けんくりさんの映画レビュー・感想・評価

けんくり

けんくり

学生です。評価基準は琴線に触れたかどうか。基本は0.5単位の10段階評価。4.0が多すぎて困る…。

映画(874)
ドラマ(6)

FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)

4.0


芸術は難しい。

自分の表現したいものだけをただ追い求めて、成功している表現者なんているのだろうか。というか芸術家にとっての「成功」とはどんなものなのだろう。

風変わりな音楽と変わった人々の中で、
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チレラマ CHILLERAMA(2011年製作の映画)

4.0


クソすぎる。
こんなお下劣で下品な映画があるのか。

この映画を表現するのに、「クソ」しか思い浮かばない。

これを楽しめてしまう自分が悔しい。

まあまずいないと思うけど、ご飯中に観るのはやめまし
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ミッドナイト・エクスプレス(1978年製作の映画)

3.5


脱獄モノの名作。

とにかく異国で投獄されるという状況の恐ろしさを感じられる。
言葉もわからず、信用できる人も皆無。犯罪者への人権意識などまるでなく、環境は劣悪で、拷問は当たり前、囚人はゾンビのよう
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.5


いくら大人が苦難を抱えていようと、子どもたちの見る世界は独立していて、ワンダーに満ちている。

避けがたい運命のように、大人の世界が徐々にそれを侵食していくのだけど…。

そんな現実に、フィクション
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神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)

3.5


一番のアンチ・ドラッグムービーだと思う。

ジャンキーたちのすっからかんな生活描写があるだけの映画。そこには何の娯楽性もなく、ただ痛々しさと不快感だけがある。

主役を演じた女優の自伝に基づいている
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少年と自転車(2011年製作の映画)

4.5


ダルデンヌ監督は優しい。

身勝手な父親から見捨てられ、施設で暮らす少年。週末だけサマンサが里親を務めることになる。周囲への反発から、道を踏み外してしまいそうになるのだが…。

そんな彼を救うのはや
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羅生門(1950年製作の映画)

4.5


今年7月に亡くなった橋本忍の脚本。

この前とある事件があって、当事者双方から話を聞く機会があったのだが、これが驚くほど異なっていて、思わず「羅生門」だなと思ってしまった。

当事者たちは嘘をついて
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

4.5


暇人の主人公に付き合うこと140分。
いろいろと虚無感を覚え、疲れる映画。

現実とも妄想とも区別のつかない出来事、イメージが伏線のように登場する。それらをパズルのように嵌めていけば全体像を掴めるの
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世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年製作の映画)

3.5


定番の音楽・ダンスで彩られた、楽しくて観やすいミュージカル。

誰もが好きなタイプ。
「ラ・ラ・ランド」と違って賛否両論とはならないが、ミュージカルのその先を求めている人には少し物足りないかも。
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サスペリア(1977年製作の映画)

5.0


戦慄を覚えるとはまさにこのこと。

不安を駆り立てる音楽と原色で彩られた映像美、犠牲になる少女たち。一体この寄宿舎で何が起こっているのか。
胸騒ぎを感じつつも、ワクワクが止まらない。

存分に恐怖心
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アンチヴァイラル(2012年製作の映画)

3.5


ドン引き間違いなしのアート系映画。

ブランドン・クローネンバーグというデヴィッド・クローネンバーグの息子さんの作品。内臓系ボディホラーは父譲りだけど、本作には娯楽性はほとんどなく、テンポも遅いので
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7月22日(2018年製作の映画)

5.0


2011年、ノルウェーを襲った未曾有のテロ。
被害者、家族、弁護士、首相、様々な立場の人々によるテロとの戦い。

単に実録というだけでなく、排外主義や極右が世界的に台頭している状況への問題提起にもな
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狼よさらば(1974年製作の映画)

4.0


なめてたチャールズ・ブロンソンは実は殺人マシーンでした。

嫁を殺され、娘を犯され、警察はまるで役に立たない。行き場のない怒りを抱えるボール・カージーは銃を手にいれ、夜の街に繰り出す。チンピラたちを
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イコライザー2(2018年製作の映画)

4.0


もはや神々しい。

老人や女性に優しく、道を踏み外しそうな若者を厳しくも温かく導く。善人にはとことん親切に、悪人は容赦ない残酷さで捩じ伏せる。
これはもう神の御業。

殺されたくなければ、マッコール
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ブラウン・バニー(2003年製作の映画)

3.5


ストーリーを重視する人には向かないかも。

ギャロが過去の恋人を想いながら、車でロサンゼルスを目指す。
これを淡々と映し出しているだけなので、退屈してしまうのもわかる。ただ最後に大きな展開があるので
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.0


積み上げた思い出と記憶の海に潜っていく。

短いからこそ直球のテーマが沁みる。

バーニング(1981年製作の映画)

4.0


教科書的な青春ホラー。

悪戯による大火傷で醜くなった男が、ハサミを持って、サマーキャンプ中の容疑者たちに復讐しに来るという展開。

翌年公開ということもあって完全に「13金」なんだけど、特殊メイク
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ダーク・ブラッド(2012年製作の映画)

3.5


映画の良し悪しは置いといて、これがリヴァー・フェニックスの遺作というのはしっくりくる。
不謹慎かもしれないけど、あの世とこの世の境を生きているようなボーイの役柄がぴったりだった。

凝った映像に難解
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ヴィクトリア(2015年製作の映画)

3.5


内容だけみると、「面白くない」というのが感想。全編ワンカットという撮影手法を加味して評価せざるをえない。

というのも、長回しによる独特のリアリティが売りの映画だから。

後半までほとんど物語が展開
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アラバマ物語(1962年製作の映画)

4.5


異なる者を理解する難しさと、その素晴らしさを描いた傑作。

子どもの視点で描かれているからこそ、本作のメッセージには説得力がある。
子どもは意味もなく、自分と異なる他者に対して偏見を抱いてしまうもの
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マンデラの名もなき看守(2007年製作の映画)

4.0


名もなき看守の目からみる、南アフリカの変化の軌跡。

マンデラが投獄されて数年間は、黒人差別が横行する社会。強制労働、検閲、市街での虐待など、厳しい人種隔離政策の一端を垣間見ることができる。主人公の
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物語る私たち(2012年製作の映画)

4.5


女優サラ・ポーリーが血の繋がった父親を探すエピソードとそれがもたらした影響を、様々な立場の人々が「物語る」ドキュメンタリー。

あまりにも語り部が多いので、観客側の自分からしても、全体像を掴めたよう
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ザ・ハロウ/侵蝕(2015年製作の映画)

3.0


珍しい妖精ホラー。

鬱蒼と茂る森に、見せない演出。序盤の雰囲気は中々良い。

ただハロウが登場してからは興醒め。いかにも「ロード・オブ・ザ・リング」に出てきそうモンスターで既視感がありすぎる。
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.5


ピアノを中心に回る愛憎劇。

ピアノの豊かな旋律と官能的な映像の中で、言葉を発しない主人公の「心の声」を補いながら観る映画。

全体的なテンポはゆったりとしているが、終盤に怒涛の展開があって、ラスト
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ある子供(2005年製作の映画)

4.5


「ある子供」の物語。

盗みを繰り返し、金のために自身の息子まで売ってしまう青年。
そんな主人公を、徹底して客観的な視点から追っていく。

倫理的にはあまりにもアウトな行動を繰り返す青年だが、最後ま
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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

4.5


愛することは、戦うこと。
その相手は家柄かもしれないし、収入格差かもしれないし、価値観の違いかもしれない。

ゴージャスさの裏に隠された、そんな力強いテーマは万国共通のもの。
オールキャストがアジア
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

4.0


ハラハラして楽しいアトラクション映画。

いわゆる「ビックリ系」ではあるが、日常シーンの音が極端に少ないので、その相性はばっちり。

設定も細かくて、非常に良く出来た世界観。ディストピアとして楽しむ
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人生スイッチ(2014年製作の映画)

4.0


タチの悪いブラックコメディ。

オムニバス作品だが、監督も脚本も変わらないためテイストは同じ。

最後に持ってきた結婚式が傑作。それまで見せたシニカル劇は、すべてこの話を引き立てるための前菜。

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アフター・ウェディング(2006年製作の映画)

4.0


目は口ほどに物を言う。
視線の交差でみせる、家族の物語。

筋だけみると、いかにも昼ドラにありそうな、オーソドックスなメロドラマ。

ただ一線を画すのは、登場人物が語りすぎず、役者の表情とカメラワー
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ハッピーボイス・キラー(2014年製作の映画)

3.5


頭のネジが何本かぶっ飛んだサイコパス映画。悪趣味すぎる。

ライアン・レイノルズの少し頼りないキャラから、やばい奴に切り替わる瞬間が最高。オレちゃんよりイかれてる。

展開は胸糞悪いんだがポップでキ
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魔女と呼ばれた少女(2012年製作の映画)

4.0


紛争と神秘主義を絡めた異色作。

90分足らずの上映時間だが、少年兵問題やPTSDなど、紛争にまつわるヘヴィーなテーマが続くので非常に消耗する。

使用されている兵器は近代的なのに、呪いやお守りとい
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ウィ・アンド・アイ(2012年製作の映画)

4.0


登場人物たちを突き放して観たいけれど、できない。

「俺はこんなクズどもとは違う。」と内心思いながらも、バカみたいに振る舞うマイケルに感情移入してしまったから。

確かに10代の頃は楽しければなんで
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フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

4.5


なんて多幸感に包まれているのだろう。

一癖も二癖もある人々の営みを朗らかに切り取った、まさに「街そのもの」のような映画。

綿毛舞う春の街、いつも話を邪魔されてしまうおじさん、霧の街での社交ダンス
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クリープショー(1982年製作の映画)

4.0


オムニバスホラー映画。

アニメーションを併用したポップな演出や、80年代らしい音楽など、怖いというよりは非常に楽しい小話が続く。

ただ最後の話だけはロメロの面目躍如。他とは毛色が異なり、寒気がす
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シングルマン(2009年製作の映画)

4.0


生きる気力を無くした、ある男性が送る1日。

死のイメージに取り憑かれた彼の見る世界が、逆説的に美しく色づいているのが何とも皮肉。人は「死」を意識した時こそ、世界の美しさをより強く感じられるのかもし
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.5


恋愛の追求。
これほど「恋愛」という普遍のテーマそのものに踏み込んだ映画も珍しいと思う。

ジュールとジムは大親友。そこにカトリーヌが入り、歪な三角関係が形成される。
そんな一般常識から逸脱した恋愛
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