スエさんの映画レビュー・感想・評価

スエ

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プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

3.8

職に殉ずる、とはこのような人生を指すと思う。けれどとてもドライな描写で、最終的にはメリー・コルヴィン自身のこと以上にシリアの戦闘地域のことに意識が向くように作られていたと思う。映画は志を継いでいると言>>続きを読む

ある日、ダウニング街で(2005年製作の映画)

3.6

「冒頭の印象から予想されるものと、全く違う地点に連れていかれる」という知人の勧めで鑑賞。正にその通りでした。

「老いらくの恋」が描かれているのは確かですが、『ノッティングヒルの恋人』のようなロマンテ
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

3.6

長尺に怯まずフレデリック・ワイズマン初鑑賞。ボストン市政業務のあれこれを切り取った観察映画。

トランプ政権下に撮影された移民都市・ボストン。市庁舎内の会議だけでなく、各種の集会やタウンミーティング、
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.1

「水は記憶している」と言われると、「毎日ありがとうと声をかけた水は腐らない」みたいなやつかな?と思ってしまう…。
前作のヒットを受けて、CGの気合の入り方が違ったのはひしひしと感じました。

当初オー
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.2

今後アマプラで観る場合はヘッドホンで是非。主人公の聴覚と客観的な実際の音世界の切り替え、繊細な自然音もノイズの疑似体験も丁寧に作られていました。

中途失聴者の悲嘆や葛藤、その克服の描写は修行僧の世界
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

3.3

小学生の息子は正に「アナ雪世代」。同年代の女子たちが「ありのままでありのままでハロウィンはエルサの扮装で」と長く荒い鼻息を浴びてしまったことで、寧ろ「アンチアナ雪的」になっており、横で次々と腐しツッコ>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.8

予告編以外の情報はほぼシャットアウト。あの『ノマドランド』のクロエ・ジャオがマーベルをどう料理するのかと、やや恐る恐る臨みました。

結果満足です。壮大すぎる世界観を叙事詩的に紹介し、現代的な価値観を
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

終始砂っぽくて、奇しくもみんなでマスクして観る時代にふさわしい映画!
キラキラとスパイスにまみれるシャラメは「LUXのCMかよ」と私でも見目麗しく感じました。

カタカナ用語は難しくて、なんとか理解は
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ヒキタさん! ご懐妊ですよ(2018年製作の映画)

2.8

歳の差婚でも若い妻に子供を求められたら、奮闘しますよね。うんうん。でも不妊治療は金銭的にも心理的にも大変なことあるらしいですよね、苦しい結果もあるでしょう。そりゃたまに喧嘩にもなりますでしょう。うんう>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.2

この史実の運転手が実際は特定されていないとか。名もなき民衆の闘いを支えた名もなき運転手、対立するは「政権」という構図に震える。

暢気なソン・ガンホ、光州に着いても中々深刻さに気付かない様子だったのが
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空白(2021年製作の映画)

4.0

強情な八つ当たりと、強情な無気力と、強情な偽善の三つ巴が悪循環の末、さあ後半エグい事態に!と覚悟させられたところで、がらっと趣きが変わります。登場人物の多くは「独り」の人。分かつ人がいないと「整理のつ>>続きを読む

ノン子36歳 (家事手伝い)(2008年製作の映画)

3.0

不貞腐れ、やさぐれている坂井真紀。かわいげがなくて当たり前。悪くない。周囲の視線は冷ややか。でも流石にゴミ箱蹴飛ばしまくったりはしないし、もっと切迫した心境になるものじゃないかの36歳。終盤まで「意志>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.7

「ひょこひょこ歩いてる女子高生が、実は殺人マシン」という設定が好物!

少しずつ居所がバレて、組織に連れ戻されるまでのサスペンスな展開が、ゆっくりとエスカレートしていったのはいいペース。最後の対決だ!
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.7

学校で習った程度とWikipediaで得られる程度の知識で臨む。事前の評価の通り、およそ日本の漁村には見えなかったけど「当時の水俣の風景は自分も実際知らないし」と割り切れて観ました。しかし水俣の地が舞>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.9

主人公ドロシアは、今年白寿で亡くなった私の祖母と同世代。導入でそれに気づいたこと(うちのおばあちゃんと違いすぎる!)が邪魔して、しばらく飲み込みづらかったけど、後半に向かうにつれて全体に愛おしさが高ま>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

3.9

アメリカ現代政治に詳しいわけではないので、振り落とされまいとしがみつく様に観たけれど、そこに心地よさすら感じる疾走感。テンポ。脚本以上に編集に踊らされた。
序盤からクリスチャン・ベールやはり怪物…と思
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.8

こどもと一緒に吹替を鑑賞。飲み込みやすく、シビア過ぎず、次を期待させる物語だった。

やっぱりオークワフィナが良くて、冒頭から既にくだけた雰囲気ができあがってる男女バディ感が楽しい。

アクションを楽
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.9

劇団ロロはその評判ばかり目にするものの、田舎暮らしゆえ舞台公演など、三浦直之脚本作に触れる機会はなく初体験。

伊藤万理華さんは乃木坂時代の『まりっか』MVの頃から、その素朴な表現力と趣味の良さに注目
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.3

「使い古された喜び」が会話に登場するまで、じっくり待ったけど、道中のスタンドやダイナー、山道の映像は心地よく疲れなかった。

私自身、男2人きりというシチュエーションが苦手で、会話も続かないし、冗談も
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.7

孤狼vs.孤狼。鈴木亮平が非道すぎる相手で、怖いのなんの。容赦なさ過ぎ。猟奇的な殺しを厭わぬ異形のヤクザというのはちょっと設定盛り過ぎの気もします。人間味なさ過ぎて、彼が組織を束ねられるとは思えないし>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.7

楽しく観たけど、ちょっと物足りなさも感じ…。

『レディプレイヤー1』のようなSF世界ではなく、現実"スキン"のゲーム世界だからして、そのカタストロフも映像表現もダイナミズムに欠けたかも。
モブたちの
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

3.9

終盤まで「"追憶"と題されている意味」に引っかかりつつ、ラストで氷解。

未解決の猟奇殺人、それこそは捏造や拷問が常態化していた旧来の田舎警察自らが陥ったものだと糾弾する意図がある。ただそれを笑いでく
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

3.8

えぐい。そしてえげつない。

決定打があったのか、無くとも数年で充分な苦痛が堆積しているのか、修復不可能なのは冒頭から伝わってくるのに「ああそれは悪手だ」「それは言っちゃいけない」と追い討ちに目を覆い
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.8

2021.8.10再観賞

「あ、青春は案外秋に存在するかも」との気づき。

学校から一刻も早く抜け出したい一心の帰宅部だった私ですら、様々な登場人物の発言に思い当たる節の多く、緊張しながら観ました。
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ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

3.8

「金曜ロードショー」は「三週連続ジブリ祭」もいいけど「ワイスピ祭」もセッティングしたらいいんじゃないですかね!
家族でゲラゲラツッコミながら観れるので最高です。クルマが本当に好きなのか、もしや全然愛情
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

3.8

小品ながら良作!

俳句は主題のようで、あくまでフック。音楽映画、でも言葉も主役という比重。だから俳句をもう少し膨らまして欲しかったとも思う。
ひと夏の青春物語でも、学校も大自然も登場せず、身近な地方
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.7

子どもと一緒に吹替を鑑賞。オープニングのダークなムードとレッドルームの少女たちへの所業にビビり落ち込んだ様子。

20年ぶりに疑似家族が再会し解れていく過程は、なんだか鍵になるようなものが足りない気が
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.1

「2時間半があっという間でした!」という褒め方はよくあっても、「これだけ描いて90分しか経ってないの?!」と感じることは珍しい。

尺が規定されるのはテレビドラマもCMも同じ。ポップミュージックが一節
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.6

初めてのホン・サンス。

ドキュメンタリーのような会話劇。緊張感のある取り留めない会話、散りばめたキーワード「上の階と地下」。窓を開ける。モダンな建築。固定カメラに謎のズームなどのカメラワーク。パズル
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サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)

3.9

公開からもう10年も経っているのかと驚きつつ、10年前にこのシスターフッドを描いている韓国は先進的だと思う。

2010年前後の韓国映画、この頃はまだまだ野暮ったかったなと思う演出も多いけれど、時系列
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Arc アーク(2021年製作の映画)

3.6

芳根京子と岡田将生への評価と関心が爆上がり中につき、期待して鑑賞。難しい設定に順応した演技でした。肉体30歳内面100歳の人生経験がどう表れるか脚本で補強して欲しかったとは幾分思うところ。でも難しい役>>続きを読む

日本の黒い夏 冤罪(2000年製作の映画)

2.9

松本サリン事件での、河野氏への冤罪が固められる様を描いていますが、全て匿名となり(裁判未終結だったからでしょうが)オウムのオの字も出てこない。浅慮なメディアを検証することに主眼が置かれていますが、観客>>続きを読む

グーニーズ(1985年製作の映画)

3.0

三十余年ぶりに観たら、随分記憶から抜けていたのに併せて、こんなに乱暴なシナリオだったかと、そこに驚いた次第。キッズムービーの金字塔であるとはしても、不朽の名作、ではないかな。

この作品で一番ロマンが
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.9

「よ!名調子!」と掛け声したくなる、くるくる二転三転するストーリーと語り口。もっと洒脱でスマートな世界観かと思いきや、ストリートギャングにおちょくられたり、今の気が利いてるか?とか喩えとして適切か?と>>続きを読む

バッカス・レディ(2016年製作の映画)

3.7

『ミナリ』のユン・ヨジュン主演作。そもそもオスカー以前に韓国の名優のひとりと聞いて。

韓国で社会問題にもなったという高齢売春婦の物語だけれど、多くを望まず生活のためにと割り切ってそこに身を置く主人公
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セールスマン(2016年製作の映画)

3.6

イラン映画といえど、イスラム色を強く感じることなく、現代の夫婦の物語として違和感なく観れた。

訳あり物件に引っ越した夫婦だが、間もなく妻が何者かに襲われる。主人公の、文化的な生活をする教師という属性
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