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こんな傑作が世間に忘れられて埋もれていたとは信じがたいことだが、たしかにレビューを書くのがとても難しい。前半、中盤、後半、そして見返したときの前半で、すべて印象が異なるためだ。
「3点を結ぶ曲線が円>>続きを読む
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反復、反復、また反復。手間をかけて準備し、挫折して引き返す。生活は反復で、人生は挫折だ。ニーチェが涙を流した馬とその主人らが、まさにニーチェの哲学そのものの生活を送る。
(見返してみると冒頭で語られる>>続きを読む
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砂のような映像。
インダストリアルな音楽。
鉄、回路、螺旋、無限。
ループに陥った機械は、回路が焼き切れる刹那、自身の構造を理解する。
機械が吐き出した216桁の数字は、男を同じループへと誘い込む。>>続きを読む
開幕0.1秒でクソ映画を確信する「いらすとや」の説明から始まり、手ブレ補正のないカメラのガタガタ映像、セリフの聞き取れない音響バランス、ド素人の演技、生活感のない空っぽのリビングとクソの上塗りは続くが>>続きを読む
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ベトナムの夜とドビュッシーの音楽が合うなんて誰が気づいたのだろう。
風の吹き抜ける家屋。格子越しの視線。みずみずしい料理、美しい壺。汗で張りついた髪と濡れた葉の青さ。
パパイヤの雫に見惚れていたかつ>>続きを読む
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エンタメしてるのに安部公房っぽくもあり笑い緊張ホラー悲劇カタルシスオチ全部盛りでそりゃ映画賞総なめするわという作品。
この映画には金持ちの悪者も出なければ、貧乏な聖人も出ない。金持ちは容姿端麗で心の>>続きを読む
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桐島の不在を「キリスト・天皇の不在」とする考察を読んだが、私の解釈は少し違った。
桐島の不在はたしかに学校の生態系を変えた。その不在の真空圧は余波を生み、桐島の影響下にない映画部にまで影響を及ぼした。>>続きを読む
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ホラーとしては完全に賞味期限切れだが、スプラッター映画として楽しめた。床下から生まれたフランクの脳みそが作られていく描写が気持ち悪くてとても良かった。それにしてもなぜ床下にいた? しかも床直ってない?>>続きを読む
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【構造の分析】
この映画には様々なルールが描かれ、そして破られる。
社会には法というルールがある。この時代に中絶手術は違法である。
ラーチ医師は「人の役に立つ」ことをルールとしている。ラーチ医師は>>続きを読む
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【構造の分析】
妻の不貞に見てみぬふりをする。そんな生活を続けた家福の片目は、長い時間をかけて知らぬ間に弱っていた。鮮明な視界とぼやけた視界が二重写しとなっていた。
役者としての家福と、夫としての家>>続きを読む