よーすけカサブランカスさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

よーすけカサブランカス

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フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

3.5

十人そこらによる銃撃戦が一時間近く続くからには、それは単なる二つの陣営による殺し合いではなくなり、誰がどこにいるかもわからず、誰のかもわからない銃弾が飛び交う、混沌としか言いようのない場面となる。しか>>続きを読む

ミッドナイト・スペシャル(2016年製作の映画)

3.8

帰るべきところに帰っていく息子を守り、見送る両親が主でありその親としての役割の物語であるというのもわかるんだが、我が子がそういった存在であることを悟り、自分たちのもとを離れなければならないことに納得し>>続きを読む

ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.7

実写化というかリブートというかアレンジというか、とにかくけっこう楽しめた。アニメ版よりは大味ではあるものの攻殻お決まりのテーマをちゃんと追求していたし大幅なアレンジのなか名シーンを随所に引用するという>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.2

思ったより頭のおかしい仕上がりになっていた。一晩の間にとにかくいろいろ突っ走る女子とそれを追いかける男子の身に起こる奇想天外な物事を最終的にすべて縁で繋がっている、と総括するその世界観は非常に好きだっ>>続きを読む

ハードコア(2015年製作の映画)

4.0

これはFPSゲームを現実でやってみたw的なものでしかなく、いわゆる二次創作ともいえ、主従で言えばこれは従だし、実際にプレイ出来ない分ゲームを上回るはずはないのだが、何故こうも楽しいのか。このメディアの>>続きを読む

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.7

構図の妙、という感じの作品だった。嵐に突っ込む船、朝日をバックに立つコングなど。とにかく島の恐ろしさと美しさ、コングの強さ、それに立ち向かおうとする人間の愚かさを描くことには成功していた。あとやはり時>>続きを読む

アシュラ(2016年製作の映画)

3.9

社会派ノワールかなと思ってみたら、別に社会の何を告発するでもなく、登場人物全員が欲にまみれて頭のおかしい思考と行動で殺しあう作品だった。胡散臭い人物を演じさせたら天下一品のファンジョンミン演じる市長を>>続きを読む

JOY(2015年製作の映画)

3.5

主人公ジョイを中心としたホームドラマとみるとなかなか面白いと思う。浮気性で典型的なクソ親父のデニーロ、メロドラマにはまりすぎな母親と配管工のハイチ人、音楽にかまける元夫、それら癖のありすぎる家族に振り>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.2

この作品が大きく舵を切るのは、あの祈祷師の登場以降である。長髪を縛ったややチャラめの男という胡散臭さたっぷりのビジュアルもさることながら、例の「殺」のシーンのテンションは本当にいい。対する國村隼も祈る>>続きを読む

クレイジー・ナイン(2015年製作の映画)

2.7

別に面白いわけじゃないが、結構見ていられる変な作品だったという感想。ラムシュー演じる店長が一番クレイジーだったように思う。感触としては最近だとヘイトフルエイトに近いが、まあいろいろおおざっぱな感じ。最>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

3.6

純粋か否かをめぐるサスペンス展開にはなかなか唸らされた。
結局話としては幼いころより強いられてきた性的な奉仕から脱し自由になるというものだが、この作品の場合その薄汚い男の欲のもとには当時韓国を支配して
>>続きを読む

荒野のガンマン/致命的な仲間(1961年製作の映画)

2.9

男の嫌なところばかりが目につくのはさすがペキンパーといったところだろうか。あと話としては全然ガンマンって感じはなく、ただ先住民から逃げながら棺を運ぶ話である。最後の最後でようやくそれっぽいのが始まるの>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.1

要は世界はこの二人のためにあって、他の人間はすべて不随物、というようなものであり、随所で繰り広げられる歌(周りの人間も勿論参加)は二人の心象世界なのである。そんなこと改めて言わなくてもミュージカルって>>続きを読む

ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

3.4

ラッセルクロウ、太らせすぎでは。
それはともかく、かなりまっとうなバディ映画ではあるのだが、忘れてはならないのがマーチの娘というキャラクターで、これがなかなか可愛らしい(笑)。ポルノ業界のパーティーに
>>続きを読む

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

3.2

劇場で観てこそ栄える視覚効果はさすがだな、と思った。冒頭の魔術戦闘シーンのわくわく感はいい。終盤の時間を逆戻ししながらの戦闘も非常にいい。しかも魔術の物語でありながら傷の治癒は病院にワープしてちゃんと>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

2.4

主人公のバックグラウンドやら人間関係がなかなか語られないのはトムアットザファームと同じではあるが、前作はまだ物語に起伏がけっこうあってついて行けたのだが、今回はきつい。特に起伏もないまま延々と家族の喧>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.0

正直コメディ映画の域を出ないと思う。全編にわたって特に興味深い場面があるわけでもなく展開も格別面白いというわけでもない。ただ問題は、作中のドイツの状況、人々の思惑、がおおよそ的を射たものになっていて、>>続きを読む

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

4.6

脚本の凄みを感じる作品だった。現在、子供時代、服役時代、の時間軸、そして会計士を追う財務省の二人、黒幕の雇った殺し屋集団、のキャラそれぞれの描写、主人公との絡み、をよくぞ見事130分の間に綺麗にまとめ>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.2

磔にして波を浴びせる処刑のシーン、単純によく撮れたなと感心するばかりだった。他の穴吊りや藁でくるんで海に放ったり燃やしたり。それを映像化した手腕は見事というほかないが、その凄惨さは勿論、ただロドリゴ神>>続きを読む

レジェンド 狂気の美学(2015年製作の映画)

3.9

この映画の最大の見所は中盤の兄弟喧嘩のシーンで、ビンタのやり合いだったり、瓶を持った瞬間「それはだめだ!」と言ったり、金的は反則だと言ったり、最後は抱き合ったり。ギャング映画ということでその結末は不穏>>続きを読む

ホワイト・バレット(2016年製作の映画)

4.0

ビッキーチャオ演じる女医の物語における役割にはけっこう疑問符があるのだが、終盤のあんな銃撃戦を見せられたらもう何も言えないし文句はない。口笛というヒントに敵を探すくだりもベタながらなかなかよく、ラムシ>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.6

ネオンの美しさとはつまり人工の美しさであり、それはLAという都市の夜の輝きでもあり、作中においてはモデルたちの整形によって造られた美しさである。そんななか現れた田舎娘のジェシーは未だ誰のものでもなく、>>続きを読む

リンカーン(2012年製作の映画)

3.4

トランプ当選後に観るといろいろ面白い。
スピルバーグが後に撮ったブリッジオブスパイと並べると、やはり彼のなかに政治を一種のゲームとして扱いたい欲望に駆られているのが分かる。ここで扱われているのは黒人の
>>続きを読む

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

3.5

ロレンスがラクダで砂漠を駆け抜ける場面はそこに西部劇を見て取ることができる。ロレンスは開拓民でありシャリフたちは先住民といったところか。ただ西部劇のように痛快な物語とはいかないのはこれがアラブ反乱を描>>続きを読む

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件(2015年製作の映画)

3.4

まあ着目すべきはこのイアンマッケラン演じるホームズが、これまで数々の俳優が演じてきたホームズの延長戦にあるものではなく、むしろ一般的にもなったそのホームズのイメージに対するメタ視点に立つ存在であるとい>>続きを読む

ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年製作の映画)

4.0

日本でギャングスタラップをやることの是非が問われることがよくあるけれどもそれはともかく、そのオリジン、根の部分を垣間見ることができるという意味でなかなか意義深い作品だと思う。
確かに彼らのうちイージー
>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.8

目は見えないが音、匂いには敏感、という敵のアイディアはおそらくゾンビ映画に端を発するのではないかと思う。勿論盲目の老人はちゃんと生きていて、頭も切れるし何より腕力が強い。要はものすごい強いゾンビ一体と>>続きを読む

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

3.4

スリランカを脱するために親のいない娘を連れ去って家族と偽るその冒頭から結構痛ましいのだが、全体としては最近よく見かける、疑似家族ものである。なれない異国の地での言語での不和や、母になりきれない女、夫婦>>続きを読む

トリプル9 裏切りのコード(2015年製作の映画)

2.7

警官たちが盾を使って家に突入するシーンの緊張感、以外に特に語るべきものもない作品だった。しかしこのキャストの豪華さはなんともすごい。
何故警官たちが悪事に手を染めるようになったのか、というのもわかりに
>>続きを読む

インサイダーズ 内部者たち(2015年製作の映画)

3.9

まさに酒池肉林、といった具合の○○コと酒を使ったゴルフシーンのアホさ加減とその欲の醜さの表現は言うまでもなくよかったが、鋸を使った拷問シーンの痛々しさも目を見張るものがあった。全体としてはチャンドンゴ>>続きを読む

ケンとカズ(2015年製作の映画)

4.1

とにかく俳優たちの顔に尽きると思う。その攻撃性のみを表に出したような、常にガン飛ばしてるような男の顔、相棒に「死んだフナ」のようと言われるのも頷ける、苦悩に疲れはて、その中にまだ優しさを辛うじて持ち得>>続きを読む

砂上の法廷(2015年製作の映画)

4.3

まず法廷サスペンスとしてよくできている。被告人絶対不利の状況、口を利かない被告人、戦略的な弁護人、嘘を見破るのに長けた相棒。父殺しが起こるまでの家庭の様子を少しずつ明らかにし、証人の証言を小さくつつき>>続きを読む

13時間 ベンガジの秘密の兵士(2016年製作の映画)

4.0

実際に戦っている側からすればその戦争の大義など知ったこっちゃない、とにかく生きて帰るだけ、という心理描写の戦争映画は多々あるものの、この作品は劇中でも言及があるように、来る必要がなかった場所で目的のよ>>続きを読む

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016年製作の映画)

3.6

傑作だった前作には及ばないにしても、結構よくまとまっていたし見せ場もあるのだが、なんか惜しいな、という印象が残る。もうちょい相棒のターナー姉貴には活躍してほしかったし、せっかく序盤にコンビネーションが>>続きを読む

スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい(2007年製作の映画)

3.5

各殺し屋のキャラ、映し方がすごいバカっぽいのは、勿論終盤彼らが標的の住処に集結したときに起こるあまりに命の軽い殺し合いの虚しさに深く関わってくる。豪華なキャスティングもその殺し合いの無常さを高めてくれ>>続きを読む

マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.1

バルバラを少女と呼んでいいかは微妙にせよ、これは二組の、少女と年老いた男の物語であり、それに魔法少女を意味するこのタイトルがつけられた意味というのは、まあまあ根の深いものだと思うのだが。
というかこの
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