タバコをスパスパ吸うジーナ・ローランズが出ていること以外、これまで観てきたカサヴェテス作品と毛色がだいぶ違っていて驚く。
それでもこの時代にこのハードボイルド的な強い女性像は、このコンビだからこそ生み>>続きを読む
カサヴェテスらしい、まさしく俳優のための映画だなと感じた。
女優としての神経症気味な苦悩と解放を「こわれゆく女」並の鬼気迫る演技で表現したジーナ・ローランズがやはり凄まじい。
圧倒的なライブ感で見せ>>続きを読む
プロットとか映像の質感とか思いっきりフィルム・ノワールなんだけど、全然そっち方向に行かない変な映画。
盛り上がるはずの銃撃戦やマフィアとの戦いもアッサリだし、敵側のナンバー3みたいな端役を延々と映す追>>続きを読む
身を削るようなジーナ・ローランズの演技、というか演技を超越したような立ち居振る舞いが凄い。臨場感のある撮影と相まって、とにかく心を揺さぶられた。
情緒不安定で危なっかしいけど、子供への愛情は揺るがない>>続きを読む
監督が自宅を抵当に入れて撮ったらしいけど、その低予算ゆえか俳優陣の演技にすべてを賭けて、それがバチッとハマっている感じ。
薄っぺらい酔っ払いトークの中、誰かの一言で急に酔いがさめる感じ、ふと真顔になる>>続きを読む
モノクロのニューヨーク、ミンガスの即興演奏、アドリブでセッションを重ねるような若者たちの生き生きとしたやり取り。うーん、かっこいい。
革ジャンの似合う次男のベニーが好き。アホな友達とつるみつつ、冷静>>続きを読む
自分も含め、ぐったりした表情で劇場から出る人多数。それでも観てよかった。
大分わかりやすいというか、見やすく作ってあるけど、この作品の意義を考えたらそれで正解なんだろうな。被害者だけでなく加害者一人>>続きを読む
フランス映画のような雰囲気をまといながら、お洒落に全振りせずエンタメ要素も多かったり、サスペンスの気配が高まると突然シュールな笑いをぶっ込んできたりする独特な映画。掴みどころが無くておもしろい。
脚本>>続きを読む
「スイス・アーミー・マン」の監督だしきっとヘンな映画なんだろなと思ってたら、さらに輪をかけて尖っていた。
ナンセンスな笑いはそのままに、より映像表現の面白さに振り切った感じ。クセのあるアクションも楽し>>続きを読む
ノスタルジックだけど普遍的な家族の風景。
登場人物みんなキャラが立っていて、ユーモアのあるやり取りがいちいち楽しい。小津監督作初期の人情コメディっぽさもある。こういうの得意なんだろうな。
家族内の空気>>続きを読む
同時期の「晩春」や「麦秋」の影に隠れて目立たないけど、なかなか面白い。
後半の展開は意外とドラマチック、そして「風の中の牝鶏」を思わせるバイオレンス描写も。そんな物語にハマるのはやはり田中絹代。やや不>>続きを読む
世の中にはいろんな人間がいるけれど、ロバの目から見れば愚かでくだらない者ばかり。
なんとなく牧歌的な映画と思って観たけど、ひたすら陰鬱。キリスト教的な「受難」という言葉が頭に浮かぶ。
修行のような映画>>続きを読む
村の男たちによって行われた凄惨な犯罪についてはモノローグでさっと説明し、尺のほとんどを納屋での話し合いに費やす思い切った構成。ルーニー・マーラをはじめ実力派キャストの芝居と、家族や将来を考えるからこそ>>続きを読む
ウェス・アンダーソンにしか撮りえない舞台セット、構図、色彩、カメラワークをひたすら愛でる。相変わらず豪華なキャスト陣、50年代を再現した衣装や音楽。このあたりは引くほど完璧。とにかく観ていて楽しい。眼>>続きを読む
クローネンバーグ久々の人体変容SF!
冒頭のバケツやら謎の吊りベッドやらで思いっきり困惑させてくれるのでゾクゾクする。
セリフは何言ってるんだかサッパリ理解できないんだけど、画の強さに引き付けられて退>>続きを読む
ちょっとどうかしてるくらいヴィゴ・モーテンセンが格好良い。凶暴かつスマートな色気がダダ漏れでクラクラしてしまう。
ロシアン・マフィアの人身売買に切り込んだストーリーも、数多くのギャング映画とは一線を画>>続きを読む
全体的に楽しく観れるし面白い。
ただ元々B級っぽさに溢れるシリーズだから野暮なツッコミはしたくないけど、今回のトンデモ具合は突き抜けている。悪名高い冷蔵庫のくだりはどう反応すればいいのやら。
1作目>>続きを読む
アクション的な面白さはそのままに、ドラマとしても綺麗にまとまってた印象。
インディの父親役としてショーンコネリーが出演していることもあり、スピルバーグが撮った007みたいな趣がある。ヒロインもボンドガ>>続きを読む
わかってはいたけれど、文句のつけようがないクオリティ。視点によって無数の"真実"が生まれるということを突きつけられる見事な構成だった。
役者もみんな良い。特にメインの子役2人が輝いていた。
いくつか>>続きを読む
特訓を経てバレエダンサーになりきったナタリー・ポートマンに圧倒される。
表現者としての高みを目指すほどに精神的に追い詰められていく様子と、じわじわ目覚めていく狂気。それを現実と幻覚が入り混じる演出で見>>続きを読む
インディ・ジョーンズといえば洞窟とトロッコ!というイメージがずっとあったんだけど、多分子供の頃にテレビでこれを観たからだろうな。うっすら覚えてる。
1作目と比べるとジメっとしてるけど、アドベンチャーと>>続きを読む
超有名作を初鑑賞。
やたらクオリティの高いB級映画って感じで最高だった。
もったいぶらず即始まる大冒険に興奮し、大学パートではかっこよすぎるハリソン・フォード教授にクラっとくる。
その後も乱闘あり銃>>続きを読む
青い空と煌めく水面と愛おしい笑顔。なんの事件も起きない、父と娘の親密なバカンスが淡々と続く。
なのに観ている間、小さな不安のようなものがずっと拭えない。
それはソフィとカラムのちょっとした表情、しぐさ>>続きを読む
びっくりするほど山場が無い。
山場を切り崩してゆるい丘にして、その上をイーストウッドお爺ちゃんがえっちらおっちら歩いている感じ。
間延びすることを恐れない中盤のマッタリ具合といい、齢90を超えてもまだ>>続きを読む
観てから数日ずっと頭に残る素晴らしい映画体験。
大胆かつ格調高い構図と、極上のホラーのような音響の上で、そのカリスマ性を炸裂させるケイト・ブランシェットに圧倒され続ける2時間半。
こんなんケイト様じゃ>>続きを読む
待ちに待ったショーン・ベイカー監督の新作は、これまで以上に倫理的にギリギリのラインを攻める問題作。
なにしろ未成年をポルノ業界に勧誘するのである。
そしてそのストロベリー嬢の魅力が半端じゃない。ある意>>続きを読む
戦乱の世の真っただ中で、生と死と欲望が美しく混ざり合う。
田中絹代が素晴らしかった。庶民的でありながら気高く、愛情と温かさに満ちた宮木の役が本当によく似合う。すっかり彼女に気持ちが入りながら観ていた>>続きを読む
戦後3年ほどでここまで東京が復興していたのかと驚く。もちろん敢えてそういう場所だけ映しているんだろうけど。
洋風の街並み、ショートケーキ、コカ・コーラの看板。当時GHQの占領下であったことをさりげなく>>続きを読む
ナタリー・ポートマンの丸刈りが印象的なサスペンス・アクション。
ナチスドイツや現代ロシア、もしくは『1984』を彷彿とさせる独裁国家の監視社会においても、人々の理念は決して死なない。そのことが、仮面の>>続きを読む
さくっと観られるサスペンス・エンタメとして面白い。
じわじわ溜めてから副料理長の「混乱」をぶちこんだり等、緩急のつけ方もいい感じ。急にゆるい鬼ごっこ始まったりするし。
セレブや評論家、意識高いユーザー>>続きを読む
めっちゃ長い(3部作で計8時間)けど最高に面白い。
GET BACKセッションは険悪だったと言われていたけど全然そんなことなかった。
もちろんギスギスする場面もあるんだけど、大半はおどけたり、笑い合っ>>続きを読む
体験型ドキュメンタリーと言われるのも頷ける、親切なナレーションやテロップを排して膨大な映像のコラージュとボウイ本人の言葉のみで構成されたアシッドな作品。ひたすら音と映像を浴びせられる。ごちゃごちゃして>>続きを読む
現代格差社会への痛烈な批判と風刺が詰まった汚物まみれのタイタニック。
オストルンド監督の意地悪な切れ味はそのままに、よりエンタメとして開かれた作品になっている印象。
中盤の阿鼻叫喚ディナーも振り切って>>続きを読む
内気な少女が友情を育んでいく学園モノを思わせながら、一気にスリリングになる冒頭から引き込まれる。
社会から疎外されるマイノリティ同士でも、それとどう向き合って生きていくかはそれぞれ違う。
だからこそ>>続きを読む
渋い犯罪メロドラマと思いきや、実に変な映画だった。
後半はすっかりストーリーを追うのを諦め、突っ走る二人の熱量に置いてけぼりを食らってしまう。
それでも「あなたの未解決事件になりたい」「完全に崩壊しま>>続きを読む
おもろすぎる。公開当時劇場で観ておくべきだった。
なんかただの変態映画だと思ってスルーした記憶がある。いや実際に変態映画なんだけども。それだけじゃなく二転三転するミステリー展開とWキムの魅力に心を奪わ>>続きを読む