michiさんの映画レビュー・感想・評価

michi

michi

映画(102)
ドラマ(0)
アニメ(0)

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

刑事施設に収容される受刑者のうち約6割が再入者であり、その割合は年々増えているようです。

再犯者は出所後、社会における仕事と住居がなく、経済的困窮や、社会的孤立から再犯に及ぶ悪循環に陥っているという
>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.6

数学を志す人が真理を探究する素敵なロマンチストという像はよくありそうですが、テンポのよい演出は、日常の中へ少しだけ事件が起こると言った、現代小説的にささやかなストーリーを飽きさせずに、主演2人の絡み合>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

アメリカ人はあんなに家族を愛するのに、どおして人種差別のような理不尽さを実行できるのかと思うけど、素朴な保守性から来る、悪意や自覚の欠如した行為なんだろう。誰にでもその過ちの可能性はあって、この映画の>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.2

先週観た『グリーンブック』がまだ希望の持てるドラマだったのに対して、『ブラック・クランズマン』は人種差別の現在を観る側へ叩きつけて来く感じでした。

リベラルな政治家が「違いを認め合いましょう、多様性
>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.3

こんなに救いのない映画はアート系などでは見たことありますが、これほど大規模に上映された作品としては珍しい現象なのでは。あるいは時代の闇の深さが、ただただ共鳴したのかもしれませんね。

家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.9

もはや普通に暮らすことすら過酷であり、家族との時間は奪われ子供たちとはすれ違い。

流通労働の実態に搾取があり、病院で彼らは何時間も待たされ、客や患者、労働者や医師、どちらもイライラし続けスト
>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.3

離婚に関する弁護士たちのテクニカルさが、2人の気持ちを超えて展開しやがて翻弄されていく様が、長いセリフ運びと共に切実に迫ってくる映画でした。

朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

いやー、久しぶりに胸が締め付けられる素晴らしい映画を観ました。東京オリンピックは残念な顛末になりそうだけれど、この監督へ記録としての、アイロニカルな傑作にしてもらえたらなあ。

はちどり(2018年製作の映画)

3.7

商売で忙しい両親。父の期待が集中してプレッシャーから暴力を振るう兄。ヒリヒリした食事のシーン。激しく夫婦喧嘩をした翌日に仲良くTVを見る両親。

様々な理不尽への怒りや悲しみ、そして歓びなど心を動かさ
>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.8

自分が面白いものを徹底的に追求する、そこに読者がついてくる。SNSなどの媒体が変わっても、結局は楽しんでる人の周りで楽しいことが起こってるって話。

どんな分野にも言えることで、そんな映画を見ることで
>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.3

久しぶりに映画的な良作で、恋愛ドラマとしては不気味すぎて、差し込まれる震災と償いのようなボランティア、そして恐ろしい海の描写。演劇のような間で棒読みなのに深く入ってくる感じと、見えなくなるほどの遠景カ>>続きを読む

しあわせはどこにある(2014年製作の映画)

3.0


フランス人精神科医の小説「幸福はどこにあるー精神科医ヘクトールの旅」を元に映画化。これは心の健康を維持するためのメソッドを学ぶ旅でしょうか、、サイモン・ペッグが良い。

嗤う分身(2013年製作の映画)

3.1

存在感の無い主人公の前に、ある日自分とそっくりで性格の正反対な男が現れ、気になる人や社会的地位まで奪われて行く。昭和歌謡や無機質な演技、独特なライディングが面白い。

さよなら、人類(2014年製作の映画)

3.4

中心をずらした固定カメラ。役者の表情も分からない広角アングルの長回し。絵画的なインテリアと、窓の先の広大な荒野。全てスタジオ撮影。シュールな映画!。

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.6

ノーカントリーのアントン・シガーのように狂気に満ちた目で、映像の緊張感はキューブリックを思わせ、あらゆる点で闇の深さを感じさせる凄い作品!。

ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.6

虐待の被害者はトラウマを語れない、加害者へ怒りを向けることも出来ない、どれほど人を無力にさせてしまうのか。自身の経験と調査から監督・脚本を行い、主役はSkypeを通じたオーディション、演技経験の少ない>>続きを読む

マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

3.9

すごい感動したとか、絶対観てね、なんて言いたくなる作品じゃないけど、この安定感とワクワク感の絶妙なバランスはなんでしょう。主人公と目を合わせずトランプしながら語る叔母の聡明さなど、会話の妙技がいつも興>>続きを読む

ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

3.4

ビーチ・ボーイズ成功の裏でこんな悲劇があったなんて驚きでした。精神の崩壊した60年代と、ソロ・アルバムを出して復活する80年代を交互に描く秀逸な構成で、2つの時代がシンクロする人生の不条理さがなんとも>>続きを読む

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.2

映画としても素晴らしい作品ですがキューバ料理がめっちゃ食べたくなりました。どこですか?美味しいキューバ料理があるのは?w。

フランス、幸せのメソッド(2011年製作の映画)

3.6

デイトレーダーが儲けのため戦略的に工場を倒産させた。1200人の従業員は路頭に迷い、自殺未遂を図ったひとりの母は気を取り直しパリへ出稼ぎに。家政婦として出会った富裕層の男性はそのデイトレーダーだった、>>続きを読む

君が生きた証(2014年製作の映画)

3.9

単純に音楽映画としても素晴らしいけれど、映画における「感情移入」とはなにか、について深く考えさせられる作品でした。

それは年齢や社会環境の親近性からくる「共感」と違い、まったく立ったことのない状況へ
>>続きを読む

ムード・インディゴ うたかたの日々(2013年製作の映画)

3.7

悲劇の末路を予め感じさせるボリス・ヴィアンへの作品愛が支える映像表現で、耽美でグロテスクな描写は、まるで現実が奇形な生物で人はその背景であるかのようでした。

海街diary(2015年製作の映画)

3.9

もはや家族ドラマを描かせたら小津安二郎の域にまで、食事、風景、法事、それぞれに印象深いシーンばかりでした。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.9

最初から最後まで突っ込みどころ満載で全力投球な映画でした。面白かったー。

サンドラの週末(2014年製作の映画)

3.8

自分達のボーナスか同僚の解雇か、理不尽な選択を強いる経営者、翻弄し抗う主人公。これは不況にあえぐ会社か、社内連帯という持続的な生産性の確保か、富の再配分が機能不全を起こしているシステムか、はたまた世界>>続きを読む

ヒポクラテスたち(1980年製作の映画)

4.0

医学部生達の青春偶像劇。この映画を見ていると、学生時代の思い出にひたってしまう。それが全く違うものであっても、そこに流れている進撃さ、残酷さ、愛おしさのようなものが青春そのものであって、その言葉にしっ>>続きを読む

ミュンヘン(2005年製作の映画)

4.4

スピルバーグの映画、『ミュンヘン』を見てから気になって中東問題に関連した本を3冊目読んだ。

アーロン・J. クラインの『ミュンヘン』は映画の原作、『標的は11人』とは異なった視点を提供するもののよ
>>続きを読む

めがね(2007年製作の映画)

4.1

その島に訪れた客が2人だったことは、オープニングに示唆されていたけれど、まるで時差を経た同一人物を描いているかのように、似ていた。

カキ氷を断る出会いから、自転車に二人乗りする中盤、そして赤いマフ
>>続きを読む

はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.1

ニューヨークの街なかでレコーディングする映画のハイライトで、音楽の魔法がありきたりな街の喧騒を美しい世界に変えてくれると言う。

けれどそれは音楽だけの素晴らしさではなく、日常の風景として、ありきたり
>>続きを読む

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

3.3

富豪が金メダリストを精神的に蝕んで行く過程が静かに描かれています。広大な国土や空虚さと共にアメリカ自身の狂気として見るようでした。

メビウス(2013年製作の映画)

3.6

性の衝動が、ただ悪夢と悲劇を生むだけだと言わんばかりに、煩悩への嫌悪に満ちた映画。言葉としてのセリフはなくうめき声のみでここまで見せる。相変わらず問題作ばかりな監督。

セッション(2014年製作の映画)

4.4

ついに見た、常軌を逸した指導と狂気で立ち向かう生徒。見る側をその憑依された内面の共犯者のように緊張感で包む恐ろしいエンターテイメント!。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.7

長回し風な演出や音楽の使い方、とてもカッコ良い映画だったけれど、結局は現実感の境界を曖昧に描く手法が演劇などより弱いというか、そこは映画の限界なのだろうか。

幕が上がる(2015年製作の映画)

3.8

まるで演出のイロハを見るように演劇的な楽しさに満ちた内容で、アイドル映画という興行目的から映画自体の演出に残念な部分はありつつ、とても面白かったです。

プリデスティネーション(2014年製作の映画)

3.6

SFが切ないのは、描かれるのが常に科学的理想主義の先に露呈する人間の実存的な脆弱性だからでは。

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

4.0

海から山へと、なんとも優雅なロードムービー。こんな生き方出来る人が多ければ派遣切りなんて悲壮になるばかりじゃないのかも。強さを感じる放浪に見えたが一方で、行く場所ごとにかかわる人たち全てに対して打ち解>>続きを読む

>|