木さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

4.0

たわいもない設定のバタ臭いコメディだが、舞台が南北朝鮮の軍事境界線界隈というのが俄然面白い。南北の人間ドラマ、カルチャーギャップなども交えつつ、コメディの定石をしっかり踏まえた良品娯楽作品。

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.8

ディザスター、サバイバルもので、さすがの韓国映画、見応え十分。ただ、エピソードの手数が足りず、もう一つドラマが盛り上がらず。
イ・ビョンホンが祭り上げられていく様がリアル。

ナショナル・シアター・ライブ 2023 「オセロー」(2023年製作の映画)

4.2

現代社会に置き換えた「オセロー」、辛辣でヒリヒリ痛く。スタイリッシュな演出も見事。

ミザリー(1990年製作の映画)

3.8

キャシーベイツの純粋な思い、時折可愛らしく見えるところがあって、そういうところも含めてうまいなあ、と思う。ジェームスカーンももちろん良い。
ロブ・ライナー、なんでもこなす職人監督。

水のないプール(1982年製作の映画)

4.0

内田裕也の狂気性は、これがいちばん。
中村れいこが美しすぎて。

人間の條件 第1部純愛篇/第2部激怒篇(1959年製作の映画)

4.5

日本映画黄金期らしい骨太の重量感ある戦争映画。圧巻。
気高き中国人捕虜に宮口精二、素晴らしい。

サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.0

オーソドックスな復讐ホラー。
クライマックスはあっけないし、謎解きやスプラッター具合、遊びも足りない。
意外とフツーで、可もなく不可もなく。

スモーク(1995年製作の映画)

4.2

アメリカ文学の味濃い、味わい深い人情譚。
ウィリアム・ハートにナイーブで繊細な役柄を演じさせるとピカイチ。

にっぽん泥棒物語(1965年製作の映画)

4.2

三國連太郎のセリフの7割は(方言で)何を言っているかわからないけど、映画はべらぼうに面白い。社会派喜劇。

人魚伝説(1984年製作の映画)

4.0

原発利権関係者を片っ端からブッ刺していくという、ぶっ飛んだ痛快なクライマックス。公開時は、大して話題にならなかった(と記憶してる)が、忖度だらけの今なら、公開すらできなかったんじゃないか。

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.2

30年以上前に原作を読んでましたが、なぜ今更? 見てわかりました、今こそ必要な作品だと。日本アニメ映画の良心ここにあり、「この世界の片隅に」に引けをとらない素晴らしい作品です。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

敗戦を色濃く引きづっている水木の心情が作品を引き締めている。ミステリーとしても面白く、程よくオカルトタッチでバランスも良く、反戦映画としての軸がしっかりしているので見応えがあった。佳作。

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.5

青春映画としても逸品ながら、どの世代からの鑑賞にも耐えうる一級の人間ドラマ。詩情溢れるラストはたまらない。
スティーブ・ヴシェーミが素晴らしい。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.2

21世紀も20年を過ぎ、ここに来て異形の西部劇が見られるとは。ここまで隅々まで丁寧に作られた映画は久しぶり。欠点が見当たらない完璧かつ余韻と詩情溢れる作品。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

カウリスマキの新作を観られる幸せ、しかも今回は終始ロマンチックで哀愁が漂っていて。チャップリンの映画のようだなあ、とウットリして見ていたら‥。なんとステキなラスト。至福のひととき、最高でした。

ロシ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

役所広司がわけありトイレ清掃員を演じていて、「人間の幸福」をじんわりと味合わせてくれる良作であることには異論はないけど、巷間言われているとおり、「キレイな」トイレばかりであることに違和感を覚えざるを得>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.0

設定の「ウソ」のつき方が今ひとつなのと、中盤のもたつきでなかなかのれず。
主人公の行動やその動機にも無理があるかなあ。
ラストは唸りました。

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

一歩間違えると、どうでもいい若者たちのどうでもいい三角関係話だが、巧妙で気高い演出と、役者陣のうまさと、それと舞台である函館だからこそ成り立つ透明感のある映画に仕上がっている。
三宅監督、目が離せない
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怪物の木こり(2023年製作の映画)

2.8

悪い方の三池崇史。
原作未読だが、原作の面白さを少しも映像化できていなさそう。全くワクワクするところがなかった。

そもそも、サイコパスをしっかり定義してほしい。

フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.0

雄大でどっしりとしたパワー溢れつつ、詩情もあり。CGない時代だからこそのスケール感。ロマンチックな「地獄の黙示録」

CCはこのころまさしく女盛りでとてもキレイ。

市子(2023年製作の映画)

3.5

ありそでなさそうなテーマを扱った社会派ドラマだが、もう少し各人物の掘り下げが欲しかった。演出に冗長さも感じた。

若葉竜也の優しく抑制の効いた芝居が良い。中村ゆりはもっと自分に合った役があるだろうに、
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

2.8

ハロウィンリブート3部作の快調ぶりも記憶に新しいゴードングリーン監督だっただけに、このリブートはガッカリ。ドラマが弱いし、クライマックスの盛り上がりも全くない。ダメさ加減ばかり目立つ。

過去作とのつ
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.8

クラシカルな装いながら、現代的なファクターもあり、毒気もあり、イザベルユーペルの余裕綽々な怪演あり、で、とても楽しい一編。
このところのオゾン作品、どれも面白い。こんなに達者な人だったんですね。

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

迫力は満点だが、人間ドラマがひたすら希薄。リドリースコットだからなあ、と思うしかないのか。

別にナポレオンに固定イメージを持っているわけではないが、彼の描写に違和感を覚えた。

(2023年製作の映画)

3.8

思い切り時代劇アウトレイジで楽しい。北野ブルーも美しく、残酷さが際立つ。意外に戦闘シーンが迫力あって、拾い物。
良くも悪くも北野映画の集大成で、異色の時代劇。アウトレイジのときには感じなかった「胃もた
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ほかげ(2023年製作の映画)

4.2

「ゴジラマイナスワン」と同じ戦後を描いたものだが、こんなに重量感が違うのか。
全編ヒリヒリするような緊張感が続く、「野火」と対をなしているような塚本流反戦映画。趣里がやはりここでも好演、圧倒的な存在感
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.5

音楽映画としても、青春映画としても一級品。3時間の長尺をものともしない、岩井俊二の力強く繊細な演出力。アイナジエンドの瑞々しい生命力に見惚れ、松村北斗の好演も光る。
3つの時間軸を展開させる構成も見事
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軽蔑(1963年製作の映画)

3.8

4Kにて。
美しい映像、淡々と流れる時間、その中で繰り広げられる哲学的な痴話喧嘩。衰退していく映画産業への憂いも感じる、比較的ビビッドなゴダール。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.6

ドラマ部分が弱いが、それを補って余りある画力の強さ。セットもCGもリアルで、見事な場面が連続する。これだけでも充分に観る価値アリ。

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.3

瞬間移動アクションとか、大量の猫出演とか、いきなりのミュージカルとか、マーベル新機軸の場面も多く、最近珍しい2時間以内という尺も相俟って、飽きずに楽しめる。食傷気味のマルチバースが無かったのも良かった>>続きを読む

花腐し(2023年製作の映画)

4.3

荒井晴彦、ここに来てこんなに瑞々しい青春回顧譚を撮るとは。ロマンポルノへの愛も込められ、全編ノスタルジックで感涙にむせぶ。令和の時代に、という声もあろうが、開き直った荒井節が心地よい。笑っちゃう楽屋オ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

相模原障害者殺傷事件をモチーフにした非常に重たく辛い内容。人間の尊厳を問う力作だが、全て台詞で処理してるかのような印象で残念。掘り下げも不足。石井裕也、演出力はあるのに、説明過多がいつも惜しい。
宮沢
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リゾートバイト(2023年製作の映画)

3.8

とにかくアイデアで勝負、という心意気がたまらなく感動的なホラーコメディ。
「きさらぎ駅」よりお笑い要素強めで楽しめた。観なくても痛くも痒くもないたわいもない映画だけど、こういうプログラムピクチャー的娯
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