スエさんの映画レビュー・感想・評価

スエ

スエ

映画(345)
ドラマ(0)
アニメ(0)

レディ・マクベス(2016年製作の映画)

3.7

フローレンス・ピューの出世作ということで。主演デビュー作に近いのに、圧倒的な貫禄でした。悪女にも数分の理あり。舅を殺害するシーンに痺れました。

横暴な家父長制への反発や女性の性欲の抑圧の解放と、現代
>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.7

「Qさま!」だって。懐かしいワード!

オリジナル韓国版ほか未見ですが、評判につられての鑑賞。東映的な粗く暗めな画面での犯人とのチェイスシーンや、クライマックスは充分な見応え。視覚障害者が、ハンデを逆
>>続きを読む

アムステルダム(2022年製作の映画)

4.2

期待していたより眼福映画でした!何よりマーゴット・ロビーが最上級に美しく、彼女が演じるヴァレリーの作るアート作品も映画のルックに貢献してて、観ていて楽しい作品でした。疾走感のある展開と、会話の子気味よ>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.9

音楽好きだし、中村佳穂さんも素晴らしいシンガーだと思っているけど「圧倒的多数の人を魅了するカリスマシンガー」という存在はあり得ないと思っているので、シラケ鳥が飛んだ。

細田監督の描く仮想世界といえば
>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

3.8

親が認知症になったら。一歩ずつ自分にも近づいてきているテーマではありますが、一定の客観性を保ったまま見終わりました。我々の周囲の高齢者たちと比較して、ちょっと悲劇的・絶望的なトーンに寄り過ぎているよう>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.7

オラの村にはIMAXはねえ!けど、劇場で観て、それでも映像の美しさ、荒涼としたロケーションと人工的なポップカラーが眼福でした。

「それ」の姿が現れるまでは正しくホラーだったけれど、迎え撃つころにはオ
>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.3

「いい映画」にも色々あって、その中には「愛すべき映画」と呼べるものがありますが、今年現時点で一番愛おしい作品。

さかなクンがギフテッドなのか努力の人なのか、その実情はわからないけれど、異能の人なのは
>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.3

マイスモールランド。クルド、トルコ、建前のドイツ、日本の埼玉…複数のルーツをベン図にした共通部分が小さな領地=小さなアイデンティティ=マイスモールランドかな、と前半は思ってました。次第に恋愛や進学など>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.2

昨年の『アーク』のような近未来SFのつもりが、これはちょっとした「風向き」「空気」「犬笛」で、来年現実になっても不思議はないと感じさせる生々しさや現在性。私たちはもうこのディストピアに片足踏み込んでい>>続きを読む

神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.9

小学生の頃、スクリーンで観た『植村直己物語』登山シーンの恐怖を痛烈に覚えてるので、実写CGでは実写ロケを超えられないが、かたやアニメだからこそ作れる緊張感、を期待して観に行きました。

原作未読ではあ
>>続きを読む

チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

3.5

チャンシルさんはふせえりに見えてくるし、寒がりのレスリー・チャンが出てきたあたりで三木聡監督作みたいだなーと思いつつ、その演出が映画的ではありました。

意欲的に取り組んでいた仕事を突然失い、気づけば
>>続きを読む

未来を花束にして(2015年製作の映画)

3.8

もちろん現代からの視点だと、彼女たちの行為は「テロ」だと言われるのだろうけれど、そんな安易な矮小化の上で語りたくない。

最低限の権利を与えられず、何世代も狭い世界に閉じ込められたまま、貧しさや屈辱を
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

あの頃のオレら輝いてたよね、と目配せされる、バブル世代の回春ムービー。基地を一歩出ると全シーントレンディ。焼けぼっくいは淡白に処理するのもまたトレンディ。

へっぽこ現代っ子トップガン達に一喝入魂、伝
>>続きを読む

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.0

評判通りの見応えでした。全編を通した主人公がいるのではなく、シークエンスごとに中心人物がバトンタッチしていきます。
軍事独裁政権の圧政や南営洞の横暴などの不正義に対する怒りが伝播していき、民主化運動に
>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

「韓国俳優陣が出ている日本映画」に仕上がっていまいかという心配は杞憂でした。綿密に考えられ丁寧に撮っていると感じられ、逆に是枝脚本らしさが際立った気がします。つまり登場人物について語り尽くさない・背景>>続きを読む

タルーラ 彼女たちの事情(2016年製作の映画)

4.0

『JUNO』のエレン・ペイジ、『アイ、トーニャ』のアリソン・ジャネイ、それに『coda』の監督シアン・ヘダーという座組みが気になっていました。個人的にNetflix映画で屈指の一作。

その日暮らしで
>>続きを読む

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.8

実話であることも知らずに、評判だけで視聴。期待以上でした。
なんといってもサリー・ホーキンスの演技力がすごい。リウマチと、また多少の障害があるのを感じさせる仕草と語り。また老齢になった時の佇まい。役作
>>続きを読む

さようなら、コダクローム(2017年製作の映画)

3.4

タイトルの通り、コダックの銀塩フィルム事業の終了という現実のニュースから逆算されたようなストーリー。決して悪くないけれど、ちょっと平坦なロードムービー。偏屈な父と反目していた息子が、事件や交流を通じて>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.8

スクリーンで観たかった!
ウェルメイドなクライムサスペンスという余韻。ひとつの街・限られた時間の中で追いつ追われつ、双方を描くっていう作劇は何故か懐かしいスリリングさも感じました。

やはり作品の要点
>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.7

長澤まさみが大蔵大臣!

スクリーンで観といた方がいいだろなーと思って観てきました。幾つもクレジットされてる中、モーションアクター:庵野秀明が光って見えました。

概ね『シン・ゴジラ』と同じアプローチ
>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.6

期待通りの構図と色調、不穏な美しさでした。湖面や夕暮れ時の鳥の群れなど、偶然かじっくり粘って捉えたのか、そういう丁寧さは好ましいです。川辺の広瀬すずは今までで一番美しい。

寄るべのない者たちが肩を寄
>>続きを読む

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

4.0

率直に、静かに感動しました。公共のための仕事=困難な状況にいる人も分け隔てなく、幸福追求の手助けをする仕事、私もその精神をもって働きたいと思う。

図書館員の主人公とホームレスたちには明確な一線があっ
>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

3.6

『ベルファスト』『C'MON C'MON』に続いて、このひと月程で3本最新モノクロ映画を観たことに。どれも美しさに満足です。

自分にフィットするか、低めに心構えて臨んでしまうタイプの作品。難解さは無
>>続きを読む

アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

3.6

80年代と90年代が混ざりあったような世界の散文的な群像劇。学年末でお泊まり会が同時多発。やってることが牧歌的で、なぜかロマンティック。

スーパーで見かけた見知らぬ女子を探し歩く男子。モスラっぽい映
>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

こどもと吹替版。サム・ライミ節のちょっとベタホラー要素も楽しく。マーベル留年生なので初めてのキャラも多かったけど問題なく飲み込めたし、マルチバースの行き来も躓かず見れました。

スパイダーマン直後なの
>>続きを読む

37セカンズ(2019年製作の映画)

3.9

冒頭からとてもセンシティブな、見てはいけないものを見てしまった感覚。そこに自分の障碍者バイアスを見つけて「うーむ」と考えつつ、脱皮していく主人公と彼女の生存の鍵を握っている2人との関係がどうなるのかと>>続きを読む

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

3.6

17歳の崖っぷち。モンスターってことはなかろう。

唯一無二の親友が毛嫌いしてた陽キャの兄と恋仲になったことで、自らも恋愛(のようなもの)に七転八倒。周囲の男子やバカにしてた教師にも別の側面があり、兄
>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.9

私自身、長年ギスギスしている妹のところにジェシーくらいの甥っこがいるので、つい投影してしまいました。顔のパーツとか身体的な繋がりは感じるけれど、乗ってるOSが違うような、妙な存在・甥。2人きりで過ごす>>続きを読む

愛なのに(2021年製作の映画)

4.0

すっかり今泉力哉ファン。今回は30代結婚絡みでより生々しく(と言っても、あり得んプロットだけど)楽しみました。

ついニヤニヤ笑ってしまうやりとりがふんだん。今泉作品・城定作品はセリフと編集の間の取り
>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

3.9

公開当時以来の再鑑賞。

年月を経たぶん、沁み入り方がかなり違いました。この25年で日本においても貧困や虐待についての解像度が上がりましたから。

ウィルが独りで生活しているシーンは無いし、過去につい
>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.7

アサヒスーパードライ発売の翌年、ヒットを受けて劇中何度もみんなが飲んでる。

公開時の推薦コメント「『アウトレイジ』に対する東映のアンサー」みたいなことを古舘伊知郎が書いていたけれど、本当に言い得て妙
>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.6

20代後半のダラダラ恋愛、大した経験もない癖に懐かしく微笑ましいのは何故だろう。

山田さんとナカハラっち、マモちゃんと葉子さんが対称的に配置されていますが、それぞれ自分のことは上手く語れないのがもど
>>続きを読む

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

4.0

ちょっと邦題がキラキラしすぎではないかな?思考はネガティブな癖に、減らず口は切れ味鋭いという、好きなタイプの主人公。

簡単に「拗らせ女子」というけれど、12歳で母親と死別、高IQゆえ14歳での飛び級
>>続きを読む

アネット(2021年製作の映画)

3.4

アバンタイトルで華麗に5億点が出まして、ドキュメンタリーの『スパークス・ブラザーズ』への興味が俄然。

はなからクリアカットに感想が書けない作品だろうと挑んだけれど、難解すぎるってことはなかった。いわ
>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

3.9

アスガー・ファルハディは『セールスマン』に続いて2本目。うねるように状況が複雑化・厄介化していくのですが、言葉を信じる/疑う態度がかなりはっきり表出する人々で、これが神以外の人間同士は公平に是々非々っ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.1

大人たちが北アイルランド紛争でギスギスしている最中でも、子供たちは初恋をしたり、従姉妹にそそのかされて万引きしたりしてたんだよなーと思いつつ、でも今ウクライナにそんな余裕はあるだろうかと想いはそちらに>>続きを読む

>|