テレビでやっていたのを何気なく観ていて、面白くて最後まで熱心に観てしまった。
影のあまり描き込まれていないシンプルな色彩の絵。氷山や青空は綺麗で、そんな中で複雑なデザインの砕氷船なんかも印象的だった。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
白夜で変わらぬ曇天。大自然、羊の群れ。良い雰囲気の映画だった。
とは言え解釈に困る作品だった。(ラストに大混乱に陥る)
最初、主人公夫婦は羊たちにとって『神』の隠喩だろうと思って観ていた。
(下位存>>続きを読む
低予算の本作をヒットさせたことにより、「デビット・ボウイの息子(七光り)」というレッテルをいきなり吹き飛ばしたダンカン・ジョーンズの出世作。
広大な宇宙で独りボッチ。
自分も含め、もはや何が確かなのか>>続きを読む
個人的に「ここが衝撃的なとこ!」「ここが驚くとこ!」みたいな過剰な『説明音』がとても気になった。
殺そうとしてる…そしてそのまま殺したー!
↑ドジャ~ン!
ずっとキレてる人が…、キレたー!
↑ドジャ>>続きを読む
セリフを決めず。素人の学生たち。役名も本名。ドキュメンタリーのように撮ったとガス・ヴァン・サントも言っていたように記憶している…。
…が、自分には全く自然に見えなかったのが残念だった。
日常も非日常も>>続きを読む
神父の主人公は目の前で何故か両親を爆殺される。悲嘆にくれる主人公は中国に旅行に行くが、そこで恐竜の化石を託される。それ以降、彼は怒ると恐竜に変身する体になってしまう。そして悪の組織チャイニーズ・ニンジ>>続きを読む
人間自身が作り出した時代の速さに人間自身がついていけない。
皆が浮かれていた時代に取り残された少女と青年は小さな命の喪失に足を止める。
青年が木切れを運ぶシーンに感動している自分がいた。おそらく足早>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
後半一時間がこの作品のキモであるように感じた。
一度狂わされた歯車は「ハッピーエンド」という魔法の言葉で簡単に元に戻ったりしない。噛み合わない歯車は軋み、お互いを傷つける。
悪の作った環境に郷愁を覚>>続きを読む
内田けんじ監督がPFFのスカラシップ賞で制作した作品。つまり自主制作に毛が生えた程度の状況で作られた映画。…なのだけれど、とても面白い!
脚本さえ優れていれば限られたロケーションや演出の中でこれだけ面>>続きを読む
チャーリー・パーカーのような本物の天才を生み出そうとする教師と何がなんでも音感の世界で成功したい青年のお話。
この作品を覆う緊張感や恐怖心は、(これ程じゃなくても)かつてどこかで、経験したことがあるよ>>続きを読む
有性生殖動物が皆、囚われる性の悦楽と衝動、そしてそこから必ず発生してしまう暴力。
倫理や宗教、常識、美意識といった人間が後付けで作った概念では到底それらの『原始の衝動』は乗り越えられないということが触>>続きを読む
ケネス・ブラナーの半自伝的映画。
自分には合わなかった…。
プロテスタントとカトリックの分断が中心に描かれるが、どの立場も深く描かれることはない。
貧しさは大きな問題だったかと思うが、深く描かれるこ>>続きを読む
ディストピア映画といえばコレダ!(と言える映画の中の一作)
凄い監督だけど決して運が良いとは言い難い監督、テリー・ギリアムの異質な才能がちゃんと爆発してる傑作。
一匹のハエから始まる奇抜なイメージの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
幼女にイタズラされたと嘘をつかれ、それを聞いた大人たちが集団ヒステリーを巻き起こしてマッツさんがメチャんこハブられる。というお話。
(以下ネタバレありマス)
作中でも語られるように、子供は近くを見て>>続きを読む
結局、幽霊より独り暮らしの女性の部屋に誰かが入り込んでいる…、ってやつが普通に怖いんじゃね!?という若干、身も蓋もないド直球なサイコスリラー。
ツッコミどころが結構あったり、ホラー作品として特に変わっ>>続きを読む
イギリス古典名作を原作になるべく忠実に作る職人ケネス・ブラナー。
メアリー・シェリーの古典ゴシックホラー『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』の映画化。
メアリー・シェリーは怪奇小説と>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
セックス依存性の兄と境界性パーソナリティー障害(と思われる)妹が社会の中でボロボロになりながら必死に溶け込んで生きようとする物語。
故郷のアイルランドを何故か捨て、アメリカで生活する兄妹。(映画もイギ>>続きを読む
青山真治監督が超新星のようにこの世に残した傑作。
評価されている映画だけれど、個人的には全然まだ足りないと思っている。
この10倍くらい評価されてても良かった。
2000年代初頭日本映画におけるマスタ>>続きを読む
銀ピカのウルトラマンはカッコ良かった。
なんというか…「シン・ゴジラ」の時にもあった石原さとみ現象(←失礼なネーミング)みたいなものが本作でも微妙に発生しているのを感じた。
俳優どうこうではなく、ア>>続きを読む
「彼女は私の持っていないものを全て持っているから、キライ」
「でも彼女は私が当然のように持っているものを、持っていない」
姉妹の話。近くて遠い他者を理解するということ…。
刺さる人には(きっと)とっ>>続きを読む
サイキック・バイオレンス・アクション。
ただシンプルにカッコよくて面白い。
コミックヒーローのようなアクションだけど、容赦ない血みどろアクション。しっかり敵はぶっ殺して戦いマス!なんなら死体だって蹴っ>>続きを読む
日本でルコントの名を有名にした作品。
ラストシーンが好きな映画は?と問われたら、幾つか思い浮かぶ映画の中の一つが本作。
自分は初めて観たとき、強い陽光のあのラストカットに衝撃を受けた。ラストシーン>>続きを読む
SF映画としてはこの当時に登場した名作SF映画を足したようなストーリーなのだけれど、それに岡本太郎デザインのパイラ人によってスーパーなムーヴィーになっている。
本作を一言で言えばパイラ人である。
パ>>続きを読む
皆、時が来たら当たり前のように大人になっていくけど、「え?それ、どうやってなんの!?」とか私はずっと秘かに思っていたりするのだが、そんな上手な生き方がよく分からない人たちに刺さる(かもしれない)青春映>>続きを読む
変化球系なサスペンス。
他人のことなんか分からない。
そんな「分からない」中で話は進む急転直下なサスペンス。(…書いていて「言葉にすると普通サスペンスって皆そうじゃね?」とか思った)
意欲作。
世界の何よりも狂おしいほど芸術を愛し、自分の手からそれが生まれることを夢見ても、芸術が自分を愛することはない。
時代を超えるような作品を作り出す天才を妬まずにはいられない。そして同時にその作品を誰より>>続きを読む
未知の存在とコミュニケーションを図ろうとする映画。
地球外生命体と言えば、二年に一度くらいの頻度でやって来て何故か自慢のビームでホワイトハウスを爆破したがる思考回路で描かれることが多いが、才能が溢れて>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
(個人的にはとても語りたくなる作品。長々と面倒臭いウンチク・ネタバレ語りマス。ご注意くだせい)
濱口監督の作品は基本的に戯曲研究がベースになっている部分があるように思う。それが色々と面倒臭い印象を醸>>続きを読む
とても好きな怪獣映画…。
初めて観たとき怪獣の登場カットに驚いた。予想外の画角。怪獣の挙動。シチュエーション。怪獣映画の(演出上の)アンチテーゼ祭り。
怪獣映画の様式美と真逆の演出を突っ込んでくるなど>>続きを読む
ホラー・コメディー・サスペンス。
アイデアが面白い。極端に恐怖を煽るシーンや血生臭いシーンは(ほぼ)無いのでそういうのが苦手な方も(多分)大丈夫。気楽に観れて楽しめる作品。
理想のように美しくなれない『私たち』の物語。
どんなに取り繕っても、現実の自分は理想とは真逆のところにいたりする。それでも他人だけでなく自分も騙して必死に生きていく。
美しい者などいない。
それなら醜>>続きを読む
花輪和一の漫画を映画化したもの。
メインキャストの五人のオッサンがとても良い!
塀の中にいるのでもちろん皆、受刑者なわけだけど、クセありまくりの五人の有名俳優は本作では極めて普通のオジサンである。
犯>>続きを読む
パワーーーー!
タコの正しい食べ方が示された映画。
韓国映画の作品性や熱量を、世界に実質認知させた作品。
面白いです。
都会に夢膨らませ憧れるヒロイン。彼女は60年代カルチャーが大好き。皆が夢を持って裕福になろうとしていた活気溢れる時代。
ヒロインは夢の中で60年代を生きる、歌手に憧れるもう一人のヒロインの人生を追体験>>続きを読む
永久機関のごとく同じことを繰り返し続け、没個性の波状攻撃にも思えるシリーズものキッズ映画において、原恵一という作り手を突出させた脅威の一作。
やはり東京タワーのあの演出が凄い。
「最初だけクライマックスだぜっ!」というなかなか尖った構成のストーリー。
映画が始まった瞬間に全エネルギーを放出し、そのまま弱火炊きになる。衝撃的展開も、いわゆるビジュアルダイナミクスも常に最初を超>>続きを読む