柴咲コウの役どころが作劇を阻害している。北村一輝のトラウマを払拭するための運動であるはずの事件捜査が彼女に割り当てられているため、北村を写すショットの大部分が心理的なものになってしまっている。前二作の>>続きを読む
銃がことごとく本来の持ち主を離れて他者へと渡る。こうした銃の行く末に裏切りや義理、復讐によるエモーションが付帯するのが痛快。
アパートの3階に住み登山を趣味とする「高所の人」である堤真一が他者を見下ろすショットの強度には瞠目するが、さらに終盤の回想にてある人物が図らずも彼をひとつの「高所」から下ろすことになったことを明かし、>>続きを読む
ワイズマンのスタイルと題材との相性が相当に良い。
死霊のはらわた的な展開は笑ったが、それはあくまでサム・ライミのセルフパロディとして面白いのであって、映画そのものの魅力を底上げしない。MCU流の退屈なドラマがノイズ以外の何物でもない。
相変わらず各々のサガを衝突させることで映画を進めていく脚本が良い。ただカット割りに落ち着きがなく、この監督のトレードマークである扉を使った演出も過去作に比べて切れ味が鈍い。