けんくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 25ページ目

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.0

見た後にどっと疲れが溢れた。。
それは何も上映時間の長さだけが理由じゃなくて、この映画の語る情報量の多さによるもの。

一人の少年とその周囲の行く末を、一貫した距離感からカメラが追っていく。
中学生く
>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.5

非常に血生臭くて暴力的な内容ながら、
妙に中毒性があり、何度も見返してしまう映画。

「ブレードランナー」や「攻殻機動隊」然り、20世紀後半に製作された作品で描かれている、ディストピア表現が凄く好き。
>>続きを読む

汚名(1946年製作の映画)

4.0

スリリングでロマンティックなサスペンス。

ヒッチコックの作品の中では、メロドラマ色が強めかな?
クロード・レインズが凄く良いと思ったら、「カサブランカ」のルノー署長、さらには「透明人間」の方だったの
>>続きを読む

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)

4.0

ストーリー展開やファッション、音楽、そして邦題に至るまで、男なら誰しも憧れるような「青春」を、ギュッと濃縮して閉じ込めたような映画。

リチャード・ギアが自然体で、いわゆる「カッコいい体育会の男」を体
>>続きを読む

私はゴースト(2012年製作の映画)

3.5

アイデアを凝らし、限られた素材と予算の中で、新鮮な面白さを創り出した秀作。

一軒の邸宅に取り憑いた幽霊が主人公。
彼女はなぜ成仏できないのか、霊媒師とともにその謎を解き明かしていくストーリー。

>>続きを読む

ラジオ・コバニ(2016年製作の映画)

4.0

度重なる戦闘により瓦礫と化したコバニの街。20歳のディロバンが友人とラジオ局を開き、人々に勇気を与えていく姿をとらえたドキュメンタリー映画。

考えてみると、たぶんこの子たちは自分と同い年。それにもか
>>続きを読む

パーフェクション(2018年製作の映画)

3.5

先の読めない展開と「完璧」な二重奏。
近年では珍しい、章立て形式で進行する映画。

まず前半、ゲロと虫にまみれた、バス旅行のくだりが最高にカオスで大興奮。
あの見知らぬ地で言語もわからない中、謎の病に
>>続きを読む

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.5

怒りや憎しみは、誰も幸せにしない。
きっと誰もが心の底では理解しつつも、一時の激情に身を任せてしまう。

個人の力で簡単に乗り越えられるような話ではなくて、この連鎖は一度ハマったらもう手遅れになってし
>>続きを読む

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

3.0

まったく意味がわかりません。
(わからせる気もないと思うのだけど)

冒頭で丁寧に釘を刺されているんだけど、正直想像力が叶わないので、簡単に現実に逃避はしてしまった。
(洗濯物畳みながら見てしまいまし
>>続きを読む

シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

4.0

ママ友同士の壮絶な心理戦を描く、コメディサスペンス。

さすがポール・フェイグだけあって、怒涛の下ネタに、ブラックジョークの嵐。

噂好きのママ友コミュニティ特有の不気味さと表面的な関係性を、良くぞこ
>>続きを読む

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

4.0

王道のストーリーと90年代という設定、当時の文化的背景が上手くマッチして、化学反応を起こしている感動作。

時代や年齢は違えど、「あの頃青春してたなぁ」と思うくらいの歳になった人にとっては、昔を懐かし
>>続きを読む

恋空(2007年製作の映画)

-

これは公開当時、小学生の自分が背伸びして友達と観に行った映画。
はじめて親の同伴なしに、子どもだけで観に行った映画だったってこともあって、凄く思い出深い

若干年頃だったので、親がいないのをいいことに
>>続きを読む

火花(2017年製作の映画)

4.5

芸人たちの苦悩を描きながらも、誰の人生にも通じるような、温かくて普遍的なメッセージ。

どんな世界や業界にも「成功」っていう言葉はきっとあって、それを手にすることができるのは一握りしかいない。

ただ
>>続きを読む

アメリカン・パイ(1999年製作の映画)

4.5

これは傑作。

個性的な登場人物たちと、くだらい下ネタの応酬で笑わせておきながら、親友4人組の友情や、王道の恋だったりとかも手堅く描き、青春映画としても良くできている。

この多幸感と最後に残る切なさ
>>続きを読む

アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

3.5

ウォーレン夫妻の史実を良いように利用して、もうやりたい放題ビックリ要素を詰みまくり。。

狼男まで出てくるあたり、作り手の欲張り具合がよくわかるw
(だってもうオカルトっていうかクリーチャー映画になっ
>>続きを読む

ファミリーズ・シークレット 秘密を抱えた家族(2009年製作の映画)

4.0

家族の程よいドタバタコメディ。

それぞれが抱える秘密の端緒が絡み合い、勘違いの上に勘違いを生み、暴走していく塩梅が絶妙で、非常に楽しい。

陽気で暖かい街の雰囲気と、クセが強めだけど不器用な善人たち
>>続きを読む

ロスト・アイズ(2010年製作の映画)

4.0

非常に良質なスパニッシュホラー。

進行性で失明していく病を抱えたヒロインが、同じ病気を患っていた姉の自殺をきっかけに、背後に誰かの存在を感じ始めるという映画。

二転三転するストーリーが非常に巧みで
>>続きを読む

オールド・ガード(2020年製作の映画)

4.0

デッドプール5人組のアクション映画。
不老不死で不死身集団の活躍を描く。

この映画はとにかくシャーリーズ・セロン姉御の魅力に尽きる。
惚れ惚れするほどかっこよく、思わずついて行きたくなるほどのカリス
>>続きを読む

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.0

たとえどんな荒波に飲まれようとも、人を救うかもしれない愛の物語。

本当に凡庸な表現だけど、色彩豊かな演出があまりにも美しく、まさにどのシーンも「絵」にできてしまいそう。。

「プレイリストムービー」
>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

4.0

「透明人間」という素材を、これでもかとばかりに活用し尽くした素晴らしいエンターテインメント。

実在を疑うパラノイアから、味方がいない絶望感、ヒリヒリするような心理戦に緊張感抜群の肉弾戦まで。アクショ
>>続きを読む

呪怨(2002年製作の映画)

3.5

今夜は「呪怨」祭り!
出だしから盛大な肩透かし??、かと思いきや後半に怒涛の畳み掛けがあった。

ある家にまつわる呪いを巡り、様々な登場人物のオムニバスとして進んでいく本作。
ただそれぞれの絡み合いが
>>続きを読む

俺たち ポップスター(2016年製作の映画)

4.0

もうこれはアイデアとキャスティングのベストマッチで、勝ちが約束されたような映画。もっと知られても良いと思う。

事前知識まったくなかったけど、「ザ・ロンリー・アイランド」というコメディアンが監督・脚本
>>続きを読む

バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

4.0

軽快かつ、シニカルで毒も効いた実録犯罪映画。トム・クルーズが役所にぴったしで、持ち前のチャーミングな魅力全開。(相変わらずかっこよすぎる)

CIA・麻薬王・その他司法機関の数々を手玉にとりながら、巨
>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.0

とにかく不快感しかないサイコ映画。
(もちろん褒め言葉)

カメラは丹念すぎるくらいに主人公の行動を追っていき、観ている観客は生々しい殺人現場を追体験させられる。
その殺人も特に動機がなく、本当に感覚
>>続きを読む

カサブランカ(1942年製作の映画)

4.0

愛と友情を描いた圧倒的な人間讃歌。

「自分のためにしか戦わない」なんて言っておきながら、どこまでも寡黙に、そっと弱き者の手助けしてしまう紳士。
こんな男になりたいものだ、、
「君の瞳に乾杯」なんて言
>>続きを読む

ミスター・ルーズベルト(2017年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ自分勝手で卑屈だけど、どこか憎めない主人公の暴走とささやかな成長。

生き辛いのは、もがいているのは自分だけじゃないし、自分の境遇を悲劇のヒロインみたいに悲観したって仕方がないということ。
>>続きを読む

ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

5.0

頻繁に映画を観ていると、まれに一目観た瞬間に、「これは好きだ」と確信してしまうような映画に出会う。
これがまさにそんな映画だった。

プロットは王道の「スター誕生」系のストーリーなんだけど、題材がカン
>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

4.0

十分過ぎる有終の美。

大枠はいわゆる「なめてた親父が実は殺人マシーンでした」系ではあるんだけど、そこはランボーシリーズということで、非常にハードコアで凄惨な展開になっていくのはさすが。

まあストー
>>続きを読む

ウォールフラワー(2012年製作の映画)

4.0

オタクが夢に描く理想のスクールライフ。

若干達観しているような主人公が、はみ出し者たちの集団で、マニアックな会話をして、そこに超美少女がいて・・
という日本のアニメのスタイルと似ている気がする。
(
>>続きを読む

サンダーロード(2018年製作の映画)

4.0

精一杯やってるつもりでも、どこまでも不器用で、やることなすことすべてが空回ってしまう人もいる。

そんな波乱続きの「サンダーロード」を歩む男が辿り着く「奇跡(?)」の物語。
殺伐としたタイトルらしく、
>>続きを読む

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷(2019年製作の映画)

3.5

期待値を決して超えてはこないものの、十分楽しめるホラー映画。

まず「殺人集団が本気で作ったお化け屋敷」というアイデアが良いし、その目新しさだけでなく、手堅い恐怖描写で楽しませてくれるのはさすが。
>>続きを読む

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

3.5

アメリカの差別問題が抱える根深さ。

黒人vs白人なんてそんな生優しいものじゃなくて、それぞれ黒人でも様々な立場があり、決して一枚岩ではない状況。
戦場で共に闘った、たった5人の同志ですら、同じ「血」
>>続きを読む

ペット2(2019年製作の映画)

3.5

ペットたちの愛くるしい日常と冒険の映画。

前作から引き続き、動物の習性を仰々しくも可愛らしく描き、現実感と非現実感の間で笑いを生み出すバランス感覚が上手い。
つい最近まで自分もペットを飼っていたので
>>続きを読む

残酷で異常(2014年製作の映画)

3.5

転生したら金玉破裂ババアに、自分の殺人現場を繰り返し見させ続けられる、という夢も希望もない不条理映画。

まず低予算映画独特の、この鬱屈とした空気感が堪らない。「トランスワールド」とか、最近見た「底な
>>続きを読む

検察側の罪人(2018年製作の映画)

4.0

派手さはないストーリーながら、キャスト陣の卓越した演技力と飽きさせない演出が冴え渡り、非常にスリリングで骨太な映画。

特にキムタクの役所、葛藤を抱えながらも覚悟を決め、自分をある種律して行動する姿が
>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

5.0

これはもう宝物みたいな映画。

過去の思い出を振り返ると、あの頃の日々や夢見てた未来が良かったなぁなんて思ってしまったりもするけど、人生を辿る中で選んで捨てて、決断してきた現在すらも愛おしいんだと教え
>>続きを読む