KINさんの映画レビュー・感想・評価

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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

一抹の懐かしさすら感じる"良い映画"
マチズモな世界観かつ、かなり悲哀に満ちた話であるはずなのに、心地良いのはなぜだろう?

"超"家父長制や支配的なマッチョイズムに対しての批判もありながら、決して突
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レンフィールド(2023年製作の映画)

3.9

ドラキュラの部下、レンフィールドに焦点を当てて現代のハラスメント問題を重ね合わせるアイデアがまず面白い。
ほとんどそのアイデアで乗り切った90分って感じも否めないけど、ニコラス・ケイジのヴァンパイアビ
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サッドヒルを掘り返せ(2017年製作の映画)

3.9

『続・夕陽のガンマン』を観たその日の夜に観た。

ドキュメンタリーとしては物足りないけど、ファンの熱量と作り手との邂逅に熱くならざるを得ない。

「イーストウッドと同じ石の上に立てればそれ以外に理由は
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

4.5

4K復元版を劇場にて。
4K版の予告に載っていた「宇宙一カッコいいロードショー」
この宣伝文句に偽りなし。

撮影と編集がめちゃめちゃモダンで3時間あるにも関わらずあっという間。
色めき立つショットの
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

自分がこの映画に対してモヤモヤを感じとっていることに動揺して、今だにグルグルと色々なことを考えている。

あくまでこの映画は"中立"という立場ではあるのだけど、それは「核と共存しなければいけなくなった
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天国の日々(1978年製作の映画)

4.1

アメリカンニューシネマど真ん中〜といった趣きだけど、情緒に溢れていて不思議と多幸感もある。
突然のイナゴ大発生🦗と、炙り出しの大火事🔥とか、スペクタクルもあって楽しめた。(もちろんバキバキの撮影があっ
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夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

4.4

4K復元版を劇場にて。
なんじゃこりゃ〜面白すぎる〜〜…!
そしてイーストウッドかっこよすぎだ。。

キャラが立ちまくってて良き。
ギャングのボス、インディオのカリスマっぷりと色気がめちゃめちゃかっこ
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GIFT(2023年製作の映画)

4.1

作曲・石橋英子自らによるパフォーマンス上映にて鑑賞。
濱口竜介が撮るサイレント映画だ。
もちろん『悪は存在しない』も楽しみだし、観た印象としては映画監督が晩年に撮る作品、みたいな趣きを感じた笑

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

評判良かったので勢いで見に行った!
なかなか面白かった。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

砂漠の情景にいかんせん興味がないから、ほとんどその場面なのがちときつい。
だからハルコンネン側の世界のシーンの方を息継ぎのようにして観てしまっていて、俺はあの世界なら帝国側の生活の方に魅力を感じてしま
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アメリ(2001年製作の映画)

3.9

自分が思ってたよりも変な映画で面白かった。

『嫌われ松子〜』は『アメリ』の丸パクリだったんだということが後から分かる形に。『アメリ』からはそこはかとないウォン・カーウァイ風味を感じた。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

最速上映で鑑賞。1年以上待ってた!
予告から感じてた通り美しい撮影。

韓国系の監督による韓国人の話を、映画史に連綿と続く王道のマンハッタンロマンス映画として、それが受け入れられている痛快さ。堂々とし
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

観ている我々観客に特別な視点は与えない。あの法廷にいるすべての人物と同じだけの情報の中で真実とは何か?を考えさせられる。

「1人の人間が雪山の中、転落した」その事実の背景にある幾重にも重なるストーリ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

ビクトル・エリセ作品をひとつも観ないで行くことに抵抗があって躊躇していたのだけど、観に行けてとても良かった。

老いと記憶にまつわる旅路。3時間あっという間だった。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

黒人の作家が白人の女子学生からNワードを指摘されてクビになるというなんとも皮肉たっぷりな始まり。

作品の良し悪しを超えて、作家のコンテクストやアイデンティティを評価する昨今のカルチャー界への痛烈なカ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

過去2作のアリ・アスター監督作品に比べて大分コメディ要素が大きかったので、実は1番観やすいのでは?という気も。少なくとも個人的には『ミッドサマー』よりは好きだったな、めちゃめちゃ笑えたし。

特に第一
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

なんとなく忘れ去られてしまいそうなガイ・リッチー映画。
RRRみたいな話じゃん!と途中めちゃテンション上がった!

白人救済モノに見えなくもないけど、翻訳者側のパートを多く割いていたり、意外とバランス
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.8

SSUはしっかり映画館で追ってるのでこちらも観た。面白くなりそうでなりきれない、なんとも言えない後味。モービウスみたいにイジリ切らない変なモヤモヤがある。

SSUはいまだにスパイダーマンも出さずに何
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

いやーとても良かった…

世界を知らない事によって、あるいは無知であるがゆえに搾取されてしまう事。そしてそれを知ってるからこそ知識を与えない利権側(男性側)の醜悪さ。ベラの視点で見れることによって追体
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

無知を自覚して自分の目には見えていない世界を広げること、そして他者に優しくあること。それが世界平和への大きな第一歩であり最短距離なんだ。

プラネタリウムという原作にはないモチーフは、我々が「大きな宇
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.3

ちょうどでかいスクリーンと音圧で体全体でこのLIVEを浴びれて良かった。カメラワークも照明も衣装もグラフィックも全てかっこいい。
デヴィッド・バーン、スタイル良すぎ。

ブルービートル(2023年製作の映画)

4.0

主人公とそのファミリーのキャラクターが良かった!
戦うことになるヴィランに対しての結末もGOOD。

ザ・シークレット・サービス(1993年製作の映画)

4.0

もうこの頃からイーストウッドは老兵の役。
ソーとロキのお母さん!

リンカーンの前でアイスを食べる一連のやりとり、あとホテルでのバーからエレベーターそして部屋まで行くシーンがとてもチャーミングで良き。

ヒックとドラゴン 聖地への冒険(2019年製作の映画)

4.3

いやー素晴らしい完結編でした。

一作目にやや不満を感じる「結局ドラゴンを人間がいいように飼い慣らしてるのでは?」という疑問に対して、真っ向から答えようとする姿勢に感動。
今作を持って真の意味でドラゴ
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ヒックとドラゴン2(2014年製作の映画)

4.2

初めて2を観た!
まずもって冒頭のヒックとトゥースレスの飛行シーンが最高。ここで涙出そうになる。

本作では亡くなっていたと思っていたはずのお母さんが登場。導き手としての側面もありつつ、「思想の違う人
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ザ・シューター/極大射程(2007年製作の映画)

4.0

アクション映画観たい欲が満たされた。
ケイト・マーラの役は今見ると都合良すぎていやだった。

運命じゃない人(2004年製作の映画)

4.2

全く存じてなかったんだけど、何の気無しに観てみたらめちゃ面白かったー!
お手本のような群像劇。
宮田がとにかく可愛すぎる。

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.9

アキ・カウリマスキ監督の映画を初めて観た。
妙齢の2人のロマンスは、いじらしくて可愛いくてでもやっぱり一抹の切なさもあって。

独特な照明がカウリマスキ監督の特徴なのかな?ただこの作品を観て、自分の好
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

大自然に委ねられたブロマンスという意味では『オールド・ジョイ』を想起させる。
画面は厳かながら、牛乳盗んでドーナツ揚げて売る、というキュートなストーリーが妙なアンバランスを生んでて、独特な空気感を醸し
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.3

ショーン・ベイカー監督作品、やっと観れたけどやっぱり最高でした。

テキサス州の工場群、ブルーカラーの労働者やドラッグディーラー、低所得者たちの日常。この閉鎖的で鬱屈とした日常に「Make Ameri
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秋津温泉(1962年製作の映画)

4.3

お正月は往年の日本映画を観たくなる。
澄みきった空気が画面から流れてくるような、綺麗で美しい映画だ。四季折々の温泉地の背景と、ドキドキするようなカメラワークの連続。

印象的なシーンが多いけど、川沿い
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.2

これはおもしろー!
そしてこれはすごい発明だ!
2分間のタイムリープを延々と繰り返すこの手法(実時間も2分)、要は2分の撮影をつなげて、新しい擬似的なワンカットをつくってる。これが不思議な感覚でおもし
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.3

ルカ・グァダニーノが撮るアメリカ映画というのがとても新鮮に映った。

このカニバリズムな衝動は色んなメタファーにとれると思うけど、性的趣向のマイノリティを想起させた。抑えられない欲望の様は、食欲=性欲
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ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.8

結構期待してたんだけど、これで良いのか??と思う点が多々。
マッチョイズムに対して物理的な更なるマッチョで対抗、だったり女性同士のキスをみて私はストレートだけどゲイポルノは好き…というセリフを言わせた
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.2

人生における劇的な事件もこうやって淡々と過ぎ去っていくんだ、というのがたまらなくリアル。
それでも進み続ける日々の残酷さと微かな希望を感じるラスト。

旦那の"優しさを卒なくこなしてる嫌さ"が絶妙です
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終わらない週末(2023年製作の映画)

4.2

『ドントルックアップ』的なシニカルブラックディザスターコメディ。めっちゃ好みだ。

迫り来る不可解な事象。その全容が見えない感じもめちゃめちゃ怖い。テスラ社の自動運転の車が無限にぶつかってんのとか今
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