Inpoolさんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

非常に難しい。
映画というよりドキュメンタリーを観せられているような造りになっていて、あらゆる可能性を残したまま物語が終わる。
正直主人公のサンドラには全く共感出来ないし、徐々に心が辛くなってくるので
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.9

初のヨルゴス・ランティモス作品。
一見奇妙でファンタジーな世界の物語に見えるが、それはベラの目を通して描かれる世界だからであり中身は一貫して人間社会の物語であると感じた。
道徳、倫理、常識あらゆるもの
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.1

お仕事系映画は無条件に面白いと感じてしまう。
アニメを成功させるには良い作品を作ればいいというだけではなくて、やりたくもない宣伝や演者とのコミュニケーションなどクリエイティビティ以外の要素も大事になる
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.2

非常に男を感じる映画。冒頭のクソどうでもいい無駄話もその後のオープニングカットも、オレンジとホワイトの友情もどれもかっこいい。
あれだけ限定された舞台設定でストーリーを2転3転させていくのは流石タラン
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.6

シンプルなストーリーではあるものの、夢を叶える者の物語というのはどうもグッときてしまう。
もちろん主軸はヤンの物語なんだけど、それと同時にジャックの物語でもあってこの2人の関係性の描かれ方がとても良か
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

おそらく最初で最後になるかもしれない、劇場で観る宮崎駿作品。
ヌルヌル動き出す魅力的なアニメは間違いなくジブリそのもので、ずっとスクリーンに釘付けだった。
ジブリ映画はフィクションであるけれど本当にそ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.1

好きなゲームを夢中でプレイしてたらいつの間に2時間経ってた…を味わえる映画。めちゃくちゃ馴染みのあるキャラクターがスクリーンいっぱいに映されるだけで無条件にテンション上がるよ。個人的ハイライトはやはり>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

冒頭からとんでもない情報量、とんでもない突飛な展開、2時間越えという時間も相まってかなりの疲労感を抱えて映画館を出た。マルチバースから隣人愛へと繋がっていくのは面白いし画的にも素晴らしいんだけど少し冗>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.3

違和感が積み重なってとんでもない結末に転んでいく映画。人種差別をテーマにした映画なんだけどもそれを更に超えていく様な真相には驚愕だった。セリフひとつ取っても何処か引っ掛かって違和感のあるような、こんな>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.4

懐柔している、手懐けている、調教している、そう思い込んでいる者に対して痛快な一撃を食らわす映画。映画というより寓話を体験している気分だった。とにかく何かやばいことが起こる感じが好きなので飽きることなく>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

サスペンスのような展開を見せるが結局は支配欲を監獄まで持ち込んだ殺人鬼の娯楽。出会う人々だけでなく観客までも終始阿部サダヲに振り回される。所々ツッコミどころはあるもののエンディングまで張り詰めたあの緊>>続きを読む

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

夫婦の怖さと映像の怖さを知った。結局情報に流されて批判し情報に流されて賞賛するのが人間。理想の夫婦という型を作ってしまえば誰もがそれを信じ、マスコミが煽れば大衆もそれに傾く。エイミーの育った環境、性格>>続きを読む

SING/シング(2016年製作の映画)

3.4

法を犯す楽観コアラの不祥事を音楽の力で何とかまとめている。アニメとしての小道具の描写が面白かった。

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.1

1本の映画として綺麗に終わってくれる正統派アニメ映画。純愛VS大義という激アツバトルはやはり盛り上がる。呪術は本当にキャラが良い。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

非言語コミュニケーションの物語。自分の車を人に運転させるのもコミュニケーションのひとつ。そういう意味でさつきは家福の心を徐々にほぐしていったのだと思う。感情に正直に生きる高槻と感情に嘘をつき続けた家福>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.3

退屈とも思える前半のホラーパートと、一転して急展開を見せる後半パート。よくこのアイデアで1本映画を撮ったなと感心してしまった。ポスターのセンスとは裏腹の脳筋アクション映画。

空白(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

登場人物それぞれに隔たりがあり、重ならない。本質を見ないまますれ違うコミュニケーションの数々。終始重たい雰囲気が漂う映画だが、終盤にかけて成長し少しだけ重なりを見出す。失ったものは戻らないが、人と人と>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.1

おそらく今年度最も掴みが最高な映画。一人一人キャラクターが生きているし、それぞれの正義を持っているのがまた良い。悪趣味全開、ゴア描写満載、R15のフルパワーを見せつけられたイカれた作品。

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも作り込みが甘い脚本によりマイナスがプラスを上回ってしまった映画。「ネットの匿名性による当事者意識の薄さ」を批判したかったのだろうがストーリーが如何せん雑。冒頭の母の救助と終盤の主人公の救出を>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

復讐劇エンタメ映画にしては悲しすぎるラスト。学生時代から時が進んでいない主人公と社会に馴染む加害者の対比が切ない。男社会の現実を等身大で描き、女性の復讐劇をエンタメで終わらせない脚本には感嘆したが、「>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

作中の映画「Meister」のストーリー、本映画のストーリー、そしてこの映画の制作サイドのストーリー、全てが"重なる"映画。映画という作品の中に自分を見出し、原作には無いシーンの追加撮影に踏み切るシー>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.4

2時間半にも及ぶ重厚な物語ながらも様式美で魅せられるクラシック映画。映画冒頭のドンが相談を受ける場面から始まり情が因果を織り成す完成されたストーリー。とにかく対比が上手く使われていて、それがマフィア映>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.4

『Godzilla vs. Kong』予習の為鑑賞。終始人間達がわちゃわちゃしているが、そんなの関係ないと言わんばかりの怪獣共のお祭り騒ぎ。『シン・ゴジラ』のような何考えてるか分からない化け物ではなく>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.6

ヒューマン×ホラーという新しいジャンルの映画。おそらくストーリー自体は単純だが、編集、装飾、演技等でとんでもないクオリティの作品に仕上がっている。それにしてもどのシーンを信じればいいのか分からないし、>>続きを読む

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

タイムリープがアメリカの歴史を反映しているという皮肉的な作品。隔たる世界の2者は対話を持ってしても解決しないという絶望。彼女が中盤言っていた、殺されるならこっちから殺るというセリフが如何にこの問題が難>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

25年という長い年月をもって迎えられたシン・エヴァンゲリオン劇場版:||。ここまで綺麗にまとめられたのは凄いとしか言い様がない。村パートでの綾波(仮)の全肯定をもって大人になったシンジが虚構と現実を融>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.0

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||予習の為鑑賞。シンジくんと共に困惑しもがき苦しむ1時間15分。過去作の比にならない説明不足と張り巡らされる謎。なのに目が離せずそのグラフィックに圧倒される。罪を償うつ>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.6

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||予習の為鑑賞。前作に比べるとキャラの心情に変化があった為か一人一人の個性に魅了される。と思った矢先になだれ込む鬱展開。アスカやマリといった新たな登場人物だけでなく謎も>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.8

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||予習の為シリーズ初鑑賞。駆け足で世界観について行きつつ大人の説明不足な理不尽さにムカムカ。「あ、シン・ゴジラで聴いた曲!」という高揚感と共に始まるヤシマ作戦。如何にも>>続きを読む

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.7

ずっと重く息苦しい展開。聖職者としてタブーに塗り固められた主人公のダニエルだが、彼に救われる村の住民。善悪が2転3転し、価値観の置き場所に困る映画。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.6

上映中の体感時間がこんなにも短い作品は今まで無かった気がする。轟音と画力のパワーに引き摺られる120分。脳死で観られる狂った映像群にアドレナリンドバドバ。

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

東京を舞台に階層の違いを丁寧に描いた良作。冒頭の会食シーンから、家族の話し声を背景に置いた華子の表情とタイトルアップまで完璧な流れで感服。悪役や争い無しに階層間の感覚の違いをここまで描けるとは。主役2>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

三上という人間像にこんなにも説得力を持たせる役所広司の凄さ。脇を固めるすばらしき世界の住民。純粋であるが故に感じる社会の残酷さと優しさの表現にこんなにも胸ぐらを掴まれるとは思わなかった。三上がサッカー>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.7

3つの時代で顔の造形が変化する綾野剛の演技力に圧倒された。ヤクザの世界観を堪能できた1999年と2005年の舞台に打って変わって2019年の世界があまりに残酷で観てられない。鑑賞後の足取りが重くなる映>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

劇中に出てくる小道具の使い方が本当に上手い。グラデーションのように落としていって最後に色の違いを見せつけるような演出には涙が止まらず暫く引きずった。細部までリアルに拘った色んな意味でのサブカル殺し映画>>続きを読む

ダニエル(2019年製作の映画)

3.7

終盤になりどんどんB級感が増すスリラー映画。ただ普通に音楽も映像も良かったし、シュワちゃんの息子はシュワちゃんしてた

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