turkeyさんの映画レビュー・感想・評価

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みかんの丘(2013年製作の映画)

5.0

ジョージアに於けるアブハジア紛争。
日々、戦場が近付くなか出稼ぎ移民のエストニア人、イヴォとマルガスはみかんの収穫の為居残っていた、ある日イヴォの自宅前で遭遇戦があり敵同士の二人を助け自宅で養生させる
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百円の恋(2014年製作の映画)

3.9

無気力で人生捨てた奴は嫌い(同族嫌悪(笑))、でも片方だけならドラマでよくあるパターンだから許せるけど両方だともうゲンナリしてしまう「十九歳の地図」の嫌な感じを思い出した。まぁ、ボクシングに熱中し出し>>続きを読む

エレベーターを降りて左(1988年製作の映画)

4.1

キュートなエマニュエル・べアールと蠱惑的なファニー・コタンソンを観てれば元は取れる?作品。
時々、素人劇みたいに変な間が有るけどシチュエーション・コメディとしても合格点を付けられる、でも、60分過ぎた
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近松物語(1954年製作の映画)

5.0

溝口健二+早坂文雄が作った日本映画音楽の最高傑作と思っている。
映画音楽でありながらほぼメロディというものがない。かと言って効果音でもない、その場面に一番符号しながらより一層効果を最大値に持っていく。
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

5.0

ナワーズッディーン・シッディーキー(日本での愛称 ナワさん)
初めて見たのは「めぐり逢わせのお弁当」のウザい見習い社員、次に観たのが「女神は二度微笑む」の威張り散らす鬼警視、後で配役表を見るまで同一人
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大陸横断超特急(1976年製作の映画)

4.5

僕は断然「ノーカット・字幕派」だけど「吹き替え・カット版」の方が面白い映画も幾つか有る、その代表的作品がこれだと思う。広川太一郎さんが上手くて「またまただもの〜!」とかウケるのだけど、ノーカット板だと>>続きを読む

十二夜(1996年製作の映画)

4.3

シェークスピア喜劇の面白さを上手く引き出してる。
男装のイモジェン・スタッブスがキュートに仕上がってるしヘレナ・ボナム=カーターもこんな魅力的な女優さんだったんだと再認識出来る。
只、執事マルヴォーリ
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

5.0

これも一回目がダメで二回目に嵌まった作品。

ハチャメチャでチープで訳判らんくて、それでいて無駄に小さな伏線張りまくってグロテスクでチャーミングで楽曲が凄くいい。
そして何と言ってもティム・カリーのあ
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マクベス(1971年製作の映画)

4.3

黒澤監督「蜘蛛巣城」の英語題は「血の玉座」と言うらしいが本作は「血の玉座」そのものの血まみれ「マクベス」。
しかし「マクベス」という鬱屈した作品の映画化としてはよく出来てると思う、淫蕩な妖気を感じさせ
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候補者ビル・マッケイ(1972年製作の映画)

3.5

ビル・マッケイが選挙参謀たちのお陰で大統領選に勝ち、その勝利ステージから舞台袖に引っ込むと座り込んで「勝っちゃったよ、どうしよう」みたいな事を言う。
トランプが大統領になった時、トランプも同じ事考えて
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カリブの嵐(1976年製作の映画)

4.1

当時、ファンだったJ・ビジョルドの出演作では「まぼろしの市街戦」と並ぶ、もしかしたら不思議ちゃん系の「まぼろしの〜」より強気で活発で男勝りな本作の方が贔屓かもな映画。
思えばロバート・ショウも鮫やウツ
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サンダーボルト(1974年製作の映画)

3.6

実は余り内容を憶えていない、イーストウッド+アメリカン・ニューシネマだったなくらい。
只、最後のジェフ・ブリッジスの演技が良くて忘れられない、「ラスト・ショー」と何かで苦手意識が有ったんだけど、これと
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007は二度死ぬ(1967年製作の映画)

4.5

一回目は激オコプンプン。(10代で自分も若かった)
二回目に自分の野暮天ぶりを思い知らされた
これは欧米人を徹頭徹尾嗤い倒す作品(笑うのでなく嗤い倒す)、そう思って観ればこれ程可笑しくも馬鹿馬鹿しい作
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悪魔のワルツ(1971年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

悪魔崇拝者に旦那を乗っ取られた妻が復讐を果たすまで・・・。

どうにもトロいので長年、結末を理解できなかった。
ビセットが相方の女を乗っ取り旦那の顔した別人とくっ付いてメデタシメデタシって何じゃろかと
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バーバレラ(1967年製作の映画)

2.4

冒頭5分でクライマックスシーンが終わる珍しい作品。
他では、
・犯人逮捕の命令を出す大統領の視線が実に男らしい。
・オルガンマシーンにかけられるJ・フォンダの顔と声が実によろしい。

まぁ、僕はJ・フ
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ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

4.3

エミリア・クラークはこの作品や「世界一キライなあなたに」の路線が合う、ちょっと変テコで眉芸が凄くて素顔がチャーミング、個人的にはメグ・ライアンのようなラブコメ向きと思ってる。

※ベンチシーンは「ノッ
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沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇(1995年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

金持ちの善意の棘が、知られたくないコンプレックスを持つソフィーにボディブローのように蓄積されていくのは解る気もしないではない。
そこにもう一人の女ジャンヌ、落伍した自分の前をウロチョロする昔の競争者、
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

「この世は舞台、人は皆役者だ」by W・シェイクスピア

人生を精一杯演じて一幕終われば消え去るのみ。

良い作品でした。

※只一点、最後のアレがちょっと、桁が一つ二つ多すぎないか(相応の金持ちとは
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南の島に雪が降る(1961年製作の映画)

4.1

加東大介の実体験を元にした映画、流石に歌舞伎界から戦前の前進座に加わった経歴もあり、劇中の「瞼の母」でその口跡の良さを披露しています。

東宝の喜劇系役者総出の上に松竹から伴淳三郎、渥美清(東宝の戦争
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ゆれる(2006年製作の映画)

5.0

これ程、男兄弟の心の襞(ひだ)を的確に描いた作品を知らない。機微、ジェラシー、いい意味でも悪い意味でも以心伝心で伝わってしまうモノ。
香川照之の「お前の心など手にとるように判ってるさ」という恐ろしいラ
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

4.3

いや、呼んでるのは一人だけで、他、誰も呼んでないんですけど。(笑)

しょうもないカッパライの中年チンピラがひょんな事からスーパーパワーを身に付け、イカれた女のお陰で鋼鉄ジーグの主役シバ ヒロシに成長
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クロワッサンで朝食を(2012年製作の映画)

4.0

このフリーダという老女、財産の有無を別にすれば亡くなった伯母にそっくり、自分の小さな世界でのみ生きていて、他人の介在を頑なに拒否する、親兄弟の縁もいっさい切る。亡くなる3日前に病院へ行った時も「何で来>>続きを読む

ヒドゥン・フェイス(2011年製作の映画)

5.0

ネタバレ厳禁の一級品ミステリー。

※一流指揮者が聞いて呆れる下手な棒振り。(笑)

少年の君(2019年製作の映画)

4.8

中国の学校イジメをテーマにした作品ではあるが、内容は優等生の女子とチンピラ男の純情物語、中国版「泥だらけの純情」、「愛と誠 純情編」と言えなくもない、但し、本作はブルジョアの娘でなく詐欺商売の母親を持>>続きを読む

チャーリング・クロス街84番地(1986年製作の映画)

4.2

18世紀にフランスのラクロが「危険な関係」という書簡体小説を発表してるが、それにちなめば本作は「(往復)書簡体映画」と言ってさしつかえないと思う。
 20数年の時間が顧客と店主という関係を、小さな小さ
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震える舌(1980年製作の映画)

4.8

子を守る母親が錯乱してしまうのが許せない!と正義ぶるが、父親より最前線で介護し間断のない発作(映画という虚構でさえ目を背ける人多数)と苦しみに晒され、我が子の死と自分の感染の二重の恐怖に苛まれ眠る時間>>続きを読む

必殺の一弾(1956年製作の映画)

4.6

「早撃ち名人で長生きした奴はいない」、この映画はそれでも名を馳せたいならず者と、そうなるのが嫌で名を捨てている男ジョージの物語。
開拓時代に「銃を持たない男」がどういう視線に晒されるか、それによる苛々
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キャバレー(1972年製作の映画)

5.0

背徳、退廃、暴力をナチズムのもう一つの側面と見るなら、「地獄に堕ちた勇者ども」、「愛の嵐」の系譜に連なる作品。
キャバレー「キットカット・クラブ」で繰り広げられるショーの世界は、背徳と退廃の毒花が咲き
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(1958年製作の映画)

4.6

大昔、一度だけ日曜洋画劇場で見た作品で、是非、もう一度見てみたいモノの一つ。

第二次大戦中、敵の攻撃により航行不能になった軍艦や商船を味方の港まで引っ張ってくる曳航船、ロクな防弾設備もない小型船ゆえ
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かもめの城(1965年製作の映画)

5.0

淀長さんの日曜洋画劇場で見た「シベールの日曜日」、思春期真っ只中、人間不信に浸っていた頃、アンリ・ドカエの美しい画面と薄幸のシベール、とてもとてもナイーブ過ぎた自分に突き刺さった忘れ難い作品。
そのパ
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.7

説明多すぎ
決めつけ酷すぎ
都合良すぎで上手くいきすぎいい人ばかり
縮めて言えば「コミュ障の夢想物語」

が、編集の妙でテンポが良くて軽く面白い、F・トリュフォー「映画に愛をこめて アメリカの夜」のよ
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肉体の冠(1951年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

滑らかなリズム感が心地よい作品、前科者マンダの自首の過程を描かず空のベットで表現するとか、瀕死のレイモンが親分ルカの裏切りを仲間に伝えるシーンを飛ばして仲間達のルカへの視線だけで表現するとか、余計な説>>続きを読む

彫る 棟方志功の世界(1975年製作の映画)

5.0

確か芸術祭参加作品で、映像部門の会場だった虎の門ホールで観たんだと思う(試写会みたいなもの)。
棟方志功という素朴の暴力みたいな強烈なキャラクターも勿論、面白いんだけど、それよりも印象的なのが、その狂
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千年女優(2001年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

時間の壁をスムーズに軽やかに超えていく演出がとても良い、それによってファンタジックさも増している、只、主人公が余りに一直線なので少し人間として深味に欠ける気がしました。
 作品の主人公でありヒロインで
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もしお許し願えれば女について話しましょう(1964年製作の映画)

3.0

 「パリジェンヌ」(1961年、仏)のイタリア版といったところ、9話からなるオムニバス形式の艶笑喜劇。
 第一話 「案ずれば損をする」←物語の何かの伏線かと思ったら、そんな事まるで無く唖然、呆然。早ト
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

21世紀の「パリジェンヌ」(1961年・仏)とも言えるような作品、但し、艶笑喜劇ではないし視点は転々としてもオムニバスでもない、皆、生粋のパリジェンヌ、パリジャンとも違う、台湾系、アフリカ系、南仏から>>続きを読む

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