新田畳さんの映画レビュー・感想・評価

新田畳

新田畳

わりと洋画が多いです。邦画は特にクラシックが好きです。ストーリーよりもテーマや演出重視で鑑賞してます。
採点はその日の気分に寄る所が大きいので、あまり厳密には付けてませんが、乳児の亡骸を映す作品はどんな作品であろうと0点を付けています。

映画(386)
ドラマ(0)

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

3.9

近頃の映画よりもよっぽど先の展開が読めなくて面白かった。

指名手配の男役がどことなく三船敏郎を思わせる風貌。眼光が鋭くて渋くてカッコよかった。

サーミの血(2016年製作の映画)

4.0

北欧の少数民族であるサーミ人の被差別問題を描いた作品。

「ククーシュカ ラップランドの妖精」を見てサーミ人について気になったので鑑賞。

「ククーシュカ〜」では、言語の通じないドイツ人とロシア人の不
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.8

妻がこわれた。

映画内で原因は明言されない。
兆候はあったのかもしれないが悲劇は突如訪れ、夫はその対応に追われる。

中流階級の一家庭が家族の精神病によって瓦解して行く様は、中流であるが故に単なる不
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ドラえもん のび太と雲の王国(1992年製作の映画)

3.4

子供のころに見た雲の王国の記憶は
前半の雲のパートの楽しい部分だけしか残ってなかったので、全体のテーマが説教くさかったのが意外だった。
子供の感受性はやっぱりすごい。
余計なものは忘れる。

もちろん
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

「大国であること、自由であること」
アメリカがアメリカであるために、巨大な広告媒体は必然的に生まれた。

抽象的な文言、扇情的な赤一色の背景色。
片田舎に並んだ3つの広告看板は、巨大になりすぎた大衆を
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砂漠でサーモン・フィッシング(2011年製作の映画)

2.5

こ、これは…。
なかなかのガバガバ脚本の映画だった。

最大の欠点は明確で「奇跡の頻発」だろう。一つの映画内で三回も奇跡が起こったら緊張感もくそもない。

他にも砂漠を彷徨って生還した軍人が肌ピチピチ
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ソドムの市(1975年製作の映画)

3.0

蹂躙されながら団結も抵抗もせず、暴力に対する諦念を持つことしかしない。
今現在、日本国内にいる自分を見ているような気分になった。

異常性癖を客観的に描いている意図は、クライマックスで支配者たちが窓か
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.6

面白かった。

ウェス・アンダーソンの作風は正直あまり乗れないことが多いんだけど、実写よりもこういったアニメーションのが見ていて違和感がなかった。

最後の狼のシーンはとても好き。

タイム・オブ・ザ・ウルフ(2003年製作の映画)

3.5

大人は神話を語りたがる。
それらの多くは彼ら自身が成し得ない「超人への願望」が話題の中心だ。

そして、子供はその神話を信じてしまう。
彼らは誰かが騙った神話に身を投じ、自らが体現を試みることによって
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コード・アンノウン(2000年製作の映画)

3.9

賑やかさには異分子さえも風景の一つとして溶け込ませてしまう厄介な力がある。

都市とはそういう場所だ。
乱立した人工物の中で常に猛威を振るう、他者との断絶を黙認する景色の暴力。

路上に座り込む物乞い
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セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

4.1

日常への嫌悪が家族を襲った。
それはある日突然にやってきたものではない。

生まれてから側にずっとあったのか、
じりじりと気づかぬうちににじり寄ってきたのか、
それさえ判然としない。しかし確かにそれは
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

1.5

ハイセンスでナイーブなブルジョアの世界を見せられ、「どうでもいいわ」という気持ちが爆発した。

とにかく衣装やレイアウトセンスが良く、さすがトム・フォードと感心しながら観ていたのだけど、オチも含めて非
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独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)

3.2

失墜した独裁者と孫の逃避行。

ロードムービーの体裁を取っていたり、一般的な道徳に異を唱えている側面もあるのでアメリカンニューシネマっぽい印象を受けた。(表現はマイルドだけど)

とはいえ、「自身の罪
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ガーデン(1995年製作の映画)

3.5

鏡文字は幼児が書くことが多い。
外から得た文字情報を書き出す際に右脳だけで処理するために起こるらしい。
鏡文字は言語として未成熟なものでありながら、同時に未成熟であるが故の"非言語としての可能性"をも
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(1974年製作の映画)

3.8

タルコフスキー作品の草や葉の青みがかった緑は、深夜に見ると心が洗われる。

ククーシュカ ラップランドの妖精(2002年製作の映画)

3.6

フィルムの温かみがとてもいい。

素朴というにはあまりにも地味すぎる生活、不便そうな雰囲気も自意識緩そうで観ていて和んだ。

性の描き方も牧歌的で非常に明るくて清々しく、都市を舞台にした映画にはない良
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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

3.6

孤独が湧き出る場所に傷がある。
傷に名前をつければ孤独が友になることもあるのかもしれない。

そうすれば少しは寂しくなくなるのか。
はたまた、ただ余計に虚しさが募るだけなのか。

性行為に名前はつけら
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8 Mile(2002年製作の映画)

3.3

面白かった。

フリースタイルのシーンは英語が出来ればもっと楽しめるんだろうな。

(「サタデー・ナイト・フィーバー」におけるディスコミュージックの在り方もそうだったけど、) 本来黒人の生み出した音楽
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年をとった鰐(2005年製作の映画)

3.8

考えもせず、己の行いを振り返りもせず、ただただ欲望に身を任せて生きるワニ。

恋人のタコの足が本当は8本しかなかったこと。
自分が孤独ではなく孤立の中にいたこと。
多くの人間に崇拝される自分の中身が、
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運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

3.4

男子と女子で登校時間が違うのはイスラム教圏だからなのだろうか。
中東の文化ってあまり触れる機会がないので見ていて興味深かった。

それと、これは同じく子供の貧困を扱ったイラン映画「柳と風」でも思ったこ
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.8

最悪の終幕が降りる前に思い切って終わらせてしまえば、その物語はハッピーエンドになる。

しかし、現実世界でその編集権を持てる者はこの世のどこにもいない。
老人は舞台に上げられたまま命を引き伸ばされ、子
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木靴の樹(1978年製作の映画)

4.0

舞台は19世紀後半のイタリア。
土地、家畜、住居、身の回りの物の殆どが地主からの貸与で成り立ち、作物の2/3を地主に渡さねければならない厳しく貧しい生活を強いられる小作農4家族の物語。

キャストは全
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ベンゴ(2000年製作の映画)

4.0

かつて移民だった歴史を持つロマ族。
土地を持たなかった彼らにとっての血族の存在の大きさは我々日本人には測り知れない。

カコは愛する娘を亡くした。
ロマ族である彼にとって、娘は彼の全てであり過去や未来
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.9

めちゃくちゃ楽しめた。

「低速で休みなく追ってくる霊」というワンアイデアだけで、よくぞ走り抜けたと思う。
カタルシスを味わうというより、全編を通して漂う不気味さや不穏さをまったりと嗜む映画。

いい
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

3.8

女子生徒たちが、慰めるように掛け合う「大好き」「可愛い」という言葉が頭に残った。

他者から出る大文字の言葉だけが自分の存在を許してくれる世界に、小文字でさえ表すことの出来ない想いを認めてくれる場所は
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裸の島(1960年製作の映画)

4.8

年端にもいかない幼い子供が日々の炊事を担当していたのが印象的で、映画の全編を通して"家族"というより、もっと具体的な"共同体"の活動を見ている気分になった。

この映画に出てくる家族らしい家族のシーン
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明日へのチケット(2005年製作の映画)

4.0

三章から成る、各章別監督による列車を舞台にした作品。

今の多くの日本人は、おそらくあの難民の家族を断罪するだろう。
しかしそれは、自身が法の上で"潔白である"ことでしか人間の平等性を捉えられていない
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赤い風船(1956年製作の映画)

3.8

街の青、風船の赤、靴の茶色。
シンプルなレイアウトと色のコントラストの構成が非常に美しかった。

捕まりそうで上手いこと捕まらない風船の名演技にも心くすぐられる。

ヒロシマモナムール/二十四時間の情事(1959年製作の映画)

3.5

若かりし頃恋人を失くした故郷の"ヌベール"と原爆により多くの犠牲者を出した"広島"。二つの死の土地。

それぞれの場所で恋をした二人の男を一つに重ね、故郷で共に死んだはずの「女」は広島でその恋人との再
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.9

確か最初に観たのは10年近く前。
感想は「なんだこれ」だった。

秀逸なイメージの羅列は優れたストーリーをも上回る恒常性を持つ。
なぜなら、そこには観る度に体験が宿るからだ。

ストーリーとは関連の連
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チート(1915年製作の映画)

3.0

この作品から100年以上の年月が経ち、果たしてアメリカ映画が単純に進化の一途を辿ったのか。

産業に多くの富がもたらされようと
他人種を排他的に扱う表現方法は何一つ変わってない。

ソフィア・コッポラ
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