下で、ユダヤ人が生きる延びるため、ペルシャ人のフリをして、ナチス将校に架空のペルシャ語を教える、というトンデモ設定。
そんなのありえんだろうよ、と思っ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.3

2023年22本目(劇場19本目)

最近流行りの映画にまつわる映画+監督の自伝という形式だから、また映画は人生を豊かにするのだ!みたいな結論の話かなと思っていたけど、全然ちがった。
人を映像で切り取
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

2023年21本目(劇場18本目)

とにかくカオス!クレヨンしんちゃん・湯浅監督作品のようなテンションで全編ぶっちぎる。

もしあのとき違う選択をしていたら…という誰もが思い馳せる、違う自分を行き来
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.3

2023年20本目(劇場17本目)

パルムドール受賞作ということで、さぞエッジの効いた社会風刺が詰め込まれているのだろうと思っていたけど、わりとタイトルそのままで拍子抜け。
さまざまなトライアングル
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バビロン(2021年製作の映画)

2.9

2023年19本目(劇場16本目)

デイミアン・チャゼルは、新作が上映されれば必ず観に行くつもりの1人だけど、今回は悲しいくらい合わなかった…。
観客に比喩でなく糞尿をぶっかけるオープニングからぜん
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.9

2023年18本目(劇場15本目)

ジャズってかっこいい!と本気で思わせてくれる画面と音の力がすごい。
ひたすらにジャズに、ひたむきな主人公たちの姿を追うだけでこんなに胸を熱くさせられるのかと驚いた
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.1

2023年17本目(劇場14本目)

フランスの避暑地に集まった男女のゆる〜い恋模様。陽射しの温もりとか、夏夜の過ごしやすさとか、ロケ地の温度をそのままにパッケージ化したような撮影が良い!
緊張感もな
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