目玉があっても見えないものはある、ということを描きたいのかもしれない(というかそれを映画と呼ぶのかもしれない)。線路に伝う列車の音を聴き、イサベルの心臓の音を聴き、扉の向こう側の物音にも聴き耳を立てる>>続きを読む
このポスターに採用されている写真の美しさたるや。ナン・ゴールディンのことを知ってから見返すと、さらに傷ついた背中から感じるものがある。
闘争と生活が繋がっていることを感じる。生活や人間関係の中に写真>>続きを読む
2001年公開の1990年代の話らしいけど、古臭さがなくてNetflixの映画かと思ったくらい(褒めてるのか微妙な形容だけど)。なにせこれ、スカヨハなのね、と何度も驚く。若い。
馴染めなくて、気怠く>>続きを読む
バカでオタクで下ネタ版のBooksmartというか、Booksmartがこれから影響を受けているのかな?
あまりにも下ネタなんだけどあまりにも憎めない。
日本のことは語られるけど日本の様子は映し出されない。なぜならオッペンハイマー自身は見てないから!ということを、幻視で詳らかにしていく見事さ。彼自身は現実を知らない。聞きはするけれど見ていない。そういう>>続きを読む
映画は、空っぽで、不人気で、熱狂で、希望で、絶望で、記憶で、再生で、くだらなくて、大事な時間で、労働の後に観るもので、サッカーの方が面白くて、待ち望むもので、ただの日常で、フルーツを食べるところで、誰>>続きを読む
「一度気にしたことは忘れない努力をするというのも、私たちがとかく陥りやすい「流される」ことへの抵抗」
イスラーム映画祭主宰まえがきより
忘れないように名前を呼び続けなければならない。誰かにとって大切>>続きを読む
2067年の表象としてのLe CorbusierのVilla Savoye...!(かける映画間違ったのかと思わざるを得なかったオープニングのサヴォア邸のシークエンス。単純に疑問なのだけど話の内容と全>>続きを読む
「だが、大事なのは落下ではなく着地だ」
落下していくと歯止めが効かなくなる。自分のルーツも居場所も見出せず、からっぽから生まれる虚勢。フランスのbanlieue(郊外)もので頻繁に描かれる無鉄砲さ。>>続きを読む
映画の映画。記憶と記録。人は忘れていく、だけど記憶がすべてではなく、心があるから、同じものに同じように感情が揺らめいたりする。本当に映画が好きな人の映画。
建物の捉え方が巧すぎる。悲しみの王の館。巧>>続きを読む
スカルパのブリオン・ヴェガ墓地!!!!!!
IMAXレーザーで観るべき映画をIMAXレーザーで観ると寿命が縮まることがわかった。こんなに観たかった映画なのに、こんなに観に行くのめんどうくさいな(長い>>続きを読む
あまりにも技巧的。あまりにも曖昧。証拠たりうる言葉なんてほとんどない。裁判とは劇場。『私たちがやりました』から続く曖昧で観客扇動的フランス式裁判への批判もしくは観察。物事には側面があり、語り語られるは>>続きを読む
太鳳ちゃんは好奇心旺盛だな......という感想。滅多にホラー/サスペンス/スリラーを見ないのだが、たまたま『BEAU IS AFRAID』の3時間スリラーと立て続けに観たのでこちらはそんなに狂気を感>>続きを読む
スリラーではあるけどホラーではない。本当に自分が弱っている時など、世界の全てが凶悪に見えたり、あらゆる不幸が重なるように感じたり、何か敵が襲いかかってきたり。外界の全てが強迫に思えることってあると思う>>続きを読む
輪廻転生の話と、回り回るメリーゴーランドはちょっとやりすぎたモチーフの呼応と思ったけど。
だけど、時間や場所を飛び越えてもずっと「特別」である人っていると信じる私にとっては光のある映画だった。なんと>>続きを読む
顔がいいのでファンはいるが、中身はヘンテコでテンでだめ、みたいな役をやらせたら岡田将生の右に出る者はいないかも。山下監督とクドカンのベン図の重なりにいるし。おだやかでやさしい時間の流れをとる山下監督の>>続きを読む
けんけん...!!!けんけんじゃん......!!!!!(ムロ以外の情報なしで映画観た人の感想)
今年のテーマは「忠臣蔵を勉強する」なので見たけど、そもそも史実も基礎情報もちゃんとわかってない人間が>>続きを読む
イームズの『POWERS OF TEN』宇宙から身体、細胞、微粒子までのスケールの横断。宇宙という得体の知れなさと同じくらい、自分の身体の内側にも儘ならなさがある。いったい、自分で「解って」いること・>>続きを読む
生と性のエグみを、スチームパンク的な臓器の描き方で鮮やかに描いている。映像としての見事さ。デジタルとアナログを混ぜた撮り方に、あらゆるカメラのレンズの応用、モノクロとカラーのコントラスト。絵作りへのこ>>続きを読む
この映画の良かったところは身分や職業、棲む世界の違いによって引き裂かれる展開がなかったところで、だけどやっぱり大人が子どもをカラオケに誘うのはおかしいことであるという注まで前半に差し込まれていたところ>>続きを読む
原作モノの映像化にいろいろコメントがつく昨今ですが、わたしはもう認める、漫画読みきれないタイプの人間なのでじゃんじゃん映像化してほしい、映像見てから原作読むからさ......(たぶんあまり理解を得られ>>続きを読む
面白かった!という感想を前提に書くんですけど。
ここには「善」と「悪」しかない。コインに表と裏しかないように。善人の中に宿る悪や悪人の中に宿る善は描かれない。善に見せかけた悪が善だった描写や、悪に見>>続きを読む
いろいろな喪失を経験してきても、自分に近しい人の死や、自分の死より、自分の内側のものが失われていくことの方がずっとずっと怖い。その恐怖を、執拗に、でも過剰でなく描くので、ずっと首が絞められているような>>続きを読む
街角、道、歩くという行為、お喋り。ロスの寒くないクリスマスイブ、居場所としてのホームに恵まれず街を歩き渡りゆく彼女たちの姿を、揺れるチープなiPhoneで追う。
音楽や色味はnot for meだっ>>続きを読む
Ça sent bon?て訊かれて立ち上がる湯気が本当においしそうな匂いで。まさに匂いが画面を超えてやってくる。
冒頭の料理シーンはかなり気合が入っているようで、それだけで見応え。流れるようなワンカッ>>続きを読む
好きなものを声高に言える人のことがやたら鮮やかに見えるの、わかる。わかるよ...!そういう高校時代とてもわかる...!将来のことで迷ったり、隣の芝を眩しく思ったり。そういう時間の中にあるあたたかさにじ>>続きを読む
悪くないし、描かれた画のクオリティも高いんだけど、悲しみ展開のために足されたように見える主人公の背景設定と劇伴が少し気になる。かやちゃんはとてもかわいい
現実とミュージカル音楽の重なりを上手に魅せる演出だった。
30の誕生日を祝いに来てくれる彼女が、その後ろ姿が、グッときすぎて切なかった......喪失が重なろうともそれも人生。それぞれの時間軸がある>>続きを読む
無口な男だけど、何もないというよりは表情があり、喜びがあり、悲哀があり、寂しさがあり、生活への慈しみがあり。言葉のやりとりが少なくても、人間と人間は交われる。
時生が仕事を辞めたことでシフトが困る!>>続きを読む
なかなか面白かった。かなり「アリ」な話である。自分の外側にいる生命に対して、自分が母になれるのか、という問いは昔からあるけど、そりゃなれるわな、父なんてそういう生命体なのだし。次はアプリで栄養を与える>>続きを読む
カウリスマキがこれを撮りに戻ってきたのだな、というのがよく伝わる。
何も持たざる男と女が、何も持っていないという日々のしんどさの中で暮らす。ラジオをつければロシアが、ウクライナが、マウリポリが、と戦>>続きを読む